フロント・サスのメンテナンスと
ハンドル・バー交換


オーナーズ・ミーティングに備えて、APBの整備を開始した。

最近、メンテナンスをまったくしていなかったので、フロントサスの動きが渋くなっているし、シフトケーブルのアウターにはひび割れが入っている。

それらのメンテナンスと共に、以前から気になっていたハンドル幅の変更(ようはハンドルバーの交換)も行う事にする。

というわけで、まずは必要パーツの買い出しだ。といっても最近は便利になった物で、外に出かけなくてもインターネットで買い物が済んでしまう。

今回は始めて買い物をするサイトで、ITMのハンドルバー(PRO260/440mm)とケーブル、アウター類を注文する。代金引き換えで申し込んだので、在庫さえあればすぐに届くはずだ。

思い通り3日程で注文の品が届いた。


日曜日を待ってメンテナンス作業を開始する。

とりあえず、交換するケーブル類をすべてはずし、ハンドルバーを付け替えてみる。元が380mm、交換後のハンドルが440mm(ただしITMは芯芯ではなく外外で表示される為、元のハンドルと同じ芯芯寸法では、420mmぐらいになる。)だが、まだバーテープを巻いていないので実際どれくらい違うのかピンとこない。ハンドル交換はとりあえずこの辺で置いておいて、フロントサスのメンテナンスを行う。

前回オーバーホールしたのが98年だから2年間使いっぱなしである。前回のオーバーホール時に削って径を細くした硬質ゴム(?)製のピストンだが、スムーズに出し入れできるぐらい削ったと思っていたのだが、今動かしてみると、かなりきつい。使っていると膨張(もしくは圧力での変形)するのであろうか。

と、いうわけで、問題のピストンの削り作業に入る。以前はダイナベクターで対策品が用意されていたが、今もあるのだろうか。こんな事ならあの時手に入れておけば良かった。

小さ目のヤスリしかなかったので、1時間ぐらいかかってやっとスムーズに動くぐらいのサイズに仕上がった。確か元の形は円錐形だったと思うのだが、下手に削った為に円柱形になっている。

スプリングの古いグリスを落とし、ピストンと共に新しいグリスをたっぷり塗りフレームにセットする。サスペンションアームを取り付けリンクプレートで固定する。久しぶりの作業の為か、取り付けにやたらてこずる。ネジを仮締めして、そのままサスを床につけ、上から押し込んで動きを確認する。何かおかしい。ストロークが短かすぎる。

・・・リンクプレートの取り付けが前後逆でした。どおりで取り付けにくかったはずだ。(リンクプレートの3本のピンのうち、間隔が狭い方が前にくる、と覚えて置こう。>自分)

リンクプレートに関してはもう一件。前回組んだときに、プレートの固定用のネジにさび防止にと、少量グリスをつけていたのだが、それが廻ってプレート内分の青いワッシャーにまでついていた。このワッシャーは、摩擦によってダンパーの役目を果たす為、油分厳禁である。ネジにグリスをつけるなら極少量を、余分なグリスは丁寧に拭き取りましょう。(>これも自分に・・・)

これで正常に組みあがった。先ほどと同じようにサスを床につけ上から押し込んでみる。さすがにスムーズに動く。こうでなくっちゃ。

今回は、サスについているゴムカバーをはずして組んでみた。結構フロント周りがすっきり見える。汚れの問題とかもありそうだが、AMシリーズもこの部分はむき出しになっていることだし、問題ないでしょう、と自分で納得する。

サスのオーバーホールはこれで完了として、ハンドル交換の続きに移る。

とりあえず、大まかにポジションあわせを行い、ブレーキレバーとシフトレバーを取り付ける。で、ケーブルの取り回しを確認して・・・というつもりだったが、何処を探してもブレーキアウターが無い。手持ちがあると思っていたので、インターネットでも注文しなかった。黒とグレーならあるのだが、この自転車にはやっぱり赤が良い。

部屋中を探す。物置まで探す。それでもない。


・・・という訳で、作業は”続く”となる。


次の土曜日。

先日、会社帰りに赤いブレーキケーブル・アウターを購入し、万全の準備を持って作業を開始した。といっても、ハンドルのバーテープに隠れる部分は何色でも関係ないので、既に黒いアウターをハンドルに仮止めしてある。

今回は、バーコンのシフトケーブルを、バーテープに完全に巻き込まずにハンドルのドロップ部の下から表に出す予定なので、ブレーキレバーの先端に当たる部分ぐらいからバーテープを巻き始める。久しぶりに巻くので、上手くいかず、スッゴク汚い。巻き終わりの部分も手を抜いて適当にやってしまって、ここも汚い。続いて左側も巻いていくが、右と同様これも汚い。ミーティングまでに余裕があればやり変えよう。

お次は、シフトケーブルのアウターを現物あわせで長さをそろえ、ハンドルに仮止めする。バーテープをハンドルの終端から、先ほど巻いたところまで貼っていく。適当なところでカットし、両端をビニールテープで止める。ウーン、美しくないな〜。

見栄えはともかく、これでハンドル周りは完成した。

ブレーキケーブルの取り付けにかかる。こちらの調整は手慣れたもので、すぐに終わる。お次はシフトケーブル。こちらも特に問題なく終了。

モールトンは車体の分割機能の為、ケーブルも途中ではずせるようにジョイントが入っているのだが、おかげで全交換をしようとすると、シフトケーブルが4本、ブレーキケーブルが3本必要になる。

通常の自転車なら1本で済む長さを2本のケーブルを繋いでまかなっているのだから、あまって切り落とされた部分は、使用前のケーブルの1本分以上の長さになる。すごく勿体無いような気がする。昔、ケーブルの端にイモネジで止めるタイコがあったような気がするのだが、そのような物があればケーブルが無駄にならずに済むのだが・・・。(あれは、オートバイ用のパーツだったかな?)

マァ、そんなこんなでメンテナンスも完了し、サイクルメーターを取り付けて本日の作業はすべて終了。後は試乗をするばかりとなる。


そして試乗へ。

ウーン、さすがにサスをメンテナンスしただけの事はある。非常に動きが滑らかだ。実は、この滑らかさにはゴムブーツをはずした事も関係あるのではないかと思っている。

以前サスのスプリング調整をしていたときに感じたのだが、ゴムブーツをきっちり装着しているときと、めくってフレームと隙間を作った状態のときとでは、ハンドルを上から押したときの反発力が違うような気がしたのだ。きっちり装着したときの方が抵抗が強い感じがした。これが本当かどうかは分からないが、ゴムブーツが意外と気密性が高くて、圧力がかかったときに中の空気が縮み、エアダンパーのような働きをしたのではないかと思っている。で、それがなくなったので、サスの動きがスムースになったのではないか、と思うのだが、単に気のせいかも知れない。

サスは良くなったのだが、問題はリアブレーキに発生した。

ケーブルの引きが異常に重たいのである。原因はすぐに思い当たった。フレーム側のアウターは交換せずに古いのをそのまま使用したのだが、ケーブルを入れるときにグリスアップを忘れていたのだ。とりあえず潤滑剤を吹き込んでやると、そこそこに軽くなった。

やはり基本はきちんと押さえておくべきであった。

その他は快調。シフトもキチンと決まる。

ハンドル幅アップも正解だった。手を伸ばせば自然な感じでハンドルを握れる。比べれば、やはり以前のハンドルは窮屈であった。


そんなわけで、今回の作業は満足な結果を持って終了した。

後は、きれいに磨いてミーティングに参加するのみ。

当日は雨が降らなきゃいいけど・・。

(2000/10/25 MIZ)