仏教を深める創作ノート07

2015年04月

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04/01/水
本日は有明キャンパスで辞令交付式。毎年これに出席している。学部長だからか、1年ごとに定年延長しているからか、とにかく毎年新しい辞令を受けることになるようだ。このあと、3時間後に先生方の顔合わせの会がある。とりあえずキャンパスを出て斜め前の大塚家具本社が入っているビル。モスバーガーが入っているので、とびきりバーガーとコーヒー。ここは12時になると天井から水がドドッと降ってくる。気流ができるせいか急に涼しくなる。しばらくその滝の前で仕事をし、雨が降りそうなのでキャンパスに戻って、食堂の脇の机で仕事を続ける。プリントの最終チェック。5章が終わった。半分を越えた。週末までにチェックを終えると最後の入力作業にとりかかれる。さて、4月になった。新書の作業を始めないといけない。もう書き始めないと間に合わないので、こちらの作業も進めないといけない。大学は始まってしまえば授業をするだけなので、ルーチンになる。この春休みは忙しかった。年度が変わる前に毎年、システムの変更があるので、打ち合わせなどで時間をとられる。4月になってしまえば少し楽になるか。いや、まだ1年生のガイダンスと入学式が残っている。

04/02/木
本日は休み。年度末から新年度にかけて大学の行事が多く、春休みがない。本日は1日だけの休み。授業が始まった方がスケジュールが楽になる。プリントのチェック。いい天気なので妻と散歩。銀座線の神田駅から浅草へ。隅田川の河岸の桜を見る。それから通りかかったバスで八重洲に行き、いちごパフェを食べて帰った。いい散歩になった。

04/03/金
入学式の前日だが新1年生のガイダンス。あとは自宅で新書の入力と、プリントのチェック。

04/04/土
大学の入学式。長い1日だ。卒業式は有明コロシアムを借りるので1回でできるのだが、4月になるとテニスで使用するので借りられなくなるらしい。武蔵野キャンパスの体育館では、2回に分けないといけない。午前10時と午後1時の2回、入学式をする。午後4時からは大学院の入学式。合計3回の入学式に、学部長はすべて出席しないといけない。しかも壇上に並ぶことになる。文学部は歴史が旧いからか副学長の隣に席があって、何となく窮屈だ。学院長や学長の同じ祝辞を3回も聞くことになる。文藝家協会は今年は午前の部で、卒業式後にガイダンスがある。教員は父母にガイダンスをする。土曜日なので両親が揃って来ているので、例年の倍くらいの人数になっている。その後、こちらは午後の部の入学式に出て、終わったら学科会に出席。大学院の入学式のあと、大学院1年生と、2年生の顔合わせ会。終わったら午後7時になっている。まったく長い1日。自宅に帰ってプリントのチェック。

04/05/日
大学の授業は木曜日からなので、本日から4連休だ。この間に、チェックした赤字の入力を終えたいのだが、まだプリントのチェックが終わっていない。全10章のうち、まだ8章の終わりだ。集中してやりたかったのだが、春休みで嫁さんの実家にいた孫たちが、四日市に帰る前に寄るとのこと。週末なので父親(ぼくの次男)もいて、集合住宅に隣接したレストラン街の中の、干物屋に行く。孫が魚が好きで、前にもそこで食べたことがあるのだという。確かにいい干物だった。生ビール2杯とハイボールを飲む。孫は可愛いが、動きがすばやいので落ち着かない。高層住宅に住んでいるので、孫が居間の窓ガラスに寄りかかっているのを見ただけでドキドキする。とにかく夕食のあと、四日市に帰っていった。夜中までプリントのチェックをしたがまだ9章の半ばだ。

04/06/月
4連休の2日目。ひたすら仕事。プリントのチェック完了。エンディングの直前、いくぶんセンチメンタルだがうまくいっている。ただちに入力作業に入る。第1章までの入力を終わる。前半は何度もプリントして見ているので、もう直しがないというほどになっていたのだが、それでも赤字は入っている。しかし後半は真っ赤になるほど直しが入っているので作業のテンポは遅くなる。明日は半分を越えるくらいのところまで作業を進めておきたい。

