図書館員のコンピュータ基礎講座

CDとDVD

ここでは、光ディクスのうち、CDおよびDVDならびに次世代DVDと呼ばれているBlu-ray DiscやHD DVDなどについてご紹介します。その他の光ディスクに関しては、LD、VHD等は映像資料の項を、PD、UDO等は記憶装置の項をご覧ください。

CD

【2014-07-27更新】

CD(シーディー;Compact DiscまたはCompact Disk)は、音楽用やコンピュータ用などに幅広く利用されている媒体で、CD-DA、CD-ROMなどの規格の総称で、一般的に最大容量は、650MBです。
グラモフォンと呼ばれる円盤式蓄音機に端を発する音楽・映像業界で誕生した媒体はイギリス英語の「Disc」という表記が多く、コンピュータ業界では、IBMが開発した磁気ディスクに基づくアメリカ英語の「Disk」という表記が多いようです。つまり、どちらの業界で生まれたかで「Disc」と「Disk」の違いが生じています。なお、Appleは、光学記録媒を「Disc」、磁気記録媒体を「Disk」と定義しています。

CDの種類と特徴
方式 読み 読み出し(再生) 書き込み 特徴 ロゴ
CD-DA シーディーディーエイ 可 不可 Compact Disc Digital Audio。音楽用CDのことで、一般的に「CD」と呼ばれることが多い規格です。12cmのものと、シングルCD(CD Single)と呼ばれる直径8cmのものがあります。
液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を素材として用いて音質向上を図ったスーパー・ハイ・マテリアルCD(Super High Material CD = SHM-CD)や、Blu-ray Discの素材と製造技術を応用したブルースペックCD(Blu-spec CD)と呼ばれるものもありますが、規格的にはCD-DAであるため、通常のCDプレーヤで再生できます。
CD-DAロゴ
SHM-CDロゴ
ブルースペックCDロゴ
SACD エスエイシーディー 可 不可 スーパー・オーディオCD(Super Audio Compact Disc)。ソニーとオランダのRoyal Philips Electronics社が共同で開発した、音楽用の新CDフォーマットです。CD-DAよりもクォリティが高いのが特徴です。高密度フォーマットのレイヤには、追加チャネルのデータや、文字やグラフィックスなどのデータを記録できるようになっています。また、別のレイヤにCD-DAフォーマットのデータも記録されており、SACDに対応していないプレーヤーでも再生可能です。 SACDロゴ
CD-ROM シーディーロム 可 不可 Compact Disk Read Only Memory。主にコンピュータ・データ用のCD規格です。データベースなどのコンテンツから、OSやビジネスまたはゲームなどのソフトウェアまで様々な情報を記録するのに利用されます。 CD-ROMロゴ
CD-I シーディーアイ 可 不可 Compact Disk Interactive。CD-ROMの規格を発展させ、コンピュータデータや音楽データだけでなく、静止画や動画を取り入れた家庭用マルチメディア媒体として使用する目的で1986年にフィリップスとソニーによって提案された規定です。この規約はグリーンブックと呼ばれています。CD-Iを再生するには専用のCD-Iプレーヤーが必要です。 CD-Iロゴ
CD-G シーディージー 可 不可 Compact Disk Graphics。音楽CD(CD-DA)の物理構造は同じままで、未使用データ領域に静止画像等のデジタルデータを記録したCDの規格です。CD-Gを再生するには専用のCD-Gプレーヤーが必要で、カラオケタイトルなどとして用いられていることが多いようです。 CD-Gロゴ
Video CD(VCD) ヴィデオシーディー 可 不可 ビデオCD(Video Compact Disk)。映画などのデジタル動画データをMPEG-1(エムペグワン;Moving Pictures Experts Group phase 1)フォーマットで圧縮して記録したCDの規格です。最大74分(80分もある)の動画及び、音楽の記録が可能です。MPEG-1対応のCD-ROMドライブやVideo CDプレイヤー、ゲーム機などで再生可能です。画質はVHSレベルで、映画やカラオケ用として用いられることが多く、日本ではあまり普及していませんが、東南アジア諸国で多く使用されています。 VCDロゴ
