くだらな日記(2003年9月)


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9月28日(日)
 わらべうたは後醍醐天皇の秘密のメッセージだった。

あぶくたった にえたった
 阿武(現在の山口県阿武町)で多治見が決起した。正中の変が幕府に漏れたため、われわれの犠牲(ニエ)となって代わりに死ぬために決起した。
にえたか どうだか
 この犠牲で幕府が納得するか、どうか。
たべてみよ
 幕府よ、これが首謀者だ。朕はなにも知らぬ。賜べてみよ。
むしゃ むしゃ むしゃ
 武者だ。武者だ。みんな武者が勝手にやったのじゃ。
まだ にえない
 幕府はまだこのような犠牲では納得しないとみえる。
あぶくたった にえたった
 こんどは阿武隈川流域で新田が決起した。元弘の変が幕府に漏れそうだから、先手を取って犠牲になるため決起した。
にえたか どうだか
 こんども犠牲になって全滅するのだろうか。それとも今度はうまくいくだろうか。
たべてみよ
 どちらにせよ朕はいくさごとには関係ない。よきように賜べ。
むしゃ むしゃ むしゃ
 武者ども、武者ども、朕の下僕たる武者どもよ。
もう にった
 革命は成功した。これからは新田が将軍となって朕を護るのじゃ。
となりの おばさん
 十ヶ国の収穫(成り)を持つという富裕な大庭氏を勝手に従三位にしたのは誰じゃ。朕は知らぬぞ。
とけいは なんじ
 十の公卿の位を「汝に」と勝手に与えたのは、なに、足利高氏と申すか。許せぬ。
よなかの にじ
 このような世の中には虹のように出てくる者がいるものじゃ。
ほんとの おなまえ
 本に出てくる殿様のように生意気な絵のようじゃ、足利と申す者は。
なんと いるの
 高氏は東者だから北斗じゃ。こうなったら朕は、北斗に対抗すべく南斗の者を捜すのじゃ。いるだろうか。
ヤナギの 下の
 おお、まっこと南斗の者じゃ。楠の下にさぶらう汝よ(注:足利幕府をはばかって楠をわざと柳に変えている)。
おおにゅうどう
 みごと足利を倒したら、新田義貞のように、大乳の内侍を賜べてやるぞ。どうだ。

 ……半茶さんごめんなさい。


9月26日(金)
 季節の変わり目に馬鹿がひくという風邪が治りかけ、ようやく平熱に近づいてきたのだが、読売巨人軍の原監督解任記者会見のナベツネを見て、怒りのあまり熱がぶり返してしまった。
 永久名誉監督とか巨人軍特約解説者とか巨人軍特別顧問だとか、わけのわからない肩書きを乱発するのはそちらの組織の勝手ですよ。巨人軍監督を解雇して特別顧問とやらに棚上げし、それをもって単なる配置転換だと強弁するのもいいでしょう。しかしね、記者会見は監督交代のためにあるんだよ。あんたがわけのわからない罵言を吐き散らす場ではないんだ。
 なんだあのナベツネという恍惚老人は。巨人の残り試合も原の年齢もわからないボケっぷりで、野球のことなんかなんにもわからないくせに「堀内君は栄光ある巨人軍監督としてふさわしい」もないもんだ。おまけに「敵性マスコミが悪意ある報道を重ねて、うるさくてかなわんから、この記者会見を開いてやったんだ」と恩着せがましい言いぐさ。「ウチの車もきずをつけられかねないし、ご近所迷惑だし、そのうち君たち(記者)の方がきっとケガをするぞ」と罵詈雑言のオンパレードがえんえん十数分。同じ読売グループの日テレでさえ、あまりのひどさにCMに入ってしまったくらいだ。あげくの果てに「私をいったい何だと思っているんだ」とは恐れ入る。糞ナベツネさん、あんたのことはだいたいの人が「野球と相撲とジャーナリズムの癌」「巨人軍に巣食う蛆虫」「時局をみて右翼に転向した裏切り者の卑劣な元共産党員」だと思っていますよ。
 巨人ファンでなくてホントによかったと、いま心から思っています。もし阪神で同じような記者会見があって、久万オーナーか野崎社長がああいう醜態を見せたとしたら、私は即座に阪神グッズをすべてたたき壊して阪神ファンを廃業しますよ。あんな糞オーナーの懐を潤すことが我慢できるほど、私の自尊心は腐っていない。


