シルクガーディアンはここ2戦の瞬発力や中間の動きから、勢いで上位に食い込む雰囲気がある。もちろん現状は短距離向き。1800メートルに問題はあるが、出来の良さでは五分。 |
シルクガーディアン(軽快) やる気で追えばいくらでも動く馬。使い込んで、なおこの時計で追っても体は減ってこない。それほど体調が良く、動きは目につく。 |
− | 未勝利、きんせんか賞を連勝しましたが、それぞれのレースを振り返って下さい。 |
矢野 | まず、未勝利戦ですが、今までと違って、前に馬を置いて折り合いをつけ、上手な競馬で抜け出してきた。その強い内容と、稽古で落ち着いてきて、精神面で成長が窺えていたので、きんせんか賞でも自信はあったんです。レースでは前2頭が引っ張ってくれて、競馬がしやすくなったけど、それにしても、前の馬を交わす時の反応の良さには驚きましたね。 |
− | その後の状態についてですが。 |
矢野 | 11日に単走で追い切りました。内を回ったので、速い時計が出たけど、相変わらずいい状態を維持していますね。 |
− | 初めての距離と道悪についてはいかがですか。 |
矢野 | 1800メートルは少し長いかもしれないが、今は掛かって行くところはないし、乗り方ひとつでは、上手く立ち回れると思う。道悪についても、足をたぐって走る方だから、問題ないと思う。 |
− | 最後に抱負を聞かせて下さい。 |
矢野 | 今のところは1800メートルがベストとは言えないし、まして、今回はオープン、胸を借りるつもりで臨みます。 |
未勝利勝ちに6戦を要したが、ハードな攻めを消化して使い込んでも、馬体減がないのが強み。ヘクター産駒にしては胴長、脚も長く、トモが高いのは母の父モーニングフローリック(エルバジェ系)の影響で、距離の融通もきく。 |
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このときウッドにはシルクガーディアンが入場。すでに坂路でハロン17秒のアップを終えていて、5ハロン標からいきなりスタートした。タイムは63秒4−49秒8−36秒8−12秒8と速いが、楽走の手応えだ。 |
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次はシルクガーディアンの矢野進調教師を捕まえなければならない。急いでバイクに乗り北馬場へ向かうと、タイミングよくスタンドから下りてきたところ。タイムのメモを渡すと「こっち(北)で見る馬がいたから、南に行ってなかったんだ。時計は・・・これくらいは楽に動くよ。追ったらオープン級のタイムは出る。来週もやるよ。あとは距離。力まないで走るようになれば、柔らかい馬だから1800メートルくらいはこなせる」と順調さを反映してか上機嫌だった。 |
胴の長い体形ですっきいりとしているが、体重が500キロを超すように、各部分はかなりしっかりしている。デビュー時から体重に大きな変化はないが、使い込んできたせいか、ここ数戦はグッと引き締まり、良化の跡がうかがえる。パドックではあまり気合いを出さず、ゆったりとした感じで周回。大型馬にありがちな前さばきの重々しさもない。強いインパクトこそないものの、比較的よく見せるタイプ。 |
GT皐月賞に向けての実戦調整、力試し、出走権利獲得のいずれかが、トライアルに出走する各馬の主な目的。しかし、スプリングSに出走するシルクガーディアンには、もうひとつ”距離克服”というテーマが存在する。デビュー戦こそ1600メートルだったが、次からは1400メートル。そしてさらに距離を短縮してようやく結果を出してきた。未勝利戦で2着に5馬身差をつけて楽勝したのが1200メートル(ダート)。500万下きんせんか賞で、好位からゴール前一気に突き抜けたのも1200メートル(芝)だった。 「クリスタルCも考えたが、外国産馬の速いのが出てくる。それなら長くても内国産同士の方がいいと思って」とスプリングSに決めた理由を話す矢野進調教師。力関係の重視が、実績に逆行する路線選択になったと受け取れる。だが、これはあくまで表面上のこと。さらに続けた矢野進調教師の言葉からは、距離克服の手応えが伝わってきた。 「この馬のよさは、バネがあって柔軟なところ。硬い馬なら短いところで終わってしまうだろうが、これだけ柔らかいなら距離はもつと思う。」 父ヘクタープロテクターはマイル前後でスピードの行きる種牡馬であり、母カチタガールは5勝のうち4勝を1600メートルで挙げた馬。確かにスピードが勝った血統ではあるが、1800メートルをこなせない配合ではない。経ち塞がる壁は、それほど厚くないはずだ。 |
