くだらな日記(2004年2月)


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2月29日(日)
 人を呪わば穴二つ。阪神的場、捻挫で離脱。こいつもスペランカー体質だ。入団以来、肩の故障腰の負傷と、たぶんグラウンドより病院にいる時間の方が長かった的場選手。ようやく手術の痕も癒え、負担のかかるショートから外野にコンバートされ、プロ入り以来はじめてキャンプにまともに参加できたというのに……。


2月28日(土)

 こんだけ期待されてて、きっちりこういう結果を出してくれる横浜の多村選手は偉大だ。


2月25日(水)
 月曜日から風邪だとばかり思っていたのは花粉症であった。ううむ、ついに来たか花粉の季節。裸足の季節や恋の季節は訪れないのに、花粉の季節だけはなぜに毎年律儀にやってくるのか。
 とりあえず薬を飲んだら、これが効きすぎて昏睡状態におちいる。オレは征露丸で万病を治す野蛮人か。夜まで活動不能。すいません、夕方ごろ二回携帯に電話した人よ、大森のテーマ曲が鳴っているのはわかっていたのですが身体が動きませんでした。

 松屋やなか卯や吉野家で売り出した「豚丼」もしくは「豚めし」に、北海道民から「あんなの豚丼じゃないやい」という猛抗議が殺到しているそうですが。
 帯広の豚丼はたしかにうまいのですが、あれは豚ローススライス、いわゆるトンカツ用の肉を薄切りしたようなというか、高級な生姜焼きに使う肉なのですね。いっぽうチェーン店の豚丼で使っているのは、安物の生姜焼きに使うバラスライスです。モノや経費からしてまったく違います。そこをわきまえてくれないと困ります。北海道の豚丼至上主義者には、なんか原理主義者の臭いがします。同じ原理主義者でも、さぬきうどんはまがりなりにも二百円台のうどんを実現しておるぞ。悔しかったら帯広の豚丼を四百円未満で提供してみろってんだ。むろん首都圏で(なんとなく、北海道ならアレを四百円で作れそうな気がしてならないので、弱気な限定)。


2月24日(火)
 戦国から江戸時代にかけて、敵対行為をはたらいて潰されても文句が言えないような大名は、全盛期の十分の一まで削減するという、いわゆる「一割の法則」があったような気がする。
 たとえば毛利氏は全盛期には中国地方と北九州まで制圧し、ざっと二百万石近くを傘下におさめてきた。これが信長と秀吉によって叩かれ、百万石に削減。さらに関ヶ原で負けて、二十七万石にまで減らされた。だいたい一割強だ。
 やはり関ヶ原で負けた上杉氏も、景勝の時代は百二十万石。これが関ヶ原で三十万石になり、さらに相続のいざこざで半分の十五万石になってしまった。これも全盛期のおよそ一割。
 関ヶ原の勝ち組が幕末の負け組になった場合にも、一割の法則が適用されているような気がする。すなわち八百万石と称された幕府直轄地が静岡の七十万石に。そして会津藩松平氏も、二十三万石が斗南三万石へ。
 厳寒の斗南に移された会津藩士や、苦労知らずの幕臣が静岡で味わった苦労はそれは大変なものだったろうが、でもそれは声高に語られるほどひどいことではなく、おおむね適正な措置だったような気がする。長州藩士に言わせれば、「そんなん、わしらがかつて味わったのと同じだけのもんじゃ。アズマの連中はその程度で弱音を吐くのんかい」ということになるだろうか。

 魔下位のプリンス、大ちゃんマン。個人的に壺でした。「いいかデニー! 試合を落としたことを悔やむ前に、おまえをリリーフエースに出さざるをえない横浜の投手陣を笑え! それが魔下位というものだ!」「私はホエールズのプリンス、魔下位のプリンスだ!」「ばかやろう、魔下位にとって、ち……チームプレイは、罪悪だといっておいたはずだぞ……」「こ……この目から流れる熱い水……も……もしや、これが、正義球団どもが、試合運びがうまかったときに手に入れる、勝ちとかいうものでは……?!」

 サボテンとガイドライン。すでに9週目に突入していて、「徒労」という言葉がぴったりなスレです。「薄れ行く意識の中で少年は カラカラ廻る映写機の音を聞いた リテイク リテイク 監督はボクだ! 主演女優はキミだ! 本番いきます! ヨーイスタート!」


