くだらな日記(2004年9月)


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9月30日(木)
 ソニー損保のCMを見るたびにムカツイてならないのは、保険会社のCMが基本的に「バカが儲ける話」になっているからだと思う。自動車をぶつけたりバッテリーが上がって走れなくなってしまった、要は車を走らせる資格がないような馬鹿が、その馬鹿ゆえに、真面目なドライバーの金をせしめて得をする話にしてしまっているから腹が立つのだ。むろん、世界のソニーたるものがそんな馬鹿の救済事業を行っているわけもなく、CMで騙された馬鹿はソニー商法で法外な掛け金をぶんどられて泣くわけだ。世の中、うまくできてるね。

 こないだも書いていたアメリカのシェフが、こんどは日本へ来ていた。「朝はコーラを飲まないと落ち着かない」と呟いたり納豆をご飯にもかけず丸飲みしていたりと、ますますシェフとしての信頼感が薄れてくるのだが、日本のとらえかたが面白かった。今回は東京から新幹線で熱海に移動し、温泉割烹旅館で懐石料理を食うわけだが、ここでの日本観が、小林信彦が「ザ・ヤクザ」という映画で分析していた日本観とまったく一緒だったのである。
 すなわち、日本の中心には東京がある。東京はニューヨークよりも先進的な超近代都市、いや未来都市である。ところが東京以外の日本は田舎である。アタミ、ハコネ、キョウト、ベップ。そこでは江戸時代とまったく同じ生活がいまも送られている。この未来都市東京と、それ以外の過去の田舎とを繋ぐのが新幹線である。すなわち新幹線は、空間を旅する超特急であるのみならず、未来と江戸時代を結ぶ時間旅行機でもあるのだ。
 そのほかにも高速サービスエリアで自販機フルコース(コーラ、うどん、フライドポテト、アイスクリーム、コーヒー)を試みるくだりもあって面白い。なるほど、コンビニは世界に普及したが、自動販売機が壊されもせず存在していられる先進国は、とりあえず日本くらいしかないかもしれない。


9月25日(土)
 その時代にはなかった言葉を登場人物に平気で使わせるという点では、清水義範はかなり無頓着ですね。元禄時代の旗本が「そういうコンセプトでいきましょう」とか平気で、しかもギャグでもなさそうに言うから。いわゆる歴史小説マニアでない一般人に簡単に読ませるためには、それもしょうがないのかもしれません。「ことばの国」みたいに、やればできる子だとは思いますから。
 司馬遼太郎の「燃えよ剣」では、幕末には「恋人」という言葉がないので、妻でも妾でもないカタギの女性をなんと形容するべきか歳三が苦しんだあげく
「……大事なひとさ、私の」
 というシーンがありました。けっこう印象深かったと思います。

 蝶野と天龍のチェーンデスマッチ。「あーあ、チェーンが長すぎるよ、これじゃフジヤマタイガーブリーカーも楽にできるじゃん」と萎えていたら、さっさと蝶野がチェーンを外してしまいさらに萎える。ダメダメじゃん。ヒールをアピールするより、まずチェーンデスマッチの面白さを見せる方が先だろ。蝶野とライガーは、とことんプロレスのセンスがないよ。もはや今では、この二人より佐々木健介がまだしもじゃない?


9月24日(金)
 日本ハムおめでとう。予想が狂ったが、これは、ふがいない中継ぎ投手に見切りをつけてミラバルにリリーフさせたヒルマン監督の英断がしからしめたものだと思う。どこぞの監督だったら「やっぱ、リリーフに今度こそしゃんとして貰わんとアカンよなあ」などと言いながら無策にも芝草だとか建山だとかをマウンドに送り、やっぱり逆転されて、「リリーフで負けた?……そらそうよ」「あそこで桟原がふんばってくれんとなあ」「期待して出すからには、それなりのピッチングをしてくれんと」「アカン、流れがアッチに行っとる」「それにしても、打つほうもがんばってくれんと」「いいところで打線がつながりきらんかっなあ」「代打はホームランくらい打ってくれんとなあ」「四位確定? ……あっ、ホンマ?」などと痴呆のような詠嘆を繰り返すのが関の山だったろうから。


9月23日(木)
 日本ハムはひどい。ひどいや。
 私は3時までテレビを見ていたのだ。日本ハムが5対0で大量リードして、斉藤和巳の防御率6点という偉業も確認して、もうプレーオフ進出は決まったと安心してメイド喫茶にでかけたのだ。ところがどうだ。帰ってみたら逆転負けではないか。日本ハムの投手陣、特に救援陣がひどいのはわかっている。はっきりいって吉野や安藤でもリリーフエースがつとまるかな、ひょっとするとマイヤースだってなんとかなるかもと思わせるくらいひどいことは承知している。しかし逆転負けはひどいじゃないか。こういう負け方をしたチームが最終戦で勝ったためしがない。おそらく小笠原とセギノールがブレーキになりまくって、新庄が2安打しても完封負けとか、投手陣がビビりまくって9失点とか、そんなところだと思う。おめでとうロッテ。君たちに女神はほほえむぞ。


