くだらな日記(2010年5月)


最新日記へ


5月26日(火)
 くらりさんはぽっちゃりしてるほうがかわいいと思うんだけどなあ。まあ、今どのくらいぽっちゃりしているか、知るすべはないんだけど。

 ライトノベルは絶賛ゆきづまり中。どう書いたら先へ進めるのか見当もつかん。
 あ、台湾旅行記でざっと紹介してるだけのメイド喫茶漫遊記は、別に書くつもりなんだけどそれも進んでいません。紹介したい台湾同人誌もあるんだけど。


5月16日(日)
 代々木公園のタイフェスティバルに行ってきた。
 覚悟していたとはいえ、えらい人出だ。空き地にはビニールシートが敷かれまくり、テーブル席はすべて満席。地べたに座りこむ人間続出のため、歩行渋滞が生じている。
 焼きとんを食いながらぶらぶらし、現地で歳三さん、たけかんむりさんと合流。
 カオパットとドリアンを買って昼食とする。残念ながらまだドリアンは季節には早いらしく、未熟でまだ果物っぽい味と歯触り。もっと熟すとぐじゃぐじゃのネトネトになり、ふかし芋の腐ったような味わいとタマネギの腐ったような臭いを発するんだが。
 あと、タイの生ソーセージ、ネームと、コオロギやイナゴや蚕や椰子虫などの昆虫類が売ってなかったのは残念だった。せっかく、台湾の博物館では「タイ人は虫を食う」と名指しで説明されていたというのに。

 たけかんむりさんは新幹線で移動しなければならないということで途中でお別れ。歳三さんと二人で新宿に移動し、大西科学「さよならペンギン」を探しまわってからアフタヌーンティを愉しむ。二人には似合わないって?うるせー。
 そのあと晩飯を食いにいった。7時45分ごろ、ISSが上空を通過するのが見えるはずと歳三さんが教えてくれたので、店をちょっと出て歩道橋に登って見物。月と金星が仲良く並んでいた。
 同じ狙いだろう、何人かが歩道橋から空を見上げていた。
 ああ、確かに、北の空を、飛行機よりはるかに速いスピードで通過していく、金星と同じくらい明るいものが見えた。しかし、それを追尾していくように等速度で飛んでいた、やや暗い飛行物体はなんだったのだろう。レプタリアン星人の監視宇宙船だろうか。
 空を見上げてなにか探していた風情の隣の人に、「あれ、何だったんですかね?」と聞いたら、「ばかもぉ〜ん、それがルパンだ! 追え、追え〜!!」と叫び、走り去っていった。追いつけるのかな、あの人。この暑いのにトレンチコートなんか着込んでたし。


5月14日(金)
 「ポル・ポト ある悪夢の歴史」(フィリップ・ショート著、山形裕生訳:白水社)を読んだ。
 すごいな。クメール・ルージュでは財産の私有を否定するだけでなく、知識、思想、技術、個性、家族の私有も禁止されていたんだ。そら芸能人とかインテリとかみんな殺すわけだ。一家で暮らすことも許さなかったわけだ。洗脳で人格を破壊しなければいけなかったわけだ。
「あの人もゼロ、あなたもゼロなら、それが真の平等だ」
 なんという底辺共産主義。


5月5日(水)
 私の場合、睡眠導入剤を常用しているせいか、たまにそれを服用せずに寝ると金縛りの確率が高いような気がする。
 昨日も10時くらいに眠いからもういいかと服用せず寝てしまったら、金縛りにあった。
 第一部はライトノベル風金縛りで、もし記憶が続いてネタが処理できたら文章にしたい。たぶん資料を読むばかりで実践が途切れてるんで自分でも焦っているんでしょうな。大西さんやアイスさんみたいにいつでも書ける才能が欲しい。
 ようやっと身体を動かすのに成功して金縛りがとけたんだが、疲れたしネタになるしもういいか、とそのまま寝たら金縛り第二部。これは箸にも棒にもかからないのでそのまま書く。
 枕元に読みかけの「ポル・ポト伝」と「毒殺の世界史(下)」を積んだまま寝ていたんだけど、金縛りの夢のなかではそれが小箱になって、どうやらラジオらしく、阪神の試合を実況している。ピッチャーが安藤でしんきくさい試合なんで聞きたくないんだが、止めることができない。そのうち自分の頭で考えることとラジオの実況がシンクロしてきて、実況の合間にオヤジギャグをはさむようになる。阪神のレフトは藤川だけまともで、狩野も葛城もしょうもないエラーが多すぎますね、あれは金本の呪いですか。いや左翼なんだから呪いとか否定しなきゃ駄目でしょ。しかし本当に外野手は下手だ。あいつらグラブ持ってない山賊の集団みたいですね。いや山賊のわりには塁を盗まん。みたいにオヤジギャグ掛け合い中継をやってて、そのオヤジギャグがすごく怖い。
 そのうち野球が終わったと思ったら、部屋の中を小さな沢田研二が歌い踊る。でもジュリーにしてはなんか妙だ、そうか衣裳が変だ。なんか作業用ジャンパーにチャックをいっぱいつけたのとか、銀のゴテゴテアクセサリーとかダサダサのファッション。そうか、わかったぞ。衣裳デザインが早川タケジでなく野村哲也になっちゃったんだ。そう思って歌い踊るジュリーを見ていると、そのダサダサっぷりがすごく怖い。
 あまりのことに呆れて、ではなく恐怖にふるえているうちに金縛り第二部終了。目が覚めると1時ごろ。うーん、今度は裸エプロン(エプロンドレスのエプロン)の少女が怖い。


