堤小学校 2009.1


週刊墨教組 No.1562           2009.3.18


都人事委員会は、政府・財界の
   総人件費削減政策に追随するな!
     都に働く労働者の声を尊重すること
     給与水準の引き上げこそが経済不況の打開策


 
都労連は、三月四日、都人事委員会に対し、「二〇〇九年人事委員会勧告作業に関する要請書」を提出しました。席上、この間、都人事委員会が、政府・財界の総人件費削減政策に則った極めて悪質な政治的な勧告を行ってきたことを厳しく糾弾し、「公民比較方式」を従前に戻し、労働基本権の代償措置としての中立な第三者機関としての役割を果たすこと、そのためには、都に働く労働者の要求を尊重する姿勢を示すことを強く要求しました。
 民間労働者の賃金を削減し、それを基に公務員給与を削減し、公務員給与削減がさらに民間労働者の賃金を削減するという、極悪のスパイラルを断ち切り、経済不況を打開するためにも、給与水準の引き上げが強く求められています。民間では、厳しい状況の中、賃金引き上げを求めて闘われています。人事院、都人事委勧告に向けた、私たち公務労働者の闘いが始まったのです。

「給料表のフラット化」を止めること

 都人事委員会は、給料表を作成する際に、昇給カーブをフラット化させてきました。一定の年齢を越えた職員が将来や生活設計に不安を持たざるを得ない構造を作ってきました。教員の場合、「一般教諭」はほぼ五〇歳で昇給しなくなります。そして、都の主張を受け入れ、差別・分断を拡大する「主任教諭」給料表を勧告してきました。
 職員間に競争原理のみ押しつけ、「上位級」に昇任しなければ生活に必要な給与が確保できない、とする考えは誤りです。新自由主義=市場原理主義の破綻が、世界中を巻き込んで混乱させていることを教訓とすべきです。「上位級」に行かなくても、真面目に教育活動に専念している職員がやる気を失わない給与水準を保障すべきです。
 フラット化の緩和、号級増設など2級給料表を改善すること。さらに、国に追随することなく、教職調整額の改悪、義務教育等教員特別手当のさらなる引き下げを行わないこと。
地域手当を「本給」に繰り入れること
 国家公務員に導入された「地域手当」は、地方と中央などの格差社会を前提にしたものです。全国展開している国家公務員と異なる地方公務員に、無理矢理適用することに誤りがあります。給料と地域手当の配分変更は、年金や退職金に影響します。影響を最小限にするためにも、地域手当を「本給」に繰り入れるべきです。

人事考課制度を交渉事項とすべき
 都当局は、人事考課制度を管理運営事項として、交渉事項にすることをかたくなに拒否しています。昇給・昇任・異動等、労働条件変更の大きな要素になっている人事考課制度は、当然交渉事項となるべきものです。「公正・公平、透明性、客観性、納得性」のある人事評価制度を確立するため、すべての業績評価の本人開示、相対評価の廃止、苦情処理制度の改善、自己申告制度の見直しなど、人事考課制度については、「労使協議を尽くすよう」都人事委員会は勧告すること。




主任教諭選考結果発表される
 3月6日、都教委より2009年度の主任教諭選考結果が発表されました。今回の選考は2年間の経過措置として、区分1(過去6年間主任等を2年以上経験。職務レポートを免除)と、区分2(教職経験8年都歴2年以上、1000〜1500字の職務レポートが必要)に分けての選考でした。選考結果は下表のとおりです。区分Tの受験者も相当数不合格とされています。現実に「主任」として勤務させてきたにもかかわらず、その勤務実績がまったく認められないというのはおかしいことです。




チャリティーコンサート&トーク  ほうせんかの夕べ
 毎年9月、関東大震災において虐殺された朝鮮人を追悼するために荒川河川敷で韓国・朝鮮人殉難者追悼式が行われています。主催するのは「グループほうせんか」。発足当初から、史実を伝え事件を風化させないために追悼碑を建立することも大きな目的としてきました。2009年夏、とうとう、墨田の地に追悼碑が建てられます。これは日本と韓国・朝鮮の人たちとの和解と相互信頼のスタートになると信じます。この追悼碑建立のために収益金のすべてが使われるチャリティーコンサートが開かれます。
 4月29日(水・休日)
  2時半開場 3時開演 6時40分終了
 曳舟文化センター

入場料 高校生以上 2500円(当日3000円)
小中学生 2000円(当日2500円)