9月22日(水)
 昨日の記述の言葉遣いが乱暴すぎる、と思われた方もいるかもしれませんが、ここに太田房江・大阪府知事の過去の言動を列挙してみましょう。
・大相撲大阪場所のたびに府知事杯を自分で渡したいとゴネ、拒否されると「女性差別だ!」とヒスを起こす。
・「私は昔っから夫婦別姓なんです!」と言っていたが、世論に反対が多いと知るとたちまち持論をひっこめる。今後一切その手の発言はなし。
・福祉、教育などの利権が絡みにくい予算は削りまくっている。
・そのくせ府庁内の女性トイレだけは2億円かけて改修。
・心斎橋を視察して「最近は浮浪者や外国人が増えて危険」とやらかす。
・青少年健全育成条例改正に関し、「従来の規制に加え、犯罪、自殺を助長するおそれのあるインターネットサイト、書籍の規制も必要」と述べる。あんたの言動こそ規制すべき。
・完全に破綻しきった関西新空港について「関空は一地方のローカル空港ではなく、国際的役割をになう、国の基幹となるべき重要なインフラ」と述べ、他府県から「ローカルで悪かったな。うちらは関空なんかなくてもやっていけるんじゃいゴルァ」と総スカンを食らう。
・大阪五輪誘致を前提に第三セクターの大盤振る舞いをはじめ、大阪五輪が潰れても追加融資をやめず、「(三セクには)迷惑をかけない」との念書まで出している。
・牛肉偽装事件のハンナンの浅田元会長から接待を受け、お土産までもらっていることが発覚。さらに浅田元会長の同和利権のおこぼれも受け、警察庁ともグルになって、ハンナンへの捜査を意図的に緩めていたと疑われている。ちなみに太田に浅田を紹介したのは鈴木宗男。山口組五代目も交友録に入っている。
・大阪経済に関して「大阪の家電メーカーの利益率は東京メーカーの1.5倍。だから大丈夫です!」と発言して失笑を買う。
・府知事戦では「経済再建に年1兆円の資金投入」「さらなる公共事業の投入」を訴え、大阪府の赤字約5兆円をますます膨れあがらせる施策を示す。
・選挙戦で最初は「無党派でいく。政党の推薦は受けない」と言ったくせに、無党派層の票を取りそうな江本が出馬宣言すると、慌てて自民民主公明社民の推薦を貰いに走る。
・有力候補の江本に論戦で言い負け、やむなく「あの人は女性スキャンダルの多い人」と、元知事ノックを思い起こさせるネガティブキャンペーンで勝利。
・選挙カーは政策などこれっぽっちも触れず「太田!太田!太田!太田!」の連呼で乗りきる。
・鳥インフルエンザ問題で「大阪にも判定・診断のできる試験施設を」と農水省に訴え、どさくさにまぎれて新たな利権施設建設をもくろむ。
・大阪経済そっちのけで映画出演。
・大阪プロレスにまで乱入してコビを売る。そのとき、くいしんぼう仮面を「くいしんぼうマスク」と間違える。
・近鉄が優勝したときには「近鉄だけが大阪の地元球団。私は府知事だからもちろん根っからの近鉄ファンです!」とのたまう。
・阪神が優勝したときには「ぜひ大阪の御堂筋で優勝パレードを。私は子供の時からの阪神ファンです!」とほざく。
・ついでに「私は岡山で副知事をしてましたから、星野監督の大ファンなんです!」とまで抜かす。
・名古屋では、「私は少女時代愛知県にいましたから、熱烈なドラゴンズファンです!」と言い放つ。実際、通産省では中日ファンクラブの幹部だったが、大阪では「職場のしがらみで無理矢理入れられてたんですぅ」と言い訳している。
・阪神優勝のとき、「その時に備えて道頓堀川の水質浄化をやっとかないと」と、暗に道頓堀ダイブを煽る発言をやらかし、大阪市長にたしなめられる。
・近鉄とオリックスの合併が報道されると、最初は「大阪に球団がなくなると球界は衰退する。ぜひ近鉄は大阪の球団であり続けてほしい」と言っていたが、やがて「近鉄はなくなってもいいから、合併球団はぜったいに大阪ドームをフランチャイズとするべき。契約もある」と抜かす。
・合併問題の中で近鉄の赤字内容が発表され、その中で大阪ドームの借り賃が年間10億(日本最高額。ちなみにオリックスのヤフーBBスタジアムは年間6千万円)というあまりの高額に世間が驚くと、大阪ドーム社長は「ドームの警備や清掃も含めての金額だから、実際の球場使用料は6億。それにドームは金がかかる。高くはない」とほざく(ちなみに札幌ドームの使用料は年間約4億。もっとも東京ドームはさらに法外で約20億円ぶんどり、日本ハムが札幌に逃げた主因がこれ。あと、ナゴヤドームは星野元監督によれば「世界一高い」らしい)。なにかい、あんたんとこは警備員や清掃員に日当10万も20万も払ってるのかい?(ちなみに整備員清掃員の費用が他球場よりかなり高いのは本当。契約に第三セクター関連の幽霊会社がいくつも仲介して、そこが手数料をむしり取っているため)<これは太田房江と直接関係ないが、この累積損失200億超の大阪シティドームや、やはり200億超の損失をかかえるユニバーサルスタジオジャパンなどの第三セクターに、大阪府や市はさらに1500億円の追加融資をしようとしている。
・ライブドアが近鉄買収をぶちあげると「ライブドアはまず本社を大阪に移せ」とわけのわからないイチャモンをつける。いや、意味はわかりますけどね。法人税が欲しいだけでしょ。
・楽天が新球団設立をめざすと「ぜひ楽天球団を大阪ドームに誘致する。自信はある」と抜かす。(楽天は危険を感じて長野にフランチャイズを打診)
 まあ、こんな人です。日本よりも大阪。大阪よりもおのれの利権。おのれが儲かって目立てばそれでいい。そういう人です。

「楽天本拠地仙台に急変で太田知事赤っ恥」。あのですね。「球団問題にはしばらくかかわらない」ってね、ライブドアの後も「ストは選手が正しい」「経営側は猛省すべし」「楽天誘致に自信あり」とかなんとか、ほざきまくってたわけですが。健忘症ですか痴呆症ですか?