2月22日(日)
 昨日は秋葉原のメイド喫茶Cos−Chaに行ってきました。未鏡さんとふたり。むろんお目当ては、「突発メイドご奉仕DAY」でございます。
 限定60食とか、超人気店だから昼過ぎに行ってもだめぽとかの情報に怯えていたのですが、土曜日の一時半には空席もありすんなり入れました。でも三時ごろ出るときには、階段に十人弱の行列ができていました。
 むろん注文は「オムデミビーフふ〜ふ〜あ〜んセット」と「あつあつ恋人ホットケーキふ〜ふ〜あ〜んセット」に決まっています。それから、「メイドさんが手ずからお注ぎいたします」という注釈に負けて、ワインを注文。
 まずソムリエの印である葡萄のペンダントをしたメイドさんが、しずしずとワインを持ってきました。ワインをうやうやしくちょっとだけ注ぎ、「お客様、ご満足いただけるでしょうか」と上目遣いで私を見つめるのです。ワインを口に含んで重々しくうなづくと、「ああ、喜んでいただけで嬉しゅうございます」と言いながら、またもうやうやしくワインを注いでくれました。
 そして次に料理が。未鏡さんにはオムデミビーフ、私にはホットケーキが。給仕のメイドさんは私たちの横にひざまづき、最初の一口をふ〜ふ〜してから、あ〜んと食べさせてくれるのです。未鏡さんのオムライスは熱いのでふ〜ふ〜しがいがあるのですが、私のホットケーキはチョコアイスが乗っているくらいなので、熱いどころか冷たいのです。「でも、お客様のおいいつけですから、ふ〜ふ〜いたしますね。では、ふ〜ふ〜。お口をお開けになってくださいな。はい、あ〜ん」と恥ずかしげに儀式をとりおこなうメイドさんに萌えてしまいました。
 そのあと未鏡さんの家の近くに行って寿司を食ったり(づけをはじめて喰いました)、「くまうた」を見せてもらったりしたのですが、飲み過ぎてよく覚えていません。なんでも秋葉原で買った「さいたまCD」を聞きながら「埼玉県民であるわしには、もう我慢がならん」とわめいたり、未鏡さんに「セーラーファイト!」のDVDを見せられて「わしの物だったらこのディスク叩き割ってやる」と叫んだり、暴言のかぎりを尽くしたそうなのですが、いやはや。やはりメイドにあたったんでしょうか。


2月20日(金)
 まいどまいどの馬鹿馬鹿しい夢の話でおつきあいのほどを。
 きょうは気球に乗って空を飛ぶ夢でした。ふたりで乗っていたのですが、その乗り方が変わっているのです。ふつうゴンドラに乗る人は、全身をゴンドラの中に入れますよね? ところがそうではないのです。狭くて入れないのかどうかわかりませんが、両方の脇の下と顎をゴンドラのへりにひっかけて、ちょうど両腕と顔だけをゴンドラの中に入れ、ほかは外でぶらぶらしているのです。ま、なんというか、それなりに安定した体勢のような気が夢の中ではしたのですが、しかしなんといっても重量比でいって肉体の八割は虚空に投げ出されているのです。さすがに不安になって、一緒に乗っている(ぶらさがっている?)人にそれとなく遠回しに、これは危険じゃないのかなあ、などとほのめかしていたのですが、同乗者はまったく危険に思っていないようなのです。この気球は帝都上空を飛んでいたような気がしますから、ひょっとするとこの人は怪人二十面相かもしれません。私ひとり墜落の恐怖を味わいながら、ああ、RPGだったら落ちても竜が助けてくれたり、相棒がいきなり竜になったり、いきなり羽が生えたり、最悪の場合でも田舎の村のベッドで目覚め、「大丈夫かい、ずいぶんうなされていたようだんけど」などとかわいい村娘に心配されたりするのだろうけど、この場合はどうなるんだろうなあ、としみじみ情けない気分で目が覚めました。

 たぶん自分でも内容を把握していないような仕事をやっている罪悪感と不安感、仕事していない時間をまるまるゲームに費やしている現状が、このような夢となったのでしょう。ええ、RPGしてます。それもネットゲームのような最先端ではありません。押し入れからスーパーファミコンを引っぱり出して、だいぶ前にやったことのあるロマンシングサガ3を始めたら、なんだかハマってしまって、えんえんやっているのです。とても古くさいゲームですね。でも私にとっては新鮮です。たしか前もやったのですが、魔物が主人公と一緒にレベルアップするのでぜんぜんザコにならないつらさのため途中で投げ出したのです。今は中ボスをザコとして楽しんでいます。帰るとゲーム。「亀ちゃんのキャンプ情報」を見る暇すら惜しんでゲーム。休みの日はゲーム。そんなだから夢だって見ようってもんさ。

