善鸞12

2022年12月

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12/01/木
今年も最後の月となった。12月末に草稿完了という目標で作業を進めてきたが、担当編集者とメールでやりとりをすると、べつに急いでいるようでもないので、締切みたいなものはない。年末から正月にかけて仕事場にこもって草稿完了ということにしたい。これは希望にすぎないのだが。草稿完了のあとはプリントして、少し間を置いてから読み返すことになる。『天海』の時は草稿完了のあとで『少年空海』を書き始めた。次の仕事は『デーバダッタ/釈迦と提婆達多』というタイトルの作品と決めているので、資料を読み始めてもいい。ただ浜松の仕事場にはプリンターがないし、資料をもっていくつもりもないので、向こうにいるうちに草稿完成ということになれば、パソコンの画面でもう一度最初から読み返してもいいと思っている。プロットの前後を入れ換えたり、新たな書き込みをしたりといった作業をしたので、流れがうまくいっているか確認する必要があるし、パソコンで読み返した方が即座に修正できるので効率がいいだろう。とにかくいまは『善鸞』に集中してゴールを目指していく。本日は文藝家協会で常務理事会。常務理事だけの会議で、ZOOMでの参加はなかった。その場にいる人だけでの言葉のやりとりで、やはり会議とはこういうものだなという気がした。

12/02/金
ぼくがFootballと呼んでいるのはアメリカのプロのFootballのことで、ラグビーやサッカーは眼中にない。Footballのシーズンが始まった当初は朝の3時くらいに起きてDOZNで中継を見ていた。だから朝4時に起きてみることは可能ではあったが、サッカーというのは耐えるスポーツだという気がする。選手も耐えるのだが見ている方も耐えていなければならない。そういう時間が早朝からあると一日が使い物にならないので、日本対スペインは見ないと決めていた。ぼくはスペイン人の孫が4人いるのでスペインを応援している。コスタリカとドイツが引き分けて、日本とドイツも引き分け、両チームがトーナメントに進めることを心の中で祈って、朝はゆっくり寝ようと思っていた。しかし5時くらいに目が覚めた。まだ試合中だ。枕元にiPhoneは置いてあって、ネットで確認することはできるが、見てしまうと耐えなければならないのではと思い、見ないようにしていた。しかし6時少し前に妻が起きたので、こちらも起きてテレビをつけた。2対1で勝っていた。残り時間は5分ほど。さらにアディショナルタイムが7分。それだけの耐える時間で勝利決定の瞬間が見られてよかった。あとで結果を振り返ると、開始早々にスペインに先取点をとられて、あとはずっと耐える時間だったみたいだ。逆転したのも後半の始めの方だったので、中継を見ていた人々は耐えることに疲れただろう。コスタリカが勝たなかったのでスペインもトーナメントに進出できる。しかもベルギーが敗退したので、トーナメント初戦にも希望がもてる。ブラジルが最終戦に勝てば、日本はクロアチアの次はブラジルだ。スペインは想定どおり準決勝までは楽に進んで、そこでフランスとぶつかることになる。日本がブラジルに勝つとアルゼンチン、最後はフランスということになるけれども、ドイツとスペインに勝ったのだから、ブラジルに勝てないということもないだろう。決勝でもう1度スペインと当たる、といったことを夢見てみたい。前回のロシア大会では、強豪チームが2位になるなどの番狂わせがあって、トーナメントの1つの山に強豪チームが固まってしまった。それで反対の山ではクロアチアが決勝まで進んだ。確かイギリスには勝ったので、クロアチアが強豪チームであることは確かだが、ドイツに似たチームなので可能性はある。何か朝からサッカーのことを考えて、一瞬、アメリカのFootballのことが脳裏から飛んでしまったようだが、今シーズンはNカンファ東地区がおもしろくなっている。イーグルスのハーツはモバイルQBなのだが、ちゃんとパスも投げる。困ったらすぐに自分で走るというラマ―・ジャクソンのような力任せのQBではなく、クレバーに相手守備の配置を見極めて、短めの安全なパスを正確に投げる安定感が今シーズンは際立っている。ただ負け越していたコマンダーズにまさかの敗戦というところは、もろさも感じさせたのだが、コマンダーズはそこから3連勝して、プレーオフの7枠に入ってきた。このままでは東地区は全チームがプレーオフに進出しそうだ。ただしジャイアンツが調子を落としているので、49ナーズに抜かれたシーホークスとの微妙な争いになっていくだろう。もう一つおもしろいのは南地区だ。ブレイディーのバッカニアーズが5勝6敗と負け越しだが地区では首位になっている。ファルコンズが試合数が1つ多く、5勝7敗と半ゲーム差。残り試合を見ると、バッカニアーズは49ナーズとベンガルズには負けそうだ。ファルコンズはレイブンズ戦が難しい。そうすると8勝8敗同士で最終戦で直接対決ということになる。ファルコンズは1差負けていても最終戦に勝てば並べるので、とにかく最終戦で勝った方が地区優勝となる。両チームとも、セインツとカーディナルスとの対戦を残しているので、同じ相手に勝つか負けるかでも差が出来る。両チームとも負けそうな予感がする。すると最終戦に勝ったチームが負け越しのままで地区優勝ということになるかもしれない。さて本日は旺文社主催の作文等のコンクールの選考会。以前は神楽坂の坂の上にあった書協(書籍出版協会)に隣接した出版クラブが会場で、坂の上まで登っていくのがたいへんだったのだが、2年前くらいから書協が神保町に引っ越してきて、出版クラブというビルを建てたので、会場もそちらに移った。徒歩10分くらいになったのでありがたい。今日も夜中のテレビ中継がないので、iPhoneでガーナ対ウルグァイを見ている。ガーナは勝てば進出が決定。ウルグァイも勝てばガーナには勝てるが、韓国と勝ち点が並んでいるので、韓国がボルトガルに勝てば勝ち点で並んでしまう。日本がスペインに勝ったくらいだから、韓国にもチャンスはある。だが得失点差を考えると、韓国はかなり苦しい。前半を終わって、ポルトガル対韓国は同点、ウルグァイは2対0でガーナをリードしている。ウルグァイが2位通過しそうだ。と思っていたら、何と韓国がポルトガルに勝った。ウルグァイは2対0ではダメでもう1点必要になった。で、時間切れ。韓国が1勝1分で勝ち点4でトーナメント進出を果たした。すでにトーナメント進出が決まっているポルトガル相手とはいえ、韓国もよく頑張った。オーストラリアも進出を果たしたのでアジアが3チーム、16強に入った。サウジアラビアもイランも勝ち点3は挙げているので、この結果はアジア枠の拡大につながるだろう。朝の4時からの試合が残っているが、ブラジルの進出はすでに決まっている。スイス対セルビアの勝者が2位にくいこむか。韓国と同様、カメルーンが大敵ブラジルを倒せば、カメルーンにはチャンスがある。スイスはセルビアが相手だが、確実に勝っておきたい。引分だとカメルーンが勝てば並んで、得失点差では総得点が少ないので、カメルーンに追い越される惧れがある。ブラジルは1位通過が決まっているので、勝つモチベーションがない。セルビアはスイスに勝てばスイスは追い抜けるが、カメルーンが勝つと得失点差の争いになる。スイス相手に大差をつけて勝つのは難しいだろう。順当であればブラジルがカメルーンに勝ち、スイスとセルビアの勝者が2位通過ということだろうが、このあたりは何が起こるかわからない。というように、どのチームが勝つの多様な組み合わせでトーナメント進出の可能性が揺れ動くところでグループ最終戦のおもしろさがある。これで16強が決まってトーナメントになれば、勝つか負けるかのどちらかしかないので、話は急に簡単になる。Footballの17週、18週くらいになると、もっと複雑な条件が絡まり合ってトーナメント出場チームが決まるのだが、サッカーもこの最終週だけは独自のおもしろさがある。

12/03/土
週末は静かだ。何事もなし。善鸞と日蓮の対話を読み返している。日蓮は善鸞を折伏しようとする。このあたりは思想ドラマとして、一種のエンターテインメントとして読めるようになっているのだが、これを楽しめる読者はそれほど多くはない。それでいい。リーダブルなものを書こうとは思わない。

