街角の鉱物観察
対象年齢:小学校中学年以上。
おとながデモンストレーションするなら,小学校低学年からOK。
日本と言う国は,とにかく建設工事が好きな国です。
なにしろ,この狭い国に,アメリカよりもたくさんのコンクリートや鉄骨が使われるのです。
街の中にも,どこから運んできたのか,いろいろな土砂や砂利が,建設工事に使われています。
……と言うことは,街の中でいろんな場所の岩石や鉱物に出会えるチャンスがあるわけですね。
【用意するもの】
ルーペ(虫めがね),岩石や鉱物の図鑑などがあると良いのですが,手ぶらでもOK!
【観察しよう】
とにかく,外に出かけましょう。
石をさがす場所は,たとえば工事現場の近くとか,砂利をしいてある駐車場など,いろいろな場所が考えられますが,危険な場所には行かないこと。また,だれかの土地に,だまって入るのもいけません。どうしても入りたいときは,その場所を管理している人にことわってから,観察しましょう。
近くに川があって,河原の石が拾えるようなら,行ってみましょう。
☆我が家の近くの鉱物を探してみました。そのようすを紹介しましょう。
花崗岩(かこうがん)のなかまは,いろいろなものに使われているので,よく見つかります。
石灰岩(せっかいがん)ですね。山から運んできた石でしょうか? これも多かった。
同じ石灰岩でも,白く見える結晶構造の部分もあります。こういうのは「大理石」(だいりせき)と言うほうがいいかな。
大理石でも,特に結晶の大きいのは,こんなふうに四角く割れます。「方解石」(ほうかいせき)と言います。
「あ,キラキラ光る石!」……こういう石は子供たちに人気があります。
ガラスのような透明感は,石英が多く含まれているためのようです。
……このほかにも,いろいろな石が見つかりましたが,みなさんのおうちの近くでは,どうですか?
【もう少し観察してみよう】(ちょっとくわしい説明)
日本は流通の発達した国ですね。石を拾っていると,そんなことも感じます。少なくとも我が家の近所から石灰岩の産地までは,近いところでも100km以上離れているんです。思わぬところで子供たちにとっては「お宝」になる石が拾えるかもしれません。
せっかく見つけた大理石。ひとつ,もらってきて,紙やすりで磨いてみました。
……ほら,結晶構造が,良く分かるでしょ。
本格的にやるなら,薄い切片を作って,偏光顕微鏡で観察したりすると面白いのですが,それは,学校の科学クラブなどで,それなりに道具をそろえて実施してもらえると,良いと思います。家庭で出来るのは,あまり固くない石を紙やすりで磨き上げるぐらいです。それでもこの石,子供たちは大喜びでした。
最近では人造大理石が多くなりましたが,ちょっと昔の建物だと,天然大理石を使った柱や敷石などがあります。そう言う大理石がある場所を見つけたら,石の中に化石が入っているのが見つかることがあります。最近では,こうした「街の中の化石」を紹介するガイドブックも出ていますから,大きな本屋さんで探してみてください。
☆おまけの実験!
大理石を磨いたときに,石の粉が出てきます。その粉を集めて,お酢をかけると……
(ヒント:小学校の理科の「気体」の実験で,同じことをやったでしょ…)