04/07/火
4連休の3日目。ひたすら入力。けっこう疲れる。半分くらいのところ。明日1日では完了は難しいか。

04/08/水
4連休の4日目。うーん、あとわずかだが、入力完了と行かないようだ。明日から大学の授業が始まる。しかもいちばんハードな木曜日。4コマぶっとおしで授業がある。それでも夜中に少しは入力ができるだろう。そこで決めたい。妻が実家に戻った。これはありがたい。ひたすら机に向かうことができる。

04/09/木
大学。今シーズンの最初の授業。いきなり木曜から始まるのか。木曜は4コマある。4年ゼミ、修論指導、3年ゼミ、大学院ゼミ。終わると7時半になっている。まだ体が慣れていない。帰ると9時。妻はまだ実家に帰っている。食事をして風呂に入って、夜中に入力作業。明日は休みだがマッサージと歴史時代小説作家クラブ賞の一次選考会がある。

04/10/金
マッサージ。3年前だったか、スペインの孫たちが来ている時に足が痛くなって、新宿のマッサージに通うようになった。足は治ったし、肩こりをほぐしてくれるので、月2回くらい通っている。本日は新宿で歴史時代作家クラブ賞の一次選考会。タイムラグなしに、マッサージ店から選考会場へ。秋山駿さんのあとを受けて委員長をやらされているのだが、ふだんは時代小説など読まないので、この予備選考会ではまったく発言できない。とにかく候補作が選ばれたので、新人賞5点、本賞5点、読むしかない。飲み会は辞退して自宅に帰ると妻が帰っていた。風呂に入ってから入力作業。ついにゴールイン。マッサージに向かう地下鉄の中で、蘇我入鹿が出ていないことに気づいた。話の中には出てくるのだが、本人のイメージをどこかに出しておきたい。しかし生まれていないかもしれないし、生まれていても幼児だろう。蘇我入鹿の生年はわかっていない。とにかく、鞍作鳥と五歳の入鹿の会話を書いた。主な登場人物のリストを少し削った。人数が多すぎると読者が読む気をなくすかもしれない。主な登場人物だから、厳選した方がいい。とにかく完成した。600枚くらいの作品だ。書き終えた直後は、とにかく自分のベストの作品だという気がしている。そう思って書かないとやっていけない。妻がiPadを熱心に見ているのでのぞいたら、アンドラでやっているサキソフォン国際コンクールのネット実況中継だった。何と課題曲の伴奏者でわが長男が出ているではないか。長男が演奏しているところを見るのは久し振りだ。こんなところで小遣い稼ぎをしている。課題曲はブラームスのクラリネットソナタらしい。それをサキソフォンで演奏する。これ、リアルタイムなのだな、と改めて思う。アンドラにいて息子がピアノを弾いている。こちらは半年かかった作品が完成したので、のんびり酒を飲んでいる。とにかく完成した。明日は大学で1年生向けのオリエンテーション・プログラムというのがあるのだが、在校生のスタッフがやってくれるので、こちらは挨拶をする程度でいいのではないかと思う。いや、入学前の宿題の読書感想文の選考があった。とにかく明日になってから決めればいいのだ。

04/11/土
昨日の入力でどうやら完成したようだ。担当者に送るのは月曜でいい。それまでに何か気づけば修正するが、もう気持を新書に切り替えた方がいいだろう。本日は1年生のオリエンテーリング・プログラム。大学の案内をするというものだが、在校生の学生スタッフがやってくれるので、ぼくの仕事は宿題の感想文のコンテストの選考をするだけ。事前に作品に目を通しているのだが、候補作を本人に朗読してもらい、聞いている学生たちの反応も加味して最終的に最優秀作を決める。朗読を聞いて、ほぼ結果が固まったので、あとは午後の発表の時間まですることがない。研究室で新書の原稿を書く。ひたすら書く。新書の仕事は考えるよりも先に手が動くといった書き方をしないと、過剰に理屈っぽくなってしまう。話し言葉で書き、話すスピードで打ち込んでいく。時間が来たので学生たちに結果を発表する。賞状と図書券、残念賞として「いちご同盟」の文庫本をあげる。2年前のAKB48の写真が入った帯のついてもので、いまでは入手できないもの。残念賞の方が価値があるかもしれない。終わったあと、大学の食堂で学生スタッフの慰労会。去年までは三鷹あたりの居酒屋だったのだが、半分以上が2年生スタッフなので、酒が飲めないというので、大学内でやることになった。西武線で通っている学生もいるので、大学で解散した方が楽みたいだ。