 そういえばインターネットが出版業界に悪影響を与えるとか憂慮していた人が多いのですが、もっともネットによって喰われた業界は、こういうゲーム攻略本の世界でしょうね。私にしたところで、FF10もDQ7もBOFDQもPC−FAも本を買わず、ネット攻略サイトのお世話になりっぱなしです。本よりも早く(ドラクォは、発売後三日でゲーム完了した人が概略を載せ、一週間で攻略情報がほぼ完成していた)、そして詳しい(ネタバレを怖れない態度)、そら本なんて買う奴いなくなるわな。

 米国牛輸入禁止にはじまる牛丼戦争は、どうも吉野家が負け組の様相を呈してきているようです。なんといっても価格。かつての牛丼に対抗できるプライスリーダーとして、松屋は豚めしとチキンカレー、なか卯ははいからうどんがあるのですが、吉野家には二百円台はおろか、三百円台すらマーボー豆腐丼しかないという惨状。そしてトレイをつけて偽りの高級化をはかったり、カレー丼を小盛にして三百円台に引き下げたりという姑息な手段で、徐々に客層を失いつつあります。とにかくなんでもいいから二百九十円のプライスリーダーを出すべきだと思うのです。納豆丼(ねぎだくとねぎぬき、糸だくと糸ぬきの裏オプション有り)とか、鮭そぼろ醤油漬け丼(鮭の量が少ないので醤油で味を濃くしてごまかす。汁だくと鮭ぬき有り)とか。それだったらこれまでの流通経路を転化できるじゃないですか。あとは天王寺の串カツ屋にならって、肉丼(なんの肉か聞くこと禁止)とか。うちで前に買った馬肉ならキロ三百円だし、濃い味でぐだぐだに煮込んでソボロ化したものとゼラチン化したものを半々に盛ればなんとかなりそうな。

