「カラマーゾフ」創作ノート16

2014年4月

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04/01/火
また月が替わって新しいノートになった。16冊目だ。とはいえ去年の1月から8月までは新書の類を書きながらぼんやりと構想を練っていた。実質的に『カラマーゾフ』を書き始めたのは9月からなので、本格的な創作ノートとしては8冊が終わったところ。これから9ヵ月目に入る。どうやら1年がかりの仕事になりそうだ。その直前の新書の仕事というのは『早稲田1968』(廣済堂新書)『数式のない宇宙論』(朝日新書)『社会とイエスが伝えたかったただ一つのこと(仮題)』(集英社新書)の3点で、2冊はすてに出ているのだが、3冊目は順番待ちでペンディングになっていた。明日、ようやくゲラが出てくるらしい。半年前の仕事なので何を書いたか忘れてしまった。とにかく明日から読み始める。さて、本日は4月1日。四日市の孫の誕生日だね。6年前、後楽園ドームで巨人の開幕戦を見ている時に、生まれたという電話がかかってきた。すでに孫はスペインに3人いた(昨年スペインの4人目が生まれた)のだが、日本の孫は初めてだったので感動した。しかもスペインは3人娘(去年のは男子)だったが、日本の孫は日本男児であったので、おお、やったぞ、と思った。見ていた試合は負けてしまったのだが。あれから6年。超早生まれの孫は小学1年生になる。入学式は数日後だが。思いがけずわたしも大学の先生をしているので、のんびり野球を見るひまはなくなった。本日は有明キャンパスで辞令交付式。早稲田の専任になった時もこの種の儀式に参加したことはあるが、定年をオーバーして1年契約で継続雇用になるので、これからは毎年、辞令交付式に出ることになるようだ。午後には先生方の年度始めの顔合わせの儀式がある。で、アキ時間が3時間近く。武蔵野キャンパスに移動する先生もいるのでこういう設定になっているようだ。こちらはそのまま有明にいることにした。とはいえ自分の研究室はこちらにはないので、いる場所がない。教員室はあるのだが、1人になりたかったのでお台場の遊歩道に出る。何というビルか知らないがすぐ近くに大塚家具が入っているビルがあって、ここは前からよく行っていた土地勘がある。吹き抜けの天井から滝が落ちてくる催しがオープンの頃は人気でわざわざ見に行ったものだが、いまは誰も注目しない。ハンバーガーとコーヒーを買って滝の前の椅子に陣取ると、ちょうど12時になって滝が落ち始めた。それから午後1時にもう1度、そこで滝が落ちるのを見たので、1時間以上そこにいたことになる。固い椅子なので少し疲れた。隣のビルのコーヒーショップに移動する。それで3時間がつぶれた。この間、スランプ状態で停滞していたメモがかなり進んだ。停滞を突破した。こういうアキ時間があると気分が集中してアイデアがわいてくるものだ。大学に戻って儀式に参加して、本日の仕事はこれで終わり。さて、有明から自宅に帰るのに、いろいろとルートがある。来る時は御茶ノ水からJRで東京乗り換え新木場、それからりんかい線で国際展示場駅に行くというルート。これは時間が計算できるので往路はいつもこれなのだが、帰りはいろいろ試している。りんかい線を反対向きに進んで大井町で京浜東北線に乗り換えるとか、ゆりかもめで新橋、という手もあるのだが、このルートは見るからに遠回りだ。ゆりかもめで豊洲、地下鉄有楽町線というルートは、これまで有楽町で都営三田線、八丁堀で日比谷線、というのを試したことがある。本日は有楽町から千代田線の日比谷に移動。少し距離がある。三田線の改札は近いのだが、三田線では神保町にしか行かない。そこからも歩けるし、新宿線に乗り換えて小川町という手もあるが、新宿線は急行が走っているので、神保町で下りて歩きたくなる。そのことを思えば有楽町から日比谷まで歩くのもいいかと思って試してみたが、うーん、何ともいいがたい。というようなことで4月が始まった。しばらくは忙しい日々が続く。自宅に帰ってゲラを少し見た。

