くだらな日記(2003年11月)


最新日記へ


11月30日(日)
 メキシコのプロレスを見ると、サッカー選手をモチーフにしたチームがよく登場する。ふたりはサッカーのユニフォームを着た選手で、もうひとりは獣神サンダーライガーと鏡獅子とバフォメットをかけあわせたような姿をしている。どうやらメキシコのプロチームのマスコットらしい。日本でいえばトラッキーやシャオロンや星菜の恰好でプロレスするようなもんか。
 日本でもそこそこサッカーは人気があるらしいので、こういうチームを作ってみてはどうか。
 選手:ヤナギサワ(相手の攻撃のみならず味方の連携すらすかす、恐るべき身体能力を持つ選手)
 選手:オカノ(元メジャー団体のエースだったが、持ち前のプライドが災いし、いまではドサ廻り団体に所属する、長州力のような選手)
 リーダー:ハシラタニ(どんな素晴らしい団体でも一年未満で崩壊させるという呪われた指導者)


11月29日(土)ニュースの日
曙鼻血も闘志に火
 「ほぼブラジル」というのは学生プロレスのレスラーだったらしいが、天下の大新聞が「ほぼサップ」とは……。

東京ドームのチケット、7500円のところを千円で売ります
 「タトゥーがドタキャンしたら儲かります」とは……。もはや洋物ブサイクデュオなど、見るに値しないというのが一般の認識か。なんでもヤフオクでは、エリック・クランプトンとタトゥーのチケットがいっこうに売れず、ネットダフ屋が頭を抱えているらしい。楽しいね。

金本、好きに打て
 来年の阪神の低迷はもはや確定。だから岡田はこういう監督だって前から言ってただろ。

猥褻行為の巨人・江藤選手を提訴
 いまさらこういう話が出るってことは、来年の巨人のレギュラーサードは小久保、控えは後藤で確定。

 田舎から自家製のベーコン、ルッコラ、香菜など送ってきたので、夕食は安易に、ベーコンとルッコラのスパゲティ。ルッコラのほろにがさがさっぱりしていい。本当に燻製をしているベーコンを使うと、料理へ与える香りがものすごく違うんだよね。

 バレーボールの試合を見ていると、副音声で「会場の歓声を消してお送りします」というモードが欲しくなります。

 このところプロレスを見ようとして深夜にテレビをつけると、アニメにひっかかることが多い。アニメもプロレスと同じく衰退の一途を辿っているのかもしれない。いや、プロレスがまがりなりにも全国放送なのに対し、アニメはテレビ埼玉やTVKやテレビ東京などの地方放送だから、プロレスよりさらに悲惨かも。
 それほど苦労してみたプロレス番組なのにプロレスの試合がないよママン。猪木ウルルン滞在記だよママン。ヽ(`Д´)ノもう見ねえよ!ウワァァン


11月28日(金)
 なんで松本零士が「宇宙戦艦ヤマト」を描いても許されたかというと、そのまえに「戦場まんがシリーズ」を描いたという実績があってのことでして。「ああ、松本はちゃんとわかっているんだな。わかった上で補給とかをあえて無視した話を描いてみたかったんだな」という理解があるわけで。
 そういうものがない最近の二十代以下の人が描く剣豪漫画というのは、どうにもこうにも。まるで完璧超人がオリハルコンかヒヒイロカネで作った剣を振り回しているようで、なんともかんとも、論評する価値もない。


11月27日(木)
 なんか前回の日記を本気にとってしまった人や悩ませてしまった人がいるみたいでごめんなさいごめんなさいごめんなさい。私の目論見としては、ああ書いてから、お涙頂戴の物語で雑文祭参加して、オマエ吐いた唾飲みまくりやんけタココラーというオチを考えていたのですが、なにせ物語もなにも考えつかないので失敗しました。だから私に雑文祭参加作品の書き方とか聞かないでください。知ってたら書いてます。すいませんすいませんすいませんすいません。


