夕刊デイリースポーツ 9月19日発売

セントライト記念・GII展望
シルクガーディアンはラジオたんぱ賞を快勝後も美浦で順調に乗り込み、毎週のようにWコースで好時計を叩き出している。距離延長が最大のカギだが「具合自体はすごくいい。あとは体が絞れてくれば...」と矢野進師。現時点では菊花賞を自重する予定もあり、それだけに他陣営より勝負度合いは高い。

笠の血統展望
セントライト記念
シルクガーディアンは重賞を勝ったが、父ヘクタープロテクターはマイラーだ。母の父がエルバジェ系のモーニングフローリックでズブさもあり、距離はある程度こなすが、二千二百となると信用できない。重は我慢できる。

週刊競馬ブック 9月20日発売

シルクガーディアンは馬込みの内で辛抱し、スパッと終いが切れたラジオたんぱ賞の勝ちっぷりが強い。調教で動く素質が春後半から開花し、福島のあとは美浦で秋を待っていた。馬群も展開も馬場も問わない強さがあり、もちろんここでも勝負になる馬。ただ、この切れ味は現時点では1800〜2000メートルがベストという印象を生む。急坂の2200メートルをどうこなすかが今回の見どころ。

菊花賞トライアル "セントライト記念" 有力予定馬の厩舎レポート
"今回が試金石" シルクガーディアン 高橋調教助手
── ラジオたんぱ賞以来のレースですが、ここまでの経緯を聞かせて下さい。
高橋 当初の予定通り夏は放牧に出さずに美浦で乗り込んできました。今年の夏は例年になく暑かったけど、少し疲れが見えた程度でガクッときた感じはありませんでした。先週までで5ハロンからの追い切りを3本消化していますが、特に予定が狂うようなところはありませんでした。
── 15日にはWコースで5ハロン61秒台と相変わらず動きますね。
高橋 もともと稽古駆けするタイプですからね。馬場状態も良かったし、特に無理した訳ではありません。ただ、それでも太り易い体質だからいくらか余裕がある感じだったんです。もう1周で仕上がると思いますが。
── 最後に見通しを
高橋 春に比べると行きたがる面は解消されてきましたが、折り合いには課題のある馬。今後の路線のことも含めて今回のレースが試金石になると思います。

PHOTOパドック
シルクガーディアン(栗毛 9月8日撮影)
本格的な調教は9月に入ってから。太る体質のようで、元々、腹袋のある方だが今回はいかにもポッテリ映るし、全体に緩い感じ。9月8日撮影だから、あと2本追えるので絞れてくるだろう。胴長で父より距離の融通性はある。

週刊ギャロップ 9月20日発売

The Interview 矢野 進
菊花賞には行きません。
全6戦を検証
──シルクガーディアンがセントライト記念に出走します。それにしても、前走のGVラジオたんぱ賞は強かったですね。
「ありがとうごさいます。道中で息を抜くことを覚えてから距離をこなすことができ、重賞勝利につながったと思います」
──たしかに、デビュー当初は短距離ばかり使っていました。
「最初の頃は一本調子だったので、まず短距離からと思っていました。一本調子なだけに勝てそうで勝てなかったですね」
──ところが、ダート1200メートルの未勝利を勝ち上がると、続く芝1200メートルのきんせんか賞も連勝。
「いくらか競馬を覚えてきたんですよ。連勝した時期は皐月賞が近づいていたのでスプリングSを使うことになりました。この馬には距離が長いと思っていたのですが、3着に入って権利を取ったので皐月賞に向かいました」
──スプリングSではスタート直後に大きな不利を受けながらも3着。あれがなければ勝っていたかも、と思わせる内容でした。
「もう過去のことですからいまさら悔やんでも仕方ありません。皐月賞では7着に破れたので、2400メートルのダービーは長いと判断して、全く眼中に入れずに次の目標をラジオたんぱ賞に定めて調教しました。
──その前のさくらんぼSでもスタート直後の1コーナーで寄られる不利。終始、ラチ沿いの後方という位置取りを強いられて2着に破れてしまいました。
「あれはマサヨシ(蛯名正義騎手)の乗り方の失敗。自信を持ちすぎて負けたんですよ。あそこから突っ込んで2着に来たのは900万下では力が上、ということ。こっちは重賞で、その上と戦ってきていたんですから」
──続くラジオたんぱ賞はインから伸びて快勝。鮮やかな勝ちっぷりでした。
「内で苦しいと思っていたけど、勝負どころで前が開いたらスッと動いてくれましたね。展開にも恵まれたと思っています。」
──福島の重賞初勝利後は、放牧に出さずに美浦トレセンで調整してきました。
「昨年の夏も美浦で過ごしたんです。関東の蒸し暑さを体験していたので今年も美浦で夏を過ごさせました。そうでなかったら北海道に放牧に出していましたよ。この夏も暑さにバテることもなく順調でした。だからこそ2週前、1週前と追えるだけの調教状態でいるんです。まだいくぶん太いですが、セントライト記念の週にサーッとやればOK」
──2200メートルは初体験です。
たしかに距離がどうかという点はありますが、もつと思っています。あとは2ヶ月半ぶりがどう影響するか、ですね。」
──3000メートルの菊花賞には出走する予定がないそうですね。
菊花賞には行きません。2400メートルのダービーですら行かなかったんですから。この馬には距離が長すぎます。今後は2000メートルまでのレースを選んでいくつもりです。今回は4歳限定戦なので、多少距離が長くても古馬と戦うよりは楽だと思って使います」

