(前頁より)
「138 馬に乗る場合には、左側に寄りなさい(keep to the left)
もしあなたが馬に乗って、もう一頭を連れている時には、道路の左側
に寄って、そのうえ連れている馬をあなたの左側にいるようにすべし
(you should also keep to the left and keep the led animal on your
left)」
引率している、誰も乗っていない馬が、車の通行している側を歩くと、
どんな事故が起こるか分からない。危ないからであろう。
珍しく”should”を使っているから強い規制である。
徒歩で馬や牛あるいは羊などを連行している人にも規則がある。
条文は懇切丁寧である。
「139 もしあなたが徒歩で、歩道のない道路を一頭の動物を引率し
ている場合には、道路の右側を歩きなさい。あなたは動物と車の通行
の間に立つようにして、道路の端の方に寄るようにしなさい」
「140 もしあなたが、牛や羊の群れのような多くの動物たちを連れて、
道路沿いに、あるいは道路を横断しようとしている場合で、あなたに仲
間がいる時には、運転者の見通しがつきにくい曲がり角や丘の頂上の
ような場所の道路際で運転者に警告できるように、その仲間をそうした
場所に先行させなさい。日没後は明かりを持参しなさい」
そろそろザ・ハイウェイ・コードの付録に目が行く。
赤三角形の注意信号の一覧表を見よう。動物のサインが三つある。
右から「馬」「鹿」「牛」の順で絵が載っている。ここに至って読者諸君は、
憶良氏がいいかげんに題をつけてはいないと分かったであろう。
英語の説明は「Horses or ponies」「Wild animals」「Cattles」とある。
野生動物の中で、道路際に現れるのは鹿がもっとも多いから、彼らの
代表とされたのであろう。
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