Margaret Organ-Kean特別編

〜Autumn Willow、その力と原典〜

 俺的に最近ちょっと気に入っているのが「聖なるメサ/Sacret Mesa」や「クルーグの護符/Amulet of Kroog」でお馴染のMargaret Organ-Kean。5thの「Broken VIsage」がホームランド版よりずっといいイラストだったんで(効果も黒使いには重宝しそうなんで)シングルで買ってみたら絵師はこの人だったんですね。アイスエイジの「ターパン/Tapan」、ホームランドの「Drwarven Pony」などで顕著なように、この人、どうも馬を描くのが得意&お好きなようです。背景のパターンにも一定の秩序があって、イラストとしてきちっと完結しているという印象を受けます。Magicのカードみたいな小さいサイズでこういうことができるんですから、結構凄い人なのかもしれません。とはいえ彼女に関するデータやインタビュー記事は、現在までDuelist誌には掲載されていません。唯一の例外が、今回ご紹介する「From Library of Leng」というコラムの「Autumn Willow」の回に掲載された「Artist's Perspective」。なんとあの使えるクリーチャーのイラストにはモデルがいた!というわけで衝撃事実も交えてお送りします。

 最初、わたしはAutumn Willowをごく普通の、ローブをまとった女性として描くつもりでいました。でもHomelandsのバックグラウンドストーリーを読み、彼女の衰えゆく力というものにもの悲しい要素を感じたものですから、もっと印象を柔らかく、ロマンチックな肖像画のイメージを取った方がふさわしいと思うようになりました。彼女を人間の姿で描くことにしたのはわたし自身の古典的でルネサンス調のイラストに対するスタイルによるもので、ドライアドや森の女神というものは伝統的に、女性の姿で描くべきものだと感じたからです。

 わたしはAutumn Willowという存在を、特にその顔立ちとたたずまいにおいて、よくあるファンタジー系の人物を超えるような特異なものとして描くべきだと思いました。長いことアーティストのKaja Foglioの肖像を描いてみたいと思っていましたので、今回の仕事はいい機会だと、そういうことにしました。Foglio家の中庭で資料用の写真を撮ったのですが、そのとき彼女にはクリーム色がかった白いブラウスを着てもらい、わたしが自分でデザインした蛍石・紫水晶・スターリングシルバーを用いた首飾りをつけてもらいました。日没時に撮影をしたものですから、わたしが期待していたような雰囲気をうまくとらえることができました。

 実際に描くときには、2次元のパターンから成る絵画の表面から浮き出てくるような3次元の肖像を組み合わせることによって絵の平たさを改めて強調するという、わたしの好んで用いるテーマを組み合わせました。Kajaの着ている白い服にさまざまな色彩が溶け込んで行く過程や、光の反射と影によって強調される顔の生気などを描くのはとても楽しい作業でした。光によって、彼女の髪はゴージャスなブロンドに変化して見えました。ともすれば平凡な白いブラウスを着た女性像になってしまうところをわたしの一番気に入っている仕事に仕上げてくれたのは、なにもかもあの黄昏時の太陽のおかげだと思っています。

This is not produced or endorsed by Wizards of the Coast, Inc.

 いうまでもなく、Kaja FoglioといえばMagicを代表するイロモノ系イラストレーター、Phil Foglioの嫁さんにして自らも「魂の絆/Spirit Link」などで名高いMagic絵師の一人。この夫婦の開いているWWW頁はどこかにあるんですがそれをいきなり公開してしまうとわたくしのネタが減るのでしばらくは秘密(Wizards of the Coast社にメールして教えてもらったんです)。そこで拝めるKaja女史の写真はたしかにAutumn Willowそのもの。ちなみにPhilの方は彼のイラストから想像できるまんまなので結構笑えます。

せこい事を言うのもいい加減アレなんで夫婦漫才URLはここで公開。

 Autumn WillowとHomelandsの物語については、げこげこHP主宰のゆうかさんがミニコミ誌「WIZZ」13号で紹介してくれていますのでゲットされたし。Homelandsエピソードの繊細さに比べたらウェザーライト・サガは(以下自粛)

 しかしMagaretに関する情報、少なすぎるぜ。宝飾デザインもできるらしいですね。多芸多才なひとと思われますが・・・と思っていたら彼女は自分のほめぱげを作っていた!こちらへどうぞ。なかなか綺麗にまとまってるページです。

戻る