びっくり!カタバミ・マジック
対象年齢:小学校低学年以上。
おとながデモンストレーションするなら,小学生未満からOK。
カタバミは,町の中でも,どこにでもはえる草。葉っぱは,ハートのかたちを3こ,くっつけた形。花は黄色。だれでも一度は見たことがあるでしょう。このカタバミの強さの「ひみつ」は,なにかな?……それだけではありません。カタバミは,いろんな「ふしぎ」をもっています。さあ,カタバミの「ふしぎ」をしらべてみましょう。
カタバミの花
【用意するもの】
・カタバミの葉っぱ1枚
・10円玉(茶色くさびた,古いのがよい)
【観察しよう】
葉っぱを1枚とります。この葉っぱで,10円玉をゴシゴシこすってみると,おや?さびがおちてきて,光ってきます。ほかの草の葉っぱも少しだけ取ってきて,くらべてみましょう。
カタバミの葉っぱでこすった10円玉(左のほう)
【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
10円玉に酢やソースなどをたらして,さびを落としてみたことはありますか?あれと同じ原理です。
カタバミにはシュウ酸という酸が含まれていて,酸の力(=化学反応)で,10円玉がきれいになったのです。ちょっとだけ,カタバミの葉っぱをかんでみて,たしかめてみましょう。すっぱくて,ちょっと渋い味がします。シュウ酸は,ホウレンソウにも含まれています。ホウレンソウをゆでたとき,水にさらして「あく抜き」をしますが,このときに,シュウ酸を落としているのです。
スイバやイタドリなども,酸を多く含むので,同じように10円玉をきれいにすることができます。年配の方なら,「すかんぽ」と言ったほうがわかりやすいかな?
【もう少し観察してみよう】
春から秋にかけての長い間,カタバミは花を咲かせ,実をむすびます。カタバミの実は,オクラのミニチュアのような形ですが,ここにも仕掛けが……。成熟した実を触ると,実の皮がはじけて,種をいきおいよく飛ばします。ホウセンカのようですね。これで,種を遠くへ飛ばすのです。
カタバミの葉と種
カタバミをずっと観察していると,小さな銀色っぽいシジミチョウが良く来ることに気づきます。このチョウはヤマトシジミ。カタバミに卵を産み,幼虫はカタバミを食べて育ちます。カタバミの葉は酸が多いので,カタバミを食べる虫はそんなに多くありません。ヤマトシジミはカタバミを食べることで,都会でも暮らすことができるのですね。カタバミの葉っぱをよーくさがせば,ヤマトシジミの幼虫が見つかるかも知れません。