千住群の中にもいくつかの系統が分化し、冬でもよく伸び葉が淡緑色で多少株分かれするものを千住赤柄(あかがら)、葉の色が濃緑色で、秋から冬の成長はやや劣るが夏から出荷できる一本葱を千住黒柄(くろがら)と呼び、両者の中間的なものが千住合柄(あいがら)と呼んでいる。現在、国内で栽培されているは根深ネギの多くは、千住系の流れの品種です。
この千住群の一種である金長(キンチョウ)と言う品種は、病気に強く、作り易い上に、見た目も好いと言うので、主産地の千葉、埼玉を始め関東一円で作られる様になりました。お陰で、微妙な香りや風味を持った、昔の曲がりネギや錫杖(シャクジョウ)ネギなどが廃れ、残念がるかたもいます。この他、吉川晩生、西田、石倉、深谷、伯州なども千住群の根深ネギの仲間です。
根深ネギの代表格は千住ネギであろう。何年か前にTBSラジオの午前の永六輔さんの番組でネギをテーマにした折り、関東近辺のネギ農家と中継しており、千住ネギのことにも触れていて、従来の千住ネギを出荷している農家は少なくなり、また、残った農家のほとんどが料亭等と契約しており、「千住ネギ」は一般消費者の手には入りづらいといっていた記憶がある。
千葉県松戸市の矢切産の矢切ネギ、埼玉県の深谷産深谷ネギが代表的なものですが、地元の矢切で現在使用されているねぎの種子は、その後に幾たびか品種改良がなされたもののようです。