くだらな日記(2001年末〜2002年始)

12月29日(土)
 朝、ふと思い立って帰省のバスを予約しようとする。予約が遅くていつも当日券狙いになるのが私の悪い癖だ。いつも満員にならない売れない歌手やアイドルやプロレスの興業ばかり行くのでこういう癖がつく。案の定、新宿発はすべて売り切れ。品川始発の津山行き夜行バスが、かろうじて今日の臨時増発便のみ残っているそうだ。今日は横浜で宴会があるのだが、やむをえず予約する。ついでに1月4日の東京行きも予約。こちらも臨時増発。

 あわててカバンに着替えなどつめこみ、昼過ぎに横浜へ。きょうは横浜で忘年会があるのだ。大荷物は石川町駅のロッカーに預け、待ち合わせに。くた、あび、kasumiのきれいどころが揃う。しかしぽいう、れふじがまだ来ていない。寝坊のため一時間ほど遅れるとか。別にきれいどころが来ていればどうでもいいんだけど。
 駅前の珈琲屋で時間を潰し、ようやくぽいう、れふじが到着。ぽいうさんは今回はちゃんと服を着ていた。れふじさんの初印象は好青年だった。しまった、慌てていたのでぽいうさんへのプレゼントを忘れていた。中国の強壮薬「男宝」を進呈しようと思っていたのだが。

 そこから関帝廟近くの「梅蘭」へ。ここの焼きそばは、いっけんお好み焼きにしか見えない。フライパンにかちかちに押しつけて固く焼いているそばを箸で崩すと、中からどろりとした具と柔らかい焼きそばが出てくる。一品でかた焼きそばと普通の焼きそばが味わえる珍品。
 昼食を終えたのち、遅れて参加のみやちょさんを迎えに行く。ぽいうさんは「え〜、おれめんどくせ〜よ〜。みやちょは勝手に来ればいいだろ〜。おれはゲームやってるよ〜」と動こうとしなかったため、あび、kasumiの両女史に監視を頼み、私とくたさんで迎えに行く。
 ぽいうさんの行ったゲームセンターの隣に、にょしかわさんおすすめの豚まん屋、「雅秀殿」があった。皮がふわふわしていて、中身が具だくさんで、なかなかの味。残念なことにこれを食うのに夢中で、みんなが入った「華正楼」のお土産屋さんに入れなかった。ここの持ち帰り豚まんもなかなかの評判なのだが。あびさんはここで山のように月餅を買っていた。「雪苺娘」から「月餅娘」にジョブチェンジするらしい。

 そして横浜原住民のあびさんに案内されるがままに移動。えらくひどい坂を登らされた。外人墓地だということだ。私まで墓地に入ってしまいそうな急坂だったが、残念ながら日本人は外人墓地には入れない。
 墓地の上にあるカフェで一服。ここではぽいうさんがギリシャコーヒーというけったいな飲料を注文し、ウェィトレスに「姉ちゃん、これってどう飲むのん? グラスの周りにある白いの、塩け? ストローくれんかね? 姉ちゃんが手取り足取り教えてくれたら、わし嬉しいんけんどなあ」などといいつのっていたことは参加者だけの秘密にしておきましょうね。 
 そして山下公園を一周、横浜タワーに登るという正統派観光客を演じる。しかしそこで交わされる会話は観光客のものではない。
 なんでもkasumiさんの生家の近くにはあの有名な観光牧場「マザー牧場」があるのだそうだ。そんでもってイベントのお知らせが新聞の折り込み広告で届けられていたそうだ。マザー牧場の恒例イベントに「羊の剃毛ショー」というなんだかあぶなげなものがあるのだそうだ。少女kasumiはそれを読んで、「ショーというからには戦隊ショーみたいなものだろう」と妄想の翼を広げていたそうだ。なぜにいきなり戦隊ショーか。あんたは後楽園のまわしものか。ともあれkasumiさんの妄想を聞いてみよう。