12/04/日
明日はサッカーのクロアチア戦が夜中にある。トーナメントになってしまえば勝つか負けるかどちらかしかない。ただトーナメント表が確定したので先が見えてきた。日本のいる山ではブラジル、対抗の山ではオランダ対アルゼンチンの勝者。もう一つの山はスペイン対ポルトガルの勝者、およびフランス対イギリスの勝者、ということで、あとは運に任せるしかない。韓国が終了寸前に得点してウルグァイが脱落したのが大きい。日本がスペインに勝ってドイツが脱落したのも番狂わせだろう。ということでブラジルが楽なゾーンに入った。ただ日本がクロアチアに勝ち、韓国がブラジルに勝つという可能性もゼロではない。 もしも準々決勝が、日本対韓国、オランダ対アルゼンチン、スペイン対ポルトガル、フランス対イギリスになれば、3つの対戦が隣国同士ということになる。ブラジルに油断があると本当にそんなことが起こりそうだ。が、常識的に見ればブラジルでこのゾーンを制覇し、相手はオランダだろう。反対の山はスペインとフランス。もしもオランダに代わってアルゼンチンが出るようだと、準決勝の2試合も隣国対決になる。が、何だかオランダは強そうだ。決勝がオランダ対スペインになれば、スペインが優勝した時の決勝と同じ組み合わせになる。スペインに勝ってほしい。すると優勝したスペインに勝った日本が一番強いということになる。そんなことよりFootballだ。まずはNカンファ南の地区優勝争い。ファルコンズはスティーラーズ。新人QBピケットがようやく慣れて確実性が増してきた。ファルコンズは苦戦するだろう。バッカニアーズはセインツ戦。これは勝てる。バッカニアーズが安全地帯に近づきつつあるようだが、最終戦に直接対決があるので2差つけておかないと安全圏とはいえない。Aカンファの北地区はレイブンズはブロンコスなので楽勝だが、ベンガルズはカンファ首位のチーフス。ただ作シーズンはカンファのファイナルで勝っているので接戦になる。ベンガルズはシード争いでも微妙なところにいるので、チーフスには勝っておきたいところ。金曜の試合でペイトリオッツが負けたのでやや脱落気味。ジェッツは2敗のバイキングが相手で苦戦。チャージャーズはレイダーズが相手で勝てそうだ。そうなるとチャージャーズが最後の椅子の争奪戦に割って入ることになる。Nカンファは東地区が全チーム合格になりそうだったが、ジャイアンツ対コマンダーズという同地区対決がある。ジャイアンツは次週が休みで、その次がまたコマンダーズ。ここで2連敗するとコマンダーズに抜かれてシード候補のビリになるだけでなく、西地区の49ナーズとシーホークスのどちらかに抜かれてしまいそうだ。この2チーム、49ナーズは絶好調ドルフィンズが相手で苦戦。シーホークスは絶不調のラムズなので楽勝。すると2チームが7勝5敗で並ぶことになる。この地区優勝争いに負けた方と、東地区のコマンダーズとジャイアンツの争いに負けた方とが、最後の椅子を争うことになる。

12/05/月
SARTRAS利用報告WG。2時間半議論して何も決まらず。まあ、そういうこともある。こちらはiPadにイヤホンを差して議論を聞きながら、ワープロ画面の資料にざっと目を通し、あとはワープロ画面にして内職をしているのだが、議論の声がうるさくて集中できなかった。1回だけ発言したが何の効果もなかった。不毛な議論だ。Footballのテレビ中継はどうでもいい試合なので、ネットで明け方の試合の結果を確認しただけ。チーフスがベンガルズに惜敗。去年もリーグ戦とフレーオフと2連敗したのでこれで3連敗だ。どうも相性がよくない。スーパーボウル進出に黄色信号。Aカンファのジェッツとタイタンズが負けて5敗となった。ペイトリオッツとチャージャーズが負けて6敗に。4勝7敗だったスティーラーズ、ブラウンズ、レイダーズが勝って7敗を維持。5敗のチームはまだプレーオフ枠の圏内だが、7敗のチームが踏んばっているので、この2ゲーム差が最終的には逆転する可能性も無視できない。すでに7敗しているチームは残り全部勝っても10勝7敗で、現在7勝5敗のチームは残り5試合を3勝2敗で行けば追い越されることになるのだが、2勝3敗では危ないということだ。新人QBピケットの調子が出てきたスティーラーズ、ワトソンが復帰したブラウンズ、QBカーが頑張っているレイダーズにも、わずかながら希望が見えてきた。Nカンファの南地区はファルコンズが負けて1歩後退。バッカニアーズは明日のセインツ戦に勝てば少し楽になる。負け越しでも地区優勝すれば、ブレイディーが最後の一花を咲かせる可能性が出てくる。注目のコマンダーズ対ジャイアンツは何と引分。ジャイアンツはクビの皮一枚で踏みとどまっている。49ナーズがガロポロが負傷。控えQBでドルフィンズに勝った。シーホークスも勝ったので、コマンダーズが苦しくなってきた。月曜日はFootballの日ではあるが本日の夜中にサッカーのクロアチア戦がある。ドイツ戦の時と同じように仕事をしながら耳だけで聞くことにしたい。

12/06/火
深夜の0時からのクロアチア戦、予定通りパソコンに向かいながらテレピ中継の音だけを聞いていた。よくFootballのDOZNの中継も仕事をしながら聞くことがあり、聞きながらの仕事には慣れている。DOZNの中継は英語のアナウンスだけなので、よくわからないところもあるのだが、タッチダウンとかインターセプトという言葉は聞き取れる。今回は民放の中継で司会のジョン・カピラさんの声がうるさかったりするのだが、試合に入ればアナウンスだけになる。前半終了間際に日本が先制点を取り、後半すぐに同点にされて、あとは点の入らない疲れる試合だったが、画面を見ていないので仕事は捗った。親鸞の死を東国にいる子の善鸞と孫の如信が知って、想い出を語る場面。そこで親と子の信心をめぐる議論が生じる。この作品は議論小説なので最後の山ともいえる部分だ。延長戦になっても点が入らず、両チームとも疲れからか切れ味がわるくなった。PK戦はパソコンにふたをしてテレビの画面を見た。相手のキーパーがうまかった。日本のキックはゴロばかりで、キーパーは山をかけて右か左から飛ぶ。3勝1敗でキープされた。クロアチアのキッカーは右上か左上、あるいはキーパーが飛ぶことを見越して正面の上にキックした。ボールをうかせるのは場外ホームランになる危険性があるのだが、よくコントロールされた軌道のキックだった。基礎体力の差か。4年前のWカップでもクロアチアは延長後のPK戦に勝って決勝まで進出した。ふだんから練習しているのだろう。2時に決着がつくはずが延長戦後のPK戦までもつれたので3時近くになった。後半からロックを飲み始めていて、頭の回転が速くなっていた。寝られないのでテレビを消してからも30分以上パソコンに向かっていた。何かいいものが書けた気がした。さて、いつものように10時に起きてパソコンに向かう。もうエピローグに入る。5章の終わりだ。秘儀の法門についてのエピソードと、覚信尼の孫の覚如を主人公として結びの部分を書けばゴールインだが、ここから先は資料を読み直さないといけない。ネットで調べてプリントした資料がたくさんある。その中から使えそうなものをピックアップしないといけない。今日は火曜日なのでDOZNの中継がある。ブレイディーのバッカニアーズが終了直前まで13点、セインツにリードされていた。3分前にタッチダウンが決まって6点差。相手の攻撃を30秒ほどで止めて、そこから連続パスでレッドゾーンに侵入して、決まったかに見えたタッチダウンパスが取り消されたのだが、終了3秒前にタッチダウンパスが決まって大逆転。ブレイディーの神通力がまだ残っていた。とはいえ死に馬に近いセインツ相手にこんな接戦を演じるのは、ブレイディーが衰えている証拠だ。これでまだ6勝6敗の五分だが、2位のファルコンズに1ゲーム半の差をつけた。最終戦の直接対決があるので、ファルコンズが休みの時に負け星がつくと1ゲーム差になり、最終戦で逆転の可能性もある。まだ安全圏とはいえない。ファルコンズはどうやらマリオタを断念して、新人QBのリダーに先発をかえるようだ。今年のドラフトはQBが不作で、1巡で指名されたのはスティーラーズのピケットだけ。ピケットは地元ピッツバーグ大の人気選手なので1巡で指名されたのだが、同等の評価のQBが5人くらいいた。リダーはそのうちの一人で、ピケットがそこそこ活躍しているところを見ると、ある程度の活躍が期待される。最終戦はブレイディーの引退をかけた試合で、その相手が控えの新人QBというのもおもしろい顔合わせになる。最終戦まで1ゲーム差以内なら、スリリリングな試合になりそうだ。

12/07/水
昨日の深夜はスペインがモロッコにPK戦で負けるところまで見てしまった。本日は月に一度の町医者に行き、夕方は小石川後楽園まで散歩。園内の樹木がきれいに紅葉しているのが外からも見てとれた。

12/08/木
SARTRAS分配委員会。紛糾。一言も発言しなかったが聞いているだけで疲れた。

12/09/金
SARTRAS共通目的委員会。この会は社会貢献するための会議で紛糾することもなく気分よく参加できる。今後ともこういう感じて進んでいければと思う。自分の仕事は最終章に突入している。いよいよ秘事法門の場面になる。ここはじっくりと描いていきたい。

