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 五色不動 -その1- (1999/11/28更新)
本日休魚

五色不動をご存知でしょうか?私もつい最近までは知りませんでした.都内に「目白」「目黒」とあるのだから,ほかにも「目赤」とか「目青」があるのではないかと思ったことが発端です.調べてみるとなるほどあるある.黒青赤黄白の五色の不動尊があり,これらは江戸五色不動尊と呼ばれています.

いわゆる陰陽五行説に由来し,江戸城を取り囲む結界の役割をしていたともいわれるそうです.それぞれの色が方向をそれぞれの色が方向を表すようですが,残念ながらその関係まではわかりませんでした.いずれにせよ,江戸時代初期に江戸の住人が考える江戸の広さというものがここから窺い知ることができます.

それぞれの不動尊は都内を転々と移動し,他の寺院との合併を繰り返しながらも現在まで残っていて,現在の所在地は以下のとおりです.目黄だけは現在2箇所にあるようです.

寺院名 宗派 所在地
目黒 龍泉寺 天台 目黒区下目黒3−20−26
目青 教学院 天台 世田谷区太子堂4−15−1
目赤 南谷寺 天台 文京区本駒込1−20−20
目黄 永久寺 天台 台東区三ノ輪2−14−5
最勝寺 天台 江戸川区平井1−25−32
目白 金乗院 真言・豊山 豊島区2−12−39

というわけで,早速五色不動尊を順番に回るべく出発しました.

  

目青不動
教学院
[目青不動1] [目青不動2]

まずはじめに回るのが家から一番近い目青.東急世田谷線で三軒茶屋駅に向かいます.2両編成ののんびりとした都電風の電車に乗り,景色を見ているだけでも普段の都会の喧騒から離れて静かな気持ちになれます.終点の三軒茶屋駅の手前で電車の窓から目指す「目青不動」が見えました.

「目青不動」には特に立派な山門などはなく,電車の線路脇の細い道につながる参道があるだけです.参道をゆっくりと進んでいくと正面にこれも小さな本堂があり,赤い色の「目青不動尊」の提灯が下がっていました.知らなければ江戸五色不動のひとつと気づくことなく通り過ぎてしまうところでしょう.

  

目黒不動
龍泉寺
[目黒不動1] [目黒不動2]

次に目黒.「目黒不動」は探すまでもない,いわずと知れた目黒の「目黒不動」です.目青の三軒茶屋から東急新玉川線で渋谷でJRに.そして目黒駅で東急目蒲線に乗り換えて不動前駅に.不動前駅で参拝記念の記念入場券を購入.駅員はわざわざ平成11年11月11日の日付の入場券をくれました.

さて,駅を降りると何があるのかと思うほどの人・人・人.地図など見る必要はない.ともかく人の流れに乗ってしまえば何も考えることなく「目黒不動」に到着です.どうやら私の行った28日は,大縁日と護摩供養の日だったようで,沢山の出店が出たりとまるで初詣の日のような賑わいでした.本当に自由に歩けないくらいの大混雑でびっくり.

江戸時代に三代将軍家光によって復興された大伽藍はひっそりと建っていた「目青不動」とは大違いです.敷地の広さだけでなく,山門から本堂などの建造物の豪華さはさすがは「目黒御殿」と言われるだけのことはあります.

お昼はここの屋台のお好み焼きで済まして,今日最後の「目白不動」への移動です.

  

目白不動
金乗院
[目白不動1] [目白不動2]

今日の最後は「目白不動」.最寄駅は都電荒川線の学習院下駅ですが,JR目白駅から歩くことにしました.順調に行けば15分ほどでつくはずだったのですが,途中で道を間違えてしまって時間がかかってしまいました.「目白不動」への道は,特に目立った看板などもなく,近くに行ってはじめて案内が出るという感じでした.

「目白不動」は「目青不動」よりは規模が大きく,山門や立派な本堂が建ってしました.それでも「目青不動」同様に人気がありません.幸いにも私がついたときにはお寺の人がいて,お寺の縁起のかかれたしおりをもらうことができました.敷地内には由比小雪の慶安の変でともに事を起こした槍の達人,丸橋忠弥の墓もあります.

とりあえず今日は「目青」「目黒」「目白」と五色不動のうち3つの不動を回ることができました.縁日のあった「目黒不動」以外はひっそりとした人気のないところで,なるほど五色不動といってもそれが寺の繁栄につながっているわけではなさそうでした.また時間を作って残りの2つの「目黄不動」と「目赤不動」に行ってきます.

五色不動−その2−

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