 平和なマザー牧場。牛や羊とたわむれる娘たち。場内にアナウンスが流れる。「まもなく特設ステージで、あいざき進也歌謡ショーが行われます」という呼びかけに、黄色い歓声をあげながら駆け寄る娘たち。しかしそこへ、突如現れる悪の軍団。率いるのはむくむく怪人ウールゴンだ。「うはははは、娘たち、みんな毛むくじゃらになってしまえ!」と叫ぶウールゴンの必殺技「どとうの羊」に踏まれた娘は、たちまち全身から毛がにょきにょきと生えてきてあさましい姿の怪奇多毛娘になってしまう。あやうしマザー牧場。
 じつはウールゴンは、あいざき進也が悪の組織に改造された姿だったのだ。日本中の娘を怪奇多毛娘にしてしまい、日本人の出生率を下げてしまうこと、それが悪の組織の目標。あやうし日本。
 そこへ颯爽と現れた五人の超人。「ウールゴン、それ以上の悪事は許さないぞ!」そう、彼らはマザー牧場を守護する超人。剃毛戦隊マザーファイブだ。マザーピンクの放つ脱毛クリームで毛が抜ける怪奇多毛娘。でも毛が抜けすぎてみんな尼さんになっているぞ。マザーイエローのバリカンシュートに倒れる悪の戦闘員。マザーグリーンは緑を守れ。マザーブルーのカミソリスクリューにたじろぐウールゴン。「今だ、チャンスだ!」マザーレッドの必殺ハサミクラッシュに倒れるウールゴン。ウールゴンの毛皮の下から、あいざき進也が這い出してくる。「あれ、ボクはここで何を……?」
 そして大団円。剃毛戦隊マザーファイブとあいざき進也の合同歌謡ショー。ああマザー牧場に幸あれ。

 ええと、以上に脚色は加えておりません。kasumiさんから聞いたままを書いたものです。こういう妄想を小学生の頃からくりひろげていたkasumiさんって……。

 つねにボケまくっているくたさんや、妄想全開少女のkasumiさんに比べ、なんとなくあびさんが今回はおとなしい。前記ふたりに圧倒されて引いてしまったのか、と思っていたが、後になって事情が判明。ぽいうさんのセクハラ攻撃から身を守るため、店で座るときも歩くときも、つねにぽいうさんの対角線に位置するよう気をつけていたのだそうだ。それで話に身が入らなかったのか。そういえば、ぽいうさんが動く気配を見せると、びくっと身を震わせていた。前回、よっぽど怖かったんだね。

 夕方から参加のふみえさんを加え、いよいよ北京ダックの待つ揚州酒家へ。しかし残念ながらkasumiさんはここで帰宅。厳父から「風邪なのにいつまでほっつき歩いとるんじゃゴルァ!」という電話が入ったもよう。途中からかずさんも参加。北京ダックはおいしゅうございました。マーボー豆腐おいしゅうございました。ダックスープおいしゅうございました。しかし私はそろそろバスに乗らねばならぬ。バスに乗り遅れるな。断腸の思いで退出し、浜松町へ。

 九時四五分発の津山行き臨時増発便。これが五台。ほかにも仙台行きとか高知行きとか高山行きとかいろいろなバスでターミナルはごった返している。今日はいつものノンストップリムジンでなく、臨時増発の普通の観光バスなので座席が狭い。隣の人と肩がぶつかる。足が前の席にぶつかる。うとうとしているとトイレ休憩で起こされる(焼津、草津、勝央)。妙な姿勢で寝ていたので肩がこりまくってしまった。そして眠い。

