ボックスタイプワインは怖い

La Payse

産地:フランス、ラングドック州ルージョン地方 年代:記載なし
購入:ベルーナ(通信販売) 価格:二箱3980円(送料別)
購入日:2004年2月10日 飲用日:2004年2月18日
いっしょに食べたもの:オムレツ、ピザ、タマゴサンド、塩蛋など

 購入したベルーナのパンフレットによると、ボックスタイプのワインはフランスで急激に普及しており、国内消費の6%がこのタイプになっているそうだ。
 NASAが開発した薄い銀色のシートみたいなもので作った袋にワインが入っており、それを紙箱で包んでいる。コックからワインを注ぐと銀袋がしぼむので、空気に触れることはなく、ボトルに比べ長期間の保存が可能だという。その珍しさと、一箱にボトル四本分のワインが入っていて、ボトル換算で一本五百円弱というお買い得さにつられて購入。

 La Payse vin de pays de Coteaux de Peyriacと箱には書いてある。
 vin de paysは地酒クラスの安酒の格付け、Coteaux de Peyriacはフランス最南部、スペインとの国境にあるラングドック、ルージョン地方にある。
 この地方は温暖なのでブドウがざくざく採れ、ワインもざくざく作られている。最近ではきめこまかな製法で上質のワインも作られているそうだが、まあざくざく作ってざくざく飲む安酒と思って間違いない。
 つまり、まごうことなき血統書付きの安酒。

 えらく簡単そうに箱の説明書には書いていたが、箱の一部を破ってコックを引き出すのにコツがいる。さらに、コックのストッパーを外さずに、いくら押してもワインが出ないと悩むこと約十分。
 ようやくプラスチックのストッパーをひっぺがし、コックを押すと、勢いよくジャーとワインがほとばしる。これは一種の快感である。
 色はやや濃いめの澄んだ赤紫。香りはほとんど感じない。口に含むと甘味がまず感じられ、わずかな酸味とほのかな渋味。甘味がややくどいと感じられるが、バランスはかなりいい。ちょっと水っぽいのが惜しまれるが、五百円クラスとしてはまずまずなんじゃないだろうか。

 しかしこのワイン、ジャーと出てくる快感と、残量が見えない安心感から、かぱかぱと飲んでしまい、ボトル四本分にしてはえらく早く飲み干してしまった。ボックスタイプは怖ろしい。


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