9月21日(火)
 昨日の記述に誤りがありました。
「新庄が『明日も勝ちます!』と言ったらチームが連敗する」
 とありましたが、これを、
「新庄が『明日も勝ちます!』と言ったら阪神が連敗する」
 に訂正させていただきます。

「今年のパリーグは消化試合がありませんからね!」
 と、解説者が嬉しそうに喋っているプレーオフ決定戦のすみっこで、こちょこちょとやっているオリックス対近鉄の寂しさよ。しかも誰も見ていないのに延長戦まで。

 「楽天新球団の大阪誘致に自信、太田知事」。あの、根来と一緒にこのクソババアも辞めちゃってくれませんか。
 「楽天は長野市に本拠地打診」。さすが楽天くらいの会社になると、あんなババアにとっつかまったら利権を吸い上げられまくって骨までしゃぶられたあげく会社を潰されるのはわかってますね。ああいう妖怪ババアからは逃げるのが正解。
 「金本打点王に暗雲」。はっきり「桧山が邪魔」と言ってあげたほうが本人のためだと思います。
 「球界問題へ小泉、久米も参戦」。小泉総理のコメントが気になる。オリ鉄の合併から1リーグへの策謀は、オリックスの宮内と巨人のナベツネが、株価操作を狙う竹中平蔵と組んでやったことだという報道があった。もしこれが本当だとしたら、小泉発言は、まったく結果を残さず私財ばかり残している竹中金融相の切り捨てへの第一歩かもしれない。
 横浜の多村選手、40本塁打目前で2試合連続のスタメン落ち。ストライキ中のイベントでファンと握手した際に左掌を負傷したそうです。素晴らしいファンサービス。素晴らしい怪我っぷり。


9月20日(月)
 プレーオフ出場権をかけての激闘。ロッテは負け、日本ハムはダイエー投手を打ち込みながらもそれ以上に打たれて劣勢。9回3点差でリリーフエース三瀬の登板、勝負あったと思われたが、土壇場で粘りに粘りついに同点、そして二死満塁で新庄の劇的なサヨナラアーチ。おまけに一塁走者を追い越してホームラン取り消し(ま、これは、狂喜乱舞して抱きついてきた田中幸雄が悪いのだが)。
 新庄って別にチャンスに強いわけじゃないけど、三年に一回くらい、こういう十年間語り継がれるようなことをやらかすんだよね。敬遠サヨナラホームランとか。
 そしてヒーローインタビューはもちろん新庄。お立ち台の上でまたやってくれました。あの連敗を呼ぶ呪いの言葉。
「明日も勝ちます!」
 ロッテ残り1試合。日本ハム残り3試合。ロッテが勝てば2勝、負ければ1勝で日本ハムのプレーオフ進出が決まる。日本ハムの勢いが勝つか新庄の呪いが勝つか。


9月19日(日)
 各地でプロ野球の代替イベントとしてサイン会が行われていますが、どうもマナーが悪いようです。名古屋ではあまりの人数の多さに打ちきったら、子供のみならず母親の怒号が渦巻いたとか。あのな、おまえら本当に母親か? そう言うときは子供に「選手だって疲れてるんだから、打ったり投げたりするのができなくなったらいけないから、サインもらえなかったけど我慢しようね」と言い聞かせるのが母親の仕事だろ。こういう母親は子宮切除でもして子孫を残さないようにするのがよろしからん。
 さらに貰ったサインをさっそくヤフオクで売りさばく極道女もいるようです。こういうのはバチが当たってサインの角に頭ぶつけて死んでしまいなさいね。
 大阪では阪神選手のサイン会に集まったファンのひとりが「試合しないんだからこういう最低限のことをするのは当然」と語ったそうな。おまえ何様やねん。
 ところでエロリコンオヤヂハァハァ。

 歳三さんのところで紹介していた最強キャラ決定戦みたいなものを見ると、「雑文の定義」なんてどうでもいいから、とにかくネットで今いちばん面白いのはどこか、みたいなのが知りたくなるのですよ。いや私は歳三さんみたいな純真ではないから、このオチは最初から用意していたとは思いますがね。ともあれ、「月間MVPテキスト(画像混じり可)」みたいなものを挙げてくれるところはどこかにないかと。どこかひとつでやると権威みたいなものと誤解する人が出てくるので、できれば複数であることが好ましい。雑文日記はよってたかっても週一も更新しないていたらくだが、ともかく複数あるのはめでたいのだから。歳三さんや徳田さんあたり、そちら方面にも詳しそうなので、やってくれないかな。

 なあ、タイ米なのに、なんでぱさぱさのぱらぱらの飯が炊けないんだ? どうしていつもふっくらのねばねばになっちゃうんだ? 電子釜をやめてみた。鍋でたっぷりの湯で茹でこぼした。それでもふっくらのねばねばなんだよ。芯があるうちに火を止めなきゃダメなのかな。スパゲティのアルデンテを作るように。


9月18日(土)
 昨日の日記の一部を削除しました。人間をレッテルで批判するのは最低なのは知っていても、つい気がゆるむとやってしまいます。最低だから。
 ところで根来コミッショナーは、オーナー連中に違法行為をすすめといてバレそうになったらええかっこして逃げて、さっさと消費者機構の会長に天下りですか。とことん腐ってますね。レッテルとか関係なしに、こいつはゲス野郎だと思います。