04/12/日
本日は休み。ひたすら新書の打ち込み作業。イーブックの連載も書く。

04/13/月
大学。1年生の入門ゼミという講座の1回目。最初なので学部長としての挨拶をする。あとはアキ時間なので新書の打ち込み。学科会のあと、非常勤の先生方との懇親会。予算がないので酒類は専任教員が分担して持ち込む。ぼくはワイン2本と日本酒をもっていく。かなり自分で飲んだ。終わってからも専任の先生方が演習室に残った酒とともに集まってひたすら飲んだ。気がつくと最終電車で自宅に帰っていた。どんなふうな終わり方をしたのか記憶がない。

04/14/火
文藝家協会常務理事会と理事会。終わってから岳真也さん、森詠さん、加賀乙彦さんと軽く飲む。貴重な話が聞けた。帰って深夜まで仕事。本日からまた妻がいない。ひたすら仕事をする。

04/15/水
昨年は月曜と火曜に1限のコマが入っていたのだが、高血圧の老人にはつらいと訴えたので、外してもらえた。そのぶんが水曜の2限に入った。もう1つは前期は休みなので楽だが、後期にしわよせがいく。とにかく水曜2限。新2年生のゼミ。小説創作ゼミのスタートなので緊張感がある。3年に進級する時に多少メンバーを入れ替えると言ってあるので、2年生はがんばって宿題を出す。緊張感が伝わってきた。あとはアキ時間なので仕事。それから学部長会議。必要な提案をしたら概ね受け容れられた。よかった。自宅に帰って仕事。イーブックの投稿原稿についてのコメントを書く。

04/16/木
大学。4コマある日だが、最後の大学院の授業は飲み会とした。大学のすぐ近くにある、しゃぶしゃぶ屋に行って宴会。新入生の皆さんと親しくなった。

04/17/金
羽田プロジェクト。6月の講演会が迫ってきた。この会は充実したものになりつつある。飲み会も楽しい。

04/18/土
新書の執筆はいよいよ追い詰められてきた。本日から毎日10ページ30枚書かないと間に合わない。とりあえず本日はノルマを果たす。本日はコーラスなので飲み会あり。木曜日から3日連続で飲み会だが、とにかくノルマは果たした。

04/19/日
本日は休み。ひたすら打ち込みを続ける。

04/20/月
月曜日は後期には2コマ入るのだが、前期は入門ゼミの割り当てがなければ授業はない。教授会と学科会のために大学に行くのだが、早めに研究室に入ってひたすら打ち込み。ノルマを果たす。いままで打ち込んだところをプリントした。プリントのチェックも並行して進める。

04/21/火
夕方、文藝家協会で著作権団体の会合。短い会議なので負担はない。ひたすに入力。

04/22/水
大学。本日は学部長会議はないので授業1コマだけ。研究室で入力を続けるうちについに草稿完成。ただちにプリント。プリントを読み返して赤字を入れる作業も進む。1日に30枚書くというペースが数日続いた。一気にゴールに到達した。

04/23/木
午後の3限から6限までぶっ続けでコマがある。4限、修士論文の個人指導は早く終わったので、プリントのチェックを続けるうちにチェックもゴールイン。あとは赤字を入力するだけだ。ただし4コマやったあとなので夜中の作業は力尽きた。

04/24/金
内閣府で打ち合わせ。向かいの総理官邸がすごい警戒を敷いている。昨日、ドローンが侵入したらしい。会議が早く終わったので文藝家協会まで歩いていく。いい散歩になった。文藝家協会に着いて少し時間がある。ノートを出したが、ノートに書き込む仕事はない。思いついて『親鸞』の出だしを書いてみた。いい感じだ。後半のことはまったく考えていないが、最初の方は時間さえあればどんどん書いていける。とにかく書き始めることにするか。まだ資料をちゃんと読んでいないし、新書と『聖徳太子』の校正も来るだろうが、資料を読みながら少しずつ書いていきたい。夜中、入力作業。午前2時くらいか、入力完了。担当者はフリーの編集者なので週末も仕事をするだろうからただちに送ろうと思ったのだが、なぜかネットがつながらない。この集合住宅に引っ越してちょうど2年くらいになるが、何回かつながらなくなったことがある。ルーターの電源を切って初期化すればいいのだが、室内にあるルーターと違ってここのルーターは配電盤の横のもう一つの配電盤みたいなところにある。荷物がいっぱいつまったクロゼットの上にあるので厄介だ。何とか修復。やれやれ。これで遅れた。明け方まで一人祝杯をあげる。『聖徳太子』が終わってから休みなくこの作業を続けてきたのでたいへんだったが、ラストスパートで何とか今月中にゴールインできた。それで連休はのんびりできる。

