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Yamaha FG-500
1969年


これは1969年に私が大学に入ってすぐにバイトをして買ったFG-500です。
シリアル番号はすでに判別不能となっておりますが、1969年製と思われます。
当時はスペックなど気にしたことはありませんでしたが、トップはスプルース単板、サイドとバックがハカランダでバックが単板となっています。

兄の影響でビートルズやベンチャーズを聴いて育ったため、中学1年の頃からガットギターやらエレキギターやらフォークギターやら何本かのギターを手にしていましたが、このギターはそれまでのギターとは比べものにならない程、鳴りの良いギターです。
当時5万円のフォークギターは国産では一番高いギターでしたが、高校時代から一緒にPPMなどのフォークソングをやっていた私の友人の買ったFG-500を弾かせてもらい、すぐに気に入りお金を貯めてこのギターを購入したのでした。

このギターは神田のカワセ楽器で購入しましたが、当時のカワセ楽器はマーチンのギターなどがたくさん並び、非常に有名な店でした。  今では他の大手楽器店と較べると見劣りする感じがしますが、最近2回程リペアを頼んだところ、非常に丁寧な仕上がりで満足しております。 

さてこのギターの音は、特に低音が非常にしっかりしていて、まるでピアノの低音弦を弾いているほどの安定感と音量があるのが特徴です。 なにしろ長い間このギターを弾き続けていたので、私のギターの音のリファレンスになっています。そのため、その後新品のマーチンを弾いても感激がなく、特に低音がしっかり出ないので物足りなくて実際に購入に至りませんでした。

ギブソンのJ-50も低音は良く出ますが、FG-500の低音はもっと質の高いものです。
黒澤楽器の店員に言わせるとヤマハのギターは弾いている本人に良い音が聞こえるようにできていて、前に音が出ないのが特徴だそうです。  いろいろなギターを弾くようになって分かってきたのは、このギターはあまり強く弾くと音がばらばらになる傾向があると言う印象です。 それに較べてギブソンのJ-50はどんなに強く弾いても音が暴れることがない気がします。

それと低音が出過ぎるので、録音してみると低音がかぶる傾向にありますので、たぶんマイクの乗りはギブソンやマーチンの方が良いのではないかと思います。

私はギターはまず弾きやすいのが一番という考えなので、ナットとサドルは自分で加工してぎりぎりの弦高にしています。
このギターの場合も6弦12フレットのところで弦高約2.5ミリで非常に弾きやすい状態です。



最近FG-180の人気が高く高価で売買されています。
赤ラベルのFGが出た頃は、ヤマハのギターのラインナップは非常に分かり易く、型番と価格が一致していました。
そして、音の良さもその価格とほぼ比例していました。 FG-180も値段の割には非常に良いギターだとは思いますがとてもFG-500と肩を並べる音は出ていなかったという記憶があります。
ギターの個体差もあり、ものすごく良く鳴るFG-180やFG-230がありましたので、いつの間にかそのような値段になってしまったのかも知れません。 すべてのFG-180が良く鳴る訳ではありません。



カワセ楽器のGuaranteeのシールが貼ってあります。 
この赤ラベルの問題点はペグです。特に3弦のペグはどのギターも丁度いいところで音程が決まらず苦労します。
そのためわざわざペグをグローバなどに変更する人が結構いました。



バックは非常にきれいな柾目のハカランダを用いています。
木製のバインディングもなかなかいい感じです。

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