館林 | 出来の良さならシルクガーディアンだけど、さすがに一気の距離延長はきつい。似たようなパターンできたサクラバクシンオーだって、スプリングSは12着だった。 |
シルクガーディアン・矢野進調教師 「けい古はいつもオープン級の時計を出す馬。状態はいいが、今回は距離がギリギリで、掲示板があれば...」。 |
シルクガーディアンはウッド5Fから意欲的に行き、直線も目いっぱいに追って62秒2−35秒9−12秒8。最後までまじめに走り、フットワークも一糸の乱れなし。目下2連勝の勢いをそのまま感じさせる好ゲイコだった。 |
5F62秒2の好時計をマークしたシルクガーディアン。報道陣に囲まれた矢野進師は「いやぁ、ケイコは走るなぁ」と動きについては納得した様子だが、もう一つトーンが上がってこないのは「やっぱ距離が気になるから...」のようだ。「最近は道中で息を入れるようになってきたが、血統とか気性を考えると千八は長いかなって気もするから。うちのは掲示板がいいところでしょ」でしめくくった。 |
5Fからから単走で意欲的に追われた。最後はいっぱいになったが動きはまずまず。「距離さえこなしてくれれば...。でも強いのがいるからな」と矢野進師は弱気。 |
未勝利→特別と2連勝中のシルクガーディアン(矢野進)がWコースで5ハロン62秒2の猛時計をたたき出した。内を通ったとはいえ、並の馬では出せない時計だ。しまいも12秒8でまとめ、動きは文句なし。矢野進師(61)は「けいこはオープン級なんだ。ただ、まだ10キロほど馬体に余裕がある。それにヘクターの子だから距離もギリギリかな」と話し、距離面を心配していた。 |
まだ賞金の足りない正体不明(キャリアの浅い)?の馬が駆け込みで皐月賞出走権(3着以上)を狙うため力関係がハッキリしないことに波乱の要因があろうが、その下地を作っているのが天気と馬場だ。 開催日は2回中山の最終日(96年までは3回中山2日目)とかなり馬場が傷んだ時期。しかもこの3月下旬は俗に言う"菜タネ梅雨"の影響を受けやすく天気は常に不安定だ。たとえ良馬場発表であっても、それまでの累積ダメージで時計勝負のレースにはまずならない。過去10年でレースの上がり3ハロンが36秒を切った例はゼロ。速い上がり勝負で実績を築いてきた馬が思わぬ落とし穴にはまるケースも少なくない。例えば昨年1番人気のタヤスアゲインはスプリングS前に6走して(4 1 1 0)の好成績。そのうち5走が上がり34秒〜35秒台をマークしていたが、レースの上がりが37秒0のここで3着と伸びきれなかったのは記憶に新しい。 1番人気濃厚なオースミブライトはタイプ的には"切れる"部類。超ハイペースだったGT朝日杯3歳S(10着)を除いた過去5戦はすべて上がり3ハロン35秒台をマークしている。ところが今回はたとえ良馬場(金、土曜は雨予報)であっても、前述の理由から最後は馬力勝負の公算が高い。直線で思わぬ失速も...過去の傾向から"荒れる"スプリングSだけに思い切った大穴狙いもいいかもしれない。 伏兵馬に事欠かないメンバー構成だが、当欄注目はもっか2連勝中のシルクガーディアン。レースの内容はすでに古馬900万レベル以上のものをアピールしている。前走きんせんか賞は自身の時計で前半3ハロン34秒2 → 後半3ハロン35秒7 の1分09秒9で走破。同じ週の御宿特別(900万下=勝ち馬キングスビショップ)のレース自体の流れは同34秒2 → 35秒8で1分10秒0。単純に時計で0秒1上回っただけでなく、きんせんか=稍重、御宿=良という馬場差を加味すれば相当な能力の持ち主と判断できる。短距離中心に使われてきて初の9ハロン戦がポイントになるが、母カチタガールの全5勝は8〜9ハロン戦。母の兄ジュサブローはGUオールカマーを制すなど距離の融通性はありそう。荒れ馬場克服の実績は高く評価できる。 |
もっか2連勝中と勢いに乗るのシルクガーディアン。けさは新コンビとなる横山典を背に北の角馬場でジックリ乗られた。 「追い日の翌日のいつものパターン。北(馬場)の方が馬が少ないから落ち着くんだよ。初距離?正直何ともいえないよ。ここで掲示板に載るぐらいなら本番も考えるけど、結果が出なければまた短距離に戻す。今回が今後を占う一戦だね」と横田助手。 |
5ハロン62.0秒の猛時計を叩き出したシルクガーディアンも状態だけなら文句なし。 |