12月30日(日)
 渋滞もなく、ほぼ予定通り、六時過ぎに津山着。父親に迎えに来てもらう。こちらはちょっと雪が降ったらしい。
 妹夫婦もけさ三時ごろ到着したとのこと。
 妹の長女は二歳。言葉を覚えたてで、喋るのが楽しくてならないらしい。ただ、まだ濁点がむずかしいらしい。歌も大好きで、レパートリーはげんこつ山のたぬきさん、おさるのかごや、大きな栗の木の下で、アイアイ、どんぐりころころ、いもむしごろごろ、など多岐にわたる。車に乗ると喜んで「えーんじーん、ブンブンブン!」などと意味不明の歌を絶叫する。
 そしてやたらによく食う。他人が食っているものを欲しがる。肉よりも魚が好き。干物とか塩辛とか佃煮とか、塩辛いつまみ・珍味系食品が好き。椎茸が大好物で、野菜炒めから椎茸だけ抜き出して食う。やはり相当に変わっている。
 次女は三カ月。まだ手足を動かすのと泣くことしかできない。

 中国土産だという干し松茸のパッケージが変わっていたので、ここに書いておく。

 云南省昆明産干し松茸
 表 「珍しいホのふ ホのふのぉおまー」
 裏 「云南の松茸 中国の南西に位置する云南省は新鮮を松茸でょく知られている。毎年六月から十一月までそのシーズンでする、高原の特別を気候と湿潤を土壌、豊富を雪の水か条件とをる、そのぅぇ、云南の松茸の香りは香ばしい。毎年日本の松茸輸入量は市場の半分を占めている。日本の皆様は、松茸を焼いたり、ぁるぃは、蒸してぉして、ぉ召し上がりにをるよぅですが、中国云南では漢方薬と美容の材料として使つてぃる。
効能 長寿、高血圧、心臓病、抗癌、糖尿病、肥満症をと。
調理方法 ぬるま湯(約20分)、熱湯(約10分)、松茸で飯、スーズ、炒めもの、味噌汁。
保存方法
1.干燥した風通しのょぃとてら。
2.冷蔵庫のをがでも良い(二年以内)。
生産日期 開封口
保存期 36介月
地域 云南昆明菊花114号菊花国薬剤市場」

 なんか大文字小文字の間違いとか、かたかなとひらがなの混同だとか、濁点の使い方が変なところとか、ちょっとうちの姪に似ている。保存期が明記してあるのはいいのだが、どこを探しても生産日期らしいものが印刷されていないのは、いかにも中国らしい。

朝食 ごはん。味噌汁。おでん。ぶり刺身。あじの醤油漬け。
昼食 パン。ミートローフ。
夕食 なまこの酢の物。焼き牡蠣。牛肉網焼き。ふぐ一夜干し。ビール。ウィスキー。

 日生で買ったという殻付きの牡蠣が氷詰めでころがっていたので、牡蠣の一夜干しを作ってみる。牡蠣の殻をむき、大根下ろしで洗い汚れをとり、荒塩でもんで串に四つづつ刺し軒下に干す。これで翌朝にはできるはずなのだが。

12月31日(月)
 昨晩眠くて早く寝てしまったため、朝六時半に目が覚めてしまう。しかたなく裏山を散歩。霜柱が立って道はまっしろ。祖父母の墓に供えられた白菊の花にも葉にも白い霜がびっしりとおりている。「初霜の置きまどはせる白菊の花」という古歌の文句はなるほど写実だなとうなずける。子規の言うような技巧だけの歌ではない。

 朝霜の白く菊葉をふちかがり
 落ち葉にも朝霜の化粧ゆきわたり
 朝霜に白くロゼッタ冬を耐え
         虎玉

 椎茸のホダ木からにょっきりと生えているひとつがあまり見事なので、ひとつもぎとって持ち帰る。ざっと洗って春菊、ネギ、にんにくと一緒にアルミホイルに包み、塩胡椒してバターを載せ、くるんでストーブの上で蒸し焼きにする。ぷりぷりしてうまい。うまいが、部屋中ににんにくの臭いが充満する。