11月25日(火)
「俺は悪魔だ。魂をくれたら、なんでも望みを叶えてやろう」
「物語仕立てでない、雑文祭参加作品が読みたい」

 すいませんすいませんすいませんすいません。


11月24日(月)
 ラーメンは好きなのだが、ラーメン番組を見ることができない。
 それはなぜかというと、なんだか特有の臭気が鼻について、その嫌らしさが我慢できないからだ。まあ、頭悪そうなタレントとか、縁故採用っぽい馬鹿な女子アナがラーメンをすすって「コクがありますね〜」などと馬鹿なコメントを述べるのは食い物番組の通弊として許せるとしても、随所に出てくるうんちくやトンデモ理論がなんだかイヤなのだ。
 番組の雰囲気として感じるのは、ラーメンを通の領域に持っていこうというスノッブな流ればかり。なにかというと越後のナントカ味噌だとか薩摩のナントカ豚だとか、一流素材にこだわるイヤらしさ。おい、そもそもラーメンは、寿司とか蕎麦とか、通のものになってしまって大衆と遊離した食品のアンチテーゼ、いわゆる「B級グルメ」として登場したものではないか。それがいまさらA級のエスタブリッシュメントにすり寄るのか。惨めだぞその生きざま。
 それから麺屋武蔵の山田。あんたラーメンについてはなんぼのものかは知らないが、帽子も脱がずメシを食うな。ぺちゃぺちゃ音をたててメシを食うな。あんた、食事のマナーの基本というか、幼稚園レベルからやり直せ。偉そうに語るのはそれからだ。

 ラーメンといえば年齢のせいか胃が弱くなってしまい、背脂たっぷりのこってりラーメンが、好きなのに食えなくなってしまった。焼肉のカルビやすきやきの脂身も、喜んで食べるんだけどあとで胸が焼けてしまう。
 辛いものも好きなんだが駄目になってしまった。こないだタイカレーを作って食ったら倒れてしまった。牛乳やヨーグルトを放り込んで、だいぶマイルドになったと安心して食ったのだが、考えてみればぜんぶ食えば摂取した香辛料の総量はおなじだ。
 スナック菓子も食えないものが多くなってしまった。ポテトチップスも塩味や海苔塩というプレーンなものしか受け付けない。例外的にカルビーのコンソメパンチとナビスコのチップスターチキンコンソメは大丈夫だが。新製品のすきやき味だとかポタージュ味だとかとんこつラーメン風味だとかのスナック菓子は、ぜんぶ食えない。きっとあと十年もすると、獅子文六のように、鮎と豆腐と蕎麦しか食えない爺になっちゃうんだろうなあ。
 そんな私がトーハトのスナック菓子「暴君ハバネロ」を食ってしまった。世界一辛い唐辛子を配合した恐怖のスナック。黒字に赤の凶悪なパッケージで、「十分ご注意してお召し上がりください」と注意書きがある恐るべきもの。リング上に成型したジャガイモスナックで、どうやら同社のポテコとおなじラインらしい。が、ポテコはジャガイモ本来の黄色だが、ハバネロは禍々しい赤であることが違う。よほど唐辛子を吹き付けたのだろうか。
 ひとくち食ってみたが、さほど辛さを感じない。カラムーチョと同じくらいか。がつがつ食っているうちに口中がじんわりと辛くなってくるが、痺れるほどの辛さではなく、たいしたことはない。これだったらタイカレーのほうが熱いぶん強烈だぜ、と思いながら完食した。
 異変を感じたのはそれから四時間ほどあと。胃の下部が熱く重い。疼痛をおぼえるほどではないが、じんわりと痛む。そしてさらに二時間ほどあと、トイレに行くと尻が熱くなってしまった。
 どうやら「暴君ハバネロ」は口に入れるときより出すときの方が辛いようだ。入るより出る方が難しいという、あたかもアメリカの大学のようなスナック、それがハバネロ。


11月18日(火)
 歳三さんとこで紹介されていた記事を、おくればせながら知った(元記事はリンク切れなので別サイトで代用)。
 ううむ、鉄のうろこってドラクエに出てきそうで、なんか強そうだ。でもこれが防御用ってのは、ちとうがちすぎる考えではないだろうか。深海二千五百メートルというと、滅多に他の生物と出会うことのない、生物密度の低い環境だ。肉食動物といえば、フーセンウナギだとかコウモリダコだとかソコボウズといった連中がたまにいるくらいらしい。そんな連中にそなえて鉄で防御するなんて、まるで砂漠のパオにセコムのセキュリティシステムを完備するくらいばかばかしいことではないだろうか。現に同じ環境の深海生物で固い防御の奴なぞいない。せいぜい節足動物がぶよぶよの甲羅をまとっているだけで、魚などは鱗すら退化している。
 むしろこの鉄は、共生バクテリアの副産物ではないだろうか。
 深海には海底火山の噴出口があって、そこには硫化水素を酸化させてエネルギーを得る硫黄バクテリアがいる。海底火山には重金属も抱負だから、硫化鉄を酸化させてエネルギーを得る鉄バクテリアもいるだろう。
 このオウムガイは、身体に鉄バクテリアを付着させたのではないだろうか。オウムガイはバクテリアから栄養を手に入れる。バクテリアはオウムガイの移動によって、つねに豊富な硫化鉄資源を得ることができる。共存共栄である。
 共生の副産物として鉄が沈着した。やや身体は重くなるものの、万が一の敵襲来への防御にはなるし、どうせ無料で入手したものだし、まあいいか、ということで装甲した。と考える方がいいような気もする。まあ、そうやって発生した装甲がまた防御物として進化する可能性はあるわけだが。