パドック
シルクガーディアン
長めの胴だが、胸前から腹にかけて深さがあり、重心の低さもあってしっかりとした感じに映る。福島では体重500キロで重賞を制した。毛ヅヤも良く、張りのある馬体で申し分なかった。ただ今回は距離が2ハロン延長されるだけに、よりすっきりしたつくりにしたい。休養明けでも500キロを下回るくらいでは絞っておきたい。周回では厩務員を引っぱるくらいの気配を出す。

1週前ドキュメント
美浦・・・9月15日(水)
ガーディアン出色の35秒6−12秒8 矢野進師も納得「こんな時計始めて」
シルクガーディアンが単走でスタートした。直線を一杯に追い、ゴール前脚が上がり加減となりながらも5ハロン61秒7−47秒9−35秒6−12秒8の出色のタイムをマークした。
帰り馬道出口に立っていたシルクガーディアンの矢野進調教師。記者のタイムを見せると「あれ、私のとったものとまったく同じだよ。これならトラックマンになれるかな」と第一声で取り囲んだ取材陣を和ませる。その余裕は「こんな時計は初めてだよ。まだいくらか太いだけに、1週前にこれだけやれたのはいい。血統的に距離に不安はあるけど、道中息つくことを覚えてるからこなしてくれると思ってるんだ」で納得。仕上げは青写真通りに進んでいる。
助手 15南W 61.7 47.9 35.6 12.8 (2)一杯に追う

あいつに血ェック・イン
◇シルクガーディアン
父ヘクタープロテクターは、ジャックルマロワ賞、仏2000ギニーなどを勝った欧州の名マイラー。種牡馬としても成功して、海外でリムノス、シーヴァの兄妹が重賞を制しているのをはじめ、センターライジング、エイシンイットオー、マックスロゼ、プロモーション、ナリタプロテクター、キクノスカーレットなど、多くの産駒が活躍している。母カチタガールは、5勝を挙げた活躍馬。なかなかのスピードを見せた馬で、中山牝馬S3着などの実績を残した。母の半兄ジュサブロー(父シーホーク)は、地方の活躍場で、産経オールカマーを勝った。母系は軽さと重さのバランス取れていて、中距離がベストの配合。秋になっての成長も期待できる。

東京スポーツ 9月21日発売

メーン予想合戦 南の "金将" 館林 vs "と金" 松島
館林シルクガーディアンはけい古駆けする馬らしくウッドで5ハロン61.7秒。一番順調に攻め馬が消化できている。
松島それとシルクガーディアンも重い印を付けます。陣営は菊花賞は頭にないでしょうし、ラジオたんぱ賞後にすぐにここを目標に調整されてきた。力は出せる状態にあるはずです。
館林 距離が1〜2ハロン長いだろ。
松島 ですが、ペース的にきっちり2200メートルの競馬にはならないでしょう。ごまかせる範囲内だと判断します。

けさの動き
Sガーディアン好時計連発
ラジオたんぱ賞快勝後は放牧に出さず、美浦で調整されていたシルクガーディアン。攻め馬駆けする馬らしく中間は好時計を連発している。「1週前の時点では太めだったけど今週、もう1回追えるしね。それより問題は乗り役。誰が空いているんだ」とジョッキー探しに気をもんでいた。