9月23日(火)
 トンデモ本シリーズで知られる「と学界」の面々はいまだに活発に活動されているようでめでたいのですが、いまだに八切止夫をとりあげていないのは残念でならない。なにしろ八切氏は、上杉謙信の物と伝えられる小袖が派手だったというそれだけのことから「上杉謙信は女だった」と結論し、ポルトガル娘との愛情生活をえんえん語ったあげくに何の根拠もなしに「信長殺しは光秀ではない」と決めつけるような大人物ですから。

 と書いてからネット検索してみたら、と学界の志水一夫氏がちゃんと考察しているではないですか。死角はないなと学界。


9月20日(土)
 高見盛のインタビューを聞いていて、ふと「これ、ちょっと阪神の久保田に似ている」と思う。そう感じて画面を見ると、そこはかとなく顔すら似ているような。ああいう人って、やはり話っぷりや顔も似てくるのだろうか。どっちも大学出なんだがなあ。
 高見盛(相撲)と久保田(野球)の対談なんかいいかもしれない。速記者が大変そうだが。しかしどうせなら、もっと誰かいないかな。プロレスでは天然ボケやトンパチや作った馬鹿はいるが、ああいうキャラは存在しないような気がする。柔道界やサッカー界や陸上界には、ああいうキャラ、存在しないでしょうか。
 ブッシュ(米政治界)に参戦してもらうという手もあるな。

 坂口征二(61歳)と山本小鉄(61歳)の復活って、いったい新日本プロレスは敬老イベントでもやったのか? それとも全女のダンプ松本みたいに、団体結成35周年記念なのか?
 それはともかく、新日本は演出が下手になったなあ。最後にやった、坂口親子リングに立つという場面を感動的に盛り上げるためには、高山がもっと坂口を痛めつけておかねばならない。最後のほうでちょっと帯で首を締め上げたくらいじゃ、カタルシスにならない。コーナーポストで首吊りのまま十分間くらい放置してくれないと。アントニオ猪木は好きじゃないが、猪木ならそういう演出をしてくれたし、高山でなくタイガー・ジェット・シンだったらその演出に思う存分乗ってくれたんだが。


9月16日(火)
 いまだに現実感がない。
 ところでシリーズの相手はダイエーでいいんだろうな? いまさら西武でしたじゃ、研究する暇がないぞ。だいいち西武戦はうちのケーブルテレビではまったく放送しないのだ。テレビ埼玉はホームしか放映しないし。知っている知識といえば、松坂とカブレラはやっぱりすごい、和田の生え方(抜け方?)はすごい、高波はやっぱりダメ、豊田は神様、台湾コンビはよく負ける、なんだかよくわからん若手がなんだかよくわからんうちに打つ、伊原監督には風格が感じられない、西武ドームは暑苦しい、西武鉄道は脱線する、というくらい。


9月15日(月)
 「仕掛人 藤枝梅安」をファミリー劇場で見る。
 以前時代劇チャンネルで見たのと違うシリーズだった。時代劇チャンネルは主役が小林桂樹、ファミリー劇場は主役が渡辺謙。美保純が出ているのでおおよその時代が推定できる。
 あいかわらず飯を食うシーンはうまそうで、面白かったんだがちょっと気になることが。「梅安仕掛針」で、母親が娘の仇討ちをしようとするが、仇討ちとは目下の者がやるべきもの。主君の仇を家臣がうつ、父の仇を息子がうつというのはあっても、妻の仇を夫がうつ、娘の仇を母がうつような逆は、仇討ちとして認められていなかったはずなのだ。「梅安流れ星」でも、「弟の仇!」と叫ぶ奴が出てくる。池波正太郎ほどの人がそのへんを間違えるはずはないと思うが、ちょっと確認してみたかったりもする。