5月4日(火)
電子書籍の現状での利点。
・キーワード検索が簡単にできる。
・少部数にも対応できる。
電子書籍の現状での欠点。
・重くて寝ころんで読めない。
・かさばるので満員電車で読めない。
・書店でぱらぱらめくってみて「ダメだこの本」という簡易選定ができない。
・つまらない部分のとばし読みができない。
・買ってみてつまらなかった場合、怒りを込めて叩きつけることができない。
・「たしかこの本の後半3分の1くらいに書いてたような」というパラパラ検索ができない。
・書き込みができない。
・付箋が貼れない。
・カート・ヴォネガットの落書きも正確に再現しないと許さん。


5月3日(月)
 先日の「戦後食い物本ベストスリー」は、制作編と実食編に分けた方がいいような気がしてきた。
 制作編では「檀流クッキング」と「男のだいどこ」が決定。前者はレシピ数の多さとわかりやすさ、レバニラ炒めや麻婆豆腐などといった料理をポピュラーにした功績、後者はタンシチューをポピュラーにした功績とコンビーフまで自作する自作魂に敬意を表して。残り1つの候補は、「ショージ君の料理大好き!」、池田満寿夫の「男の手料理」、甘粕幸子の「野草の料理」。この3冊は私の料理の参考にしている。
 実食編では読んだ面白さを優先させて、「私の食物誌」「贋食物誌」「食物漫遊記」で決めてしまおうかな。前回書いた2冊と、学究的書物、小泉武夫「珍食奇食」と石毛直道「食いしん坊の民俗学」に、料理とハードボイルドを両立させた奇書、小林信彦の「ドジリーヌ姫の優雅な冒険」も捨てがたい。


5月2日(日)
 丸谷才一「食通知ったかぶり」(文春文庫)を引っ張り出してきて、吉田健一のエッセイ集をざっと読み探して気になった箇所を調べる。みつけた。
 「食通知ったかぶり」で丸谷は、戦後日本で食い物について書いた三大名著として、邱永漢「食は広州に在り」、檀一雄「檀流クッキング」、吉田健一「私の食物誌」を挙げている。
 ところが「私の食物誌」の中公文庫版の解説では、金井美恵子が丸谷才一をけちょんけちょんに貶している。

丸谷才一「食通知ったかぶり」(文春文庫)201ページ

 むきそばが出てきたことを書き落としてはいけない。(中略)そばで聞いていた瀬戸内晴美さんが、それなら徳島にもある、
「昔とつても美人だつたお婆さんみたいな味ね」
 と見事な形容をしたことがあつた。さすがは寂聴尼であります。

吉田健一「私の食物誌」(中公文庫)解説 金井美恵子 239-240ページ

  それと、わたしが不自然だと思うのは、誰が書いていたのか忘れたが(どうせ小説家の一人だと思う)、食物の味をさも旨そうに表現するのは非常に難しくて、さすがと感心したのはある女流作家がどこかの名物の蕎麦だか素麺だかを、昔美人だったおばあさんの味、と表現したことだ、といったようなものの感じ方だ。こういった比喩(にもなっていないが)などは、テレビのコマーシャルで、お味噌だからふる里だのおかあさんだのを持ち出す感覚と大差がないし、ようするに、なにも表現していないのと同じではないか。食通とは別の、いわゆる文学的と思われている類いの表現のもつ馬鹿馬鹿しさということである。

 いやあ、尊敬する本の解説で、これだけ小気味よくやっつけられれば、九谷オーもさぞや本望だったでありましょう。しかしこのあと、悶着がおきなかつたのだらうか。

 あ、もし私が日本戦後三大食い物本を選ぶとしたら、檀一雄「檀流クッキング」は一冊目確定として、「私の食物誌」は以下の候補と一緒にして、どれをあと二冊に選ぶか、かなり迷う。並ぶ候補作品は、東海林さだお「ショージ君の料理大好き!」、吉行淳之介「贋食物誌」、荻昌弘「男のだいどこ」、青木正児「酒の肴・抱樽酒話」、種村季弘「食物漫遊記」。


最新日記へ