図書館員のコンピュータ基礎講座

JPEGの画質劣化

【2006-11-18更新】

JPEGは任意の圧縮率でファイルを保存できます。圧縮率を高めるに比例してファイルサイズを小さくすることができますが、同時に画質も低下します。どの程度の画質で保存するかの設定は「画質」や「品質」などと画像編集ソフトによって呼び方が異なっています。
JPEGは、細かな模様や色の変化に富んだ部分、色の変化がほとんどない部分には比較的劣化が少ないのですが、平坦な色の背景に黒い線や字が描かれているようなシャープな輪郭が表現されている部分には大きな劣化が発生します。この劣化は、蚊の大群のような細かいもやもやとしたノイズとして現れるため、モスキート・ノイズ(Mosquito Noise)と呼ばれます。次の例でも、空と装飾物(龍の彫刻)とが隣接する部分にノイズが見られます。
このような理由で、JPEGは線画やイラストには向かないと言われています。また、文書などを電子化する際には、白い紙に黒い文字が書かれていることが一般的なので、JPEGで保存する場合には注意が必要です。

部分拡大画像
部分拡大画像
画質が低下するにしたがってモスキート・ノイズが目立ちます。

画質100(50,010バイト) 画質75(20,209バイト)
画質100(50,010バイト) 画質75(20,209バイト)
画質50(10,952バイト) 画質25(7,115バイト)
画質50(10,952バイト) 画質25(7,115バイト)

さらに圧縮立を上げると、ブロック・ノイズ(Block Noise)と呼ばれるブロック状のノイズが発生します。JPEGは8×8ピクセルのブロック単位で圧縮を行うため、圧縮率を上げるとブロックの境界にノイズが発生します。

ブロック・ノイズ
ブロック・ノイズの例

ポイント
JPEG画像を再加工して保存すると、そのたびに演算し直して圧縮されるため、画質は確実に劣化します。JPEGの再加工を繰り返すことは避けたほうが良いでしょう。何度か再編集することが分っている場合には、最初のJPEG画像を、TIFFやPNGなどの劣化のない形式で別途保存して加工し、最後にJPEG形式で保存するのが良いでしょう。

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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-