5−2 派遣研修員随想
これから、海外旅行だったらいくらでもできる。観光だったらできるけれども、小学校、中学校を見学できることってないよなあ、ホームステイをすることはないよなあ…というのが一番の気持ちで、研修の論文を書きました。
ホームステイ先のDr.ValはBenton中学の校長先生です。2日めの朝、7時に校門の所に立って、スクールバスで来る生徒達に「Good morning」のことばかけをしていました。絵を持っている子がいると、「Oh,beautiful、good」と声かけをして、ケーキを持っている子がいると「なあに?私にくれるのかな」と冗談を言い、「これは学習に使うのか?」とか「調子はどう?」とか、言っていました。私もその横で「Good morning」を通じるかなという不安をもちながら、言っていました。その時、アメリカと日本と国が違っても子どもに接する先生の気持ちって同じなんだなあと思いました。声をかける先生に対する子ども達の表情も同じです。一生懸命に説明をしたり、気軽に声をかけていったりしていました。7時30分になるとDr.Val自身が門を閉めます。まだ入っていない子に「ほら、急いで」と笑いながら言っていました。「入れなかった子はどうするんですか」と聞いたら、事務室の入り口からサインをして入るということでした。それが2回、3回になると、保護者を呼ぶそうです。それから、帽子をかぶってはいけないらしく、取り上げて、帰りにとりにいらっしゃい、自転車も鍵を預かっていて、後でとりにいらっしゃいで、Dr.Valが鍵の束を持っていました。規則で決められているところは厳しく(といっても穏やかでしたけれど)あなた達のことを知りたいのよというアプローチはやさしく―
次の朝も、Dr.Valと一緒に7時から門に立って「Good,morning」が、子ども達に届くようにと思いながら言っていました。
3日めの夜は、高校のfootbollの試合に連れて行ってもらいました。ラミラダでやる試合は年に1回というので、市長さんを始め、たくさんの人が来ていました。イスにひく毛布を持って、防寒のジャンバーを着こんで行きました。Dr.Valは選手をさして「あの子も卒業生よ」「チェアガールの子もうちの卒業生よ」と言って挨拶を交していました。応援したラミラダ高校が、12ー8で勝って、こちら側のベンチは皆でヤッターと騒ぎました。
日本に戻って来て、次の日、学校に行った朝、子ども達に「おはよう」を言った時、子ども達から「お帰りなさい」ということばをもらった時ー この仕事があってよかった、と心からおもいました。……やはりこの経験は、観光だったらできません……
ノーウォーク・ラミラダ教育事務所の皆さん、小学校、中学校、高校の先生方、サンタモニカを案内してくださったGTEの方、そしてホームステイをさせてくださったDr.Val等々 本当にお世話になりました。貴重な体験をありがとうございました。