天気のいい午前中。 秋分を過ぎて久しいのに日差しの下だと汗ばむくらいの陽気だ。 布団をベランダに出す。 見上げる高い空に小さくプロペラ機が行く。 コーヒーサイフォンをセットする。 メールチェックをする。 サッチモをかける。 What a wonderful world、この素晴らしき世界。 あぁ、本当にそうだ... この世界を構成する全ての雑多なものたち、植物も動物も、 生きとし生けるものすべて、意思を持つもの持たぬもの、 生命を持たない道具の類、自然物。 みんな、祝福されている。 この気持ちを、私は、言葉に変えてキーを打つ。 誰もが操れる、音の羅列、不器用な、限られた手段。 けれど、..ことのはの持つ力を信じている。 誰もが、日に当たった布団のいい匂いを コーヒーの沸く香ばしい匂いを嗅ぎ、 ふと見上げた空のプロペラの音を聞いてくれるように、 子供の頃誰もが過ごした、永遠に続く午前中の太陽の金の光を もう一度心に呼び覚ましてくれるように... 紡ぐ。 言葉を、気持ちを、世界からの祝福を。 そうして...読んでくれるすべてのあなたに微笑みを。 |