04/02/水
本日は武蔵野キャンパスで学部長会議。それだけなので滞在時間は最短。あとはゲラ。

04/03/木
武蔵野キャンパスで学科会。3年生の説明会。4年生の説明会。何だか疲れた。明日は入学式で丸1日つぶれる。

04/04/金
大学入学式。卒業式は有明コロシアムで全学1回だけだったが、4月からはコロシアムが使えないので例年どおり武蔵野キャンパスの体育館。午前と午後の2回に分けて挙行される。文学部は午前の部だが、学部長は2回とも出ないといけない。しかも壇上に座っていなければならないので居眠りをするわけにもいかない。昼休みは新1年生のガイダンスと父母会のガイダンスで走り回り、さらに夕方は大学院の入学式でこれは祝辞の担当が回ってきた。しかもそのあと、大学院生のガイダンス。終わったのは8時近く。やれやれ、長い1日だった。夜中はゲラを見る。前半の仏教の話が終わる。週末は休みだがゲラを見ないといけない。

04/05/土
週末は休み。新宿のマッサージに行く。値上がりしていた。

04/06/日
今日も休み。妻と御徒町まで散歩。1人で散歩する時は神保町の古書街へ行くことが多いのたが、妻と出かけるとものを売っているような場所に向かうことが多い。神田を経由して日本橋に行くか、秋葉原から御徒町に行くか、ということになる。三越本店や室町コレドか、マツサカヤ上野店や周辺の安売り店か、ということで、雰囲気がまったく違う。渋谷や新宿ともまた違った雰囲気の街で、東京で暮らし始めてから45年ほど、ずっと西の方に住んでいたので、日本橋や上野にはなじみがない。そこが面白いのだが、まだ慣れていない感じがする。去年まで住んでいた三宿では、歩いて行けるところというと三軒茶屋か下北沢だったのだが、新居では日本橋か御徒町というところが、何だかおかしい。ゲラは4章まで見た。問題はない。最後の5章は結論の部分だが、書いてから半年経過しているので、かなり修正が必要だろうと考えている。あと3日ほどしか時間がないので、集中して取り組みたい。

04/07/月
月曜日。授業は明日からだが、2年生のガイダンスが1限からある。学部長として必要なことを話す。午後から学科会なので、アキ時間に自分の仕事。『釈迦とイエス』のゲラ、追加挿入の3ページほどをパソコンで書く。自宅に帰って前後とのつながりを確認。微調整するとともに、原稿にも数行追加。これで完了。追加原稿はメールで送り、ゲラは宅急便の封筒の中に入れる。これで作業の手が離れた。

04/08/火
本日から今シーズンの授業が始まる。いきなり1限。2年生の授業だが、昨日のガイダンスで会っているのでスムーズに授業に入る。本日は自己紹介。人数が多いので半分だけにしておく。2限は能楽資料センターの委員会。去年はセンター長だったのだが、今年は引き継ぎをしたので、その挨拶だけして後任のセンター長に任せる。それから長い電車の旅。三鷹から御茶ノ水、いつもは下りる駅で総武線に乗り換え、一駅先の秋葉原で京浜東北線に乗り換え、大森駅下車。この駅で降りるのは初めてではないか。羽田プロジェクトの2回目の会合。前回は弁天橋へ行ったのだが、今回はただ議論するだけ。2次会は6人ほどで飲み会。詩人佐々木幹朗、元衆議院議員辻恵などのメンバー。3000円で飲み放題。飲めるだけ飲んだのに全然酔わない。自宅に戻って仕事をする。