CDV シーディーヴイ 可 不可 CDビデオ(Compact Disk Video)。Video CD(VCD)の開発以前に発表された、CDとLDの技術を組み合わせた規格です。音声部と映像部から構成され、前者に最大20分のデジタル音声、後者に最大5分のアナログ動画が記録されています。なお、CDVの音声部のみを用いた規格がシングルCD、映像部のみを用いた規格がVSDです。 CDVロゴ
VSD ヴイエスディー 可 不可 ビデオ・シングル・ディスク(Video Single Disc)。CDVの映像部のみを用いた規格で、最大5分のアナログ動画が記録されています。ディスクにはVSDとLDのロゴ表示、「CDV」という表記があります。 VSDロゴ
Super Video CD (SVCD) スーパーヴィデオシーディー 可 不可 スーパービデオCD(Super Video Compact Disk)。Video CDをMPEG-2(エムペグツー;Moving Pictures Experts Group phase 2)フォーマットに対応させて改良したものです。中国で開発されたChaoji VCD(超級VCD)の国際標準名です。 SVCDロゴ
Photo CD フォトシーディー 可 不可 フォトCD(Photo Compact Disk)。Kodak(コダック)社外部へのリンクが開発した、写真をデジタルデータとしてCD-ROMに記録する規格です。マスター・フォトCD、プロ・フォトCD、フォトCDポートフォリオの3種類があり、マスター・フォトCDのことを一般にフォトCDと呼びます。DPE店などにフィルムを持ち込めば、約100枚分の画像に変換・記録してくれるサービスを提供していました(35mm~4×5まで様々なネガ、ポジに対応)。また、プロの写真家が撮影した写真を記録したものを素材集として販売しているものもありました。Kodakによるサポートは終了しており、フォトCDは後継のピクチャーCDに切り替わりました。
フォトCDには、1枚の写真に対し、解像度の異なる5種類の画像(Base/16~16 Base)が収められています。プロ・フォトCDには、これらに加え、もう1種類の画像(64 Base)が収めることができます。
種類 解像度(ピクセル) フォトCD プロ・フォトCD
Base/16 128×192 あり あり
Base/4 256×384 あり あり
Base 512×768 あり あり
4 Base 1,024×1,536 あり あり
16 Base 2,048×3,072 あり あり
64 Base 4,096×6,144 なし あり
Photo CDロゴ
CD-R シーディーアール 可 追記のみ可
(追記のみ)
Compact Disk Recordable。最大容量は通常の650MBと、700MBの2種類があります。CDと互換性があり、コンピュータを使って音楽を記録したCD-Rを音楽CDプレーヤーで再生することもできます。 CD-Rロゴ
CD-RW シーディーアールダブリュー 可 可 Compact Disk ReWritable。最大容量は通常の650MBと、700MBの2種類があります。この規格で書きこんだデータは、CD-ROMドライブでは読むことができなかったのですが、マルチリード型と呼ばれる最近のCD-ROMドライブでは読むことができるようになっています。また、CD-RWには、一般のもの、書き換え速度を論理上4倍速から10倍速まで高めたHigh Speed CD-RW、16倍速から24倍速まで高めたUltraSpeed CD-RWなどがあり、書き込みには対応したドライブが必要です。 CD-RWロゴ
High Speed CD-RWロゴ
UltraSpeed CD-RWロゴ

CDの記録面
CD-DA 8cm CD-DA CD-ROM CD-R CD-RW

シングル・セッションとマルチ・セッション

CD-RとCD-RWに書き込む際には、データの前後に記録の始まりを示すリードインと記録の終わりを示すリードアウトが記録され、これらのひとまとまりをセッションと言います。このセッションが1つだけ記録された(ディスク全体にデータを一気に書き込んでしまう)のものをシングル・セッション(Single Session)またはディスク・アット・ワンス(Disk At Once = DAO)、複数のセッションが繰り返し記録された(データを分けて書き足していく)ものをマルチ・セッション(Multi Session)またはインクリメンタル・ライト(Incremental Write)と呼びます。マルチ・セッションでは、容量の範囲内で最大99セッションまで追記できます。