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"話しにならない"で思い出したが、先週の美浦で蛯名がこのフレーズを使って記者を落胆させてくれた。「スプリングSのオースミは実績からいって負けられないよね。関東は何が出てくるんだっけ。モンテカルロ?ふ〜ん。シルクガーディアン?ああ、あれね。気の毒だけど、話しにならないんじゃない(笑い)」 以前、お伝えしたようにシルクはペーパーオーナーゲームでの当方の持ち馬。デビュー戦から前走のきんせんか賞まで騎乗し続けた蛯名が同馬のことを知りつくしているのは分かるが"オーナー"に対して、そこまで言わなくてもいいだろうに。 「いやね、能力はあるんだけど今回の距離が心配という意味でさ。ガァーッと行きたがる気性はだいぶ解消してきたといっても、現状はやっぱ、短いところがいい」 今週、美浦からの情報で陣営は未体験ゾーンの距離千八を不安視。「父親(ヘクタープロテクター)を考えるとギリギリ持つかどうか」(矢野進調教師)とトーンは低い。しかし産駒には同距離のGVクイーンSを勝ったプロモーション、オークスTR4歳牝馬特別(2000m)のセンターライジングがいるし、リムノス(日本産)は2400mの仏GUフォア賞を制している。 蛯名の評価は短距離ベストでも、当欄はシルクガーディアンを捨てきれない。もちろんこれは"個人的事情"によるものでも、熱発による"妄想"でもない。 |
シルクガーディアンは坂路2本。ともに43秒台、しまいを14秒台で流した。攻め馬は際立ってよく見せる馬だが、この日の動きも軽快の一言。勢いに衰えはない。 |
シルクガーディアンは昨年のセイクビゼンを彷彿させるほどのデキに映った。1コーナーでの不利が大きく、位置取りが悪くなってしまったが、直線、馬群をこじあけて3着に。これは本当に馬が変わってきている。 |
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シルクガーディアンで3着に食い込んだ横山典弘は、1コーナーで後方から先をうかがおうとしたところで前の2頭に挟まれる不利をまともに受けたとあって、静かに怒りを噛み殺したような表情。「もう落っこちるかと思ったよ。前で競馬するつもりだったんだけど...。あの不利が痛かった」と淡々と離しながら、1コーナーでの様子を他のジョッキーにジェスチャーをまじりに説明していた。それでもそこから良く立て直して皐月賞の出走権利は確保しただけに、「下も気にしていたけど、良く伸びているよ。距離が伸びても大丈夫そうだね」。最後は気を取り直していた。 |
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外から一気に先手を取ったワンダーファングと、それに追随する先行馬。その馬群を追いかける"第2集団"が形成されかかった1コーナーで、事件は起きた。外からタイクラッシャーのあおりを受け、何頭もの馬がぶつかり合う。最も被害を被ったのはシルクガーディアン。もちろん、審議のランプは灯ったが、17分にも及ぶ審議の結果、降着には至らないとの判定が下った。 収まらないのはシルク陣営だ。辛うじて皐月賞の切符は獲得したものの、賞金の上積みはない。裁決委員に猛抗議をした矢野進調教師は怒りをあらわに「以前、この馬が降着になった時よりひどい。乗り役がうまかったから落ちなかっただけだ。落馬しなければいいのか」とまくし立てた。裁決委員からは「1コーナーという場所だし、巻き返しがきくと判断した。こういう場合、えてして集団の一番後ろにいた馬(シルク)が最も被害を受けるものだ。あとは長年培った裁決の判断基準がある」と説明があったが、同じ斜行でも場所次第で判定を変えることや、基準のあいまいさが認められるなど、後味の悪さが残るレースだったことは否めない。 |
3着に滑り込んだシルクガーディアン陣営だが、矢野進師(61)は道中の不利に怒り心頭だった。最初のコーナーでタイクラッシャーが外から内に切れ込み、シルクはそのあおりを受けたマルシゲファイターと接触。内側からも別の馬が張り出してきて進路が狭くなり、落馬の可能性もあった。しかし裁決は「1コーナーであの程度のアクシデントならまだ立て直すことが可能な範囲内」というもの。到達順位の変更には至らなかった。矢野師は「これが4コーナーで同じようなことがあったらアウト(失格)だろ。ノリ(横山典)でなきゃ落ちてたよ」と怒りは収まらなかった。 |
1角で不利のあったシルクガーディアンの後方から追い上げた3着は惜しまれた内容。課題であった距離にメドが立ち、今後が楽しみ。 |