 相手の負け待ち、しかも明日は新聞休刊日というぶさいくな優勝だったけど、自分で撒いた種だからしかたないわな。それにしても井川には驚いた。祝勝会でメシ食ってる奴なんて見るのははじめてだ。


9月14日(日)
 サムライのWJ一挙放映を見た感想。
・客の入りは後楽園ホールで六割、それ以外で五割弱といったところか(観客席の音声から推定すると三割程度)。あとになるほど空席が目立つ。
・観客席からたまに漏れる音声が、声援や拍手より野次や失笑のほうが多いのはいかがなものか。
・いやホント、こんなに失笑が多いプロレス団体って、見たことないよ。
・全興行通じても、「おー!」という歓声が出たのは、ボビッシュの技だけ。
・越中が完全にコミックファイターになっているのが哀しかった。
・天龍は、身体が満足に動かなくて癇癪を起こしている中風患者のようだ。
・長州は、肉体とともに頭もボケてしまったので、いまだに俊敏に動けるつもりでいる中風患者だな。
・いまさら帰らぬことながら、健想は「自分がスターだと思いこんでいる勘違い野郎」という、WWEのハリケーンのノリで売り出せばよかった。
・矢口はもう本業に精を出して下さい。代議士秘書兼ゲームミュージシャンでしたっけ?
・それにしても矢口があんなに巨漢に見えるのはなんでだろう。FMWのころはミニポーゴにしか見えなかったのに。
・大仁田が持っていた凶器の鎌、あれはどういう材質だ? 思いきり剣先で殴りつけても皮膚に傷さえ作らない凶器なんて、はじめて見た。
・大仁田のグヂグヂ長文句にはもう飽き飽きした。
・長州、大仁田が嫌いなのはわかるし、私も大仁田はマットに上げる価値がないとは思うが、上げたのなら自分で責任とれよ。
・もはや張本人の武藤すら忘れている「BATT」のパンツを馳が穿いているのは笑えた。
・フジ、人生、東郷などのよそ者が、まるっきりジョバーというファイトをするのはいただけない。いやまあ、いかにもかませ犬の扱いをする団体がいけないんだけどさ。
・「むかし凄かったんだけどいまは見る影もないロートル」をのぞけば、外国人選手はわりと上質。ただ、どういうわけか大型健介みたいなのばかり連れてくるので、埋没して損をしている。
・長州佐々木組対クラッシャーズの試合で、最後にクラッシャーズの片割れが健介のノーザンライトボムを返そうとして、「あ、これは返しちゃいけないんだ」とふと気づいたのか、急に力を抜いたのがかわいかった。
・佐々木健介は、あいかわらず試合の九割を相手に組み立ててもらっている。
・大森隆男も上におなじ。
・大森はあのまま立ち腐れてもいいよ、もう。相手が倒れたあと、立ち上がるのをボンヤリ待ってるなって、あんだけ言われてきただろ。
・大森のパフォーマンスはあの天然ボケがうまくハマれば爆笑を呼べるんだが、天然は制御できないからなあ。
・越中と安生くらいを別として、第一試合からメインまで同じような選手が同じような試合を続けるので、見ていて疲れる。
・辻アナが「上腕二頭筋を粉砕だー!」と叫んでいるときは、上腕でなく前腕を攻撃されている。
・解説の金沢は天龍や長州の試合となるとうるさいくらい饒舌だが、宇和野対高智という試合になると別人のように無口になる。どうやら、プロレス雑誌の編集長でありながら、インディーや若手のことを知らないらしい。
・「初代、ワールド・マグマ・ザ・グレーテスト王者は佐々木健介選手! ……ただし、ベルトはまだ届いていません」という爆笑劇は、やっぱり最高だ。

 星野監督おめでとうございます。もくろみ通り優勝を毎日毎日毎日毎日毎日毎日回避し続けていますね。このまま優勝できなかったらいいですね。八百長試合とはいいながら、毎度毎度ぶざまな試合をありがとう。あれが本気でやってる試合だったら、恥ずかしくて街を歩けませんよね。
 そこで提案です。もしもまかり間違ってヤクルトと広島が負けてしまって万が一の僥倖で優勝してしまったとしたら、胴上げなんてチンケなことでなく、監督以下選手一同がグラウンドで切腹するというのはどうでしょうか。そのほうが潔いですよ。