シングル・セッションとマルチ・セッションの概念図

ディスク・アット・ワンスで1度書き込むと、ディスクに容量が残っていても追記することができません(もちろん、CD-RWは初期化すれば再度上書きすることができます)。市販の音楽CDやCD-ROMは、このディスク・アット・ワンスで記録されているため、CD-RやCD-RWで音楽CDを作成する場合も、この方式で書き込みをしないとCDプレイヤーなどで再生されません。
インクリメンタル・ライト方式には、トラックというデータ単位ごとに書き込んでいくトラック・アット・ワンス(Track At Once = TAO)と、1回だけ追記できるセッション・アット・ワンス(Session At Once)があり、2つを合わせてプリマスタリング(Pre-mastering)と呼びます。さらに、トラックよりも小さなデータ単位であるパケットごとに書き込んでいくパケット・ライト(Packet Write)もあります。ちろん、CD-RWは、全てまたは最後のトラック(パケット)を初期化すれば再度上書きすることができます。
セッション・アット・ワンスは、CD-Extra(シーディーエクストラ)という名称で販売されている音楽CDなどで用いられている方式です。この方式のCDでは、最初のセッションに音楽が、次のセッションにコンピュータ可読用の文字や画像デーなどが記録されており、音楽専用のCDプレイヤーでは音楽のみが再生でき、パソコンなどでは画像や文字情報を見ることができるようになっています。
パケット・ライトはフロッピー・ディスクなどと同じようにパソコンのデータなどを記録するために考案されたものです。

方式 特徴
ディスク・アット・ワンス(シングル・セッション) 1度のみ書き込み可
インクリメンタル・ライト
(マルチ・セッション)
プリマスタリング トラック・アット・ワンス トラック単位で追記可
セッション・アット・ワンス 1度だけ追記可
パケット・ライト パケット単位で追記可

イメージ・ファイルとオン・ザ・フライ

事前にデータをハード・ディスクなどに一旦作成しておき、それをCD-RやCD-RWに書き込むようにすると書き込みの失敗などを防ぐことができます。この、事前に作成するファイルのことをイメージ・ファイル(Image File)と言います。これに対し、データを逐次読み出しながら書き込んで行くことをオン・ザ・フライ(On the Fly)と言います。

ポイント
CD-RとCD-RWは書き込み可能なので、フロッピーディスクやMOなどのコンピュータ・データ記録用の次世代メディアとして開発されています。映画や音楽などのAVソフトの形ではほとんど発売されていませんので、図書館の蔵書対象となることは少ないでしょう。また、CD-IやCD-Gも流通量が少ないため、蔵書対象になることは少ないと思います。Photo CDは書き込み可能ですが、素材集などの形で市販されているものは蔵書対象になる可能性があります。

ポイント
CDをメディアから見ると、読み取り専用のCD-ROM、追記のみ可能なCD-R、書き換え可能なCD-RWと、3つのメディアに分類できます。そしてCD-DA、CD-ROM、CD-I、CD-G、Video CD、Photo CDは、メディアとしては同じCD-ROMに属するのですが、音楽記録用のCD-DA、コンピュータ・ファイル用のCD-ROM、マルチメディア用のCD-I、音楽と静止画を入れたカラオケ用のCD-G、動画用のVideo CD、デジタル写真用のPhoto CDなど、用途によって記録フォーマットが異なっているものだと言えます。そして、フォーマットが異なっているので、れぞれ対応しているプレーヤーやドライブでしか再生できません(もちろん、複数のフォーマットに対応したプレーヤやドライブも存在しています)。

ポイント
一般的なCDの2倍、1.3GBの最大容量を持つDDCD(ディーディーシーディー;Double Density CD = 倍密度CD)という規格もあります。DDCD-R、DDCD-RWなどの製品があり、読み出しや書き込みには専用ドライブが必要です。


CDCD-Rロゴ DDCD-RWロゴ

ポイント
CDの規格は、その規格書の表紙の色から、それぞれ、CD-DAはレッド・ブック(Red Book)、SACDはスカーレット・ブック(Scarlet Book)、CD-ROMはイエロー・ブック(Yellow Book)、CD-Iはグリーン・ブック(Green Book)、CD-Extraはブルー・ブック(Blue Book)、CD-R/RWはオレンジ・ブック(Orange Book)、Video CDはホワイト・ブック(White Book)、DDCはパープル・ブック(Purple Book)とも呼ばれます。