 ちなみにダイエーの斉藤和巳は17日、わざと9回を投げなかった。これは投球回数134回1/3で止め、ぎりぎり規定投球回数の135に達しないよう細工して、園川以来のワースト記録を達成すまいと画策したものと思われる。ところがその直後にストライキが決定。少なくとも2試合の削減で規定投球回数が減ってしまい、大記録を達成してしまうという哀しい事態に。


9月17日(金)
 パリーグのプレーオフ導入は成功だったと言う人が多いが、失敗だと思う。ロッテと日ハムの三位争いが盛り上がったことだけとらえて成功と言う人が多いのだが、その影で西武とダイエーの首位争いがまったく盛り上がらないのでは本末転倒。
 ま、セリーグでもご同様だけど。優勝争いを必死に盛り上げようとしてるのは、視聴率を二桁に乗せたい日本テレビだけで、名古屋のマスコミ・芸能人は落合憎けりゃ中日憎しで、優勝してもまったく無視。いままで阪神ほどぬるま湯体質の球団はないと思ったんだが、名古屋ってのは街ぐるみでそういう体質だったんだね。
 けっきょく、盛り上がっているのは岡田・堀内・山本・山下の熾烈な無能監督争いと、山下に続くダメ監督首切り競争だけだもんな。

 パリーグの防御率は近鉄の岩隈で盤石かと思われたが、プレーオフに燃える帳尻軍団ロッテ(除スンヨプ)に滅多打ちにあい、まさかの炎上。そして今後の登板を回避もというニュースが流れ、首位ダイエー戦登板回避疑惑に続き、ファンに「また逃隈かよ」と嘆かせた。
 さらに今日の試合で7回2失点と好投した松坂が防御率2.9239となり、岩隈の2.9236に肉薄。松坂はあえて完投して抜き去らず、ぴたりと後ろについて岩隈の疲労を誘う作戦に出た。さて逃隈、いや岩隈は今度こそ逃げずに運命に立ち向かうのか? それとも、逃げて逃げて逃げまくり、逃げきれるのか?
 ちなみに松坂と投げあったダイエー斉藤は、8回を6失点と投げぬき、防御率6.10。ロッテ園川以来の「規定投球回数に達して防御率6以上」へ王手をかけた。

 そして日本プロ野球の労使交渉は延長に延長を重ねたあげく、ついにスト決行。5時にやるはずの記者会見が9時過ぎにようやく行われた。
 12球団の選手会役員が並んでるんだけど、今岡だけ向いている方角が違う。首がすわっていない。ゆるやかに揺れている。たゆたっている。ゆよ〜ん、やよ〜ん。今岡、ちゃんとしよっ!
 まあ、オーナーやコミッショナーが選手会の言うことに聞く耳持たないんだから、ストは当然だな。「合併は来年からだけど新規参入は再来年からじゃないとダメ」とか、「球団潰れたのに選手は別球団に身分拘束される」とか、「球界再編しても赤字なのにとにかく再編成」とか、「プロ野球協約では新球団参入に30日で審査とあるのに、なぜか来期には間に合わない」とか、まともでないことが多すぎる。「ファン」という実体のまるっきりないことばだけが、むなしく飛び交う記者会見でした。
 そして根来コミッショナーは誰にも知られずに辞任。いやホント、記者会見で「コミッショナー辞任を知っていますか」と聞かれたオーナー代表は「えっ、聞いてないよ!」と答えていた。なんだかなあ。これって、山県有朋と政党の板挟みになって首相を辞任し「雪隠で首を吊った」と評された桂太郎以来のみっともない辞任だ。征韓論と反征韓論の板挟みになって失神した三条実美よりは少しマシかもしれん。

 ケーブルテレビでは今月からさいたまケーブルに復活したディスカバリーチャンネルをよく見る。ニューヨークのシェフがロンドンの味覚を味わうという、とても料理に適しているとは思えない二都物語も、「おいおいシェフが煙草吸うなよ」「ニューヨークじゃ、シェフもゴーヤやランブータンを知らないで生きられるのか」「シェフが圧力釜恐怖症ってどうよ」「イギリスの味って、パイと臓物で種切れ、あとはインド料理とフランス料理かよ」「なぜローストビーフとフィッシュアンドチップスが出てこない」などとツッコミを入れながら楽しく見ているが、やはりサイエンスアドベンチャーである。
 前々回の恐竜新説ではサウロロフスが「ボヘェ〜」とジャイアンのような声で鳴くのをたんのうさせてもらった。前回の「三畳紀の巨大魚竜」では、なぜ化石マニアと古生物学者はデブが多いのかという謎を提出させてもらった。そして今回はサーベルタイガー、スミロドンの謎。
 たしか去年くらいにNHKでやった、「オーストラリアの古代洞窟で超巨大サーベルタイガーを見た!」(題名うろ覚え)みたいな番組では、サーベルタイガーは背中から頸椎を切断するために犬歯があんなに伸びた、という説だった。しかしこの番組では実験を重ねたあげく、スミロドンの牙は、大型獣の喉笛に噛みついて頸静脈を切断するのにもっとも適していることがわかったのだ。
 スミロドンは現世の哺乳動物では熊にもっとも似た、鈍重だけど力強い動物だという指摘には感服した。(サーベルタイガーにもさまざまな種類があり、ヒョウに似た小型で足の速そうな種もいたらしい)そのスミロドンが社会性を持っていたことに固執する研究者が出ていたが、それはどうかな。番組で証明したような、隠れていて不意に襲いかかる戦法の哺乳動物は、ヒョウにしろトラにしろ、集団で狩りをする必要がない。集団を作るのはオオカミとかライオンとかハイエナとかリカオンとか、とにかく追っかけて追いつめて獲物を捕らえるタイプの動物なのだ。
 さらにスミロドンの絶滅の原因になるとちょっと論旨が乱れている。スミロドンは北米のバイソンを主食にしていたが、氷河期末の大型獣の絶滅で餌がなくなって滅んだというのだ。これ、たとえば南米のオオナマケモノや、南北米のマストドン、マンモスなら納得行くが、バイソンはヨーロッパ人に乱獲されるまで、北米で繁栄していたのだ。
 むしろ私は環境激変説をとりたい。氷河期末には乾燥化が進み、森林や灌木が少なくなり、ほとんど平原や砂漠となった。バイソンは平原で草を食っていたが、スミロドンが身を隠す樹木がない。そのためスミロドンの猟法は不可能になり、かわって草原でのチームプレイでバイソンを狩るオオカミや人間がそのニッチを得た。そんなとこじゃないかな。