 岡山のテレビはあまり大阪の影響を受けていない。むしろ東京の番組に近い。それでもローカルニュースなどでは瀬戸内や四国のニュースが流れる。大晦日なので年越蕎麦の話をしているが、香川ではやはり年越しは讃岐うどんでやるそうだ。「やっぱり蕎麦なんかよりはうどんですよね!」と地元のアナウンサーは豪語しながらうどんをすする。ま、四国の山猿は勝手にうどんでも食ってなさい、という感じですな。
 いや、なにもそこまで言うことはないが。どうもうどんの話になると激してしまうところがある。上方で育った私にとっては、自己主張の激しすぎる讃岐うどんは「邪道」なのですよ。大阪のはんなりうどんがうどん界の王道、ジャイアント馬場の王道プロレスを継承した小橋健太だとすれば、讃岐うどんは妥協なき総合格闘の菊田早苗あたりでしょうか。秋山準は王道を継承しながらもやや過激、そして見栄えにもこだわるという風味で、いってみればうどんすきの風味でしょうか。三沢光晴は天ぷらうどんかな。蝶野正洋は奇面人を驚かすカレーうどんか。

 かなり久しぶりに日本レコード大賞とか紅白歌合戦とかの有名歌番組をちらりとはいえ見たのだが、あれだな、今の日本歌謡界には演歌師とエセミュージシャンしかいないのかと暗澹たる気持ちになりますな。歌謡曲とかポップスとかいったジャンルが、ぽっかりと抜けている。かといってミニモニを見ても、キューティクルの性が悪い小学生の集合にしか見えないのはどうしたことだ。あれじゃ五年以内に禿げるぞ。ハムスターの歌なんか歌っている場合か。ミニモニバスとかいうのは山田邦子のバスガイドのパクリだし。
 猪木祭りはなんか八百長っぽい展開でげんなり。安田なんかにギブアップすんなよ、バンナ。前半四試合がぜんぶ引き分けというのもひどすぎ。

 牡蠣の一夜干しは雨に打たれたのか霜が降りたのか、ぜんぜん乾いていない。いちおう焼いてみたが、焼き牡蠣そのもの。おいしいけどね。それにちょっとしょっぱすぎた。こんどは塩を少なめにして、ストーブの上に五徳を置き、その上で乾燥させてみる。 

昼食 ビビンバ
夕食 点心鍋(ギョウザ、シューマイ、肉団子等を煮込んだ寄せ鍋)
夜食 天ぷら蕎麦

1月1日(火)
 陳舜臣「曹操」を読む。どうやら陳舜臣作品のヒロインは、どうにも私の気に入らないらしい。どうしたことなのだろうか。この本の紅珠といい、「秘本三国志」の小容といい、どいつもこいつも気に食わない。勘定高くて自己保存本能が強く周囲の男をいいように利用し、しかも淫乱と近親相姦の傾向がある。陳舜臣の嗜好を反映しているのだろうか。海音寺潮五郎が中国春秋時代のの近親相姦について「ぼくにはいやらしくてならない話だけど」と言っていたことを思い出す。もっとも海音寺作品も「天と地と」「平将門」など、やたらに肉親への愛にうじうじと悩むいやらしい主人公が多いのだが。どうも、実生活で男らしい性癖の人ほど、作品はうじうじしたものが多くなるようだ。そういえば司馬遼太郎の登場人物はどれも爽快で男らしい。

 弟夫婦来る。大晦日まで仕事、正月に飛行機で岡山へ。翌朝にはまた飛行機で妻の郷里の九州へ行くという。慌ただしいことだ。
 妹夫婦は帰る。夫の郷里である新見に行き、週末に山口に帰るそうだ。
 風邪をひいたらしい。熱がでて寒気がする。漢方薬とホットウィスキーを飲んで寝る。