  前売り券については、組合書記局へお問い合わせください。


愛国心のおしつけ
「日の丸・君が代」強制
教育の格差

NO!
今こそ声をあげよう!
教育を子どもたちのために
4.25集会

4月25日(土)
13:30開場 14:00開会

会場 九段会館
地下鉄東西線・半蔵門線・新宿線九段下駅A4出口1分


特別講演
「教育と自由」私の研究生活から
益川敏英さん

2008年度ノーベル物理学賞受賞
「九条科学者の会」呼びかけ人

パネルディスカッション
小森陽一さん
木附千晶さん
藤田英典さん
本田由紀さん

主催者趣意書より要約抜粋
 2006年12月、教育基本法が変えられました。新しい法には道徳や愛国心が強調され、子どもたちが「こうでなくてはならない」ということが書かれています。子どもたち一人ひとりに寄り添うような視点は感じられない法の下で、子どもたちは激しい競争にかりたてられています。とくに東京では、「日の丸・君が代」強制を始め、命令と管理による締め付けで教育の自由が失われています。
 子どもたちの未来を守るのは大人の責任です。ともに考え行動を始めるためにみんなの力を結集しましょう。


週刊墨教組 No.1561           2009.3.2

職場要求、若干実現
 「安全衛生委員会」、来年度から設置
 小・社会科見学、業者との契約内容の改善
 小・中、外国語の講師 ニーズに則した業者を選択
 野外体験活動、宿泊費に補助



二〇〇九年度墨田教組予算要求に対し、二月二五日、区教委から回答がありました。回答は、委員長・副委員長に対し、区教委からは庶務課長・学務課長・指導室長・すみだ教育研究所長からあり、若干の意見交換を行いました。

労働安全衛生体制を確立し、安全で快適な職場環境を!
 労働安全衛生法が一部改正され、二〇〇六年四月一日から施行されています。改正内容は「メンタルヘルス対策」が主です。官民を問わず、メンタルヘルスケアーが深刻な社会的な課題となっているのを受けての改正です。この改正を受けて、文科省は、二〇〇六年四月三日付けで、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」の通達を都道府県知事・教育長等宛に出しました。改正法の規定は二〇〇八年四月一日から適用されることから、各地教委は体制を整えることが義務づけられました。墨田区教は、一年遅れですが、都費教職員を対象とした、「安全衛生委員会」を設置することを組合に約しました。

快適な職場で安全に健康に働く
 今回の「労働安全衛生法等の一部改正」は、「メンタルヘルス対策」が主です。しかし、墨田では、今年度も、二〇代・五〇代の方が年度途中で退職を余儀なくされています。また、病気休暇に追い込まれている方も少なくありません。指導室は、「必要な対策は講じている」と回答していますが、私たちには「対策」は何も見えません。回答を疑わざるを得ません。「心の病」が重くのしかかっている深刻な現実を重要視すべきです。
 学校職場における教職員の労働安全衛生活動は、最も遅れをとっています。労働者の安全と健康に関する事業者責任については労働安全衛生法に規定があります。私たちもその規定の対象です。労働安全衛生法は、刑事罰を伴う法律であり、事業者には民事上の「安全健康配慮義務」が課せられています。何をすればもっと働きやすくなるのか、職場にいる私たちこそが、お互い知恵を出し合い、職場改善にとりくむことが大切です。
 能力・業績主義や上意下達による管理強化が「心の病」を増加させている、と指摘する精神科医もいます。また、管理職による「パワハラ」や長時間労働が原因の場合もあります。「安全衛生委員会」の設置が、即座に問題解決をするものではありませんが、各職場の「生の声、現状」が公の場で検証されることになります。

野外体験活動宿泊補助
 一泊につき四一二五円を上限として補助(二五〇〇円は保護者負担)
   二泊を限度とする。
※金額には不満があるものの、保護者負担の軽減が制度化されたことは評価します。
  ただし、新指導要領で示されている「宿泊活動」の充実が、制度新設の根拠になっていることは、今後宿泊数「増」に繋がる恐れがあり、問題点を含んでいます。宿泊行事の「増」には、@「労基法違反の勤務実体が解消されていない」こと、A教科授業の確保の面から組合は反対しつづけています。
小・社会科見学
  見学施設先の予約等についても、委託内容に含める。

 資料
 文科省四・三通知(抜粋要旨)
1.長時間労働者への医師による面接指導の実施
2.労働時間の適正な把握について
  各学校における勤務時間の適正な把握に努め、労働時間を記録し、保存
3.労働安全衛生体制の整備
  産業医の選任等、一層の整備
4.労働安全衛生に係わる教育について

2009年度
 組合行事予定

 4月22日 総会
(5月27日 女性部)
 6月24日 教研集会
10月28日 教研集会

どの日も水曜日、3時から


「主任教諭」職の選考結果
 三月六日(金)
  新たに「主任教諭」の「任用研修」を通知

 当初、都教委は二月下旬に選考結果を発表するとしていましたが、都教委予定より申し込み者が多く、選考実務に時間を費やし、一週間遅れとなりました。
 選考結果に先立ち、都教委は、二月一二日付けで「主任教諭の任用時に実施する研修の概要について(通知)」(右資料)を発し、新たに「主任教諭」の研修を義務づけました。
 「主幹」が充足できない、小学校の副校長が足らないため、中学校教員から小学校副校長を任用せざるを得なくなっている現状は、都教委の管理強化方針が破綻している証しです。学校職場を上意下達の命令系統で縛っていくことに学校現場はNOを突き付けているのです。