 歳三さんの掲示板にえんえん書いているといいかげんヒンシュクを買いそうなので、「三国無双」「戦国無双」に続く第三弾、「幕末無双」の予想キャラを。
坂本龍馬:長身でボロボロの服、そしてそそけ立った髪というありがちなキャラ。剣の能力と銃の能力にすぐれているので、どちらを伸ばすか悩ましいところ。船の操縦もできるが、五割の確率で沈める。無双技は、船の中でやたらに先進的な政策を打ち出し、敵どころか味方までスタンさせるという「船中百策」。
桂小五郎:逃げ足の早さでは随一のキャラ。変装も得意。剣の腕は竜馬と互角。人望がないのが唯一の欠点で、伊藤俊輔や井上聞多に逃げられては愚痴をこぼす。無双技として「喀血レインボー」がある。
西郷吉之助:初期状態で人望がMAXという凄いキャラ。ただしそれ以外はまるで成長しない。有能な部下を集めてひと仕事したい人だけにおすすめ。この人の無双技は「もうここらでよか」という地味なもの。
大久保一蔵:西郷と対照的に人望は低いが、知謀と政略に長ける。ひとりだちのキャラとしては、人望も腕力もないのが辛い。碁の腕はそこそこ。大久保使いは、天皇を握ってからが勝負。
岡田以蔵:暗殺モードでプレイするならこれ。司馬遼太郎によって馬鹿扱いされているが、じつは師匠の武市半平太より先に砲術の塾に入門したというインテリな履歴もある。歴史小説の文豪によって闇に葬られたキャラの復権を企てる人におすすめ。
吉田松陰:戦闘能力はない、政略はない、洋行に失敗する、寿命が短いというマゾヒスティックなキャラ。無双技も「松陰死んじゃいや、最後までやってほしかった」という派手だか地味だかわからないもの。ただしごほうびとして、このキャラのセーブデータを次回作「明治無双」に読み込ませると、「殉死無双」「昭和維新無双」というサブゲームのプレイが可能になる。
おりょう:ありがちな女性キャラ。ふだんは派手な小袖で闊歩するが、ある条件で全裸になるというオメコ、いやオマケつき。か弱い女の身で湯の入ったタライを投げつけるという無双技をもつ。
近藤勇:人望も剣の腕も知謀もそこそこという平均的キャラ。使いやすいキャラではあるが、逆に言えば中途半端で将来性がない。口の中に拳骨が入る映像が見たいだけのためにこのキャラで始める人が多いとか。
土方歳三:開始当初から「嫌われ者フラグ」が立っているという、極端なキャラ。ロマサガ3のハリードみたいなもんか。知謀は大久保一蔵に匹敵するし、剣の腕も近藤勇と互角。ただし土方使いは、他のキャラに嫌われまくることを覚悟すべし。土方に好意的なのは、「幕末武双」広しといえど近藤勇と松本良順と榎本武揚くらいなものだ。無双技「新撰組副長が官軍に用があるとしたら、ただ斬り込みに行くだけよ」のムービーは一見の価値がある。
沖田総司:じつはゲーム時間中半分以上は寝ているという特異なキャラ。剣の腕はナンバーワンだが、いかんせんスタミナがなさすぎる。とりあえず無双技「ときめき喀血ボラギノール」を見たら他のキャラでリプレイした方がいいかも。ミニゲーム「黒猫ふぁいと!」をクリアしたら健康体になれるそうだが、まだクリアした人はいない。KOEIはこの人のキャラを史実に忠実に浅黒いヒラメ顔にしたところ、抗議が殺到したため、得意の史実無視美形キャラに差し替えたという経緯がある。
松本良順:蘭学知識では随一。コレライベントと梅毒イベントを終息できるのは、このキャラと勝麟太郎(まだ小栗上野之介と喧嘩していない場合のみ)しかいない。
福沢諭吉:蘭学知識では松本良順に負けるが、英学知識で勝ち、しかも雑文作成能力はナンバーワン。「かたわ娘」「痩せ我慢の説」などで他キャラにダメージを与える。このキャラを選ぶと岩崎弥太郎が仲間になるため、金には困らない。ただし土佐藩続きで後藤象二郎が金をせびりにくるのでご用心。
山田浅右衛門:ご存じ人斬り浅右衛門。幕府公認の首切り人。剣の腕はナンバーワンで、江戸城に自由に出入りできるのがうれしい。初期状態からすべてのステータスと状態異常を回復する「人の肝」アイテムを所持しているのが強み。無双技として「肝スプラッシュ」という豪快な技をもつ。
弾左衛門:江戸のえた頭。被差別階級のため松本良順以外のキャラに会えないのがつらいところだが、金力と人望はトップクラス。非人頭の車善七と組み、全国の「道々のともがら」を糾合して起こす「おかげまいり」「ええじゃないか」「貧窮組」の破壊力には定評がある。薩摩の益満休之助と懇意になるが、政変に利用されるだけなので叩き出した方がいい。
中村主水:隠れキャラながら幕末無双随一の強さを誇る。人望は無限大(毎回のミッションで仲間が死ぬが、そのつど補強される。しかもこの仕事人仲間が強すぎるんだ)、知謀は最高(なぜか同心のくせに幕政まで把握している。しかも元筆頭老中とか平気で殺す)、金力は福沢諭吉に匹敵(頼み料と称して、ミッションごとに入金がある。ただしひとりあたま二朱とかのはした金)。まさに最強といえよう。弱点といえば、嫁姑イベントと人事異動イベントで時間をとられてしまうことか。


2月19日(酔)
 はじめまして下条はるです。(大西科学掲示板参照)もしくは下条酒伯爵です。(アイス掲示板参照)
 大西科学さんとこでは「どこまで略してもオリジナリティが得られるか」という略字論争がはじまっておりますが、私としては、たとえば「大西科学」と「大西ユカリと新世界」「大西巨人」が「大西」で競合したといっても、「大西」ならこれ、というトップが「大西」を名乗るべきだと思うのです。ネットでいえば、ググってみて検索トップの「大西科学」が「大西」をめでたく獲得し、「大西ユカリと新世界」は「大西ユ」「大西巨人」は「大西巨」であるべきなのです。というわけで私のHN「下条はるよピ」をググってみたら「下条は」ではダメでした。なぜか「下条はる」だと該当がなくなるんですけどね。
 アイスさんとこでは「HNは、各自好物と爵位を適当に組み合わせるべし」との教えに従い、みなさま「歳三カツ丼子爵」とか「トメビントロマグロ丼公爵」とか「ちかこたそチョコレート&アイスクリーム男爵夫人」とか「になうに王妃」とか「ちかこたそタケノコ姫」とか名乗っているらしいです。なんか、吉田戦車の漫画で、みんな好物に「ティラミス」とか「ナタデココ」とか言っているのを尻目に「肉!」と入力していたツワモノのようです。というわけで私は残された爵位と好物から、「下条酒伯爵」に決定。アルコール伯爵というとアポリネールのようでかっこいい。カウントアルコールというと「一杯、二杯、三杯……ああもうない、シクシクシク」というお菊さんのようだ。
 爵位はもったいないというのなら「下条酒軍曹」でもいいぞ。強そうだし。あるいは平安朝っぽく「下条酒弾正」はどうだ。悪そうだし。

