クイズ!「仲間を見つけよう」

対象年齢:小学校高学年以上。クイズのレベルを調整すれば,いろんな年齢に対応します。
       観察会向けの「観察ゲーム」です。ぜひ,観察会で使ってみてください。


 春にはいろいろな花が咲きますね。花壇の中だけじゃなくって,道端や芝生の中に混じっている草も,よく見るときれいな花が咲いています。そこで,「野草さがし」をクイズで楽しくアレンジしてみました。これは実際に,観察会でも使っているものです。

 「春の七草」は知っていますか?「春の七草」はすべて,食べられる野草。私たちが食べている野菜だって,大昔は野草だったものを,人類の長い歴史の中で,だんだん「野菜」として改良していったものです。だから,「春の七草」は,野菜のご先祖様のようなものです。それと同じように,花屋さんで売っている花だって,野の花を改良していったものがほとんどです。
 と言うことは,野草の中には,私たちがふだん食べている野菜や,花屋さんで買う花と同じ仲間がたくさんある,と言うことです。
 そこで,野菜やお花と同じ仲間をさがす,仲間さがしクイズをしてみようと思います。
 グループで,観察会で,お楽しみください。

【用意するもの】
・クイズの問題用紙を作ります。
・鉛筆やメモ用紙
・野草の図鑑(植物図鑑)があると,もっと楽しい。

【観察しよう】
  では,例題を紹介しましょう。この例題は明治神宮で使ったものです。
 解答方法は,同じ仲間……つまり,同じ「科」に分類される植物を,フィールドの中で見つけるのです。

これならカンタン!初級編 解答欄
Q1:イチゴ
(ヒント:「××イチゴ」という野草が……)

Q2:ダイズ
(ヒント:豆と言えば……)

Q3:菜の花
(ヒント:標準和名はアブラナ)

Q4:ニラ
(ヒント:においが決め手)

Q5:胡蝶蘭
(ヒント:蘭といえば)

ちょっといじわる……中級編
Q6:カーネーション
Q7:レタス
Q8:ザーサイ
Q9:ローズマリー
Q10:ワスレナグサ


……どうですか?むずかしそう?
 もちろん,正解は1つだけではありません。むずかしいときは,図鑑を使ったり,問題に「ヒント」をつけ加えるといいでしょう。また,観察会など,大人数でこのクイズを使う場合は,必ず正解が見つかるように,出題内容を調整してください。


【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
 このクイズの目的は,植物に共通した特徴を見つけて「○○の仲間」と言う,大きな分類ごとの特徴を理解することと,身近な野菜や園芸植物と野草の「つながり」を意識することにあります。

 「科」までわかる,という観察方法は,とても便利なのです。「科」までわかれば,「種」の名前は簡単に図鑑で調べることができます。知らない土地,特に外国に行ったとき,全然名前のわからない草に出会うことがありますが,そんなときに「あ,これは○○科の植物だ」と言うことがわかれば,その植物の生えている環境も,おおざっぱに想像がつき,自分の知っている植物との比べて考えることもできます。自然観察を始めたばかりの人の中には,「種」の名前にこだわって,一所懸命覚えようとする人もいますが,日本だけでも約1万種の植物があるわけですから,全種類覚えるなんて,ちょっと大変すぎます。「科」「○○の仲間」がわかることのほうが,「種」ごとに覚えてゆくより,はるかに効率的で「使える」知識なのです。

 ところで,ゴボウやレタスが何の仲間だったのか,知っていましたか?案外,知らないで食べていたりしませんか?たとえば,「ハクサイとチンゲンサイは同じ仲間だから,ハクサイで作るお料理をチンゲンサイで作ってみてもいいかな?」と言う発想も,面白いじゃありませんか。野菜の「科」がわかることで,料理に使うときに,野菜の特性を見きわめやすくなります。ちょっとした知識と発想の転換が,お料理の楽しさを広げてくれるかも知れません。

【もう少し観察してみよう】
 では,逆転の発想。野菜の中に,野草と同じような特徴があるかどうか,さがしてみましょう。キュウリとカラスウリ。どちらも「つる性」で,葉っぱがよく似ていますね。ヒルガオとサツマイモ。どこか似ているところはありませんか?
 野菜の中には,同じ種類を改良して,ぜんぜん形のちがう野菜にしているものもあります。実はブロッコリーもカリフラワーもケールも,植物の分類上の種名は「カンラン」。つまり,キャベツの1品種なのです。

例題の回答例:
Q1:ヘビイチゴ Q2:カラスノエンドウ Q3:タネツケバナ Q4:ノビル Q5:ネジバナ
Q6:コハコベ Q7:オニタビラコ Q8:イヌガラシ Q9:ヒメオドリコソウ Q10:キュウリグサ

……これは明治神宮でやったときの回答例です。
もちろん,正解は1つではありません。

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