あー,今夜はいい「地球夜」だねぇ…
対象年齢:中学生以上。
おとなが説明してあげれば,小学校中学年ぐらいから,理解できます。
三日月をじっくり見たことがありますか?
空が暗くなってから三日月を見ると,光っていないはずの部分がぼんやりと見えます。
もちろん,この現象は,三日月のときだけでなく,月が細い時期に見られるものです。
(だから,新月の少し前の,明け方に見える月でも,確認できます)
この現象の謎に迫ります。
【用意するもの】
観測は肉眼で十分です。望遠鏡や双眼鏡があると,もっと楽しめます。
「天文年鑑」「理科年表」など,月齢や月の出入り時刻がわかるデータブック。
☆新聞の天気予報欄でも,翌日の月の出入り時刻や月齢がわかります。
スケッチを取っておくといいでしょう(必須ではありません)。
【観察しよう】
月の細く見える時期……つまり,新月の少し前か少し後の時期をねらって,月を見るだけです。
新月の前なら明け方の東の空,新月の後なら,夕方の西の空。
月は太陽の光を受けている部分が光っているんですが,太陽の光を受けていない部分も,ぼーっと明るく見えます。これを「地球照」といいます。この部分の明るさは,月齢によって変わってゆきます。どのくらいの月齢まで観察できるか,調べてみるのもおもしろいと思います。
これは三日月。デジカメで撮影しました。 カメラは明暗の差の大きいものは苦手なので, ふつうに写真を撮ると,こんな感じです。 |
左の画像と同じときに撮影したものです。 たっぷり露出をかけてやると, このように,月の模様までわかります。 |
【でも,どうして?】
(ちょっとくわしい説明)
地球照はなぜ見えるのか?
この図を見てください
新月の頃,月の影の部分(夜の部分)は,地球の昼間の部分に向かい合っています。
つまり,月から見れば,「満月」ならぬ「満地球」が見られるわけです。
満月の夜,月の光に照らされて,ぼんやり明るくなるように,月も地球に照らされて,ぼんやり明るくなっていたのです。これが「地球照」の正体です。新月のとき,月から地球を見たら,まん丸の地球が見えて,とってもいい月夜,じゃなかった,「地球夜」が楽しめるのでしょうね。
半月のとき,月から見た地球は「半地球」,満月のときは,月から見た地球は,ほとんど光っている部分を見せていないことになります。ですから,新月から遠ざかるほど,月の夜の部分は,地球の光を受けられなくなり,地球から見ている私たちの目では,見えなくなってくるのです。
望遠鏡を使えば,半月の頃まで「地球照」が見えるようです。いつ頃まで見えるのか,チャレンジしてみましょう。