外国語と文化


 英語を勉強するといっても、最近の生活の中で横文字を見かけないような場合はすくないのではないでしょうか。特に意味も無く(?)日本語にある単語が英語で表現されたりすることなど多いように思います。
 でも、単純に単語を変換していけば意味が通じるかといえばそうではないようです。
たとえば「指」という単語。これを英語にしてみると?
finger ですね。でも、fingerは単純に「指」の訳と納得してもいいのでしょうか。fingerを辞書でひいてみると
「(手の)指。親指(thumb)は含めないことが多い。足の指(toe)とははっきりと区別する」とあります。日本語でも一般的に指といえば手の指を意識するように思いますが、親指を含めないという部分では日本人と考え方がはっきりと違うことがわかります。
 これは一つの例にすぎません。つまり、英語人種と日本人では根底にある考え方が違うと言いたいわけです。考え方の違いとは生活の違い、文化の違いなど様々な要因から発生してきます。英語に対する理解を深めるにはやはり一度アメリカに行ってある程度の期間生活してみるのが一番でしょう。
 かくいう私はアメリカに行ったことがありません。普通の人はアメリカに留学したりホームステイしたりするチャンスがそうあるわけではないでしょう。それでも、日本はアメリカの影響を色濃く受けています。映画やテレビで見る洋画はアメリカの生活や習慣を教えてくれます。インターネットなどのメディアによって世界も狭くなっていると実感します。
 でも、だからこそ英語人種と日本人では違う考え方をする民族なんだということを理解しておかなければならないと感じるのです。「言語は思考のための手段である」ということも言われています。日英バイリンガルの人が同じ問題を英語と日本語で考えた時、どうしても違う結論に達してしまうことがあるそうです。
 昔に比べれば外国語を学ぶための良い教材も多くなっています。私の父親は仕事の都合で海外で長く生活したこともあり、英語の勉強にもかなり苦労したと聞きます。と、同時に教材の数は増えても学校の英語教育は昔と比べてもほとんど進歩していないとも言っています。ひとつには受験のための英語教育が第一にあるからかもしれません。
 では、どうすればいいのでしょうか。私にも良くはわかりません。ですが、まず第一に言語を学ぶというのは単なる暗記ではないと心がけることではないでしょうか。先の 指≠finger の例ひとつ見てもそれが実感できます。

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