11月11日(火)


香ひとつ手向けの煙たなびきて虚空にとどむ君が面影
黄泉路ゆく君のかたはら席ありてわれひたむきに寿司を喰らひつ
主なきサイト徒に残されてそは緩慢に朽ちつつありけり
残されし掲示板に客来たりて恙無きやと問ふもかなしき
               虎玉


11月8日(土)
 「ギャラをもらっていない」とWJでの窮乏生活を告白した大森選手が、きのうゼロワンのリングに上がったというニュースを聞いた。さっそく翌日放映されていた、テレビ中継を見る。
 白覆面に柔道着といういでたちで「ミスターX」と名乗っていたにもかかわらず、小川選手の柔道技になすすべもなく投げられるだけ。しかも投げられたときパンツが露出して「Wild Heart」の文字が見えてしまったため、観客から「おーもりー」コールが起きてしまい、小川に「もうバレたんだからさっさと脱げよ」と言われても正体を明らかにするのを渋る空気の読めなさ。ようやく覆面と柔道着をとるも、小川にやられまくり、ようやく藤井をアックスボンバーで倒すも、小川との場外乱闘にかまけている(小川が八割方攻撃)うちに場外20カウントをとられ、失神している藤井選手相手にリングアウト負け。しかも試合後、やられまくった小川選手に「大したことないな」とマイクで呼びかけ、観客の失笑を買う。とまあ、かつての大森選手健在なり、を世間に見せつけてくれた。
 しかもタッグパートナーのLAジャイアントとの息がまったくあっていない。ジャイアントがしょぼいレスラーであるという点は考慮しても、かつて相棒だった高山選手は、ジャイアントと同じくらいプロレスを知らないTOAと立派にタッグチームを作っているのだ。
 全日本時代の大森選手は、後楽園ホールの試合で観客から、「大森、そこはフォールに行く場面じゃねえだろ!」と野次られ、「うるせえ! てめえらに何がわかるっていうんだ!」とやり返したが、解説のジャイアント馬場に「大森はあそこでどんどん技を続けていくべきなんですがね。フォールにいっても相手を休ませるだけです」と冷静に語られてしまったという恥ずかしい過去がある。まあそれ以降も、恥ずかしいことばっかりのプロレス人生なんだが。
 やはり、大森は自分で試合を組み立てる能力、パートナーを引っ張る能力というものがまったくないのか。
 ぜんぜん関係ないけど、金村キンタローと井上京子と吉江豊って、いつのまにあんなに太ったんだろ。よく憶えていない。


11月7日(金)
 ラグビーのワールドカップもひっそりと決勝リーグ。順当にベスト8が決まり、いよいよあすから準々決勝、来週は準決勝、再来週はいよいよ決勝戦。
 と楽しみにしながらケーブルテレビのチェックをしていたのだが、なぜか番組表のどこにも決勝戦の中継がない。ひょっとしたら地上波放送かと思ったが、Jスポーツでは「全試合完全中継!」と謳っている。
 Jスポーツのサイトに行って確認してみた。がーん。決勝戦はJスポーツ3のチャンネルのみで放映なのだ。うちのケーブルテレビはJスポーツ1と2だけで、3は入ってないのだ。1と2では再放送の予定さえない。
 決勝戦が見られないと思ったら、なんか急にどうでもよくなってしまった。ラグビーなんてどうでもよくなってしまった。もう準々決勝も準々決勝も見なくていいや。どうせ決勝見られないんだし。
 Jスポーツさん、あなたの仕打ちはラグビーファンをひとり減らしました。