04/09/水
本日は休み。この多忙な時期に休みはありがたい。近所の医者に行く。あとはひたすら仕事。ひさしぶりに『カラマーゾフ』の作業。プリントのチェックと入力。入力はここで語り手が替わるので文体のトーンがつかめず途惑いがある。プリントのチェックもしばらく離れていたので調子がつかめない。

04/10/木
火曜日から授業が始まった。本日は3コマある日。研究室にいると何やかやと雑用が舞い込んでくる。3年生は期待のもてるメンバー。4年生は研究室での授業。院生は1年生6人が皆来た。疲れたが頭が開店していい気分だ。入力は3兄弟の生い立ち。メモの方はついに大審問官の部分になった。どちらも原典を見ながら書くことになる。緊張を強いられる。

04/11/金
本日は大学は休み。しかし文藝家協会で出版社との協議会がある。その前にイーブックジャパンの連載の仕事をしていて、気がついたら協議会の始まりの時間の30分前になっていた。あわてて自宅を出て快速で四谷に向かう。徒歩で麹町の文藝家協会へ。5分前に着いた。自宅に帰ってひたすら『カラマーゾフ』の入力。メモは進まず。明日は大学だがアキ時間があるのでメモを伸ばしたい。

04/12/土
土曜日だが大学でオリエンテーション・プログラムという催しがある。新入生へのガイダンスだが、上級生たちが企画を立ててレクリエーションをまじえて交流する丸1日かかる行事。催しそのものは丸1日なのだが、夜は上級生の打ち上げに先生も参加。さらに学部長と学科長はカラオケにも参加。新任の中国人の先生もついてきたが、歌がうまかった。歌のうまい人は無条件で尊敬する。深夜に帰宅。少し仕事。空き時間が少しあったので、研究室、それから三鷹駅前のルノアールで少しノートを書く。大審問官の出番になった。この最貧の最大の山場だ。大審問官のことを考えながら学生たちと飲み会をするというのも変な感じ。

04/13/日
日曜だが歴史作家時代小説作家クラブの知人と会って軽く飲む。

04/14/月
月曜の今シーズンの最初の授業。1限は小説の歴史。大教室での授業。2限はいつもは空き時間だが、今シーズンは武蔵野市の寄付講座というのがある。社会人に大学の授業を楽しんでもらうという催しで、前期16回で日本の古代ロマンについて語る。歴史小説として描いた時代もあるが、まだ書いていないところもあって、少し勉強しないと語れない。大変だが自分の勉強にもなる。200人以上入る大教室が満員。学生は全員立ち見。まあ、こちらも立って話している。1限も立ちっぱなしなので体は疲れてくるのだが、話し続けているうちに頭がハイになっていい気分だ。そのままの勢いで大審問官の台詞を書く。3限は1年生の入門ゼミ。今シーズンは学級担任を外れたので、学部長として最初の時間に挨拶するだけ。学科会までのアキ時間に大審問官が語り続ける。ペンをもったら自動的に腕が動いていく。ドストエフスキーが取り憑いている。大審問官が取り憑いているというべきか。大審問官とわたしが1体になっている。電車の中でも大審問官が続く。

04/15/火
火曜日は1限だけ。しかし文藝家協会の理事会がある。終わったあと岳真也氏と軽く飲む。同氏が主宰すると歴史時代小説作家クラブの新人賞などの選考委員会に今年から参加している。秋山駿さんが昨年お亡くなりになったので、委員長という大役を担うことになった。本が送られてきたので読まないといけないのだが、いまは大審問官になりきっているので読めないな。

04/16/水
水曜日は授業はないのだが、学部長会議がある。本日は3月で定年退職されて名誉教授になられた方々の称号授与式があり、その後の昼食会に招かれた。前学部長もその一人なので参加しないわけにはいかない。というか、武蔵野キャンパスの学部長は全員参加のようだ。豪華な弁当が出た。この大学に来ていろいろな催しに参加したが、本日の弁当が最高だった。こういうものを食べているのに酒が出ないのは、激辛カレーを食べているのに水がないみたいな感じ。その後の学部長会議でも頭の中では大審問官が語り続けている。いったいいつまで語り続けるのだ。