9月16日(木)
 ワタシ、ジョオウサマ、チュウセイ、チカウ。ジョオウサマ、スゴイ。ジョオウサマ、エライ。ジョオウサマ、ワタシニ、イッタ。イママデトイッショノヨウニ、セイカツシテ、ジョオウサマをしんじるもの、ふやせと。私、それをやる。女王様は言った。「このスープを飲ませれば、みなが私を崇めるでしょう」と。私、家に客を呼ぼう。カレー作る。

 アジアスーパーで買ってきたサワーカレーを作ってみる。ふつうは雷魚のような白身魚を使うそうだが、豚バラで作ってみた。あとセロリ、アスパラ、シメジ、タマネギなど適当に入れる。酸っぱいのが食欲をそそるが、豚バラのせいか、炒め油が多すぎたせいか、ちと油濃いかな。鳥の目唐辛子を3本ほど入れたが、辛いよこれ。イイエカラクアリマセンジョオウサマ。辛いけどおいしい。でも袋いっぱいの唐辛子、日本人にはなかなか使い切れないぞ。
 鳥の目唐辛子を消費するため、天ぷらにしてみたら辛いの辛くないのって七転八倒してのたうちまわるくらいダメージを受けてイイエジョオウサマカラクアリマセンツラクアリマセン。ソウデスジョオウサマカラクナイッタラカラクナイッテバ。カラクテモツラクナイウマイ。なんともここちいい刺激が舌に走り。やっぱ唐辛子は生で、このくらい刺激がなくてはね。
 タイ米は普通に炊く方法でなく、鍋でいっぱいの湯で茹で、茹でこぼしてザルにあける、南アジア方式でやってみた。中国とかタイとかで食ったぱさぱさ感がかなり出てきた。ジョオウサマノフルサトノアジサイコー。

 横浜・山下監督の退団で2ちゃんねる各地の大ちゃん苦難スレが大騒ぎ……してるかと思ったが、意外となんともないぜ。さすがゴッグだ。

 「開国ニッポン」(清水義範:集英社文庫)を読む。鎖国をせずにずっと世界と貿易して、しかも貿易黒字で繁栄していたはずの日本で、薩摩藩がイギリス軍に歯が立たなかったり、たかがライフル銃に驚いたり、話になっていないアラが多すぎ。「金鯱の夢」に比べると、かなりいいかげんに書き飛ばしてるな、という印象。
 「間宮林蔵」(吉村昭:講談社文庫)を読む。その前に「異説幕末伝」(柴田錬三郎:講談社文庫)で間宮林蔵を読んでいるので、その対比が面白い。
 「1999年・高橋克彦対談集」(講談社文庫)を投げ出す。ここまでバカな人ってのも珍しい。「あと10年、少なくとも15年以内に大激変が必ず起こる(これを言ったのは1990年)。若い人は人生、あと10年だと思った方がいい。君たちが60歳、70歳になることは絶対にない」などと放言して責任もとらない矢追純一はすごいが、それを信じ込んで「矢追さんは先覚者。吉田松陰ですよ」などと褒め称える高橋克彦もすごい。あとの対談相手は横尾忠則、五島勉、小島露観、あすかあきお。先の展開は読めているが、とにかくあまりにもバカなんで引っかかりが多すぎて読めない。いまどきのトンデモ本は、もうちょっと説得力があるんだよなあ。


9月15日(水)
 東海林さだおはすでに「雑文書きの師匠の師匠」になっちゃったんで、直接にはあまり読まれてないんじゃないかと思います。
 司馬遼太郎がむかし書いていたのですが、正岡子規の全集を企画したとき、「いまどき子規なんか読む人いないよ」と忠告されたそうです。というのは、俳句をやる人は、虚子とか秋桜子とか三鬼とか、直接の師匠の本は読むけれど、師匠のまた師匠、ひょっとすると師匠の師匠の師匠にあたる人の書いたものは読まない、ということだそうです。
 今の人は、東海林さだおに影響を受けてエッセイを書き始めた人(中島らも、湯村輝彦など)か、へたするとそれにさらに影響を受けてエッセイを書き始めた人の文章を読んでいるんじゃないでしょうか。
 筒井康隆もそろそろ、そういう「師匠の師匠」に祭りあげられつつあると思います。

 奴らはついに冷蔵庫を囓り破った。殺虫剤をばらまいたが効き目がない。女王がいたとは見えなかったのだが、数を増している。もうすぐここも出て行かねばならないだろう。これを書いたら家を出てカプセルホテルにでも泊まろう。火を放てば焼き殺せるだろうか。なんとなく駄目なような気がしてならない。生物をその産まれ育った環境から移すと、ときに大いなる災いをもたらす。痛い。ちくりと刺した。奴が! 足に! 足に!