DVD

【2008-01-19更新】

DVD(ディーヴィディー;Digital Versatile Disk)は、次期世代の大容量の光ディスクで、様々なDVD規格の総称(規格母体)です。

DVDの種類と特徴
方式 読み 読み出し(再生) 書き込み 特徴 ロゴ
DVD-ROM ディーヴィディーロム 可 不可 DVD Read Only Memory。読み出し専用の規格です。主にコンピュータ・データ用ですが、映画や映像作品の記録用にも用いられます。最大容量は、片面1層記録で4.7GB、片面2層記録で8.5GBです。 DVD-ROMロゴ
DVD-Video ディーヴィディーヴィデオ 可 不可 現在最も普及している規格です。その名の通り、映画などの動画再生用に用いられます。MPEG-2フォーマットで圧縮された画像を、ディスクの両面に記録することも可能ですが、片面に2層(デュアルレイヤー)記録する方式が主流になりつつあります。また、音声チャンネルには最大8カ国語(8ストリーム)、字幕等(サブピクチャーと呼ばれる、字幕、メニュー画面、図形等)は最大32カ国語(32ストリーム)収録できます。最大容量はDVD-ROMと同じです。
なお、中国には、MPEG-4を採用したHDVD(エイチディーヴィディー;High Capacity DVD、別名:H-DVD)や、規定のフレーム数を拡張したXDVD(エックスディーヴィディー;eXtended DVD)などの、DVD-Videoよりも高い圧縮を採用した独自規格があります。これらは、動作保証はないものの、一般的なDVDプレーヤーで再生できる場合が多いです。
DVD-Videoロゴ
DVD-Audio ディーヴィディーオーディオ 可 不可 その名の通り、主に音楽再生用の規格です。最大容量はDVD-ROMと同じです。 DVD-Audioロゴ
DVD-R ディーヴィディーアール 可 追記のみ可(追記のみ) DVD Recordable。主にコンピュータ・データ用の規格で、DVD-ROMやDVD-RAMとも互換性があります。一般用のDVD-R for Generalと、業務用のDVD-R for Authoringという規格があります。バージョン1.0とバージョン2.0があり、バージョン1.0の最大容量は片面3.95GB、両面で7.9GB。バージョン2.0の最大容量は片面4.7GBです。 DVD-Rロゴ
DVD+R ディーヴィディープラスアール 可 追記のみ可(追記のみ) DVD Plus Recordable。DVD+RWアライアンスがDVD+RWの追記版として規格化しました。最大容量は片面4.7GBです。 DVD+Rロゴ
DVD-RAM ディーヴィディーラム 可 可 DVD Random Access Memory。DVDフォーラムが規格化した、主にコンピュータ・データ用の規格です。専用のカートリッジに収納されており、DVD-ROMやDVD+RWとは互換性がありません。最大容量は、片面4.7GB、両面9.4GBで、約10万回の書き換えが可能す。また、DVD-RWとDVD+RWは、データを消去する場合にディスクを初期化しなければなりませんが、DVD-RAMはファイル単位での消去が可能です。 DVD-RAMロゴ
DVD-RW ディーヴイディーアールダブリュー 可 可 DVD ReWritable。DVDフォーラムが規格化した、主に映像記録用の規格です。DVD-R for Generalと互換性が高く、DVD+RWとは互換性がありません。最大容量は片面4.7GBで、約1,000回の書き換えが可能です。 DVD-RWロゴ
DVD+RW ディーヴイディープラスアールダブリュー 可 可 DVD Plus ReWritable、別名PC-RW(ピーシーアールダブリュー;Phase Change ReWritable)。DVD+RWアライアンスが規格化した、主にコンピュータ・データ用で、DVD-ROMと互換性が高い規格です。最大容量は、最初は3.0GBでしたが、現在の最大容量は片面4.7GBで、約1,000回の書き換えが可能です。 DVD+RWロゴ