04/17/木
木曜は3コマある。けっこう疲れる。往路、快速が少し遅れるというアナウンスがあったので、三鷹行きの総武線各駅停車に乗って、ノートにメモ。三鷹行きなので乗り越す心配はない。帰りも電車の中で仕事をした。電車の中で仕事をするというのは、よほど追い込まれている時ではないかと思っていたのだが、べつに締切に追われているわけではない。とにかくペンをもつと手が動くので、電車の中でも手を動かすということだ。

04/18/金
本日は休み。しかし内閣府で用がある。4号館というところ。千代田線の国会議事堂前なので乗り換えなしで行ける。会議の議長を任されている。ただの会議なら内職で仕事ができるのだが、議長とか委員長というのは、そういうわけにもいかない。とにかく役目を果たして帰る。あとはひたすら仕事。大審問官は終わった。意外に簡単に終わってしまった。これでいいのかと思うが、たぶんうまくいっている。この作品の最大の山場が終わってしまった。何だか少し寂しい。しかしとにかく完成までもっていかないといけない。

04/19/土
土曜は休み。このところ週末が休めないことが多いのでこの休日はありがたい。明日は講演があるので休めるのは今日だけ。ということで、妻といっしょに散歩に出たので、結局は休めないのだが。上野に行くか日本橋に行くか、考えてみたが、まず電車で上野公園に行き、歩いて帰ることにした。国立美術館で風神雷神を見ようかと思ったのだが、手前の西洋美術館に入ったらけっこういい展示があったので、本日はそこから公園の中を通り、御徒町のマツサカヤで弁当を買って帰った。ちょっと疲れた。大審問官の話のあとで医師とアリョーシャの対話が続く。この医師はイワンが見ている夢の中に登場する悪魔というコンセプトで設定したのだが、アリョーシャと対話するところを見ると実在の人物なのだろう。作者のわたしは何も考えていない。わたしに取り憑いたドストエフスキーの霊が勝手に書いているので、わたしはただ眺めているだけなのだ。だからこいつが実在する人物なのか、幻想上の産物なのかは、わたしにはわからない。まあ、悪魔っぽい人間、というふうに考えておけばいいだろう。明日は東武博物館で在原業平の話をする。明後日は大学の寄付講座の2回目で日本武尊と継体天皇の話をする。2日連続で社会人を相手に講演をするので、疲れるだろうなと思う。

04/20/日
東向島の東武博物館で講演。会場のホールは満員だった。熱心な聴衆に励まされて愉しく語ることができた。在原業平と菅原道真の話。90分で語るのはやや無理な内容なのだが駆け足で語りきった。

04/21/月
大学。寄付講座の2回目。1限、2限と、連続で90分の講演だから、かなり疲れた。幸い、3限、4限は休み。5限は教授会と大学院の会議。そのあと講師の先生方との懇親会。少し飲み過ぎたか。

04/22/火
1限の授業のあと、何やかやと作業があって、自宅に帰ったのは3時すぎ。メモが進む。夜中は入力も進んだ。今週はやや楽なスケジュールなので自分の仕事を進めたい。