GURIちゃんの実戦血統学
シルクガーディアン母系に短距離の血...2200メートルどう戦う
GVラジオたんぱ賞ではインから鮮やかに抜け出し、重賞初制覇を飾ったシルクガーディアン。母カチタガール(父モーニングフローリック)は3〜7歳時30戦5勝。月岡特別、桃花賞などに勝ち、GV中山牝馬Sで3着した。これまでの産駒に現2勝馬のシルクアクターがいる。
祖母サウンドレッド(父サウンドトラック)は不出走ながら東海公営で東海桜花賞、ゴールド争覇、ダイヤモンド特別など22戦15勝。中央入り後、オールカマーに勝ち、日経賞で2着したジュサブロー、南関東、北関東、上山で走り、東京金賞など12勝を挙げたウインラッドを産んだ。
曾祖母タカレット(父チャイナロック)も同じく不出走馬。産駒に短距離特別(2回)英彦山特別など6勝のミンレットがいる。
4代母のクラウドレットが英国からの輸入繁殖。京阪杯のエリモレットを出した。
父が仏2000ギニー、ジャック・ル・マロワ賞。グラン・クリテリウム、モルニー賞など5個のGIを制し、全欧3歳チャンピオンになったヘクタープロテクター。母もマイル前後の距離で活躍したカチタガール、母系には短距離馬のサウンドトラックの血が入っているシルクガーディアン。2200メートルという未知の距離をどうこなすかがカギとなる。


東京スポーツ 9月22日発売

セントライト記念
悪コンディションの中でも好時計
◆シルクガーディアン
実りの秋を迎え大きくその存在をアピールしそうなのが、今夏のたんぱ賞の覇者シルクガーディアンだ。
「春先に比べカリカリした気性が解消され、ドッシリと構えてきた。全体的にパワーアップしてきた印象だね」と矢野進調教師は熱いまなざしをのぞかせる。身上とするのは切れ味で今回2200メートルの長丁場でのスタミナに対応できるかどうかが課題となる。距離適正を確かめる意味でも重要な一戦。
「いずれにしても、菊花賞には距離的な限界があるので行かないと思う。天皇賞(秋)に行くかマイル路線に進むかだがベストは尽くしますよ」と矢野進調教師。
夏場は自厩舎で調整、たんぱ賞以来3か月ぶりとなるが入念に乗り込まれれきた。今月に入りピッチを上げ先週(15日)はWコースで5ハロン61秒台の好時計をマークしてきた。
「けさは単走で闘志を促す調教に心掛ける。成長分を見込んでも体に余裕があるのでしまいまで目一杯にやります」の同師のプラン通りWコースで意欲的な本追い切りを行った。
5ハロンから引っ張り切れないほどの手ごたえで、行き脚は軽快そのもの。徐々にペースをアップさせ直線では馬場の外めに持ち出した。ゴール手前から高橋助手が懸命に追うと、それにこたえラストスパート。前肢のキック力の強い独特のフットワークでゴール板を駆け抜けた。攻め馬駆けするタイプとはいえ5ハロン62.6秒、ラスト3ハロン36.4-12.5秒は悪コンディションを考えれば優秀。「反応は凄くいいですね。体は多少、立派ですがこのひと追いで変わってくるはず。確実に力は付けているので距離を克服できれば差はないと思います」と高橋助手は好調教に胸を張り、鉄砲駆けへの手ごたえを感じたようだ。


夕刊フジ 9月22日発売

セントライト記念追い切り
シルクガーディアン
トップクラスは涼しい北海道や、放牧などで夏場を過ごした馬が多い中、「手元に置いて仕上げたい」という矢野進調教師の希望から、この馬は美浦TCで夏を越した。
暑さに負けずに順調に調整が進み、けいこ量は十分ということから、気合乗りは文句なし。ハミをグッと取って一気に行きだした。「成長分を含めても10キロは重いかな」という510キロ以上の体は確かに立派に映るが、太いというよりたくましさが出てきた印象で、その体から繰り出されるフットワークは豪快。5Fからの13秒6-12秒9のラップを苦もなくマークし、直線では前にいた馬群を、追い出されると末脚を伸ばしあっさりかわした。
ゴール前はさすがに一杯になったが、12秒7でフィニッシュ。
「これで、また絞れるだろう」と変わり身を見込む矢野調教師。血統的にマイラーで、菊花賞(3000メート)は出否未定という同師、菊よりこの一戦に賭けている様子。


日刊スポーツ 9月23日発売

セントライト記念追い切り
3週連続速い時計
前走のラジオたんぱ賞に続いて重賞連覇を目指すシルクガーディアン(牡、矢野進)が、直線で力強く末脚を伸ばし順調な仕上がりをアピールした。以前から調教駆けすることで定評がある馬だが、この日も単走で62秒7の好時計をマーク。この9月に入ってからは3週連続して62秒前後の速い時計を記録したことになり、3ヶ月ぶりの出走でも調教量は十分だ。
けいこを見守った矢野進師(61)は「夏負けすることもなく無事に猛暑を乗り切った。少し馬体が立派に見えるけど、息はできているので恥ずかしい競馬はしないと思う」と語った。距離適正からこの後は菊花賞には向かわず、2000メートルの天皇賞(秋)に挑戦するプランが有力で、秋初戦の走りが注目される。