9月14日(火)
 動物は暖かい地方より寒い地方に住むもののほうが巨大になるという法則がある。本州に住むツキノワグマより北海道のヒグマの方が大きく、アラスカのコディアックグマはさらに大きく、ホッキョクグマがクマ類最大となる。大きくなるほど気性も荒くなる。どうやら熱帯に住んでいたものが冷蔵庫で冷やされて巨大化し獰猛になったらしい。冷蔵庫を開けようとすると食いつかれるので食料を出せず、きょうは駅前の居酒屋で夕食をとった。どのみち冷蔵庫の中のものは食いつくされているようだ。まだ左手の薬指が腫れている。


9月13日(月)
 蟻の卵だが、たしか買ってきたときはもっと卵の割合が多かったと思うし、孵ってしまった蟻にしても、白いのしかいなかったはずなのだ。
 きのうスープにして飲んでみると、卵がやけに少ないような気がするし、見た覚えのない蟻、はっきりと褐色になった蟻が浮いているのだ。
 もしや、熱を加えたために孵化し発育したとか……いやまさか。
 冷蔵庫に入れてある、残りの卵をあした確認してみよう。今日はもうイヤだ。

 ある日 ツンタが歩いていると
 美しいお姫様が逃げてきた
 悪いセトに ねぇ そそのかされたの
 ツンタ! 勘弁! と、お姫様
 ツンタ、勘弁 ツンタ勘弁
 ツンタカーメン

 いや別に酔っぱらっただけです。蟻のことを忘れたくて。

 ながいけん「チャッピーとゆかいな下僕ども」がいつのまにか復刊されていたので買った。正直な読後感想。
「ながいけんは、モテモテ王国以前には存在していなくてもかまわない。モテモテ王国以降には存在していない」
 いや、この本をまんだらけで五千円で買ったとしたら、そうとう落ち込んだと思います。


9月12日(日)
 蟻食い。
 タイカレーをちゃんと作りたくて、新宿のアジア食材屋にタイ米を買いに行った。歌舞伎町から大久保方面に行ってしばらく迷ったところにある、アジアスーパー。ここは凄いね。タイの食材ならなんでもある。米とカレーペーストと鳥の目唐辛子と蟻の卵を買う。発酵ソーセージのネームを買いたかったが、どうにもバンコクの値段に比べ高すぎるので買えなかった。
 で、蟻の卵。ちりめんじゃこのようなパックに入ったものが600円。なにしろバンコクでも食ったことも買ったこともないので、安いのか高いのかわからない。生まれたての蛆虫くらいの大きさの、白い卵。黒い点々があるなと思ってよく見たら、産まれかけの蟻の目玉が透けて見えていた。半分くらい潰れていると思ったら、潰れているのでなく産まれているのだ。まだ白くて殻の柔らかい、でもちゃんとした蟻。
 とりあえずスープで煮込んでみた。蟻自体の味はほとんどなく、わずかに虫臭さがあるかな、という程度。卵は噛むとぷちっと潰れて楽しい。産まれてしまった蟻はごじゃごじゃしてあまり楽しくない。まあ、こんなもんかな。残りは炒めてみよう。

 フミさんの日記を読んでクロノトリガーをやりたくなり、押し入れから探し出して再プレイ。前は未来の工場の陰惨な光景が嫌になって投げ出したのだな。今度はさくさく進む。こんな面白いゲームだったとは。いま、雲の上の魔法王国まで来ています。恐竜帝王はほとんどゲッターロボだな。


9月10日(金)
 この先長くなりそうな気がしたので、メイド関係の文章はこちらに移転しました。


9月8日(水)
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい種村季弘です。


9月7日(火)
 あれからハードディスクは小康状態ですがメール受信はあいかわらず停滞しています。どーでもいい話でどーもすいません。つーかウチのサイトはくだらななんだから看板に偽り無しだゴルァ。てめえは何を求めてるんだゴルァ。

 歳三さんの狂人日誌(9月6日)にあった「雑文書きが読んでいそうな作家」。

・筒井康隆:「虚人たち」以前は文庫でだいたい読んでいる。わけのわからない饒舌な台詞、被害妄想ギャグ、「うわなんだあfcあfkfhふじこ」という唐突な終わり方のギャグ、など雑文の見本多数。てゆーか、サイレント喜劇の技法(エスカレーション、コマ落とし、ドタバタ等)を日本語で表現する技法の開拓者。
・東海林さだお:「丸かじり」シリーズ以外の文庫はだいたい読んでいる。「丸かじり」は初期のと傑作選だけ。重々しい文章を逆手にとって笑わせる文章の見本。物体を意味もなく「ナントカ一族」とひとくくりにしてそこに陰謀を嗅ぎつけたりするのは、この人からかな。「ナントカ御三家」を勝手に作るのもよくやる。私が短い文章で行を切りはじめると、この人か司馬遼太郎の真似になってしまう。
・中島らも:エッセイと「相談室」を数冊読んだ。小説は読もうと思いながら読んでいない。
・椎名誠:旅行記を数冊読んだ。メキシコルチャ紀行は面白かった。さぬきうどんと素麺の話は不公平だと思い、あれからさぬきうどんとさぬきうどん愛好家に偏見を抱いた。小説は読む気がしない。
・町田康:詩集以外の文庫は読んだ。筒井康隆の饒舌な台詞を地の文にまで拡大した功績あり。
・土屋賢二:文庫は読んでいる。現代のソフィスト。助手との会話がいちばん好き。妻の悪口がその次ぎに好き。
・宮沢章夫:文庫は読んでいる。劇は見たことない。本やテレビなどの一フレーズを極限にまで拡大して妄想する文章の見本。
・大槻ケンジ:エッセイを何冊か読んだ。筋少は聞いている。
・丸谷才一:「食通知ったかぶり」しか読んでいない。
・内田百閨Fわりと読んでいる。身勝手な論理では日本で二番目(日本一は岩野泡鳴)。