04/23/水
本日は休み。夜、歴史を楽しむ会という飲み会に誘われて1時間ほど講演。まあ、愉しく語れた。それ以外はひたすら仕事。いまは3つの作業を並行して進めている。手書きでメモを書く。たまったメモをパソコンに入力する。3月後半の時点でプリントしたものに赤字を入れる。それぞれが別の時間を描いている。メモは最も先まで進んだストーリーを追っている。すでに大審問官をめぐる哲学議論のピークを過ぎ、エンディングに向けて大きく舵を切った展開になっている。入力は言葉を失ったイワンと、おしゃべりな医師が登場して、いまは医師が最新の精神医学について語っている。プリントはまだ始まったばかりのストーリー。時間としてはメモは5日目の深夜、入力は5日目の昼、プリントのチェックは2日目の朝ということになる。この初日から2日目にかけてのプリントの内容は、完全に忘れてしまっている。仕方がない。去年の10月頃に書いた部分だ。千枚を超える作品の場合は、自分の脳のキャパシティーの中に作品の全体を収めることはできない。書いた先から忘れていく。何度も読み返すことで、全体のアウトラインを把握して、エンディングに向けての展開に役立てる。書き始める前、始めの方を描いている段階、さらに先に進んだ段階、そのつど思いつくことがある。それを具体的なプロットにして書いていくのだが、なかなか書かずに、最後に謎解きのように提示するという方法もある。それをどの段階で明らかにしたかをきっちり憶えているわけではないので、まだ読者に向けて明らかにしていないと思っていたことが、プリントを読み返すとすでに始めの方で明らかにされていて、おおっと思ってしまう。切り札を出し惜しみしていると出すチャンスを失うことがあるし、切り札を出す前に読者が飽きて読むのをやめてしまうこともある。読者を飽きさせないように次から次へと切り札を出す必要がある。だから思いついたことはなるべく早く提示した方がいい。それでは後半に切り札がなくなるおそれもあるのだが、そうなったら新たな切り札を考えればいいのだ。大審問官の場面では、使えると思っていた切り札がないことがわかって、かなりアセった。すぐに新たな切り札を思いついたので停滞することはなかった。小説を書くというのはいつもぎりぎりの勝負になる。もう何も出てこないと思うほどにアイデアを絞り尽くしてからが勝負になる。からっぽになった頭から最後の血の一滴を絞り出す。すると自分でも思いがけないものが出てくる。自分のこんな才能があったのかと驚くことがある。それが書く喜びだといっていい。ここ数日、毎日、そういう喜びを感じている。

04/24/木
授業が3コマある日。昼休みには研究室に行って雑用をこなす。研究室のパソコンからでないと発信できない情報もある。大学関係のやりとりだ。それから3コマ授業。自宅に帰ると9時を過ぎる。往復の電車の中でメモをとる。これがけっこう進む。このところメモは電車の中だけということもある。夜中に入力作業。3月9日、大学院入試の日にとったメモ。入力がメモになかなか追いつかない。同じ日の昼と夜中の差なのだが、そのわずかな時間に大審問官をめぐる議論があるので、作品の内部の時間経過の密度が恐ろしいほどになっている。誰がこんな小説を書いているのだ。わたしではない。ドストエフスキーの霊が書かせているのだ。

04/25/金
本日は休み。日本橋まで一人で散歩。去年のいまごろ、転居をした。丸一年経ったことになる。この住居にすっかり慣れた。過不足のないサイズで、これで充分と思っている。本を置くスペースがないが、大学に研究室があるので、いまのところ問題はない。一年前、三宿にいたことが、遠い夢のような気がする。当時の散歩コースだった北沢川緑道、烏山川緑道、下北沢の街、三軒茶屋の街、それから三宿や池尻のレストランや深夜のバーなど。あれほど親しんだところが、記憶からほとんど消えそうになっている。とくにいまは頭の中がロシアになっているので、いまいる場所の周囲のことも、あまり現実感がない。この仕事が終わったら、少しのんびりしたいと思う。