11月5日(水)
 いよいよ今度の日曜日は選挙だ。とはいっても私は先々週も、参議院埼玉補選をやったばかりなのだが。
 思い返してみれば私は選挙で勝ち馬に乗ったことがない。私の投票する人物はことごとく落ちる。ただし比例区は除く。あれは雑民党とか発明政治党とか、よほど珍奇な政党に入れない限り、ひとりくらいは当選するから。
 私が名前を書いて投票して当選した最後の人は誰かと、ふと思い返してみたが、田川誠一だったような気がする。新自由クラブ分裂直後のころだ。もう十数年前になるね。そのあと、選挙は毎回投票しているのだが、ぜんぶ落選。ことごとく無駄な票になっている。
 こないだなんか、「もう死票はいやだ」と、節を屈して共産党でなく民主党の人に投票したのだが、それすら落選した。
 私は黄金の腕を持っているのかもしれない。東京にいるうちに、石原慎太郎に投票すればよかったかな。


11月3日(月)
 テレビをつけたらバレーボールのワールドカップをやっていた。ラグビーのワールドカップが地上波で放映されなかったこと(日本の試合は2試合テレビ東京で流れたが)を神に謝した。バレーボールとサッカーの対外試合は、ファンの応援もひどいものがあるが、マンセー翼賛報道がひどすぎてヘドが出そうだ。バレーやサッカーのファンは、あれを見て嫌にならないのだろうか。いや、バレーやサッカーのファンにまともな神経の持ち主がいると仮定しての話だが。
 チャンネルを変えるとばあさんがしたり顔で話をしていた。塩野七生だった。ローマのカエサルがどーたらこーたらと、私でも知っているような話を繰り返していた。塩野は司馬遼太郎の手法をローマに応用して人気をはくしたが、司馬と違う点は、知識量が足りないこと、批判精神がまったく欠落していること。佐高信は司馬遼太郎を「中小企業社長御用達のマンセー作家」と批判したが、これは司馬でなく塩野にまったくあてはまる批判だと思う。私は塩野七生が嫌いだ。
 しかしテレビを見て目がくらむほど怒るってのはどうよ。世間ではえんえんとテレビを見続けていられる人もいるというのに、私は放映される番組の六割は見ると激怒してしまって見ていられない。テレビは忍耐力を試す箱かもしれない。


11月2日(日) 粛清のすすめ
 いまさら新田次郎「武田勝頼」(講談社文庫)を読む。
 武田勝頼の権力基盤の悪さというのは、親の信玄にも責任があるのだなということを、あらためて思う。
 というのは、有力な戦国大名の多くは、自分の手足のように使いこなせる臣下を入手するための経験を経ている。
 たとえば勝頼の父、武田信玄は父親を追放し、その過程で信頼できる忠実な臣下を手に入れている。織田信長は弟信行との跡目争いに勝って信行とその与党を殺している。斉藤道三はクーデターで美濃を乗っ取り、その息子義龍は親と親に味方する与党を殺して権力を手に入れた。上杉謙信は兄との権力闘争があった。その息子景勝は景虎との跡目争いに勝利した。伊達政宗は親を殺して全権を掌握した。浅井長政はクーデターを起こして親の久政を隠居させた。
 彼らはすべて、せっぱつまった権力闘争の結果として権力を手に入れている。だからその臣下は忠誠を誓う。忠誠を誓わないような臣下は、敵として粛清されている。
 かつてヒトラーが「長いナイフの夜」で、レームらSA幹部を粛清したという報道が流れたとき、多くは「これでヒトラー政権は弱体化する」という観測だったが、ひとりスターリンだけは「いや、むしろこれでヒトラー政権は安定する!」と断言した。粛清のプロは粛清を知る、といったところか。
 むろん粛清によらない権力の継承もある。関東の北条、中国の毛利、越前の朝倉、薩摩の島津などは親から子へ順当に権力委譲が行われている。しかしこれは、すべて親が隠居し、子供を当主として盛り立てるとともに自分が全面的にバックアップすることで権力委譲が成立している。いってみれば金日成から正日への権力委譲のようなものか。
 このふたつの方式のどちらもとらなかった信玄と勝頼の武田家が潰れたのは、歴史の必然ともいうべきか。
 教訓。親は隠居させろ。でなかったら殺せ。


最新日記へ