 このほかに雑文書きが読んでいそうな作家&本といえば、

・別役実:ひねくれた論理展開の見本。はい、病気シリーズははっきりとこの人の「病道楽」のパクリでございます。
・小林信彦:外国紹介ネタ、異文化誤解ネタの見本。喜劇人シリーズで多くの喜劇映画とコメディアンを紹介した功績もあり。
・清水義範:とても全部は読めないくらい作品が多いが、「金鯱の夢」「国語入試問題必勝法」「蕎麦ときしめん」あたりは面白い。名古屋ネタの元祖。文体パロディ(パスティーシュ)の見本。
・渋澤龍彦&種村末弘&荒俣宏:雑文つーか雑学のネタ本として。ご冥福をお祈りします。
・北杜夫or遠藤周作:中年以上ならどっちかにハマったことがありそう。北杜夫は仏頂面でぼそっと呟いて笑いをとる江戸落語パターン、遠藤周作は扮装やら珍芸やらをおりまぜて動き回って笑いをとる上方漫才パターン。
・横田順弥&かんべむさし:これも中年以上でSFをかじったことがあれば。横田順弥は駄洒落の元祖。この人が実名で登場する、平井和正の「超革命的中学生集団」もある。かんべむさしは最初の五冊くらいが異様に面白かった。「決戦!日本シリーズ」と「ポトラッチ戦史」がおすすめ。
・星新一:ショートショートの見本。
・田辺聖子:女性限定かもしれんが、柔らかなユーモアエッセイの見本。「お聖どん・アドベンチャー」は筒井康隆や小松左京、野坂昭如や川上宗薫などが実名で登場するドタバタSFの傑作。
・太宰治:やや本来の意図とは違う読み方をされているかもしれない。同類に中原中也、萩原朔太郎、梶井基次郎、堀辰雄、石坂洋次郎などがいる。饒舌な台詞は筒井康隆よりこの人が元祖かな。「お伽草子」「新説諸国噺」なんかは雑文の見本にもなる。
・「ボートの三人男」(ジェローム・K・ジェローム):ユーモア文学の古典。
・「悪魔の辞典」(アンブローズ・ビアス):辞書形式ギャグの総本山。
・「ユーモア・スケッチ傑作選」:事典、図鑑、系図、注釈文、取扱説明書、などなど、ありとあらゆる形式の文章パロディの見本。
・「世界SFパロディ傑作選」:SFのパロディ。ネタにされたのは、スーパーマン、ドラキュラ、フランケンシュタイン、キプリング、アシモフ、キィス、バラード、パルプSFなど多数。

 しまいには単なるおすすめになってしまった。しかも絶版をおすすめする意地の悪さ。
 でもたぶん、少なくとも筒井康隆からはぜったいに逃げられないと思いますよ。直接読んでなくても、ライトノベルでちょっとでもギャグのある作家は筒井の影響を受けている可能性が大だと思うし、アニメ作家もほとんど影響受けてると思うし、漫画家はいわずもがな。
 あ、そうそう、内田魯庵の「社会百面相」と斉藤緑雨の「小説八宗」もおすすめっす。状況設定コントと悪意あるパロディの見本。


9月5日(日)
 きのうスクール水着のついでに買ってきたウィルス駆除ソフトをインストールしたら、えらいことになりました。
 どうやら私のパソコンはウィルスによってかろうじて成り立っていたようです。ウィルス駆除をはじめたとたん、ドライブに修復不能な箇所が生じたり、致命的なエラーが生じたり、さんざんです。吸血鬼となって迷惑をかけながらも生き続けるのがいいか、もしくは灰になって安らかに死ぬのがいいか、究極の選択を迫られているようです。
 おまけに私の所に来るメールの九割五分はウィルス付きらしく、五通も受信すると処理が停滞して受信が止まるていたらくです。そんなわけでしばらくはメールをタイムリーに読むことも返事することも不可能です。あしからず。
 ハードディスクもぼろぼろに崩壊しつつあるらしく、警告が出ています。もし今後このサイトの更新が止まったとしたら、パソコンがついに灰となって散ったとご理解ください。さようなら。みなさんさようなら。……コウフクダッタネ


9月3日(金)
 「金玉満堂 決戦・炎の料理人!」なる映画を見る。見ているうちになんだかデジャヴしてきたのは、「小林サッカー」と話がほとんど同じだからだ。イカレた女の子とヒーローの絡みから話が始まり、ドタバタしているうちになぜか勝負が始まり、昔は凄かったんだけど今はアル中で社会不適応になっている元名人の探索とリハビリ(つーか拷問なんだけど)、そして勝負。ラストは涙と笑いのハッピーエンド。まったく同じである。違うのはサッカーと料理の差異だけ。気のせいか「小林サッカー」に登場したハゲとか中年男が登場しているような気もする。
 「小林サッカー」が、ギャグアニメのアクションを実写で再生しようとする試みだとすれば、こちらは料理を日活アクション映画のノリで処理するのがミソ。最後の料理勝負なんか、もうほとんどアキラとジョーのガンアクション。ヒーロー側の名人、宍戸錠に似てるし。ギャグのハジけ具合では「小林サッカー」が優るが、ギャグのまとまりはこっちのほうが上かな。
 ヒロインがやたらに「あたしと山口百恵のどっちがいいの?」とヒーローを問いつめる繰り返しギャグがあって、そのうちエスカレートしてふたりで「伊豆の踊り子」を演じるまでになるのだが、なんだろう、香港では山口百恵ってのはグレタガルボみたいな扱いなんだろうか。そもそも、なぜヒーローはカナダに山口百恵を探しに行こうとしたんだ? 山口百恵はサスカッチか? ユーコンエリックか? ひょっとして畑中葉子と間違えたか?
 最後の料理勝負で審査員のひとりが日本人という設定で、なんというか、堺正章に酷似した人物が羽織袴で出てくるのだが、やっぱりこれって狙っているのでしょうか。この映画は1995年だそうだが、もう「チューボーですよ」は放映していたかな。
 この映画でヒーローを演じているレスリー・チャンって、去年鬱で自殺しているのね。合掌。明るいキャラクターを維持するためには、鬱になったり性格悪かったりしないといけないものね。明るいキャラで正味も明るい人って、たぶん植木等くらいなんじゃないかなと思う。