 ところで貧乏性というのかなんというのか、先日豚タンを煮た汁がもったいないので馬ドテ肉をまた煮込んでいます。どうでもいいけど誰が喰うんだこれ。貧乏性は浪費に似たり。


2月18日(水)
 べろべろ。
 先週の金曜日に豚の舌を買いました。牛タンにくらべると豚タンはかなり安い。丸ごと二本で五百円くらいです。一本三百グラムくらいかな。
 一本はすぐにスライスして焼いて喰いました。タン塩。牛より脂肪分が少なくてあっさりしているけど、けっこういけます。
 もう一本は鶏はむの要領で、しこたま塩をすりこんでジップロックに入れて冷蔵庫に放置。二日たったらかなり水が出ていたので、水を捨ててさらに二日放置。そこで水煮したら鶏はむなのですが、ちょっと煮豚っぽくしようというので、醤油で煮ました。ゆで卵と一緒に三時間くらいコトコトと。
 できあがったのをスライスして喰ってみたのですが、水分が抜けて肉が締まって、ほどよく醤油味がついていて、ハムと煮豚と燻製のあいのこみたいでした。けっこういける。
 ただしこの豚タン料理、ひとつ問題点があります。たぶんスライスしたものを食べるだけの立場の人なら平気なのだと思いますが、こちとら豚の舌完成型(皮付き味蕾のぶつぶつつき)から見ているもので、あの舌を食っているのだなという感慨がどうしてもつきまとうのです。塩をすりこむ前にフォークでぶすぶす刺したときも、なんか自分がひどいことをしている気がして仕方がなかったのです。これ喰っている最中に舌でも噛んだら、ナニを喰っているのかと混乱してうまいまずいの問題どころではなくなってしまうでしょう。豚タンに限っては、他人が調理したものを喰わせてもらう立場のほうがいいかもしれません。


2月16日(月)
 悪夢はますます増大し、kasumiさんだったらこんな寝言をほざきそうな夢を見ています。
「ううん、どうして発電効率がマイナスなのよ、これじゃ事業化できないじゃん、熱なんて役に立たないんだってば、自分でパイプを引かなきゃならないのよ、だから茨城じゃゴミ燃やしてもいいけど、埼玉じゃダメなんだってば、そんなだから四街道から追い出されたのよ、千葉ちゃんはいっつもうだつが上がらないんだからっ、そんなだから梶原に刺し殺されたのよ、だから言ったでしょ、民間企業でもナノテクの研究者のデータベースをHPに置いときなさい、でないと200億もムシリ取られるのよ、お給料が、お給料がっ、いやん、そんなに薬剤を塗らないでっ、砒素が、砒素が出ちゃうぅぅぅぅ、砒素が出たらナポレオンなのよ、三時間しか眠れないのよっ」
 まだしも和歌の推敲に苦しんでいたほうがマシです。
 それにしてもふと思うのですが、天は二物を与えずというか、両雄並び立たずというか、悪夢と金縛りをいっしょに経験したことがないのはなぜでしょう。必ずどっちかひとつなんですよね。


2月14日(土)
 てるさん(現在潜伏中)のサイトで知ってはいたが、アニメ「ぴちぴちピッチ」を初めて見る。ストーリーの馬鹿さ加減と主人公の棒読み台詞がかなりいい線まできている。しかしこれってリン・ミンメイだよな。
 怖ろしいもので、こんなアニメにも耽美系トンデモ絵への萌芽がみられる。とくに悪役に。2ちゃんねるスレ「ヘタレすぎじゃないかそのCGは」によると、耽美系トンデモ絵の傾向はざっと次のようなモノである。(1)眼の水平方向への拡大傾向と睫毛の密生伸張化。(2)同じく、口の水平方向への延長傾向。(3)眼と口との距離のプレートテクトニクス的接近。(4)顎と鼻とが危険なまでに鋭利に尖ること。