12/10/土
前日の夜中はブラジル対クロアチアを見るためにテレビの前に座ったのだが、お互いに慎重に守っているだけなので、朝のうちにビデオを録ったレイダーズ対ラムズを見ることにした。レイダーズは7敗でかろうじて土俵際に踏みとどまって直近は3連勝している好調なチーム。ラムズは今年の2月にスーパーボウルを制覇したチームだが、主力選手の怪我が相次いでもはやプレーオフは絶望状態。QBスタッフォードが今期終了であとは消化試合なのだが、突然、パンサーズを解雇されたメイフィールドをクレームした。メイフィールドは5年前くらいのドラ1QBで、それまで2年間で1勝しかできなかったブラウンズを五分の成績に押し上げ、翌年にはプレーオフに出場した。そこにベッカムを入れたあたりからおかしくなってきて、チャブとハントという強力なランニングバックがいるのにパスに頼りすぎて墓穴を掘るようになりスランプ状態に怪我が重なって、ブラウンズから放出され、パンサーズに移ったのだが、そこでも活躍できなかった。人生がもう終わってしまったような選手だが、元ドラ1なのでポテンシャルはある選手だ。いま現在、主力QBが故障しているチームとしては49ナーズがある。シーズン前には先発昇格とされた2年目のランスが開幕戦でいきなり故障して今期絶望となり、引き取り手がなくて飼い殺し状態だったガロポロが復帰したのだが、先週の試合で故障した。ところが今年のドラフトでビリで指名されたパーディーという新人QBが、途中出場で強敵ファルコンズ相手に逆転勝ちしてしまった。ドラフト7巡のQBがルーキーイヤーにタッチダウンを挙げるのは新記録らしい。49ナーズはまだプレーオフ圏内にいるのだが、この新人で行くと決めたようで、メイフィールドに声をかけなかった。そこでラムズに移籍したメイフィールドだが、現地木曜日の試合なので練習時間がまったくなく、おそらく飛行機の中で攻撃システムのメモを読む程度で、ぶっつけ本番で試合に出場した。ネットで結果を見ると、終了間際に連続タッチダウンで逆転勝利したというので、録画を最初から見ることにした。最初はまったくパスが届かなかったが、徐々にロングパスが決まるようになっていく。そして最後は奇蹟のようなロングパスが何本も決まって終了寸前のラストプレーで逆転タッチダウンが決まった。絵に描いたような軌跡のカムバック劇だった。こういうことがあるからFootballはおもしろい。録画を見終わってテレビの中継画面に切り替えると、0対0の退屈な試合がまだ続いていた。秘事法門の資料を読みながら、テレビの音だけ聞いていたら、延長に入ってブラジルがネイマールのとんでもないゴールが点を入れた。これで決まりだろうと思ったら、直後にクロアチアが奇蹟のような同点ゴール。クロアチアは4年前も黒魔術のような奇蹟を連続させて決勝戦まで進んだ。PK戦でも日本戦で3本止めたキーパーがブラジルの1本目を止め、4番目の選手がゴールポストに当てて勝負がついた。クロアチアの選手はPKを外さない。メンタルが強いのだろう。そこで寝て、起きてからもう1試合の結果を知る。PK戦でアルゼンチンが勝っていた。サッカーは引分が多くてつまらない。先週はFootballもジャイアンツ対コマンダーズが引き分けたが、今シーズン200試合ほど消化して引分は2試合目だ。引分そのものがFootballでは奇蹟に近い。まあ、PK戦はおもしろかったが、これはサッカーとは別物の競技だという気がする。アイスホッケーのような動きのある得点で決めるとか、5人対5人のフットサルみたいなミニゲームをサドンデスでやるとか、改良の余地がある気がする。さて本日は久し振りに妻と散歩に出かけた。いつもはその周囲を周るだけの小石川後楽園の中に入る。老人は一人百五十円。快晴で西に傾いた陽ざしを受けて紅葉がいちだんと映えていた。ただ石を組んだ階段が多く、老人にはきついところだ。帰りは水道橋から都営地下鉄で帰った。妻は無料で乗れるらしい。

12/11/日
昨夜はモロッコ対ポルトガルを見ていた。モロッコが勝った。朝、ネットで英仏決戦の結果を確認。フランスの勝ち。ぼくは事前に、ベスト4はブラジル、オランダ、ポルトガル、フランスだと考えていた。フランスだけが残ってあとの3試合はアップセットだ。クロアチアはPK戦に自信をもっているので、延長戦で先制点を許しても、同点にすれば勝ちだという信念が奇蹟の同点ゴールを決めた。ブラジルはこういう接戦に慣れていないようで、キーパーに止められたのとゴールポストを叩いたのと、ミスが目立った。オランダは2対0から同点に追いついたのだが、アルゼンチンは意外にしぶとかった。アルゼンチン対クロアチアの準決勝はいい試合になるだろう。ポルトガルがモロッコに負けたのも意外だった。しかしモロッコは予選グループでクロアチアと引分、ベルギーとカナダに勝って1位通過している。とくに優勝候補のベルギーに2対0で勝っている。トーナメントの1回戦はPK戦で勝ち、ポルトガルには1対0で勝った。ディフェンスとキーパーが秀逸で、カナダに1点とられただけであとは無失点だ。フランスも苦労するだろう。W杯は南米と西ヨーロッパの対決と言われてきたが、クロアチアとモロッコの進出は、世界全体の平準化の顕れだろう。アジアも日本と韓国がトーナメントに進出したし、イランとサウジアラビアも活躍した。カタールだけが全敗だが開催国なので仕方がない。次回のアジア予選は枠が増えるとはいえ厳しいものになるだろう。『善鸞』は作品全体の山場に突入している。まだその山場の入口くらいだが、主人公の善鸞が秘事法門について語ろうとしている。この秘事法門というのは、謎の儀式とされている。そのような秘密の儀式があるということは伝説として語られているのだが、いま現在あるとは思えない。しかし昭和の初めくらいまではあったのではないかといわれている。一種のフリーメイソンではないかとぼくは考えている。研究者の研究資料にも目を通している。江戸時代からこの秘密の儀式について調査しようとした人がいたらしい。しかしこれは秘密の組織によって執行されているので、その組織の内部に入ったものは秘密を明かせなくなる。ブラックホールみたいなものだ。これを小説で書くのは難しい。リアリティーの維持が困難だからだ。それでもぼくは『続カラマーゾフの兄弟/偉大な罪人の生涯』でその種のカルト集団を描いたし、『地に火を放つ者』ではキリストの教団を描いた。『デイドリームビリーバー』でもカルト集団を描いてきたので、そういうものの集大成としてこの作品に取り組んでいる。成算ははある。だが慎重に事を運ばないといけない。これからの一週間くらいが、自分にとっても山場だと思っている。ただ来週は宴会が2件ある。体調を維持しないといけない。

12/12/月
世の中のサッカーのお祭り騒ぎも終わったようだ。ぼくもいよいよFootballに集中できる。といっても世の中の人々はアメリカのFootballなどいささかも興味をもっていないようだが、本日で14週が終わった。明日の1試合は大勢に影響がないので、残り4週となった状況を見ておこう。サッカーで予選グループが終わってトーナメントに出場する16チームが決まるように、Footballは18週間のシーズンを終えた段階でプレーオフと呼ばれるトーナメント出場チームが決まる。リーグはAカンファとNカンファに分かれていて、それぞれのカンファで7チームずつがトーナメントに出場する。7という半端な数字になっているのは、各カンファごとのシーズン最優秀のチームはトーナメントの初戦が不戦勝となるためだ。一回休めるというのは、長いシーズンを終えたチームにとってはご褒美であるが、そこで調子を崩すチームがないわけではない。しかし不戦勝の恩恵だけでなく、シード1位にランクされたチームは次のカンファ準決勝と決勝をホームで戦える。移動がないというのも楽だし、ホームの観客は敵が攻撃する時はQBの声による指示が聞こえなくなるほどの騒音を立てるので、ホームのアドバンテージは少なくない。シード順は最高勝率のチームが1位、残りの地区優勝チームが勝率順に2位〜4位に位置づけられる。これらのチームは初戦(ワイルドカード)をホームで戦える。地区優勝を逃したチームの中から勝率順に5〜7位のシード順が決まる。対戦カードは、2位対7位、3位対6位、4位対5位というものになる。同じ地区で勝率1位と2位のチームが出た場合、2位のチームは地区優勝ではないのでシード順は5位ということになる。トーナメント2回戦(ディビジョナルラウンド)の対戦相手も、シード上位と下位とが当たるように組まれるので、準決勝の対戦カードは、初戦が終わるまでは決定しない。さて、そのトーナメント出場の7つの椅子をめぐっていま、どういう状況になっているのか。Aカンファはビルズ、チーフスが3敗、レイブンズとベンガルズの同地区が4敗、ビルズと同地区のドルフィンズが5敗、タイタンズが6敗となっている。シード順は勝率ではビルズとチーフスが並んでいるが直接対決でビルズが勝っているので1位ビルズ、2位チーフス、直接対決で勝っているレイブンズが3位、勝率では劣るものの地区優勝が確実なタイタンズが4位ということになる。地区優勝を逃したチームをワイルドカードというのだが、5位がベンガルズ、6位がドルフィンズということになる。残りの椅子はただ1つ。6敗は4チームが並んでいるのだが、タイタンズは地区優勝するので、残りの3チーム、すなわちジェッツ、チャージャーズ、ペイトリオッツが並んでいる。今週でバイウィーク(シーズンで1週だけあるお休み)を全チームが消費したので、試合数が同じになる。ただしペイトリオッツは明日の試合だが、カージナルスには勝てるだろうから並んでいると見なす。このうちチャージャーズは残り4試合のうちコルツ、ラムズ、ブロンコスという可能性のなくなったチーム、それに来週は地区優勝がほぼ確定のタイタンズなので、4連勝の確立がかなり高い。ジェッツは必ず勝てるという試合がジャガーズだけだ。そのうちライオンズはすでに7敗しているのだが、まだこの段階ではわずかに可能性が残っているし、今週は強敵バイキングスに勝っているので難敵。あとのシーホークス、ドルフィンズも苦戦しそうだ。しかしドルフィンズとの直接対決に勝てば、負け数が同じになり、直接対決で2勝となるので逆転できる。ペイトリオッツはベンガルズ、ドルフィンズ、ビルズという強敵ばかり。来週のレイダーズは今週の負けて絶望になったのでまず勝てるだろうが、強敵に1つ勝って2勝2敗では、チャージャーズには勝てない。このように見ると残り1つの椅子はチャージャーズにほぼ決まり。あとはジェッツがドルフィンズに勝って椅子を奪い取るかというのがポイントになる。上位4チームと地区優勝のタイタンズは安泰だろう。そこで問題のドルフィンズなのだが、パッカーズには勝つとして、最後の2試合が椅子争いのペイトリオッツとジェッツなので、ここで連敗するようだと危なくなる。来週はシード1位候補のビルズ戦。これに勝っておくと少し安心できるのだが、このところQBタゴバイロアが調子を落としているのでどうか。Nカンファについては明日考えることにする。

