浄 真 寺

世田谷区奥沢  



 一般には浄真寺というより九品仏として知られる寺院で、東急大井町線の九品仏駅の北側に

広い寺域を誇ります。この地は戦国時代に築かれた奥沢城の跡で、四方を土塁で囲まれていて

周囲の雑踏とは隔絶された静寂の境内となっています。その境内には本堂の向かいに三仏堂が

建っていて、上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下

品中生、下品下生、の九体の仏様が三体づつ奉られています。以前の境内は伽藍と大木が点在

するだけの雑然とした境内でしたが(上のリンクの写真は20年ほど前に撮りました)現在は

下草などの植栽も柵で保護されていて、緑の濃い境内となっています。



    門前の参道


 駅前から浄真寺まで車の

入らない緑の参道が続いて

いて、こんな風に落ち着い

て歩ける参道は都内では他

に見られません。既にこの

時点で小京都散策の雰囲気

を感じさせてくれます。






   緑深いの境内


 総門をくぐり、さらに楼

門形式の山門をくぐると、

手入れの行き届いた境内が

広がっています。今は両側

の紅葉も青々としています

が、秋になれば赤く色付く

事でしょう。







    苔むす境内


 本堂の前まで進むと更に

緑が深くなり、都の天然記

念物に指定されているカヤ

やイチョウの巨木を始めと

して木立も多く、さらに足

下は苔むして深山幽谷の雰

囲気さえ漂わせています。






   本堂横の庭園


 本堂の横には京都の寺院

のような枯山水の日本庭園

が造られています。一方で

本堂と向かい合う三仏堂の

周囲は下草が生い茂ってい

て、自然な雰囲気の境内と

なっています。






    秋の境内


 夏の間は静かな境内でし

たが、何本もの銀杏の大木

や参道両脇の木々が色付く

季節になると、多くの紅葉

見物の人で賑います。







   三仏堂前の紅葉


 三仏堂は境内の奥に並ん

で建っているのですが、こ

の季節は足元の枯草や落葉

が山里にいるような穏やか

な季節の移り変わりを感じ

させます。






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