それ以外はなるべく元記事に従ったのですが使用半導体は手持ちの流用で、新規に購入するのならば、元 
 
記事に従った石を使えば良いと思います。ただ、本機では定電流回路に5Vのレギュレーターを使っていま 
 
すが、例えば差動アンプの場合の定電流回路は動作電位が上下するので、バイアス電圧に対して充分に低い 
 
基準電圧の素子しか使えませんが、当機の同所の動作電位はほぼ一定なので、カソード電位が10Vあれば 
 
これで不都合はないのです。またリップルフィルターのバイポーラ素子もダーリントン石ではありませんが 
 
それでも10kΩのベース抵抗を入れられたので十分なリップル除去効果が得られ、元記事と同等の動作をし 
 
ています。唯一、音質に係わる事で元記事と大きく違うのはNF回路の補正で、今回はOPTが違いますし 
 
音出し後の測定でも安定度を注意深く見たのですが、補正は不要という結論になりました。 
 
 という訳で以下のような回路になりました。 
 
 
 
 
 
 
 
  製作のポイントとしては 
 
1.既に述べていますが本機に使ったOPTはARITOs Audio Labから発売された新型トランスで、今までと 
 
  違って量より質を重視した設計法で作られているそうです。それを覗わせるのが最大出力4Wという半端 
 
  な数値で、カタログスペックを考えたら同5Wと言いたいように思うのですが、低域特性を重視した結果 
 
  の最大出力となったそうです。ただ実際に使ってみると高域特性の素直な伸びの方が特筆もので、当機は 
 
  基本的に元記事の回路を踏襲するつもりでしたが、どうしても補正を入れる気にはなりませんでした。 
 
   さらなる概要についてはARITO's Audio Labのページを参照して下さい。
 
 
2.電源回路について、本機は試作機なのでお手軽に絶縁トランスで組みましたが、OPTが端正なケース入 
 
  りですから、これに見合うように標準仕様の電源トランスを載せてやりたいものです。さらにヒーターの 
 
  点火法も本機ではお手軽にC点火としたのですが、シングル動作の為なのか元記事よりも残留ノイズが多 
 
  くなってしまいお勧め出来ません。ただ14.5V巻き線のある春日の電源トランスには、当回路に適合する 
 
  B巻き線仕様のものがないのですが、KmB150Fを使いヒーター巻き線を倍圧整流してB電圧を嵩上 
 
  げすれば良いと思います。 
 
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