12/13/火
さてNカンファについて。首位のイーグルスが1敗。コマンダーズに負けたというのが注目される。それほど強いチームではない。絶好調のチームでも何かの拍子に負けてしまう。それがFootballのおもしろいところだ。2敗のチームがないので、イーグルスのシード1位は揺るがないだろう。3敗はバイキングスとカウボーイズ、4敗はビリ新人QBパーディーが脅威の安定感を見せている49ナーズ。ここまでは安全圏だろう。残りの椅子は3つだが、そのうちに1つは南地区の地区優勝枠なので別格。椅子は2つしかないと考えるべきだ。で、イーグルスとカウボーイズと同地区のコマンダーズとジャイアンツが5敗1分で並んでいる。これできっちり枠が埋まってしまうのだが、この2チームは同地区の強敵との試合が残っている。そこで6敗のシーホークスが浮上するかというと、49ナーズ、チーフス、ジェッツという厳しい相手が残っている上、最終戦はメイフィールドが本気になっているラムズということで、全敗の可能性もある。現在6勝7敗のライオンズが奇蹟のすべりこみ、というストーリーがちらつき始めた。ライオンズの前半戦は1勝6敗の絶望的なスタートだったが、そこから先は5勝1敗。その1敗もAカンファ首位のビルズと大接戦だった。今週は首位争いのバイキングスに圧勝した。対戦相手も弱そうで4連勝もあのえるだろう。これが1つの基準になる。4連勝のライオンズが10勝7敗になるとして、コマンダーズ、ジャイアンツはこれを上回ることができるか。どちらか1チームが脱落しそうだ。ぼくは昔からジャイアンツが好きだったのだが、RBバークリーの調子が落ちているので危ないと思う。最後の1枠は南地区の地区優勝争い。バッカニアーズ6勝7敗。ファルコンズ、パンサーズが5勝8敗。両チームともバッカニアーズとの直接対決を残している。しかも両チームともバッカニアーズにすでに1勝しているので、勝って勝率が並ぶと、バッカニアーズの上に位置づけられる。ブレイディーにとっては人生最後の試練が待ち受けている。次週の相手はベンガルズ。これは負ける。次がカージナルス。これは勝つしかない。7勝8敗になったところで、パンサーズ、ファルコンズと対戦することになる。2つとも勝てば問題はない。どちらかに負けるとピンチになる。パンサーズは怪我から回復したダーノルドで2連勝している。ライオンズ戦があるので1敗はするだろうが、勝ち星1つの差でバッカニアーズ戦となれば、勝てば上位になれるという強いモチベーションがもてる。ファルコンズはついにQBマリオタを諦めて、新人QBリッダーを起用すると決めた。今年のドラフトではQB不作が言われたのだが、スティーラーズのピケットがそこそこ活躍している。そこにドラフトビリのパーディーが49ナーズを2連勝に導いた。パーディーは同等の実力はあると評価されている。伝説のQBブレイディーに、5年前のドラ2ダーノルド、そして新人QBリッダーの三つ巴の闘いがこれから始まる。これは見逃せない。サッカーのWカップなどどうでもいい。まあ、フランスが優勝するだろうが、クロアチア対モロッコの決定戦になったらおもしろい。日本にPK戦で勝ったチームと、スペインにPK戦で勝ったモロッコの対決だ。

12/14/水
三鷹サテライトでの収録。90分の講座を2コマ。小説とは何か、というテーマで、大学の授業で語っていたことと、自分の体験を語るという試みで、とくに準備は要らないのでとにかく自分の体を三鷹まで運んでいけばいい。1コマ目は小説とは何かということと、小説家になりたいと思った高校時代の話。小説は多様なものだから、何かと規定する必要はないのだが、小説家になるためには新人賞や芥川賞をクリアーするためには、編集者や選考委員が、どういう小説を評価するか、ということを抑えておかないといけない。そのためには小説の歴史的な流れを知っておく必要がある。なぜ純文学と呼ばれるものがあるのか。簡単に言うと、近代化によって自由を得た若者が、いかに生きるべきかという悩みを抱いた結果、人生の指針を探るために近代小説を読むようになった、といったところだろう。従って、その時代の人間と社会を見つめ、問題点とその解決の模索を描いた作品が、良い評価点を貰えるということだ。ただ高校時代のぼくは、人生について何も知らなかったので、評価基準はわかっていたのだが、自分には書けないと思っていた。そこでサルトルと埴谷雄高を真似て、一人の若者が悩みをかかえていろいろと考えている、というだけの小説を書いた。「Mの世界」という作品だ。そんな話。ついでに高校を一年、休学していて、その間にフランス語を勉強した結果、作家になってから講談社青い鳥文庫版の「星の王子さま」の翻訳をすることになったといった話もした。2コマ目は大学での体験と、就職して社会で働いていた4年間、芥川賞を受賞するまでの話。2コマしゃべり続けると疲れ果てて上半身がつりそうになった。自宅に戻って少し休憩してから赤坂へ。SARTRASの忘年会。ふだんはZOOMでしか顔を見たことのない人々の実物と遭遇して言葉を交わせた。やはり本物の人間と語り合うのは楽しい。ハイボールを数えきれないほど飲んだ。

12/15/木
SARTRAS理事会。昨日の宴会では、理事会は短く終わる、という話だったのだが、何やら紛糾した。こちらはよくわからない案件だったので一言も発言しなかった。まあ、何とか決着がついてよかった。わからないなりに議論を聞いていたので内職は進まず。秘事法門が始まった大事なシーンなので、ここはあせらずに時間をかけて書きたい。夕刻、歴史時代作家協会の忘年会のために新宿に向かう。案内のメールで地図のアドレスがあったのだが、ぼくのパソコンでは開けなかったので、iPadのグーグルの地図に店名を入力して検索をしたのだが、神田駅のあたりの店しか出てこない。案内のメールをiPadに転送して何とか地図を開いた。それで見当をつけて都営地下鉄の新宿三丁目から区役所の裏のあたりまで行ってみたのだが、ここかと思うビルの2Fには肉屋の看板しか出ていない。しばらく前の道をうろうろしていたら、ケータイで電話しながらその店に入っていく人がいたのでそのあとをついていくと、肉屋に入っていく。そこにいた外国人の店員に尋ねると、とにかく入れとのことで、どうやらその肉屋が会場のようだ。案内のメールには「居酒屋」と書いてあったのだが、どうやらそこは肉屋が急に店名を変更して、グルメ情報サイトにお金を払って掲載してもらったようで、確かに安価な飲み放題ではあったのだが、出てくる料理は肉ばかりだった。サシミとか鍋とか、居酒屋の料理を期待した参加者は驚いただろう。魚を好まないぼくでもこの店の料理には手が出なかった。しかしとにかくハイボールをたくさん飲んだ。周囲の人といろいろな話をして盛り上がったはずだが、何をしゃべったかは記憶がない。連日の宴会でやや疲れたが、何とか乗り切った。来週、あと一回宴会がある。