2月13日(金)
 百円ショップがいつもより混雑していると思ったら、女子中高生の大軍であった。百円の小さなフライパンやら片手鍋やら型抜きやらを吟味している。しかし、そんなんで間に合うのか。そんな横で電球とかトイレの芳香剤とか炒り豆とか所帯じみたもん買っている私って何? それは浮世離れしつつあるオヂサンだよ。
 あんまりいぢらしいので、ひとりお持ち帰りしようかと思ったのだが、かわいくないので断念。鬼畜だ。ううむ、「ブサイクなので持ち帰らなかった」と、「かわいいので持ち帰った」と、どっちが鬼畜だろう。半茶さんによると私はわらびもちか、わらびもちのようにぷにぷにしていて新鮮なモノをいただくとよろしいそうなので、やはり美醜にかかわらずお持ち帰りしたほうがよかったか。

 帰りの道で、小さな犬を連れて散歩しているご婦人を見る。犬の品種には疎いのだが、チワワが二段変身の一段目に巨大化したくらいの大きさで、やや太っている。チンとかペキニーズとかにも似ているような気がする。服は着せられていないが、毛並みはよく、きちんと整備されているらしい。
 そいつがちょこちょこと歩くのだが、電柱に行き当たるごとに片脚を上げて小便の体勢にはいろうとする。しかしご婦人はすたすた歩くので、片脚を上げかけたまま引っ張られて体勢を崩し、よたよたよたとよろめき引きずられていく。やっとバランスを取り戻したと思ったら次の電柱で、また片脚上げかけ→引っ張られる→よたよたよた、の繰り返し。あまりに面白いのでしばらくストーキングした。
 坂口安吾は「洋犬はちゃんとしつければ、電柱に片脚上げて小便なんてダラシないことはしない。家に帰るまで我慢するし、小便は四肢をちゃんとふんばってジャーとやる。それにひきかえ、日本犬はどんな立派な犬でも片脚上げて電柱で小便するという習性を失わないのだから、あさましいものだ」と書いているが、なにせ独断と早とちりの多い人なので真偽はさだかではない。


2月11日(酔)

 あまりに(酔)だったので火曜日の日記に延々続けてしまったぞ。まあいいってことよ。
 夜久さんの掲示板に行ってみたら(むかしは「やく」で一発変換したものじゃがのう)長女さんはアニオタと聞きました。ひょっとして龍成さん、徳田さんと最近親密なのは、そのへんの情報を入手しようとして……? BOWDOの過去ログは保存してあるはずなので、「夜久さんにイジられたあの人は今」というのを作ってみても面白いかも。いや面白いのはテメエだけだってばさ。なんて、これじゃ三浦梧楼みたいな嫌がらせだね。あの人は夜会に出ては「いやあ末松さんの奥さん、大きくなったなあ。昔はわしの膝でションベン垂れていたもんじゃが」などと言うのが趣味だったようです。
 なんかこう、私はとことん性格の悪い人に惹かれる性癖があるようで、ロリコン雑誌耽読時代には蛭児神健のフ、ファンでした。蛭児神健=夜久さんという説があれば信じてしまいます。お父さんとお母さんがあんなことしていたなんて信じられない。


2月10日(火)
 鳥谷の指はたいしたことなさそうだったんでちょっと安心。しかしガオラの「亀ちゃんのキャンプレポート」はリタイアした選手やダメだった選手のことをまったく報道しないので情報価値は低い。毎日見ていると、これはどこの完璧球団だという思いで気持ち悪くなってくる。タイガース自家中毒。太平洋戦争中の陸軍演習報道はこんな感じだったのかな。翼賛キャンプ。

 夢がヘンなのはまだ続いています。きょうはあんまり早く寝すぎたのが悪かったか、えんえんと和歌の推敲に苦しむ悪夢でした。その和歌が

新雪を潮とかぶりし寒雀 首を縮こめ時を待ちつつ

 たしかね、なんか雀が塩を頭からかぶって仇敵に復讐を行うというような風習がどこかの地方にあるらしいのですよ。で、塩がないので雪で代用した、というような話らしいんですが、その設定そのものがよくわからないよ。どういう意味なんだ。なんの寓意があるんだ。どう駄文にしろというのだ。知っている人がいたら教えてください。

 龍成さんに教えていただきました。私の反逆のココロザシを述べた歌だったのですね。そう言われるとそんな気もしてきました。すべての夢解釈とか精神分析は、「そう言われてみると、そんな気もする」というのが基本のような気もします。つまり被分析者が分析者に抱く敬意がなければ成立しないのですね。よくあるパターンで、その敬意が愛になりついには医者と患者の人格が融合してしまい、トンデモを分析していた人がトンデモになってしまうという「ミイラ取りがミイラ」という事件も、精神科では多いように聞いています。それはそれで夢のような世界が来る……理想世界(ゆーとぴあ)が。ゴムかよ。