2層記録

DVDは、相変化光ディスク2層書換え記録技術により、ディスクの片面に2層に情報を記録すること(2層記録)が可能になっています。

記録方式 容量(CDとの比較) 再生時間
片面1層 4.7GB(CD7枚分) 133分
片面2層 8.5GB(CD13枚分) 242分
両面1層 9.4GB(CD14枚分) 266分
両面2層 17GB(CD26枚分) 484分

リージョンコード

DVD-Videoのソフトには、リージョンコード(Region Code、別名:リージョナル・コード(Regional Code))と呼ばれる地域コードが記録されていることがあります。これがプレーヤーのコードと一致しない場合は再生できません。また、リージョナルコードが一致しても、テレビ標準方式が合わないと見ることができません。海外で購入したDVDソフトが国内のプレーヤーで見られないことがありますので注意が必要です。複数のリージョナルコードに対応するマルチリージョン・プレーヤーというものも販売されています。

コード 主な地域
0又はALL どの地域でも利用可能(非公式)
1 米国、カナダ、プエルトリコ等の米国統治領
2 日本、欧州、南アフリカ、中東、エジプト
3 東アジア、東南アジア、香港
4 オーストラリア等の大洋州、メキシコ等の中米、カリブ諸島、南米
5 旧ソ連諸国、北朝鮮、モンゴル、南アジア、アフリカ諸国の大部分
6 中国

ポイント
このように、CDやDVDには様々な規格があります。同じように見えてもメディアの規格とプレイヤーやドライブの規格が合っていないと再生・書き込みができませんので気をつけましょう。
書き込み可能なDVDドライブは、DVD-R、DVD-RWが書き込み可能なものと、DVD+R、DVD+RWが書き込み可能なものの2つに大きく分かれています。最近では、規格の異なるDVDを扱うことのできるドライブも発売されています。

ドライブの種類(呼び方)と対応メディア
ドライブの種類 対応メディア
デュアル・ドライブ DVD-R/RW、DVD+R/RW
マルチ・ドライブ DVD-R/RW、DVD-RAM
スーパー・マルチ・ドライブ DVD-R/RW、DVD+R/RW、DVD-RAM
ハイパー・マルチ・ドライブ DVD-R/RW、DVD+R/RW、DVD-RAM、DVD-R片面2層記録、DVD+R片面2層記録

上記表の「/」(スラッシュ)は、「および」という意味です。例えば、DVD+R/RWは、DVD+RおよびDVD+RWを意味します。

また、DVD±R/RWなどと書かれたドライブなどがありますが、そのような規格があるわけではありません。「±」は「+」と「-」の両者を含むことを意味します。つまり、DVD±R/RWは、DVD+R、DVD-R、DVD+RW、DVD-RWを意味します。

ポイント
ゲーム機専用の光ディスク規格もいくつかあります。
GD-ROM(ジーディーロム;Gigabyte Disk Read Only Memory)は、セガのドリームキャス用にセガとヤマハが共同で開発した光ディスクです。CD-ROMをマルチセッションにした独自のフォーマットにより1GBの容量を実現しています。

GD-ROM GD-ROMロゴ

PSP(ピーエスピー;PlayStation Portable = プレイステーション・ポータブル)に用いられるUMD(ユーエムディー;Universal Media Disc = ユニバーサル・メディア・ディスク)は、直径6cmのディスクをカートリッジに収めたもので、容量は1.8GBです。ゲーム用のPSP Game、MPEG-4を採用した動画用のUMD Video、ATRAC3plusを採用した音声用のUMD Audioなどがあり、各カートリッジには記録方式を示すマークが印字されています。UMD VideoにはDVD-Videoと同じようなリージョンコードが設けられています。

UMD UMDのマーク印字
PSP Gameのマーク UMD Videoのマーク UMD Audioのマーク
Game Video Audio

ポイント
NECは1999年にMVDISC(エムヴイディスク;Multimedia Video DISC)という独自の光ディスク規格を開発しました。ディスクの直径はCDやDVDと同じ12cmで、カートリッジに納められています。最大容量は片面で5.2GB、両面で10.4Gバイトです。同社が1996年に開発したMMVF(エムエムヴイエフ;Multi Media Video File)という書き換え可能な相変化光ディスクを採用しており、動画データをMPEG-2、音声データをMPEG-1 layerIIで記録します。本規格は廃止されました。