12/16/金
二日連続の宴会でやや疲れが残っている。食卓の上の照明器具の電球が1つ切れたのでヨドバシカメラに買いに行く。切れた電球をもっていき、店員の人に聞いたのだが同じものがないとのこと。器具そのものをここで買ったのだが10年前のことだ。似たものを選んでもらったのだが、「色味が変わりますよ」とのことなので、6個買う。これで当分だいじょうぶだろう。ついでにプリンターのインクを買う。純正部品ではなく偽物が棚に並んでいる。エプソンのインクは機種別に写真がついている。ぼくのプリンターはリコーダー。妻のプリンターはクマノミ。純正部品は写真なのだが偽物はカタカナで「リコーダー」と書いてあるだけ。これを使うとすぐには作動せず、画面に「これは偽物です、よろしいか」というような意味の表示が出る。それでもいいとOKボタンを押せばいいだけのことだが一手間かかる。本物はどこにあるのか探すのもめんどうなので偽物を買う。『善鸞』の草稿完成が間近なのでプリントするのが楽しみだ。紙も買いたいのだが重いので妻に頼んで宅配にしてもらう。まあ、来年でいいだろう。夕方、四日市にいる次男が来た。出身大学で求人活動をしてきたとのこと。次男の勤務先は本社は東京にあるのだがそれは事務部門だけで、工場や研究施設は四日市にある。次男は入社当初は筑波の研究所に配属されていたのだが、もう長く四日市に住んでいる。次男は理工学部の化学出身で、卒業した学生の大半は企業の研究所勤務となるはずで、研究所というものは都心にはない。どこかに赴任することを覚悟しないといけない。まあ、次男がいまやっている仕事はよりと最先端的な仕事なので、やりがいはあるのだろうが。夕食を食べて四日市に帰っていった。朝のFootballはわりと熱心に中継を見た。ドラフトビリの新人QBパーディーが2度目の先発。快勝。ガロポロの負傷で交代したのも第1クォーターで逆転勝ちしたので、3連勝といっていい。ディフェンスは絶好調で、このままいけばプレーオフを勝ち上がってブレイディーの再来という物語ができるかもしれない。

12/17/土
秘事法門のシーンが終わった。盛り上がっているのか、これでいいのかは、時間を置いて読み返してみないとわからない。とりあえず書けたという感じはしている。読み返してさらにブラッシュアップしたい。これで大きな山を越えた。もはや書くことはないので、エピローグに入ることになるが、ここから一気に時間が流れていく。笠間城主の笠間時朝はそろそろ寿命だ。親鸞の曾孫の覚如が二十歳くらいというのは、ここから20年後ということなので、二代目か三代目か、それくらいの城主とともに、善鸞が鎌倉に上っていくシーンがエンディングになる。二代目は景朝、三代目は盛朝だが、生まれた年がわからない。まあ、調べてもわからないということであれば、資料がないのだろう。昨日、『光と陰の紫式部』のゲラが届いた。書いたのは一昨年で、そのままデッドストックになっていた。ゲラが出たということは確実に本が出るのだろう。ありがたいことだ。中身は正月に確認することとする。来週の後半には浜松の仕事場に移動する予定だが、明日からけっこうスケジュールがつまっているので、草稿完成は難しい。仕事場に落ち着いたら、年内には完成ということになるだろうが、そこからすぐに画面上で最初から読み返す作業に入りたい。それで細かいところをチェックしてからプリントしたい。プリントした段階でしばらく間を置きたいので、そこで『紫式部』のゲラということになる。校正者のチェックの入った本ゲラではないので、全体を読み返して気になるところをチェックするくらいでいい。かなり史実を無視して書いたので、校正者にチェックを入れられると困るところがある。何とかごまかして通過したい。そもそも阿倍晴明の陰陽術の話が出てくるので非科学的なファンタジーなのだが、荘園整理を巡る現実的な問題も描かれている。ただのファンタジーではないというところを読者に感じ取ってもらいたい。

12/18/日
本日は午後2時から武蔵野大学の文学賞授賞式がある。次男のところの中学生が東京の知人の家に泊まっていて、そこから一人で帰る途中、科学博物館に寄ってから新幹線まで送ってほしいという要請が親からあったのだが、ぼくはつきあえないので、妻が出かける準備をしていた。ところが妻の体調がよくない。とりあえず中学生には自宅に来るように連絡して、ぼくが昼ご飯を用意し、授賞式の間は本など読んでいてね、ということでネットで授賞式に参加。終わって駅まで送ろうと思っていたら新幹線が止まっているとのことで、架線事故のようだ。親が連絡してくれて、昨日泊まったところにもう一泊させてもらえることになって、都営新宿線の駅まで送っていった。夜中はWカップの決勝を見た。すごい試合で最後はPK戦でアルゼンチンの勝ち。最優秀選手はメッシ、得点王はエムバテ。順当な結果だ。

12/19/月
本日はネット会議が3件ある。これまで同じ時間帯に2つの会議があってiPadとiPhoneを並べて参加したことがあったが、1日に3件というのは初めて。SARTRASのフォーラム準備会、オーファン委員会、ABJ監査委員会。iPadの電池が弱っているので、前後の会議はiPhoneで参加。そんなことより月曜日はFootballの日だ。大学のリーグ戦が終了したので現地時間の土曜日も試合が組めるようになりすでに昨日3試合実施されている。テレビ中継のジャイアンツ対コマンダーズの試合の最後を見た。8点差でコマンダーズがゴールゾーン直前まで迫ったのだが、最後のパスがインコンプリート。ファールにも見えた微妙なプレーだったが、タッチダウンが決まっても2点コンバージョンが必要な状況だった。それより直前のジャイアンツの攻撃でゴールで3点とられたのが痛い。タッチダウンで逆転という条件だったらもっと気合いが入ったはずだ。さて明日のラムズ対パッカーズは移籍したメイフィールドが先週に続いて活躍できるか個人的には気になるのだが、プレーオフトーナメントの希望のなくなったチーム同士なのでどうでもいい。現時点でのプレーオフ争いの状況を確認しておく。まずNカンファ南地区の負け越しでも地区優勝争いはバッカニアーズ、ファルコンズ、パンサーズ、ともに敗戦で状況は変わらず。ただバッカニアーズは負けを覚悟のベンガルズ戦だったので傷は浅い。ファルコンズとパンサーズは死に馬相手だったのでこの敗戦は傷手になる。来週のバッカニアーズは最悪状態のカーディナルスが相手なのでさすがに楽勝だろう。ファルコンズはレイブンズ、パンサーズはライオンズで、まだプレーオフ進出の可能性を残しているチームが相手で苦戦する。ここで2差となるようだとブレイディーのプレーオフ進出が現実性を帯びてくる。Aカンファの方でも異変が起こりつつある。南地区のタイタンズが負けて7勝7敗になった。これで6勝8敗のジャガーズに可能性が出てきた。最終戦にタイタンズ戦があるので勝てば追いつける。さらにタイタンズは強敵カウボーイズ戦を残しているのでその前に星が並ぶかもしれないが、いずれにしても最終戦の直接対決で地区優勝が決まるだろう。ジャガーズは昨年のドラ1QBトレバー・ローレンスがいるので調子が出てくれば連勝する可能性がある。さて、北地区はベンガルズが勝ってレイブンズが負けたのでベンガルズが単独首位。地区優勝のシード順はいまのところ1位がビルズ、2位がチーフス、3位がベンガルズ、4位がタイタンズ(またはジャガーズ)、ということになる。ワイルドカードは9勝のレイブンズと、8勝のドルフィンズ、チーフス。これできっちり席が埋まる。あとを追うのは7勝7敗の2チーム、ジェッツとペイトリオッツ。いずれも今週に痛い敗戦を喫した。調子が下向き。下手をするとタイタンズとジャガーズの負けた方にも抜かれる可能性がある。Nカンファはイーグルスが1敗をキープ、バイキングス、49ナーズも勝って地区優勝決定。残るは南地区の3チーム。ワイルドカードはカウボーイズは負けても4敗なので安泰だが、残り2つの椅子は微妙。コマンダースとの直接対決に勝ったジャイアンツが1歩リード。負けたコマンダーズは7勝6敗1分と崖っぷちで残っている。シーホークスにライオンズが加わって半ゲーム差の7勝7敗。シーズンの前半1勝6敗だったライオンズが、後半は逆の6勝1敗。このままプレーオフに出場すると台風の目になりそうだ。ジャイアンツはコルツに勝ち、バイキングス、イーグルスに負けると9勝7敗1分になる。いまのところこれがシード6位のチームで、7位のコマンダーズはブラウンズに勝ったとしても、49ナーズとカウボーイズには負けそうで8勝8敗1分の五分の成績になる。シーホークスはチーフスには負けるだろうが、ジェッツとラムズに勝てば9勝8敗とコマンダーズを抜ける。しかしながら、好調のライオンズがパンサーズ、ベアーズ、パッカーズと3連勝しそうで、10勝7敗と当確圏に進入できる。コマンダーズとシーホークスはジャイアンツを抜かないといけない。シーホークスはチーフスに勝つしかない。コマンダーズは49ナーズとカウボーイズのどちらかに勝っただけではジャイアンツと成績が並ぶだけで、今日の直接対決で負けてしまっているので並ぶだけでは脱落になる。ということは、コマンダーズは全勝するしかない。そう考えてみると、残り2つの椅子はライオンズとジャイアンツでほぼ決定と言ってもいいのではないか。