04/25/土
集合住宅の前でジャズフェスティバルをやっている。行ってみるとまだ練習中。明大のブラスバンドらしい。なかなか上手。少し演奏を聞いてから地下鉄で駒込。六義園でツツジを見る。のんびりしている。何もすることがないというのは楽なような寂しいような気分。少し休んだ方がいいだろう。

04/26/日
今月も終わりに近づいてきた。仕事が片付いているのでのんびりしている。区議選挙のために集合住宅の前の広場に行くとすごい人だった。ジャズフェスティバルに来た人とは思えない。地方の名産品を売るテントも出ているのだが、日和に誘われて出てきた家族づれが多い感じだ。暖かくなった。狭い道路を挟んだ向かい側の保育所の1階が投票所。2年前に引っ越して初めての区議選で何もわからない。三宿(世田谷区)にいたころは、ご近所で次男の同級生の親の酒屋さんが立候補したり、入っていた生活協同組合からも立候補があって、知っている人に入れればよかったが、千代田区には知り合いがいない。しかし選挙に行かないと気持がわるいので、とにかく一票を投じた。あとは親鸞の資料を読んでいたが、親鸞には謎が多い。最初の妻、長男が、謎だ。伝説はあるのだが史実とは考えられない。『聖徳太子』では伝説はすべて活かして、甲斐の黒駒が空を飛ぶところも書いた。しかし親鸞の場合はリアリズムが必要だろう。まあ、話が動き出したら、決意をして先に進むしかない。

04/27/月
後期の月曜は2コマ入ることになっているのだが、前期はほとんど授業がないので、学科会だけのために大学に行き、すぐに帰ってくる。締切のある仕事もない。3月から4月の半ばにかけて、『聖徳太子』の仕上げと新書に、長めの雑文をいくつもかかえていた頃のことを思うと、ついにやってきたヒマな時間。とにかく『親鸞』の資料を読み続けている。まだ最初の段階なので、入門書みたいなもので全体の流れを頭に入れている段階だが、入門書には当たり前のことしか書いていないので、どこから逸脱していくのか。評判になっている資料は新説を出しているようだが、こちらが書くのは論文ではなく小説なので、史実としての正しさということにはこだわらない。面白ければいいのだ。聖徳太子は黒駒に乗って空を飛んだ。親鸞はたぶん空は飛ばないだろうが、頭のいい人間でなければならないし、誠実で、しかも図太い人間でなければならない。純愛、といったものも必要ではないか。ただし妻は二人いる。玉日と恵信尼。この二人を同時に愛するということが可能か。ここをピュアに書かないとこの作品は成立しない。そこが最大の課題かもしれない。

04/28/火
本日はマッサージだけ。あとはひたすら資料。昨日研究室から慈円の著書をもってきた。『愚管抄』。理路整然とした歴史書だ。慈円は和歌も読む。天台座主に4回昇った人だ。長くつとめるのは時期に恵まれればありうることだが、1度失脚してから再度最高位に昇るということを、3度目、4度目とリバイバルしたというのは、政治家としても辣腕だったのだろう。慈円は単に入門の時の戒師をつとめただけではない。ずっと親鸞を指導してきた先生であるが、やがて日蓮との間に軋轢が生じた。そこにドラマがある。

04/29/水
大学1コマ。去年は月曜と火曜に1限があったのだが、今シーズンは水曜に2限があるだけでかなり楽になった。しかも2限だけなので、すぐに帰る。午後はメンデルスゾーン協会の運営委員会。いつも飲み会になるのだが本日は昼間の会なのですぐに解散。街がひっそりとしていると思ったら本日は祝日なのだね。大学はカレンダーを無視して祝日も開講する。さすがに来週の月曜は休みなので、明日の授業を終えれば、金曜から5連休になる。浜松の仕事場にしばらく行っていない。この前は2月に行ったのだが、ADSLを光ファイバーに切り替える工事のためで、のんびりとするという状態ではなかった。今回はのんびりできる。湖岸を散歩などしてみたい。

04/30/木
大学4コマ。雑用もこなし、これで今月も終わった。


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