Single CD "光なき夜をゆけ"


発売日前日の10月20日、近所の街のレコード屋(最近はCD屋?)さんへ行く。ジャケットの顔全面を陳列する新譜コーナーに目をやると今回もヒットチャートの常連達のCDと並んでいる。それも嬉しいことに前作Single CD "GET FREE"は1段であったが今回は2段である。入荷枚数も倍の10枚。でもジャケットはモロにアニメ・キャラクターで少しだけ手にするのが恥ずかしかった。
さてその音ですが、"光なき夜をゆけ"。「人形草紙 あやつり左近」のオープニング・テーマだけありイントロがいきなり「左近危うし!どうなる左近!」のエンディングのBGMの定番である。前作Single CD "GET FREE"はモロにクイーンしていたが今回は軽く'80年代のリッチーブラックモアズ・レインボウ風である。キーボードの盛り上げ方が上手い!。"禁じられた叫び"で感じた「CDで感じたほどライヴでは盛り上がりきれない」曲に近いようにも思うこの曲。既にアニメ「人形草左 あやつり左近」のイヴェントで演奏しているが3人でいかにこのサウンドを再現しているかライヴを観るのが楽しみである。

B面?の"風と木と光の街で"。これは96年に鎌倉青年会議所による企画アルバムに収録されたがマスターテープからCDにする過程でミスがあり音質的に問題があり幻の名曲となってしまっていた。その幻のテイクはアコギのイントロからエレピが曲を引っ張っている。間奏は南の島国のようなスライド・ギターが軽やかに流れてくる。福山氏のボーカルはイコライジングされダブル・トラッキングでそれをコーラスが彩り軽やかに歌われている。8ビートでリズムを刻むドラムスも軽やかだ。そのサウンドの秘密はハミングの生き字引(当り前か(^^;))である古屋氏のサイトに詳しく書かれているから参照して欲しい。
これに対し新しいテイクではアコギによるコード・カッティングに唄うベース・ラインが曲を引っ張っている。「この野郎、良い音を奏でてるぞ!」とベース・マンをコブラ・ツイストでもしてあげたくなる位だ。そしてボーカルはためて妙に落ち着いた唄い方は年輪か。
この違いはシングルで新曲として発表し、後にリメイクしてアルバムに収録したような感じである。邦楽ならばチャーの"闘牛士"、サザン・オールスターズの"気分しだいで責めないで"、そして太田裕美ちゃんの"木綿のハンカチーフ"の違いと似ている。私がどちらのテイクを好むかは内緒である。"風と木と光の街で"に関してはお見事、新しいテイクの貫禄勝ちである。エンディングの50秒はフェイド・アウトと共にボリュームを上げて聴きたくなるところだ。

最後に裏ジャケには都内を流れる河の堤防でポーズする3人が写るが麻生氏が宮川おさむと言うかヤダモンは前作と同じであるが福山氏の眉毛が海苔でも貼り付けているかと思ったくらい濃いのは都会モンのセンスなのだろうか(笑)。

ここをアクセスしたのも何かの縁。ハミングの"光なき夜をゆけ"を買いにお店へ行きましょう。税込価格1020円。買って、買てくれぇ。買ってくださいね。




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