12/20/火
本日は公用はないが、妻といっしょに千代田区役所へ。歩ける距離だが妻が病み上がりなので都営新宿線で2駅の九段下。マイナンバーカードを受け取って。ポイントが貰えるらしいので説明を聞いたが、手続きが迷路のごとく複雑で何をどうしたらいいかもわからない。説明の人もひどいシステムだと困惑していた。この国ってこんな場当たり的なことをやっているのかと茫然とした思いになった。ひどい後進国だ。保育所の保母の問題がニュースでとりあげられているが、保育士の人数が少なく給料も低いので、保育士のモチベーションが下がっているのだろう。スペインの保育所の孫を受け取りに行ったことがあるが、小さな保育所なのに何人も保育士がいて、手厚く保護されていた。長男の嫁さんも4人の子ども全員を母乳で育てたのだが、職場から数分で行けるところに必ず保育所があるので、必ず母乳を飲ませに行けるということだった。スペインはヨーロッパの中では貧しい国だが、それでも社会サービスは充実している。日本はアジアの小国なのだと痛感した。ところでマイナンバーカードはテレビでも宣伝していて、ポイントが貰えると喧伝しているが、あれは詐偽というしかない。新興宗教を取り締まるよりも、まず政府の詐偽を糺弾しないといけない。なぜ詐偽かというと、2万円がもらえる人が、たとえばセブンイレブンで使えるナナコを利用すると、まず1万円入金すると25000のポイントがつく。これを8回くりかえさないと2万円貰えない。その最初の1万円をもっていない人にはポイントをあげないというシステムらしい。こちらがよく理解していなのかもしれなが、こんなにややこしいのならポイントなど要らないと、多くの高齢者がキレてしまうのではないだろうか。

12/21/水
三鷹サテライトで講座の収録。これが今年の仕事納め。明日は宴会があるだけで、それでスケジュールがすべて消化される。けっこう予定表が埋まって身動きとれない感じになってしまうのは、やたらNET会議が入るからで、自宅にいるだけなのに時間に縛られる。まあ、20年前、著作権の仕事に携わるようになった直後は、1日に3回の会議に出たこともある。もちろんすべてリアルな会議で移動を伴う。空き時間にビールを飲んだりしていた。それでも小説は書き続けてきた。どうやら年内に草稿完成ということになりそうだ。もうエピローグの領域に入っている。ほぼ一年、善鸞のことばかり考えていた。出だしが大変だった。動きがないし、親鸞という偉大な存在があるので、主人公の影がうすくなってしまいそうだった。それでも何とか、親鸞との密度の高い会話を書くことができた。その布石があったので、東国に舞台が移ってからは、思っていたよりもスムーズに話が進んだ。書き始めた当初は何のイメージもなかった東国での活動が、いまはもう通過してしまった。まだ読み返していないのでうまくいっているかはわからないが、通過した時の手応えとしてはいい感じだった。たいていうまくいっている。『天海』は初校でずいぶん書き直したが、今回はどうだろうか。まだ担当編集者に見せていないのでどんな反応があるかはわからないが、とりあえずゴールが見えてきてほっとしている。海や湖で遠泳をするようなもので、ゴールに辿り着くまでは背の立たないところにいる。立ち止まって休むわけにはいかない。先に進み続けるしかない。ようやく着地点が見えてきたが、ある程度、事前に考えていたとおりの着地ができそうだ。

12/22/木
いよいよ年末。昨日で公用は終わった。小説家としての仕事は永遠に続く。『善鸞』はいよいよ最後のシーンに近づきつつある。覚如の視点となった短いエピローグ。生い立ちから東国への旅に出て、高熱を発する病気になり、訪ねてきた善鸞から護符を貰う場面。これは『慕帰絵詞』などに記載されて一種の史実なのでそのまま踏襲する。ここも想定外ではあるが、書いているうちにアイデアが閃いて、一工夫することになった。最後の若宮大路で九代執権北条貞時のパレードに遭遇する場面は明日に残して、夕刻、下北沢に向かう。早稲田大学の一年生の時のクラスの忘年会。大学の一年生といえば1968年のことでほぼ55年前ということになる。半世紀ではきかない長い年月。卒業からでもきっちり50年。昔だなあと思う。いつもは渋谷のマークシティーの中にある店なのだが、世の中は宴会OKになっているようですでに予約で満杯とのことで、急遽、下北沢のイタメシになった。下北沢は、三宿に27年住んだぼくにとってはわが庭のようなものだが、しばらく行っていない。新御茶ノ水の千代田線地下ホームに行くとタイミングよく小田急乗り入れの電車が来た。座席に座るとあとはそのまま下北沢。そう思ったのだが、地下のホームからエスカレーターで地上に出て目の前の改札口を出ると、目の前になじみのあるピーコックストアが見えた。ところがそこへ行けない。工事のバリケードが左右に延びている。左に行くと井の頭線の改札があるだけ。反対の右の方に歩いていくと、遙かな先に小さな通路があってバリケードの向こうに出られた。まるで迷路だ。時間があったのでピーコックの3階にある三省堂まで上がってみた。散歩でよくここに来た。2階に入っている中華料理屋もそのままだった。ここはよく妻と来た。料理2品を選べる本日の定食というのがあって、5種の料理がリストアップされている。妻と2人なので4品選べるので要らないものを1つだけ選べばいい、というような便利な店だった。そんなことを懐かしがっていてもしようがないのでピーコックを出て井の頭線の線路沿いに西口の方に向かう。そこまで行けばあとはよく知っている道なので問題はない。9人が集まっていた。50年以上経っても9人揃うというのは素晴らしい。女性が5人。イタメシもなかなかよかった。帰りは目の前の西口から井の頭線に乗って、明大前乗り換えで都営地下鉄にした。小田急には当分乗りたくない。

12/23/金
昨日の忘年会で今年のスケジュールはすべて終わった。本日、浜松の仕事場に移動する計画を立てていたのだが、寒波が来ているのと運転をする妻の体調が万全ではないので来週に延ばした。庭の草刈りとか気になることはあるのだが、築40年の木造家屋なので寒波が過ぎ去ってから移動したい。本日、めでたく『善鸞』の草稿完成。長かった。この創作ノートは1月から始まっているので一年かかったということだ。むろん資料を読み、構想を練り始めたので創作ノートを始めたのだが、並行して『天海』と『少年空海アインシュタイン時空を超える』それに池田健さんとの対談『こころって何』の校正の作業があった。どれもかなり時間と集中力が必要な作業だったので、その間、『善鸞』の作業は止まっていた。実際に作業を進めたのは4月くらいからだが、それでも9ヵ月かかった。とくに最初の2章が難渋した。主人公が東国に下向してからは筆が進んだ。親鸞の面授の門弟、それから同時代人の叡尊、忍性、日蓮、北条時頼といった人物と、対話劇をすることになるので、人物と人物をぶつけるだけでセリフはひとりでに出てくる。自分が書いているのではなく、言葉が天から下ってくるような感じになった。それでも急ぎすぎないように、じっくりと書き進めた。これから読み返すことになるが、大幅に直すようにところはないと思う。ただ前後をチェックしながら読み進めることになるので、検索機能の使える画面上でまず読んでみることにする。それからプリントして、少しタイムラグを置いてから改めて読み返してみたい。まだ長い作業が必要だが、とにかく年内に草稿完成ということになったのでほっとしている。