9月11日(木)
 「米国の同時多発テロがあった、9月11日の優勝だけは避けたい」と阪神・星野監督は語ったそうなのですが、それが実現していま、喜んでおられるのでしょうか。
 まあ、世間には「11日に優勝してもビールかけは自粛せよ」とかおっしゃる馬鹿もおられるらしいので、そういう馬鹿が発動することを警戒しての発言かもしれませんが。しかし、テロはもう終わった話だし、だいいち外国のことではありませんか。そんなもんいちいち気にしてたら、死ぬまで優勝できませんよ。
 たとえば明日、9月12日は、織田信長が延暦寺の焼きうちをして僧侶、学生など非戦闘員を虐殺した日です。こっちのほうがよっぽど身近だし死者も多い。星野さん、明日も胴上げできませんよ。13日は乃木大将が殉死した日です。日本人ならビールかけなんかしてられる日じゃありませんよね。14日はキャサリン台風で千五百人を超える死者(主に日本人)が出た日です。この日も無理ですね。15日は関ヶ原の合戦があったし、アイオン台風で二千五百人近くの人が死んでいます。ここも駄目。胴上げもパレードもビールかけも優勝も、今年もあきらめるしかないではないですか。

 まあこういう報道もマスコミの扇動の一環なのかもしれないがね……。
 マスコミが阪神ファンに期待していることは「アニマル」これに尽きます。暴動を起こしたり、公共施設を破壊したり、道頓堀川に飛び込んだりすればマスコミは喜ぶのです。暴れるな飛び込むなという報道だって、ありゃ逆に煽っているようなもんです。そして阪神ファンが熱狂のあまり不幸のどん底に落ちるほどマスコミは嬉しがって報道します。巨人ファンの嫁と喧嘩して離婚したり、会社でタテジマ商品を身につけまくって上司と喧嘩したり、左遷されたり、店を阪神ファン御用達にして売上ががくんと落ちたり、胃を壊して入院したり、死んだりすれば、マスコミは大喜びで記事にしてくれますよ。こういう輩の扇動にうっかり乗ったりしないよう、冷静な対処が求められる時代です。いっとくけど、マスコミはただ扇動するだけで、責任なんかまったくとってくれないからね。責任ないし。


9月5日(金)
 藤原氏というのはふしぎな一族で、有能で政治に意欲のある人間はみな不幸になり、無能で事なかれ主義の人間が栄達するという宿命を負っている。
 始祖の藤原鎌足は別として、日本を中国式国家に改造しようとした仲麻呂は挫折して反乱を起こし戦死。子孫も絶えた。ところが事なかれ主義で飢饉も戦乱もへらへらと放置した良房は、摂政太政大臣となり子孫は繁栄した。高房は美濃介として、保則は備前守として地方をよく治め「良二千石」と呼ばれたが、みやこでは報われなかった。その一方で冬嗣は政界トップの左大臣として自分の権勢拡大にのみ奔走した。地方財政や荘園精度を立て直そうと計った時平は早死にし、その弟で、疫病や盗賊の横行を見過ごして平将門や藤原純友の乱の原因となった忠平とその子孫が繁栄した。道長は百姓の餓死も武士の横暴もほっておいて、ただただ贅沢とうぬぼれにあけくれて位人身を極めたが、「賢人右府」と呼ばれた実資や英明を謳われた公任はその下僚に甘んじた。院政時代に法と秩序を確立しようとした信西は保元の乱で殺されたが、源頼朝に癒着して昇進した兼実は長生きして子孫繁栄した。藤原一族の中で、有能でかつ栄達したのは、基経くらいではないだろうか。
 歴史は英雄豪傑のみによって作られるものではないとはいえ、良房だの道長だのいう馬鹿者の名前を覚えさせられる歴史教科書を恨みたくなるほどだ。
 ひょっとしたらこれが保守政治の本質なのかもしれない、と、自民党を見るとふと思う。


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