 とりあえず短歌縛り(雛祭り&イラクアタック)クリアしときますね。

后と朕ともに老いらくアタックは年に一度がやっとなりけり


2月9日(月)
 鳥谷、骨折か
 また猿木か……。勘弁してくれよ……。だから早く医者に見せろと言っただろ!!_| ̄|○

 伊良部、二日酔いの末インフルエンザでダウン
 酒乱伊良部に罰金
 やはり岡田では伊良部を抑えるなんて無理な話か……。_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○

 UFCの試合に出ていたフランク・ミアという選手は、背中に「侍」左腕に「無条件の愛」右腕に「無冠の帝王」と刺青していた。愛のほうは趣味の問題だからいいとしても、チャンピオンになったらどうするつもりなのだろう。


2月8日(日)
 木曜日に徹夜をしたら金曜日に二十時間寝てしまった。どうみても睡眠収支がおかしい。土曜日も断続的に寝ている状態だった。寝る前にボルヘスとレムを読んだのが悪かったか、浅い睡眠のなかでえんえんとイエスキリストとユダの物語を夢見ていた。あるときはイエスが金貨三十枚でユダを密告し。またあるときはイエスは山に芝刈りにユダは川に洗濯に。またあるときにはイエスとユダが融合して生物都市に。夢のような世界が来る。千年王国が。

 朝日新聞でカラシニコフ物語を連載している。朝日とは思えない軍事オタク風の連載だが、けっこう面白い。現代の銃は精密な設計が主流なのだが、あえてカラシニコフのAK47は、ルーズな設計でちょっとばかし埃が入っても銃弾がゆがんでも操作に支障がないように設計したというところが特に面白い。
 幕末には拳銃が西洋から入ってきて、護身用に持っている武士は多かったらしいのだが、どうもあんまり役に立っている例がない。坂本龍馬は襲撃されて拳銃を撃とうとしていたら部品が外れて役に立たなかったし、世良修蔵は襲撃されて撃った二発がともに不発だったし。すでにコルトやスミス&ウエッソンが作られていたはずだが、まだ技術として枯れていなかったのか。それとも幕末武士の取り扱いがよほどひどかったのか。


2月6日(酔)
 いよいよ松屋四ッ谷三丁目店は薄味店舗と決まった。チキンカレーですら薄味だ。しかしよくしたもので、隣のなか卯の豚丼は濃い味付けだ。しかしちっこいミニ丼で三百円とはいかがなものか。なか卯、吉野家、すき屋、便乗値上げはよせ。牛より豚や鶏が高いなんて、そんなベラボーな話があるものか。

 と言っておいて何だが、むかしロンドンとパリに一週間ずつ行ったことがある。パリションという言葉があるが、それよりひどい。パリっ屁とでも呼ぶべきか。
 そこで知ったのは、ヨーロッパで牛は喰うもんじゃない、ということ。たとえばコース料理で、メインの肉をビフテキか豚の煮込みか羊のローストかチキンカツか選べる、というようなのがありますね。私は牛至上主義の日本の習慣で、牛を選んでしまい、かならず後悔したのです。ヨーロッパの牛はパサパサで筋張っていてくそまずい。羊がベスト、あとあっさりが好きなら鶏、こってりが好きなら豚、というところですね。日本もいよいよ欧州化したということか。ヨーロッパでは、牛を食う奴は味オンチの英国人かイナカッペの米国人か、と決まっていますからね。

 しかしこのまま推移すると雑文界の大きな割合を占める牛丼教徒にとっては重大な危機ですな。しかしカレー信徒にとっても他人事ではあるまい。いつインドのカレー粉から有害物質が発見されて輸入禁止にならないとも限らないのだ。そして豚コレラがふたたび流行してトンカツも食えなくなったら、いよいよ雑文書き(駄文書きも含む)は絶滅の危機に瀕する。そして雑文界では、おそらく糠漬けに適応した徳田さんだけが生き残るのだ。ちょうど、恐竜や翼竜や魚竜が死に絶えたあと、たったひとり生き残ったムカシトカゲのように。
 そして生き残った徳田さんは雑文の遺伝子を残し、子孫は適応放散する。「アフターマン」ならぬ「アフター雑文」の世界だ。きっと牛丼を食うとみせかけて実は糠漬け丼を喰うギュウドンモドキや、糠キムチ漬けを飯にかけて喰うカレーモドキなどといった生物が繁栄するのでしょう。ひょっとするともきもきぃと囁きながら闇に蠢き、クラッカーにシラス干しをかけて喰らう、インスマウスに君臨する亜生物などもいるかもしれません。え、龍成さん? あの人は失礼ながら、私より先史時代から生きてきた人ですよ。いわばテキスト界のストロマライトです。何があっても生き抜くにちがいありません。そういえば、チャッピーさんは夜久さんの長女だという噂を聞きましたが、本当なのでしょうか。