12/24/土
クリスマスイブではあるが老夫婦のところにサンタクロースは来ない。それでも昨日、草稿が完成したので気分はいい。気持を改めて最初から読み返している。画面での最終チェックなので緊張する。これからプリントでのチェック、修正を経て、編集者からの注文などもあり、ゲラでもチェックをすることになるが、この画面でのチェックで直せるところは直してしまいたい。用語の統一など目についたところは修正していく。大きな直しができるのはいまだけなので慎重に見ていきたい。ところでクリスマスだからか、今週のフットボールは大半が現地の土曜日に開催される。ということは明日の朝には結果が決まっている。ということで今週のポイントを押さえておく。すでにサースデーナイトでジャガーズがジェッツに勝利した。この結果、ジャガーズは7勝8敗となりプレーオフの可能性が見えてきた。Aカンファ南地区で首位を独走していたタイタンズが失速して先週の負けで7勝7敗の五分となった。今週のテキサンズには勝つだろうが次週のカウボーイズには負けそうだ。いずれにしても最終戦はタイタンズとジャガーズの直接対決となる。これに勝てば勝率が並んだ場合もジャガーズが地区優勝になる。去年のドラ1QBのローレンスがついに目覚めたようでこのところ連勝している。タイタンズはQBのタネヒルが不調でしかも怪我で次戦は出られないという情報がある。テキサンズにも負けるかもしれない。ジャガーズが俄然有利になってきた。Nカンファ南地区はブレイディーのバッカニアーズが6勝8敗の負け越しで首位。他の3チームが5勝9敗で1差で並んでいる。バッカニアーズは今週はマレーがリタイアしたカーディナルスなので勝てるだろうが、残り2試合はパンサーズ、ファルコンズの同地区との対決。もう何が何だかわからないが、1差リードしているとはいえ、直接対決に負けると首位陥落の可能性がある。パッカーズのQBロジャースが先週勝った段階で未来が明るいと発言したようだが、残り3連勝でも9勝8敗にしかならず、楽勝のコルツ戦を残しているジャイアンツは追い越せない。残り1枠はいまのところ7勝6敗1分のコマンダーズで、コマンダーズが2勝すると追い越せない。ライオンズが3連勝して10勝に到達する可能性もかなりある。さらに現在7勝7敗のシーホークスが2勝すると並ぶことになるが、直接対決はないのでものすごく複雑な計算になる。以上のことがわかってのロジャースの発言なのか、ライバルチームが全敗するという楽観的な可能性のことを言っているのか。多くのチームが不振だったベテランQBを諦めて新人や新鋭を起用し、彼らは来季にチャンスをつなぐために本気になって闘うので、死に馬に蹴られるケースがいくつか出てくるだろう。去年の最終戦では、これに勝てばプレーオフというコルツが、ビリのジャガーズに負けた。ローレンスが大活躍したためだ。そのローレンスが今期はプレーオフに進出しようとしている。いずれにしても明日も含めて残り3試合。命がけの闘いが続くことになる。

12/25/日
大学のリーグ戦が終了したのとクリスマスイブということもあって、現地の土曜日に多くの試合が組まれている。そして明日以降に4試合が残っている段階でも異変が起こっている。Aカンファはシード1争いはビルズとチーフスが3敗を守った。直接対決でビルズが勝っているのでカンファ1位を守っている。次週、シード3位で1差のベンガルズ戦がある。これに勝てばベンガルスが2位に上がり、チーフスが苦手のレイダーズに負けたりすればシード1位の可能性もあるので、次週はシード1位をかけた決戦になる。シード1位になればトーナメント初戦が不戦勝になり、残り2戦もホームで戦えるからメリットが大きい。レイブンズはQBラマ―・ジャクソンが休んでいるけれども控えQBで勝ってワイルドカードの1位をほぼ確定させた。ワイルドカードの残りの枠は2つ。ドルフィンズとチャージャーがまだ試合をしていない段階で8勝6敗なので明日負けたとしてもまだ残っている。チャージャーズは死に馬に蹴られない限りこのまま6敗を守るだろう。QBタゴバイロアが調子を落としているドルフィンズは、パッカーズ、ペイトリオッツ、ジェッツを残している。パッカーズもまだ望みをもっているようなのでこの3試合は厳しい闘いになる。1勝2敗では9勝8敗でこれがボーダーになる。というのも、本日の試合を終えて7勝8敗のチームが5チームもあるのだ。タイタンズ、ジャガーズ、ジェッツ、ペイトリオッツ、スティーラーズ。このうちタイタンズとジャガーズは南地区の首位争いで並んでいる。両チーム負け越しでも最終戦の直接対決に勝った方が地区優勝になる。ドルフィンズが3連勝してしまえばそれで決まりだが、1勝2敗くらいで行くのであれば大混戦になる。Nカンファはまず南の地区優勝争い。6勝8敗のバッカニアーズは明日の試合。カーディナルスが相手なので勝ちそうだ。7勝8敗になると、本日負けたファルコンズは2差になるのでアウト。パンサーズとセインツは勝ったので1差のまま。次週バッカニアーズ対パンサーズの直接対決がある。これにパンサーズが勝てば勝率は並ぶものの直接対決でパンサーズが2勝しているのでパンサーズが上位になる。ただパンサーズも最終戦はセインツだが、セインツは次週は強敵イーグルスなのでどうか。ただイーグルスはQBのハーツが怪我で今週は出場せず、代役のミンシューでカウボーイズに負けている。まだどうなるかわからない渾沌状態が続いている。シード順は1位イーグルス、2位バイキングス、3位49ナーズ、4位は南地区首位のバッカニアーズ、ワイルドカードはカウボーイズが安泰。残り2枠は、8勝6敗1分のジャイアンツと、7勝7敗1分のコマンダーズ。この最後の枠でコマンダーズに迫っていたシーホークスとライオンズが負けた。コマンダーズの残り試合はブラウンズとカウボーイズ。2敗すると苦しくなる。7勝9敗1分ではパッカーズが3連勝すると8勝8敗なので抜かれてしまう。シーホークスとライオンズも残りを2連勝すると9勝8敗なので、コマンダーズは残りを2勝する必要が出てきた。さて自分の仕事。火曜日に仕事場に移動することにしたので明日までに1章のチェックを終えたいと思っている。出だしの京の街を縦断して五条西洞院に主人公が出向く場面は密度が高く冒頭から緊迫感がある。一転して主人公の生い立ちから女の出会い、息子の如信が生まれるまでの経緯も説得力がある。短い出番だが女のキャラクターも印象的に描けている。この作品にはほとんど女性が登場しないので、貴重な場面だ。これで1章の半分くらいまで来ているか。上々のすべりだしだと思う。考えてみると僧侶を主人公とした物語では女性の出番は少ない。『空海』で光明という女の子が出てくるのと、中国に行った時に宦官が出てくる。『日蓮』では故郷の上総にいるところには御厨の女主人と娘が出てくるがわずかな出番だ。『親鸞』は妻の玉日と後妻の恵信尼が出てくる。どうもぼくは女性を描くのが苦手なようだ。『続カラマーゾフの兄弟』を始め、ドストエフスキー四部作には魅力的な女性が出てくるが、これはドストエフスキーの原作があったからだ。『尼将軍』はヒロインだけでなく、妹の阿波局も魅力的に書けたと思っている。『天海』も女性の登場人物は少なかった。『紫式部』は女性がたくさん出てくる。ゲラを読むのが楽しみだ。仕事場でも時間があれば読んでみたい。

12/26/月
バッカニアーズ対カーディナルスの中継があったが、仕事をしたいのでパソコンの横にiPhoneを置いて、DOZNの中継を耳で聞いていた。英語の中継だがFootballの話なので充分に聞き取れる。大昔、NETもなかったころに、米軍放送のラジオ中継を聞いていたことがある。QBのマレーもいなくなって満身創痍のカーディナルス相手に勝ちきれないブレイディー。まあ、今シーズンが終わったら引退だなと思う。ようやく延長戦でフィールドゴールが決まった。南地区首位を守ったが来週は1差のパンサーズとの直接対決。勝った方が地区優勝に王手をかける。パッカーズは復帰したQBダーノルドが無理をせずにランニングバックを走らせて、まだプレーオフ進出の可能性のあるドルフィンズに快勝。強い。いまのバッカニアーズでは危ないと思う。最終戦は両チームが勝ちそうなので、次週の直接対決でほぼ決まりだろう。『善鸞』は第一章が終わった。章のしめくくりに父と子の秘儀がある。ここで最高の盛り上がりとなる。ここまで読んでくれた読者は最後まで読んでくれるだろう。これはすごい作品ではないかという雰囲気を感じさせる第一章のしめくくりだ。明日、仕事場に移動するので無理はしない。どこかきりのいいところでパソコンを終了させたい。ぼくのパソコンは電池も劣化しているので、電源を抜く時はきっちりシャットダウンしないといけない。寝る前にシャットダウンして明日の移動に備えることになる。草稿完了したので資料も要らないと思っている。当用日記とメモ用のノートがあれば充分だ。当用日記にFootballの勝敗表も記入しているのでこれは必携。来年の日記帳も忘れないようにしたい。

12/27/火
妻の運転で浜松の仕事場に向かう。年末が近いせいか車が多くとくに海老名のあたりまで渋滞していた。それでもいい天気だったので、ずっと富士山が見られた。もっとも富士山は自宅からでも毎日見えているのだが。移動に時間をとられたので仕事はあまりできなかったが、それでも仕事場のNET環境は充分でメールに対応して公用もこなし、『善鸞』も2章の後半になった。唯円が出てくるところは前作の『親鸞』でも書いたし、その後、大学の出版部から出した『こころにとどく歎異抄』で全文を自分の言葉で書き直したので、それをそっくり引用しただけなのだが、カードを出す順番で印象が変わるので、書いている段階でずいぶん試行錯誤した。半年前くらいに苦吟しながら乗り越えた部分だが、いまはこれしかないというくらいにぴったり収まっている。終わりに近く小倉山荘の場面が出てくる。ここは無駄のような場面なのだが、次の3章以降の東国の状勢をあらかじめ読者に紹介するためのドラマの場面で、セリフで状況説明するのは禁じ手なのだが、百人一首の話などしてのんびり会話するところを楽しんでいただければと思っている。仏教の話ばかりでは歴史小説としての花がないので、和歌の話をここに折り込んでおく。浜松三ヶ日のこの仕事場は、浜名湖と^鼻湖に囲まれている水上の楽園みたいなところで、温暖なはずなのだが、築40年の木造家屋なので隙間風を防げない。ふだん密閉された構想住宅にいて、昼間は暑いくらいなので、この寒さは応える。秋に来た時に買っておいた石油ストーブを初めて使う。調子の悪くなった以前のストーブと同じ大きさのものを買ったのだが、さすがに少し便利になっている。