スポーツニッポン 9月23日発売

セントライト記念追い切り
ド迫力も太いぞシルクガーディアン
休養前にラジオたんぱ賞を優勝、今出走馬中唯一の重賞ウィナー・シルクガーディアンは単走でWコースを迫力満点に駆け抜けた。矢野進師は「先週の追い切り後に体重を量ったら525キロ(前走時は500キロ)あった。少し太いのでどこまで絞れるかがカギ」と指摘。


東京スポーツ 9月23日発売

最前線記者の調教採点トーク
=セントライト記念を斬る=

館林
ただこの馬以上に順調に追い切りを消化しているのがシルクガーディアンです。激しい気性で距離面に?がつくけど、その気性だからこそ鉄砲が利くタイプ。久々でもデキだけなら一番じゃないですか。
渡辺俺もブラックタキシードの次によかったと思うのはこの馬だな。この中間はWコースで再三にわたって61〜62秒台(5ハロン)の好タイムを連発。あれだけハデな動きを見せられると印も厚くつけたくなる。

今朝の動き
シルクガーディアンは馬体絞れず
 ○…シルクガーディアンは北の角馬場で微調整。昨日(22日)の追い切り前の時点では530キロあった馬体も「けさ乗った後、測ったらようやく520キロに。あとは輸送でどこまで絞れるかですね。正直、見た目はまだポテッとしていますが…」と高橋助手。「それにしても3週連続、ビッシリ追って、こんなに絞れない馬も珍しいですよ。食欲がありすぎるのか…」と困り顔だった。


日刊スポーツ 9月24日発売

本紙・堀内の勝敗の鍵
矢野進師「何とか克服して欲しい」
距離微妙ガーディアン

追い切り好走のシルクガーディアン(牡、矢野進)が、セントライト記念の有力候補に浮上した。ラジオたんぱ賞を快勝後、ひと息入れての出走になるが意欲的な乗り込みで今回も仕上がりは順調。矢野進師(61)は「距離が微妙」と慎重ながら、重賞連覇も夢ではない。

 ──22日の追い切りの動きは絶好でした
矢野進師 もともとが調教駆けする馬だけど、力をつけたせいかこの秋は一段と走るようになった。特に15日の1週前追い切りではウッドで5ハロン61秒台の速い時計が出ている。単走でこれだけ動けば上々だね。
 ──夏場の調整がうまくいった感じです
矢野進師 暑さには強い馬なので、放牧には出さず美浦で休みなく乗り込んできた。夏負けもしなかったし8月からはビシビシ調教を積んできた。
 ──今回も仕上がりは良さそうですね
矢野進師 追い切り本数は足りているし、息もできている。ただ今朝(23日)の計量ではまだ520キロあった。輸送で10キロは減るからレースは多分510キロ前後での出走になる。成長分を見込んでも5キロほど太い感じ。これがどう影響するかな。
 ──2200メートルの距離は初めてになります
矢野進師 血統、体形などからみて1800メートルぐらいがベストだと思う。ダービーを断念したのも距離に不安があったからで、今回も微妙。何とか克服してほしいが……。
 ──石崎騎手への乗り替わりはどうでしょう
矢野進師 乗り方の難しい馬ではないから問題はない。ましてや石崎君は地方競馬のベテランだから任せて安心。
 ──前走に続いての重賞連覇が期待されます
矢野進師 冷静に考えると着(5着以内)がいっぱいかもしれない。でも道悪は得意なので、馬場が渋ったらチャンスだね。

〈結論〉ひと夏越して確実にパワーアップされ、気性面での成長も大きい。折り合いがつく馬だけに距離もギリギリ我慢できるはず。状態の良さからも当然勝ち負けに持ち込める。
石崎が騎乗セントライト記念に出走のシルクガーディアンは、騎乗停止中の蛯名正義騎手(30)にかわって地方・南関東の石崎隆之騎手(43)が手綱を取ることになった。


東京スポーツ 9月25日発売

決戦24時間前
陣営トーン上昇
○…美浦トレセンの調教横綱(7)シルクガーディアンが金曜(24日)に3ハロン43.1秒をマークしたのに続いて、けさも54.7-39.3-12.7秒(ともにウッド)を計時。週中は「太い」と慎重だった矢野進調教師も徐々にトーンが上がってきた。「これで当日輸送すれば510キロくらいで出られそう。これ以上はやれないというほどけい古は積んできた。あとは前がやりあう展開になれば面白いと思うよ」




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