朝食 おせち料理。雑煮(澄まし汁に煮餅)。
昼食兼夕食 蟹と牡蠣のなべ。焼き蟹。牛肉の網焼き。 

1月2日(水)
 風邪は一進一退。
 母親が作ったベーコンはやたらに煙臭い。聞くと、本に書いてあるその通りに作ったらしく、スモーク棒を四本も使って薫製したそうだ。一本で三時間煙るので、十二時間薫製したことになる。そら煙臭くもなるな。
 そういえば、昔のハムやベーコンはこんな具合に煙臭いものがあった。昔はまじめに薫製していたんだね。スモークサーモンも煙臭かった。だから昔は、薫製はガンになるなどと言われた。いまはあまり煙臭いのは好まれないし、薫製に手間がかかるので、あっさり煙らせるくらいのものばかりだ。いまと昔では食品自体のモノが違うので、いちがいに薫製と一括りにできないのだな。
 漬物もむかしはやたらに塩辛く、沢庵などは「塩のかたちを変えたもの」などと言われていたくらいなので高血圧の元凶とされた。いまの漬物は野菜や発酵の味を生かしたものが多いので、もう高血圧には関係ない。
しかし私の作った牡蠣の干物はガンと関係ある。ストーブの上に置くと三時間でからからに乾いてしまった。本来、表面が乾く程度に一夜干しするのだ。それをさらに焙り過ぎて、黒焦げの惚れ薬のようになってしまった。本来、表面がちょっと焦げたかなくらいにさっと焙ればいいのだ。とうぜん、噛むとクッキーのように砕け、炭の味しかしない。とほほ。

 部屋にはストーブが一日中つけっぱなしである。消すとたちまち厳寒となる。ストーブがあると上になにか載せてみたくなる貧乏性である。おとといはアルミホイルで椎茸とにんにくをバター焼きにしたら部屋じゅうがにんにく臭くなってしまった。今日は椎茸とベーコンをホイルで蒸し焼き。ベーコンが香り高く塩からいので、他に味付けはいらない。

 テレビで「壬生義士伝」というのを見る。新選組の剣術師範だった吉村貫一郎の伝記である。副題が「新選組最強の男」なのだが、新選組には最強がやたらにいるので困る。ただ安心できるのは、こちらが東北弁についてまったく無知なので、アクセントが変だとか用語がおかしいとか気にしなくて済む。京娘のことばが相当変だったことから類推すると、東北弁も怪しいものだが、とりあえず私にはわからないから安心である。

朝食 雑煮(澄まし汁と焼き餅)。
昼食 博多ラーメン。
夕食 カキフライ。鶏唐揚げ。

1月3日(木)
 起きたら雪が積もっていた。昨晩から降り続いたらしい。こちらは五センチほどだが、妹が帰った新見は四十センチだとか。
 風邪は続行。熱と寒気がちょっとある。とりあえず薬で抑える。
 ちょうど赤穂に帰省していたQさんと、大避神社七福神めぐり。こちらは別ファイルで「赤穂ミステリーツアー・岡山県人ユダヤ人説の根拠をさぐる」に置いておきます。

朝食 パン。フルーツヨーグルト。
昼食 トンカツラーメン。
夕食 焼き鳥。豚の角煮。豚ナンコツ。

1月4日(金)
 けさもうっすらと雪が積もっていた。風邪は小康状態。
 親戚一同来る。従姉妹のひとりはずっと小学生の小娘だと思っていたのだが、いつの間にか二十一歳になっていた。浜崎あゆみのような風貌とスタイルになっていて、なんか凄い。
 みんなで墓参りに行く。まっさらの雪の上に、狸のものらしい丸っこい足跡だけがついていた。なぜか墓の前でUターンしている。

狸めに先をこされし墓参り
       虎玉

 新日本プロレスの東京ドーム大会は、あのメインでよく暴動が起きなかったな。あまり物を考えずにつっかかってゆく中西にも困ったものだが、やたらに小川の肩を持つ泉谷しげるはA級戦犯。もうゲストに来るな。

