図書館員のコンピュータ基礎講座

キーボード

キーボードについて紹介します。

キー配列

【2008-01-28更新】

標準的な英語用キーボードは、ANSI配列(またはASCII配列)と呼ばれるANSI INCITS 154-1988(旧ANSI X4.14-1971、ANSI X4.23-1982、ANSI X3.154-1988)を採用しています。ANSI配列の英字部分は、最上段のキー配列がQWERTYで始まるQWERTY配列(クワーティハイレツ)が採用されています。
英字部分のキー配列には、より効率的な入力を目指してオーガスト・ドヴォラック(August Dvorak,1894~1975)が考案したDVORAK配列(ドヴォラックハイレツ)というものもあります。

QWERTY配列
QWERTY配列
DVORAK配列
DVORAK配列
  • Shiftキーを用いない場合の配列です。
  • 記号部分は仕様によって多少の違いがあります。

標準的な日本語用キーボードは、JIS配列と呼ばれるJIS X 6002-1980「情報処理系けん盤配列」を採用していますが、メーカーなどによって細かな違いがあります。また、JIS配列の英字部分はQWERTY配列に準じていますが、一部の記号はANSI配列とは異ります。JIS配列では仮名が4段に配置されており、ホーム・ポジションを守りながらタイピングすることが難しいため、新JIS配列と呼ばれるJIS X 6004「仮名漢字変換形日本文入力装置用けん盤配列」(旧JIS C 6236)が考案されましたが、あまり普及しないまま廃止されました。

キーボードの種類

【2008-01-28更新】

PC/AT互換機用のものを中心に、標準的なキーボードを紹介します。

101キーボード

101キーボード(ヒャクイチキーボード;101 Keyboard)は、IBM社の「PC/AT」用に開発されたANSI配列の英語用キーボードです。101個のキーが配置されています。

101キーボード

104キーボード

104キーボード(ヒャクヨンキーボード;104 Keyboard)は、101キーボードに2つのWindowsキーと1つのアプリケーション・キーを加えたキーボードです。104個のキーが配置されています。Windows 95と共に登場しました。

104キーボード

106キーボード

106キーボード(ヒャクロクキーボード;106 Keyboard)は、101キーボードを基に、仮名を刻印し、5つの日本語用キーを加えるなどしたJIS配列の日本語用キーボードです。OADGが推奨するキーボードで、106個のキーが配置されています。

106キーボード

109キーボード

109キーボード(ヒャクキュウキーボード;109 Keyboard)は、106キーボードに2つのWindowsキーと1つのアプリケーション・キーを加えたキーボードです。OADGが推奨するキーボードで、109個のキーが配置されています。

109キーボード

OADGが策定したキーボードには、当初のOADG 109と、新型のOADG 109Aの2種類があります。Windowsは国ごとの違いを抑えるため、英語圏には存在しない一部の文字を入力できない仕様としました。そのため、OADG 109キーボードの一部のキーに刻印された文字は、Windowsでは入力できません。OADG 109Aは、Windowsの仕様に従って一部の文字の削除・移動をおこなった仕様です。

キーボード上の該当キーの位置 OADG 109キーボード OADG 109Aキーボード
OADG 109 OADG 109A

親指シフト・キーボード

親指シフト・キーボードは、日本語文章のより効率的な入力を目指して富士通が1979年に開発したキーボードです。同社のOASYSという日本語ワード・プロセッサーで主に採用されていました。