12/28/水
とりあえず近くの三ヶ日の町に行く。灯油を2缶。あとは食料品。年末なのでスーパーも混雑している。午後はひたすらパソコンに向かっていた。第二章が終わる。二章も親鸞と善鸞のミステリアスな対話で終わっている。章の終わり方がワンパターンという気がするが、これでこの作品が父と子の物語だということが印象づけられるだろう。全体のラストシーンは、善鸞と覚如が同じようなミステリアスな構図となっている。善鸞と覚如は親戚といってもかなり遠いものだ。覚如の祖母の覚信尼が善鸞の異母妹ということだから、従兄弟よりも遠い。しかし人から人へ秘儀によって伝えられるものがある。父と子の物語であると同時にこの作品の隠されたテーマは秘儀ということだ。真言宗の伝法灌頂も一種の秘儀で、血縁関係のない師から弟子へ代々受け継がれていく。浄土真宗のように血縁関係で後継者に受け継がれるということの方が異様というべきで、いずれにしろここに親鸞の教えの神髄がある。書き上げた時に、2章までがどうなっているか心配だった。3章からは東国に話を移りテンポよくプロットが進んでいく。そこから終章の6章まではうまくいったという手応えがあった。しかし読み返してみると、1章2章ともにテンポがいい。東国の状況を伝聞で伝えるだけの長い前置きなのだが、会話によってしだいに東国の様相が明らかになると同時に、信頼で結ばれている親鸞と善鸞の間の微妙な差違のごときものが示される。はっきりここが違うとは書いていない。説明が過剰になると作品は興ざめになる。長く小説を書き続けてきたのでそのことはよくわかっている。とにかく2章までは大きな直しがなかった。さて3章以後がどうなっているか。あせらずにじっくりチェックしていきたい。

12/29/木
秋に庭の草刈りをしたので、その後、少しは成長した草がそのまま枯れている。だから新たな草刈りは不要かと思っていたのだが、浜名湖に面した斜面の草が長いままで枯れていて見苦しいと妻が言うので、電動のバリカンをもって斜面を這い回り、きれいに刈り取った。これで麗しい初日の出が見られる(ぼくは寝ているだろうが)。Footballのシーズンが始まった当初は、暗いうちに起きてDOZNの中継を見ていたので、この仕事場でも何度か陽が昇るのを目撃した。そのころとは太陽が昇る位置が違うのだが、まあ、日の出なんていつ見ても同じようなものだ。ただこの仕事場から見ると、正月には対岸の舘山寺温泉の向こうから陽が昇るので、麗しい眺めであることは確かだ。午後は根洗というところにあるファーマーズマーケットに野菜を買いに行く。農協がやっている野菜だけを売っている店で、年末なので混雑していた。仕事場に帰ってからようやく『善鸞』のチェック。3章に入り主人公が東国に入った。まずは日蓮の弟子に話を聞く。いきなり日蓮を出すと話が終わってしまうし、史実としても日蓮は駿河の富士川の東岸にある実相寺で立正安国論の執筆中だから、関東にはいない。まず弟子から日蓮の思想を語ってもらう。次に笠間の城主、笠間時朝と会い、三村山の忍性に会いに行く。だがその前に、主人公の妻の生まれ故郷の小鶴や涸沼の紹介。少しセンチメンタルになる場面だ。忍性と会う前に少しタイムラグを置きたかった。こういうところを書いている時はいろいろ考えていたのだろうが、何をどう考えていたのか細かい記憶は残っていない。だから知らない人が書いた作品を読むような感じで文章を読んでいる。3章の後半は性信、信楽、真仏といった、親鸞面授の弟子たちのところを巡回する。確かそんなストーリーのはずだが細かいことは憶えていないので、これからどうなるのかわくわくしながら読んでいる。ところで明日は金曜日。現地のサースデーナイトの試合が1つだけある。タイタンズ対カウボーイズ。開幕からの10試合を7章3敗で乗り切って、2敗のチーフスを追ってシード1位を狙っていたタイタンズだが、その後にまさかの5連敗。チームがガタガタになってしまった。すでにジャガーズと同率で並んでいる状態。いずれにしろ最終戦で直接対決があるのだが、月曜日の試合でジャガーズはビリのテキサンズなので勝ちが約束されている。まあ、どうでもいい試合なのだが、ぼくはランニングバックのヘンリーに頼り切りのタイタンズは好きでないので、昨年ドラ1のローレンスのいるジャガーズを応援したい。

12/30/金
いよいよ年も押し詰まってきたが、いつものように金曜日はサースデーナイトの試合がある。カウボーイズ対タイタンズ。カウボーイズは2連勝して、イーグルスが2連敗すれば、カンファ1位の可能性が残っているようだ。タイタンズは連敗が止まらなくなって、次週のジャガーズ戦に負ければプレーオフへの途が閉ざされる。直接対決に勝てば、同率で、直接対決も1勝1敗になる。そういう場合は同地区の2チームとの戦績が関わってくるようで、とにかくタイタンズは次週勝てば可能性があるらしい。ということで、本日はドブスという初先発のQBを起用。先発のタネヒルが怪我、2番手の新人ウィリスは発展途上で、急遽ドブスの先発となったのだが、ウィリスよりは少しましかもしれない。本日は接戦にもちこんだものの、第4クォーターで撃沈した。次週のジャガーズは昨年のドラ1QBが相手だけで、タネヒルの復帰がなければ大敗するのではないか。カウボーイズはQBプレスコットがインターセプトを連発するなど絶好調というわけではない。NカンファはイーグルスのQBハーツの怪我が治ればイーグルスが本命だろうが、ブレイディーの再来かとささやかれているドラフトでビリに使命されたパーディーが奇蹟的な活躍をしている49ナーズに期待したい。ディフェンスが強いし、ランニングも充実している。タイトエンドのキトルもケルシーには及ばないが活躍している。パーディーが自信をつけていけば大化けする可能性がある。Aカンファはビルズとチーフス、それにベンガルスとチャージャーズ。これが4強だが、トーナメントの組み合わせがどうなるか。チャージャーズはワイルドカードなので、初戦で地区優勝のチームと当たる。できればシード1位になって初戦が不戦勝で、チャージャーズとの対戦を避けたいところだ。自分の仕事は3章までチェックした。これで半分のところまで来た。忍性が個性的に描かれている。後半、もう一度出てくるのだが、その部分を補強した方がいいかもしれない。

12/31/土
一年の終わりの大晦日になった。穏やかな快晴の日が続いているが築50年の木造家屋の仕事場は寒い。それでも目を転じれば浜名湖が見えるし、木造家屋は山小屋ふうになっていて天井が高いので気分がいい。御茶ノ水の集合住宅ははめごろしの広大な窓があって明るく暖かいけれども空気が密封されている感じがする。寒さをいとわずに仕事場に来ているのも、たまにはこういうところに身を置いていたいからだ。本日は四日市にいる次男が、孫一人をつれてくることになっている。もう一人の孫は受験勉強中なのでこちらには来ない。静かな正月になる。さて2022年という年を振り返ってみよう。疫病の流行は収まらずウクライナで戦争が始まって物価高が押し寄せてきた。ぼくも年金生活者なので物価高は困る。とはいえ生活に支障が出るわけではない。長く勤勉に働いてきたから多少の蓄えはある。コロナのワクチンは5回目を打ってあるし、インフルエンザの注射もした。気に病むほどの持病もなく毎日気分よく寝酒を飲んでいる。大学の教員を退職して4年目となったが、文藝家協会とSARTRASの仕事があるのでけっこう多忙だが、NET会議が多いので自分の執筆活動には影響はない。今年は『少年空海アインシュタイン時空を超える』、『天海』、それに池田健さんとの対談『こころって何』と3冊の本を出すことができた。その校正などの作業もあったが、ほぼ一年かけて『善鸞』を執筆した。いまは草稿が完成し、パソコンの画面でチェックを続けている段階だが、心配していた出だしの部分がうまくいっているので、まあ大丈夫だろうと思っている。ということで、来年は『善鸞』が単行本になる。さらにデッドストックになっていた2年前に書いた作品、『光と陰の紫式部』という作品も出版が決まって、すでに初校ゲラが出ているので、これは先に出版されるだろう。ボツになりかかっていた作品だが、再来年の大河ドラマが紫式部だというので、奇蹟的に復活した作品だ。2年前に書いたので、何かを書いたかはもう忘れてしまった。『善鸞』のチェックが終わったら読み返すつもりだが、書いた直後はすごい作品が書けたという気がしていたので、自信作だと思っている。

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