MVDISC MVDISCロゴ

次世代DVD

【2011-05-19更新】

次世代DVDとは、DVDの後継となることを目指して大容量化を実現した光ディスクのことです。通常はBlu-ray DiscとHD DVDを指します。

次世代DVDの種類と特徴
方式 読み 読み出し(再生) 書き込み 特徴 ロゴ
Blu-ray Disc ブルーレイディスク 可 可 別名BD(ビーディー)。ソニー、松下電器産業などがに共同開発した次世代DVD規格です(2002年2月に規格策定を発表)。ディスクは12cmで、青紫色レーザーを採用しています。最大容量は、1層25GB、2層50GBです。BD-ROM、BD-R、BD-REの規格があります。
また、BDXL(ビーディーエックスエル)という新しい規格も開発されており、ディスクの再生、書き込みには新しい機器が必要です。記憶容量は3層100GB、4層128GBです。BD-R XL、BD-RE XLの規格があります。
Blu-ray Discロゴ
BDXLロゴ
HD DVD エイチディーディーヴイディー 可 可 High Definition DVD。東芝とNECが共同開発した次世代DVD規格です(2002年8月にDVDフォーラムに提案)。ディスクは12cmで、青紫色レーザーを採用しています。最大容量は、片面単層15GB、片面2層30GBです。HD DVD-ROM、HD DVD-R、HD DVD-RW(HD DVD-ReRecordable)、HD DVD-RAM(HD DVD-Rewritable)などの規格があります。2008年2月に東芝が全面的な撤退を発表した。 HD DVDロゴ
EVD イーヴイディー 可 不可 Enhanced Versatile Disk。北京阜国数字技術(Beijing E-world Technology)という業界団体が2003年11月に開発した中国独自の次世代DVD規格です。ディスクは12cmで、赤色レーザーを採用しているなど、DVDとほぼ同じ仕様ですが、映像および音声の記録形式がDVDと異なっています。最大容量は、片面2層で9.4GBです。 EVDロゴ
CBHD シービーエイチディー 可 不可 China Blue High Definition。清華大学光盤国家工程研究中心(Optical Memory National Engineering Research Center = OMNERC)が2007年9月に開発した中国の次世代DVD規格です。ディスクは12cmで、青紫色レーザーを採用しています。HD DVDを応用して開発された規格で、当初はCH-DVD(シーエイチディーヴイディー;China High Definition DVD)と呼ばれていました。最大容量は、片面単層15GB、片面2層30GBです。 CBHDロゴ

ポイント
Blu-ray Discには、DVDと同じようにリージョンコードが導入されました。次の通り、DVDのものとは値域の設定が異なります。
HD DVDにはリージョンコードは導入されませんでした。

コード 主な地域
フリー どの地域でも利用可能
Aまたは1 南北中米、東南アジア、日本、朝鮮半島、台湾及びそれら海外領土
Bまたは2 ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オセアニア及びそれら海外領土
Cまたは3 中央・南アジア、中国、ロシア、モンゴル
参照・参考文献
<CD>
  • CD-R/RWの基本 : 超ビギナーのパソコンQ&Aムック (MYCOMムック ; Q&Aと図解でわかる保存版シリーズ) 毎日コミュニケーションズ, 2001.9 [b]
  • Welcome to Orange Forum Web Site / オレンジフォーラム [w * Wayback] 2002.4.18
<DVD>
  • DVDのすべてがわかる本 : 次世代の記憶メディア / 井川陽次郎著 日本実業出版社, 1996.8 [b]
  • 記録型DVDの基本 (Q&Aと図解でわかる保存版シリーズ) 毎日コミュニケーションズ, 2003.10 [b]
  • GO! GO!! DVD!!! [w * Wayback] 2002.3.13
  • DVD基礎知識 (Disc Mania) [w] 2002.3.13
ページのトップへ
CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-