OASYS 100親指シフト
OASYS 100のキーボード
  • 上記の他に、各キーには手前側面に英字と記号が刻印されている。

特殊キー

【2008-01-28更新】

パソコンの特殊なキーを紹介します。

キー 読み 画像 特徴
PC/AT互換機またはPC共通
Alt オルト
オルタネート
Alt AltはAlternate(代替)を意味します。他のキーと同時に押して特殊な動作を指示するために用いられます。例えば、Altキー+Ctrlキー+DeleteキーでPCの再起動、Altキー+F4キーでアプリケーション・ソフトウェアの終了がおこなえます。
BackSpace バックスペース Back Space カーソルの直前の文字を消去します。「BS」と表記されていることもあります。
CapsLock
Caps
キャップスロック
キャピタルロック
キャップス
CapsLock 英字の大文字・小文字の入力を切り替えます。押すたびにオン・オフが切り替わります。オンでは大文字が、オフでは小文字が入力できます。
Ctrl
Control
コントロール Ctrl 他のキーと同時に押して特殊な動作を指示するために用いられます。
カーソル カーソル カーソル 「矢印キー」とも呼ばれる「↑」「↓」「←」「←」の4つのキーです。カーソルの位置を矢印の方向にして上下左右に移動させる、またはウィンドウをスクロールさせます。
Delete/Del デリート/デル Delete 主に、カーソルの直後にある文字を消去します。「Del」と表記されていることもあります。
End エンド End アプリケーション・ソフトウェアによって動作は異なりますが、主に、カーソルを行末へ移動、ウィンドウの最後尾へのスクロールなどの動作をおこないます。
Enter
Return
エンター Enter 改行を挿入したり、入力内容を確定します。
Esc エスケープ Esc アプリケーション・ソフトウェアでの全画面表示の解除などの、取消しの意味で使われることが多いキーです。
ファンクション ファンクション ファンクション PC/AT互換機では「F1」~「F12」などと表記されており、アプリケーション・ソフトウェア固有の機能を自由に割り当てることができます。PC-9800シリーズの一部では「VF1」~「VF5」などと表記されています。
Fn エフエヌ
ファンクション
Fn メーカーが独自に定義した機能を実行します。多くの場合、他のキーとは異なる色で刻印されており、同色文字のキーと同時に押して、音量やモニター輝度の調整、外部モニター接続切り替えなどをおこないます。
Home ホーム Home アプリケーション・ソフトウェアによって動作は異なりますが、主に、カーソルの行頭への移動、ウィンドウの先頭へのスクロールなどの動作をおこないます。
Insert インサート Insert 主に、ワープロやエディタの挿入モードと上書きモードを切り替えます。「Ins」と表記されていることもあります。
NumLock ナムロック NumLock テンキー(数字キー)や一部の特定のキーで数字の入力を切り替えます。押すたびにオン・オフが切り替わります。オンでは数字が入力されます。
PageDown ページダウン PageDown アクティブなウィンドウの内容を、約1画面分文章の後尾方向に移動させます。「PgDn」と表記されていることもあります。
PageUp ページアップ PageUp アクティブなウィンドウの内容を、約1画面分文章の先頭方向に移動させます。「PgUp」と表記されていることもあります。
Pause ポーズ Pause 画面のスクロールを中止します。「Breakキー」または「Pause/Breakキー」とも呼ばれます。
PrintScreen プリントスクリーン PrintScreen Windowsでは、画面全体のスクリーンショットをクリップボードに取り込むことができます。Altキー+PrintScreenキーでアクティブなウィンドウのスクリーンショットのみが取り込まれます。「PrtSc」と表記されていることもあります。
ScrollLock スクロールロック ScrollLock カーソルを移動させないようにします。押すたびにオン・オフが切り替わります。現在ではほとんど用いられません。「ScrLk」と表記されていることもあります。
Shift シフト Shift 英字の大文字・小文字を切り替えるほか、各キーの上下部に刻印された記号等を切り替えます。キーを押しながら入力することで、入力を切り替えます。CapsLockキーを併用すると大文字・小文字の入力が反転します。
スペース スペース スペース 横幅の長い刻印のないキーです。通常は空白(スペース)を入力しますが、日本語入力機能がオンのときには、入力した文字の変換に用いられることが多いです。
Tab タブ Tab アプリケーション・ソフトウェアによって動作は異なりますが、主に、スペースよりも広い空白を挿入する、フォーカスを次の項目に移動するなどの動作をおこないます。
カタカナ/ひらがな/ローマ字 カタカナヒラガナローマジ カタカナ・ひらがな・ローマ字 日本語入力機能がオンのときは、Altキーを押しながらキーを押すたびに、かな入力・ローマ字入力が切り替わります。また、Shiftキーを押しながらキーを押すと、カタカナ・モードになります。キーだけを押すとひらがなモードになります。
半角/全角 ハンカクゼンカク 半角/全角 半角・全角の入力、または、日本語入力機能のオン・オフ(Altキーと併用する場合もある)を切り替えます。押すたびにオン・オフが切り替わります。
変換 ヘンカン 変換 日本語入力機能がオンのときに、入力した文字を変換し、再度押すと候補リストを表示します。
無変換 ムヘンカン 無変換 日本語入力機能がオンのときに、入力した文字を全角/半角のカタカナや数字に変換します。
Windows
アプリケーション アプリケーション アプリケーション 基本的に、マウスを右クリックしたときと同じく、ショートカット・メニューを開きます。
Windows ウィンドウズ Windows 通常は「スタート」メニューが開きます。また、他のキーと同時に押して様々な機能を実行できます。
PC-9800シリーズ
Copy コピー Copy PrintScreenキーに相当します。
Grph グラフ Grph 半角の記号を入力できます。WindowsではAltキーとして機能します。
Help ヘルプ Help アプリケーション・ソフトの使い方などを表示します。
HomeClr ホームクリア HomeClr Homeキーに相当します。
Nfer エヌファー Nfer 無変換キーに相当します。NFERはNot Transfer(無変換)を意味します。
RollUp ロールアップ RollUp PageDownキーに相当します。
RollDown ロールダウン RollDown PageUpキーに相当します。
Stop ストップ Stop Pauseキーに相当します。
Xfer エックスファー Xfer 変換キーに相当します。XFERはTransfer(変換)を意味します。
カナ カナ カナ 押すたびに、かな入力・ローマ字入力が切り替わります。
Macintosh
Clear クリア Clear Control-X を押すのと同様に機能します。BASIC プログラムを書いているときに Control-X を押すと、入力している行が取り消されます。
Command コマンド コマンド WindowsのCtrlキーと近い機能を持ちます。MacintoshでWindows用キーボードを用いる際には、Windowsキーで代用します。「アップル・キー」とも呼ばれます。
Option オプション オプション 「Alt」と付記されていることもあり、WindowsのAltキーに近い機能を持ちます。
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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-