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Gretsch 7670
Chet Atkins Country Gentleman
1978年

2006年9月購入

グレッチのカントリー・ジェントルマンです。 カントリー・ジェントルマンの型番は6122のはずだと思っていましたが、グレッチが67年にボールドウィン社に買収された後、72年に型番の全面変更があり、7670という型番になりました。  

このギターは78年製で60年代のカントリー・ジェントルマンとは、仕様が変わっていますがMade in USAです。  
現在流通しているグレッチのギターは日本製で寺田楽器製作所で作られています。 
現在のグレッチのギターとの一番の違いは板の厚みで、このギターは表板の厚みが3mmですが、現行の寺田製は5mm位あります。 
また、センターブロックの入り方も異なっているようで、ここいら辺が音の違いになるようです。  センターブロックと言っても、ギブソンのES−335のようにボディーの半分くらいをセンターブロックが占めている訳ではなく、ブリッジの下あたりに板が入っているだけです。

この78年製のギターは60年代のギターとの差異も非常に大きく
 ・ミュートがなくなっている
 ・fホールがリアルfホールになり、リアのメンテナンスパッドがなくなっている
 ・ピックガードの形が変わり、かっこ悪くなった
 ・フィルタートロンのデザインが変わっている(ブラックフェイス)
 ・ブリッジがアジャスタブル・ブリッジになっている
 ・ネックのジョイントが18フレットと浅くなっている
 ・ヘッド側のトラスロッドがネックジョイント側のアジャスタブルロッドに変更
 (Burns gearbox)
 ・ヘッドのネームプレートがなくなっている
 ・ビグスビートレモロアームの形が違う
  ・スケールが24.5”から25.5”に長くなっている。(78年以降)

などですが、スケールが長くなったのは大きな変更で、かなり性格が変わったのではないでしょうか?   ホワイト・ファルコンのスケールは以前から25.5”だったようなので、これと同じにしたのでしょうが、変更の意図はよくわかりません。

グレッチのギターは一言で言えば古き良き時代のアメリカン・ギターです。 ギブソンやフェンダーがどんどん新しい技術とフィーチャーを取り入れていたのに対して、グレッチは昔のギターの作り方をそのまま続けているという感じです。 

グレッチのギターはチェットアトキンスがエンドースして、ビートルズのジョージ・ハリスンが使用したことから、60年代のギターにだけ人気が集まっているようです。  
70年代になりボールドウィン社の買収の後にはギブソンやフェンダーに人気を奪われてしまいましたが、上記のような変更点の中には新しいものを取り入れようという考え方も見えます。 それまでのブリッジはバータイプ、ローラータイプなど機能的でないものでしたが、ギブソンの物まねと言われながらも、アジャスタブル・ブルブリッジに変更し、はるかに機能的になりましたし、ミュート機能などの不要なものは取り去り、シュミレートfホールとリアのパッドなどの古い機能も取り去っています。  70年代のグレッチは人気がありませんが、機能的にはしっかり作られたギターだと思います。

  


  



 


  





      

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