9月2日(木)
 すっかり誤解してしまっている若い人が多いようだが、臍から陰毛にかけての縮れ毛を「ギャランドゥ」と呼ぶのは、べつに歌からではない。もともとは「伽藍堂」と呼び、つまり西城秀樹を主神とする宗教施設から出していたお守りに由来する。不浄をもって不幸をふせぐという信仰は、たとえば子供を凶眼から守るため糞尿を塗りたくるインド人のように、日本にもあった。古来から、いくさの刃や弾よけには、陰毛をお守りに入れておくことが有効だと信じられていた。西城の伽藍堂から出したお守りにも陰毛が含まれていたため、のちに陰毛のことを「伽藍堂」、のちに転じて「ギャランドゥ」と呼んだわけだ。
 そんなわけだからあの三人は民間信仰的な意味合いが強い。野口五郎は柳田国男が説くように「野口御霊」から来ている。郷ひろみは郷という名前からも明白だ。「郷と幽霊は見たことがない」と古来から言われている。そもそも西城、野口、郷の三人を「ご三家」と呼ぶのは、もともと「ご散華」つまり若くして死んだ人間をとむらう意味合いが強かった。
 三人のひとりは必ず不幸になる、というジンクスがある。脱線トリオにしろてんぷくトリオにしろひとり若死にした。もともとの「御三家」こと「御散華」では、舟木一夫が自殺未遂している。「三人娘」は山口百恵が若くして引退することにより死を防いだ。「たのきんトリオ」では野村義男が人気を出さないことにより防いだ。
 三人は不幸になる、というのは日本だけのジンクスではない。マルクス兄弟が、なぜゼッポやガモの無能を承知の上でメンバーに加えたか。グルーチョ、ハーポ、チコのマルクス三兄弟だと不幸になると知っていたから、マルクス四兄弟にこだわったわけだ。そう考えないと説明がつかない。


9月1日(水)
 中日の応援歌「燃えよ!ドラゴンズ」の作詞作曲ときどき唄で高名な山本正之は、落合監督が大嫌いなため、例年なら七月頃には出すはずのCDの制作を優勝間近になるまで渋り、おまけに「落合監督の胴上げだ」という歌詞だけはどうしても書きたくないとごねたため、ついに「オレ竜監督の胴上げだ」という歌詞でごまかして九月に発売する、という話は本当なのだろうか。本当だとしたら、山本さん、監督が嫌いだからチームを応援しない、なんて、おとなげない態度だと思うよ。

 いんたーねっとえくすぷろーらー6をいんすとーるしたら、いをりさんとこもyadonさんとこもぽいうさんとこもストレスなく読めるようになった。おまけにいんすとーるえらーも他のソフトの不具合もフリーズもハードクラッシュも(今のところ)なかった。えらいぞまいくろそふと。ああ私も、こんなあたりまえのことでベタボメされる身分になりたい。いや、もうなってるか? 「今日の日記は泥酔していないから偉い」とか言われてたり。

セーラー服と火縄銃。
「えっ! 私が隣組の組長ですって!」
 女子挺身隊に入隊したばかりの可愛い女子高校生・星泉は、ひょんなことから、組員4人の過疎隣組・目高組の組長を襲名する破目になった! おまけに国民義勇軍の軍曹に指名され、渡された兵器は竹槍・弓矢・火縄銃と、自決用の青酸カリ?
 徴兵され上海に送られた父親の行方は? そして、時価2億という巨額の海軍隠匿物資の行方は?
 17才(数え)の女の子が、隣組の組長になることによって巻き起る、奇想天外、意表を突いたパニックの数々。軽快かつユーモラスなタッチで展開する、ニュー・タイプの戦争映画が誕生した。火縄銃片手に、天使の微笑。薬師丸ひろ子の世界が、いま、開花する。

 ポツダムは受諾の言葉じゃなくて
 原爆落とすまでの遠い約束
 国体護持なんかに 未練残しても
 ソ連寒いだけさ
 このまま何十年でも 戦っていたいけど
 ただこのまま 総力戦と 称してたいけど

 爆弾はトン刻みの大盤振る舞い
 焼夷弾はモロトフの籠の中
 君がめぐり逢う 空襲に疲れたら
 防空壕へ戻っておいで
 愛した男たちを 英霊に変えて
 いつの日にか 僕のところへ 疎開すればいい
 ただ戸籍の片隅にでも 小さくメモして

 慰問袋いっぱいに詰め込んだ
 ヒロポンという名の 重い薬物を
 きみは軽々と いつか注射して
 笑顔見せるだろう
 愛する男たちを アメリカに変えて
 いつの日にか オンリーさんと 呼ばれるがいい
 ただもんぺの片隅にでも 千人針して

 天国の相米さんごめんなさい。


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