双子とアウトドア

 社会人になって2年目で結婚し,3年目には2人,4年目には3 人の子持ちになった我が家は当然ながら貧乏だった.休みはなぜか 人並み以上にあったが,お金は無いから,映画や遊園地などには行 くことはできない.だからといって家にいても面白くないし,気分 が沈んでしまう.そこで,いろいろ考えた末,思いついたのは近隣 の公園や当時近かった海へ行くことである.

 外食はお金がかかるため,お弁当を作り,レジャーシートを車に 積んで出発する.これが予想以上に楽しかった.それほど混んでは いないので,迷子の心配もないし,娘達も自由に駆け回ることがで きるためご機嫌上々.レストランでの食事の様に,やれこぼした, お皿を割った,店を駆け回るなど疲れ果てさせられることもないし, 幼い3人の子供を持つ我が家にぴったりとフィットした快適な休日 の過ごし方だった.我が家のアウトドアライフはこんな感じで始まっ たのである.

 さて,その後娘達が成長するにつれて,公園ではだんだんと物足 りなくなり,それじゃあということで始めたのがオートキャンプで ある.これがまた楽しかった.本を読み漁り,テント,ランタン, ツーバーナなどの道具をそろえた時点で,親の方がもうわくわく状 態である.娘達がそれぞれ9才×2,8才のときだった.

 キャンプ場の周りには様々な自然が溢れていて,子供たちとって は巨大な遊技場である.キャンプ場に着くと子供たちはその中に分 け入り,目を輝かせて遊び始める.

 川があれば,川に足をつけ,石を投げ,時にはパンツまでびしょ びしょにして遊ぶ.森に入れば山栗を見つけてたっぷりもって帰っ てくる.これが鍋で煮られておいしいおやつになってしまうわけだ から楽しくないわけがない.

 その間,親はのんびりと子供たちの様々な表情を楽しめばよい. 子供が1人っ子や年の離れた兄弟の場合,親が付き合って遊ぶこと になるようだが,双子や年子の場合,一緒に遊べる仲間がいるわけ だから気楽なものである.夫婦でじっくりと会話を楽しんだりと, 家族共々リフレッシュできるのだ.

 また,キャンプでは様々な経験をすることができる.夜になり, 天気がよければ降るような星が満天を満たす.都心ではけして見る ことのできない天の川や,沢山の流れ星を見て興奮したのもキャン プでのことだった.飯盒でご飯を炊いたり炭火でパンをやいてみた りと楽しみながら料理もできてしまうわけで言うことなしである.

 こんな訳で我が家のキャンプはしばらく続きそうだ,私は1泊何 万円も出して子連れ旅行をするより5千円+食費のキャンプのほう がずっとすばらしいと思っているが,これはまあ,相変わらず貧乏 であることに起因するのだろう.

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