昼食 鰹たたき。ごぼう素揚げ。豚角煮。しめさばかまぼこ。ルッコラサラダ。サーモンマリネ。
夕食 鴨鍋。

 夜の十時に津山から夜行バスで出発。今回は最後尾の席で、リクライニングは倒し放題。席も行きよりは広く、隣が空席なのもラッキーだった。でも深夜に咳をこらえるのは苦しかったが。

1月5日(土)
 道路がやや渋滞していたらしく、予定より一時間ほど遅れて浜松町着。それでもまだ八時。きょうはこのままE島宅の新年会に行かねばならぬ。店が開くまで、新宿の漫画喫茶でインターネットして時間を潰す。

 チーズを買って読売ランドのE島宅へ。きょうは宇都宮先生が厳選するワインを値段別に飲み比べて銘柄を当てるという趣向の会だ。二万円、一万円、四千円、二千円、七百八十円の五種類の98年ものの赤ワインが並ぶ。
 一本目は香り高く、かなり酸味の強い個性のあるワイン。これが一万円のカリフォルニアワインだと思ったのだが、四千円のオーストラリアワイン、「Clarendon Hills」だった。個人的にはこれがいちばんの好み。これで四千円は安い。そのうち買いに行こう。
 二本目はバランスの取れた飲みやすいワイン。バランスが取れすぎていてあまり面白みがない。香り、酸味、渋味、甘味、色、すべて七十点という感じ。すべて円満というこれこそ本家ボルドーの二万円ワインかと思ったが、これは一万円のカリフォルニア産、「Frogs Leap」なのだそうだ。オーナーは変人なのだそうだが、ワインはまともすぎる。
 三本目と四本目は香り、味ともにガタ落ちで、チリの二千円ワインとスーパーの七百八十円。このクラスの酒は私がいつも飲んでいるので、間違えっこない。安ワインとちゃんとしたワインの差は香りに出る。安ワインは香りがしないのだ。デキャンタしても、まともな香りは出ない。
 五本目は渋味が優れたワイン。やや動物性のスパイシーな香り。ケモノっぽいのはオーストラリア産かとおもったのだが、これこそ二万円のボルドーワイン、「Chateau Mouton Rothschild 98」だった。

 高校サッカーは残念ながら作陽高校敗退。帝京、静岡学園と強豪を撃破して二十年ぶりのベスト8に入り、津山市民を騒然とさせた作陽高校だったが、鹿児島実業には及ばず。もっとも、作陽高校イレブンには岡山県人はひとりもいないという話だが。
 つぎに見た百人一首大会はすごかった。名人戦とクイーン戦をやっていたのだが、「あま……」と二文字読んだところでどんどん札を取ってしまう。フェイントをかけたり手を無意味にひらひらさせたりする。クイーンなどは突き指して包帯を巻いていた。あれは格闘技だ。
 さらにすごいのは「世界に羽ばたけ! 百人一首」というタイトルで行われた外国人学校のかるた大会。ふつうの百人一首の札と並んで、なぜかビキニ姿の女性の絵が描いてあるのだ。なんじゃこりゃと思っていたが、これは百人一首早覚えのためのイラスト、いってみれば「イラストで覚える百人一首」ともいうべきものなのだそうだ。で、その意は「ビキニを着た娘→a she in bikini→あしびきの」ということ。いいなあこういうの。

 ワインと日本酒と睡眠不足で酔いが予想以上に廻ってしまい、夕方にはけっこうへろへろ。それでもなんとか家に帰れた。泥棒も入っていないし電気の切り忘れも便座暖房だけでよかった。でも酔いすぎていて、楽しみにしていたチャットにも入れずに寝てしまった。ちっ。

昼食兼夕食 ローストビーフ。チーズ。自家製パン。クラッカー。レバーペースト。生ハム。ニョッキ。


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