オレンジスタンプ
対象年齢:小学生未満からOK。でも,おとなの人が準備してあげてね。
小学生になれば,おとなが指導してあげれば,自分で準備もできますね。
今回は「自然観察ネタ」ではなく,室内でやる,ちょっとした「科学実験」の遊びです。
ミカンの皮を使います。
ミカンじゃなくても,オレンジでもレモンでも伊予柑でもデコポンでもOK。
子供向けの科学実験教室などに御利用ください。
【用意するもの】
・ミカンの皮。ミカンでなくても,かんきつ類なら,何でもOK。
・発泡スチロールの板やブロック。あり合せの物で大丈夫。
・お皿。直径10〜15cmぐらいのもの。
・綿棒,またはペンのようなもの(割り箸を適当に削ったものとか…),小筆など。
・発泡スチロールを切るためのナイフかカッター。
【やってみよう】
ミカンの皮を絞ります。黄色い油の混じった液が出ます。
量は多くありませんから,根気よく集めましょう。
こんなものが取れます。
これを綿棒やペン先などにつけて,発泡スチロールに塗ると,発泡スチロールが溶けてへこみます。あまり多く塗らないのがコツです。塗ってからしばらくは,発泡スチロールの穴が広がります。
大き目の発泡スチロール板にミカンの皮の汁で絵を書けば,簡単な版画ができます。絵が書けたら版画用インクをのっけて,刷ってみましょう。
小さ目の発泡スチロールのブロックを使うときは,スタンプにしてみましょう。あんまりこまかい絵は書けませんが,ちょっとしたお遊びには十分でしょう。
顔……のつもり(^_^;;)。これは1.5cm角ぐらいの発泡スチロールなので,かなりおおざっぱな絵です。
……で,スタンプを押してみた。
【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
ミカンやレモンの皮には油が含まれています。この油の成分,「リモネン」が,発泡スチロールの成分であるスチレンを溶かすのです。発泡スチロールをリモネンで液体にすると,コンパクトになって扱いが楽になるので,発泡スチロールのリサイクル技術として,実用化に向けて研究している人たちもいます。
発泡スチロールを溶かす溶剤は,ほかにも身近にあります。油性ペンの中にも,発泡スチロールを溶かすことのできるものがあるようです。
【もう少し観察してみよう】
ミカンの皮に油が含まれていることを確かめる,有名な実験があります。
ロウソクの炎に向かって,ミカンの皮を絞ると,ミカンの皮の油が燃えて,火花が見えます。
火の取り扱いにはじゅうぶんに気をつけて,小さい子は大人の人といっしょに実験してみましょう。