「ミウラ折り」のメモ用紙を作ろう

対象年齢:小学校中学年以上。小さい子は,おとなの人に作ってもらってくださいね。


 アウトドアでの自然観察で,観察したものをスケッチしたりメモしたりするために,小さなノートやスケッチブックを持ち歩いている人も多いと思います。観察して気になったものはすぐにメモしておきたい。でも,アウトドアでの持ち物は,小さいほう,軽いほうがいい。

 そこで,小さくたたんで大きく使える,「ミウラ折り」でメモ用紙を作ってみましょう。
 作りかたは,そんなにむずかしくありません。
 ワンタッチでパッと広がるミウラ折りのメモ用紙って,ちょっといいかも。


【用意するもの】
 パソコンとプリンタとA4サイズの紙があればOK。プリンタはカラーのほうがおすすめ。

【作りかた】
◎「ミウラ折り」とは?
 ミウラ折りは,「宇宙技術の折り紙」。三浦公亮先生(東京大学名誉教授・文部省宇宙科学研究所) が考案した,人工衛星に乗せる太陽電池パネルやアンテナなどの,広いシート状のものを,コンパクトに折りたたんでロケットで打ち上げ,宇宙空間でワンタッチで開閉できるように工夫された折りかた。折り目が重ならず,折り目に無理な力がかからないので耐久性が上がるのも特徴です。
 この折りかたを使ってコンパクトにたためる地図なども,発売されています。

◎では,作ってみましょう
 ミウラ折りの作り方はそんなに難しくありません。
 横の折り目はふつうに,縦の折り目を5度ぐらい傾けて,平行四辺形を作るように折ってゆきます。
 ……でも,文章ではわかりにくいですね。

 そこで,ミウラ折りの型紙を作ってみました。
 下にある2枚の画像です。


 ↑こちらが表。


 ↑こちらが裏。


◎用紙の準備
・まず,それぞれの画像を右クリックして,ディスクに保存します(gifファイルです)。
・ペイント系のソフトで画像を開き,画像をA4サイズいっぱい(297mm×210mm)に印刷します。
☆フチなし印刷の出来ないプリンタでは,印刷できない部分もありますが,無視して目一杯のサイズで印刷してください。
・miura01.gifが表,miura02.gifが裏になります。裏は印刷しなくても折れます。

◎折りかた

・ピンクが山折り,水色が谷折りです。

・まず,横の長いほうの直線を折ります。折り線には山折と谷折りが混ざっていますが,表の左はじの線の色のとおりに折ってください。下の写真のように,3等分に折るだけでOK。


・次に縦線ですが,一旦,一番上に見えている折り線の色のとおりに,階段状に折ります。


・全体を広げ,折り線の色のとおりの方向に折れていない部分の折り目を直してやります。


矢印の部分の折り目(8ヶ所)を,折り線の色のとおりに直しました。

・折り目がきれいにたたまれるように,ゆっくりとまとめてゆきます。



これで完成。


いちばん上の紙の角と,いちばん下の紙の角をつまんで広げると,一気に広がり,サッとたためます。何回か折ったり広げたりして,折り目をなじませてやると,スムーズになります。



◎当サイト特製,ミウラ折りメモパッド
 無地の紙だと,紙の表裏がわかりにくいかも知れないので,ちょっとだけイラストを入れ,メモパッドとして使えるようにしてみました。


☆裏面の折り線が必要な人は,上の裏面用のの型紙をそのまま使ってください。

この型紙を折ると,こんなふうになります。



【でも,どうして?】 (ちょっとくわしい説明)
 どうして,パッと開いてパッと閉じることができるのでしょう?
 これは,折り目が重ならないようになっているところに秘密があるようですね。
 きちんと等分折りしてしまうと,折り目が重なりあって,折り目に無理な力がかかります。また,折り目の重なった部分が,どうしても厚くなります。ミウラ折りは,折り目を少しずつずらし,折り目にかかる力を上手に分散しているのです。

 こんなメモ用紙を持ってアウトドアで自然観察するのも,楽しいと思いませんか?
 現在,ミウラ折りを自然観察会のパンフレットに利用することを考えています。
 持ち歩くときにかさばらず,パッと広げて使えると言うミウラ折りの特徴は,太陽電池や地図だけでなく,いろいろなものに役に立ちそうです。

 あなたのアイデアで,ミウラ折りの利用法,いろいろ考えてみてください。
 もし,おもしろいアイデアがあったら,ぜひ,教えてくださいね。

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