2月4日(水)
 困った。どうやら松屋四ッ谷三丁目店は薄味店舗らしい。きょう喰った牛めしも薄味だった。味噌汁はなぜかダシだけ濃くて、関西風のけっこうなお味だったが。
 松屋は支持したいんだがなあ。なにせ牛丼チェーンのきなみ牛丼の代役を開始したけど、代役を牛丼と同じ値段で売ってるのは松屋だけだから、その心意気を評価したいんだがなあ。ヨソのチェーンはどこも、お前ら便乗値上げだろと言いたくなるほど高いからなあ。


2月3日(火)
 このところ信濃町に行くことが多いのですが、創価学会の人は歩行マナーが悪いですな。オバちゃんが五人ぐらい一列横隊になって傍若無人にのし歩いています。学会もそのへんは憂慮しているらしく、どこかの施設に「横一列に歩かないでください」という貼り紙がありました。

 きょうはじめて松屋の豚めしを食いました。だって牛めしのボタンがどこにあるかわからないくらいはじっこに隠れていたんだもん。味はといえば、なんだかえらく薄味というか。味噌汁もダシの味も味噌の味もしない薄味でしたから、松屋によくある、店舗や時間によってときどき生じる薄味タイムだったのかもしれません。吉野家は味が一定しているけど、松屋にはムラがあるんだよね。ま、次、もいちどチャレンジか。それより牛めしを今のうち喰っとくべきか。それとも二百九十円のうちにチキンカレーを食うべきか。

 夕食は馬めし。きのうから煮込んで、さしもの強靱なゼラチン質もぷるぷるに煮崩れ、筋肉がほぐれてしまったところを汁ごと丼飯にぶっかける。煮卵をほごしながら喰うとうまい。昼は豚めし、夕は馬めしときたら、やはり明日は牛めしでなければ決まりがつかないか。

 しゃあさんのページ、ついに消えたか……。
 「ひとはみんな忘れていきます 古い友達を 古い想い出を そして新しい友達をつくらなくなったら あとは忘れられていくいっぽうなのです」という漫画をむかし描いたことを思い出した。


2月2日(月)
 kasumiさんとこの掲示板を見ていたらむしょうにご飯が食べたくなったので、海苔の佃煮とメンタイコふりかけを買ってきて久々にご飯を炊く。おかずなし。無汁無菜。普段は無汁一菜飯抜きなんだが。酒は当然デフォルト。
 そして今はおでんを制作中。去年、馬肉を買ったのです。ワンちゃんのごはんにどうぞ、という馬肉カタマリ一キロ三百円くらいのを。うえだりねさんとこのチャミー君だったらまたいで通るような肉です。それをずんどう鍋でショウガと煮込みまくり、切り分けてジップロックに入れて冷凍していたのです。こいつを解凍してゆで卵と一緒にだし醤油で煮込み、ゼラチンがぷるんぷるんするまで煮るのです。煮るのです。煮るです。私のことを食道楽だとか食い物にうるさいとか誤解している人がいるかもしれませんが、いつもはこんなものを食っているのです。豆腐も四十八円のしか買わないしトンカツも閉店間際に半額にならないと買わないし呑んでいる酒は宝ですらない甲類焼酎四リットルだし。

 青色ダイオードの報酬の話で盛り上がっているようですが、いやマジな話、会社が潰れるくらいの報酬をふんだくってもいいと思うのですよ。いま、企業側は弱い立場の社員に対し、ベースアップ凍結だとかボーナス無しだとか、やりたい放題でしょ。マグレでもなんでも、たまたま会社に対し強い立場に立てた社員だって、やりたい放題やりゃあいいんですよ。潰せばいい。会社のひとつやふたつくらい。

(そろそろ酔)ふと思ったのだが、旧仮名遣いで「日記を書こう」は「書かう」なのだろうか。私はずっと「書かふ」だと思っていたのですが。<これは私の間違い

 それにしても馬のゼラチンはすごいぞ。常温つーか体温程度で煮こごりができた。


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