04/26/土
3連休。金曜は授業がないので、週末に仕事がなければ、いつでも3連休なのだが、そういうわけにはいかない。4月は実にハードだった。ようやく今週は3連休の状態になった。だが、小説家はこういう時に休めない。他の仕事がない時は、小説を書くチャンスなのだ。入力作業を続けて、一気に先に進みたい。ただしマッサージの予約が入っているし、妻とどこかに出かけるというサービスもしないといけない。徒歩圏内の室町コレドに映画館ができたというのでネットで調べると、『アンと雪の女王』をやっているので、字幕版と吹き替え版とどちらがいいかと妻に訊くと、字幕というので、予約を入れた。マッサージから帰ってしばらくしてから、妻と散歩。三越前まで歩くといい運動になる。食事をして映画を見て、徒歩で帰るつもりだったが、マッサージの疲れが出たので、思わず電車に乗ってしまった。三越前から地下鉄銀座線に乗っても神田に行くだけなので、JRの総武線快速で東京駅経由、中央線で御茶ノ水という経路で戻ってきた。東京駅では総武横須賀線の地下2階ホームから、地上3階にある中央線ホームに上がるのだが、エスカレーターがある。京葉線のような横の移動がないので、まあ、楽だった。夜中は入力。この1日でかなり進んだ。

04/27/日
妻がどこかへ出かけていったので、日曜は1人で過ごす。入力がかなり進んだ。イーブックジャパンに連載原稿と、2年、3年ゼミの原稿を送る。これでたまっていた作業を終えた。

04/28/月
寄付講座の3回目。あいかわらず満席。ありがたいこと。本日は聖徳太子について。1限の文学史の講座はジェーン・オースティンについて。オースティンについて語るのは愉しい。午後は雑用。学科会を終えて帰宅。バスの中でもメモを書いた。自宅ではプリントのチェックと入力。毎日、よく働いている。明日から6連休。仕事場に行くことも考えたが、天気予報が雨なのでためらっている。自宅で集中的に仕事をするのもいいだろう。こちらは6連休ではあるが、スペインの長男はずっと前から家族旅行に出かけているし、日本企業に勤めている次男も11連休だと言っている。お父さんばかりが苛酷な労働をしている。

04/29/火
本日は休み。来週の月曜まで休みなので仕事場に移動しようかと考えていたのだが、仕事場のあたりはすでに雨が降り出していて、明日は豪雨という天気予報なので、仕事場へは行かずに御茶ノ水の自宅でのんびりすることにした。早朝に出発しなくてよかった。ゲラが届いた。今日くらいに届くということを忘れていた。『釈迦とイエスが伝えたかったただ一つのこと』という長い仮題は編集部とのメールのやりとりで、『釈迦とイエス/真理は一つ』というシンプルなものになった。まだ頭の中がロシアなので、ゲラは冒頭のあたりをチラッと見ただけ。明後日くらいから読み始めればいいだろう。東京はまだ降っていないので妻と散歩。御徒町まで歩いてオープンしたばかりの吉池ビルへ。ユニクロが入っているのでシャツとステテコを買った。それからお好み焼きを食べて帰る。夜中は入力。大審問官の話の一つ前の幹部会のシーン。幹部全員が一言ずつ話すはずなのでまだかなりの作業が必要だが、だんだん大審問官の話に近づいてきた。プリントのチェックが遅れているが、これはゲラを優先しなければならない。

04/30/水
雨。だが妻の誕生日なので、どこかで祝いたい。とりあえず映画を観て、それから食事をすることにした。先週行ったコレドの映画館。歩いて行けるのだが傘をさしたくないので電車で行く。『テルマエロマエU』。それからコレドの中にあるスペイン料理店で祝杯。さて 今月もこれで終わった。4月は入学式とそれに続く行事で忙殺された。今シーズンは授業が1コマ増えた。前期だけなのだが市民の方々が対象の寄付講座なので、それなりにサービスが必要だ。ということでハードな日々であったが、その中で「大審問官」の章が書けたというのは大きな成果だ。まだメモができているだけだが、いい感じで書けたという手応えがある。この最大の山場を超えたので、ゴールが見えてきた。あとはゴールに突入するだけだが、まだ入力が追いついていないし、プリントのチェックはもっと遅れている。夏に完成という計画なので、まだ時間の余裕はあるが、とにかくこの勢いのままでメモは前進していきたい。何も考えずにメモだけでもゴールに突入したい。

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