資料(引用者が要約 )

区市教育委員会教育長他宛 
20教セ経第236号 平成21年2月12日
主任教諭の任用時に実施する研修の概要について(通知)

 平成21年度から新たな職として主任教諭が任用されるのに伴い、教職員研修センターでは下記のとおり任用時研修を実施します。

主任教諭任用時推進者研修

目的 各所属校で実施する演習形式での主任教諭任用時研修が適正かつ円滑に行われるように推進役を養成する。
対象 主任教諭のうち校長が推薦する者(原則として1校あたり2名)
実施期間と回数 5月11日(月)から5月29日(金)までの指定した日(半日程度1回)
会場 東京都教職員研修センター他
内容 主任教諭の役割と期待されること、各学校での主任教諭任用時研修の進め方他

主任教諭任用時研修
目的 「学習指導力」「生活指導力・進路指導力」「外部との連携・折衝力」「学校運営力・組織貢献力」など様々な場面で、同僚教員や若手教員への指導的な助言や支援を行うとともに、主幹教諭の補佐、各分掌間での業務の調整など学校運営上の重要な役割を積極的に担当するための資質・能力の向上を図る。
対象 平成21年度に任用される主任教諭
場所 各所属校において校長の指導監督の下で実施
回数 原則として60分程度の研修を3回実施
内容 東京都教職員研修センターが作成する研修テキストに示す内容等

研修の詳細については3月中に通知する。

第28回 再び許すな東京大空襲!
追悼碑巡り 反戦平和の集い
3月7日(土)
◎追悼碑めぐり 午前10時
 地下鉄東西線門前仲町駅 出口5
三菱東京UFJ前に集合
法乗院えんま堂の十日地蔵尊
冬木弁財天の戦災殉難殃死者供養の石碑
永代寺の観音像 堀ビル前の鉄の地蔵
平久橋の戦災殉難者供養塔
西須崎橋脇の戦災殉難者供養塔
◎反戦平和の集い 午後0時から2時半
須崎神社集会所 江東区木場6―13
懇話会 「憲法と平和」
鈴木篤さん(江戸川法律事務所弁護士)
※懇話後、昼食と懇談 味噌汁は用意されますが、弁当類はご持参ください。




週刊墨教組 No.1560           2009.2.16

「人事考課制度」に抗する
  「評価は公平・公正・客観的で納得性をえられるもの」
  デタラメな「評価」、差別昇給を許すな!
開示を求める
  開示請求期間 、墨田区は三月二日〜三月六日



 都教委は、「平成二〇年度 東京都区市町村立学校教育職員定期評価本人開示実施要領」を区教委を通じて校長に配布し、「開示」について、教職員に周知徹底することを指示しています。「人事考課制度は人材育成、能力開発が目的」と都は再三説明してきましたが、この制度に対する職員の不満は強く、職員のモラールダウンを招く結果になっていることが指摘されてきました。人事考課制度は、私たちの労働条件である昇任・昇格・昇給・異動等にリンクしています。組合は人事考課制度を「交渉事項」として、その改善を強く要求してきました。その結果、「第一次評価」だけは開示されているものの、「特別昇給」に直接関係する第二次評価(相対評価)は、今年度も不当にも非開示です。不満ですが、人事考課制度を暴走させないためにも、業績評価の開示を要求し、説明を校長に求め、不当な評価、昇給を是正させましょう。

「開示申請書」は全員に配布 
 「開示申請書」と「定期評価本人開示の実施について」を開示の希望有無に係わらず全教育職員に配布することを校長は指示されています。昨年度、「校長を信用できないのか」と自分勝手な主張を行い、「開示申請書」等を配布しなかった校長がいます。また、「開示申請書」を机上に置いておくだけで、何ら説明をしない校長もいます。この類いの校長は、開示がよっぽど嫌なのでしょう。
 都教委は「本人開示は、教育職員の人材育成、能力開発に資することを、目的とする」と述べています。また、「開示の際には、評価者である校長と被評価者である教育職員とが、面接を通して十分な意見交換を行い、共通理解を深めるようにする」とも述べています。開示申請がなくても、評価者である校長には、「人材育成・能力開発」の視点から、評価結果を当人に説明する義務があります。「申請書」を配布しない、配布しても説明しない校長は、よほど「開示」をしたくないのでしょう。評価に自信がないからだと推察されます。
 昨年度は、開示申請者が一昨年度と比べて全都的に増加しました。墨田区教委は、三月二日〜三月六日を開示申請期間としています。当然の権利として、開示申請を行いましょう。

「デタラメ評価」を許すな!
 二〇〇〇年度に、人事考課制度が強行導入されて以来、都は組合の開示要求に対し、その必要性は認めるものの、その実行を拒んできました。拒む背景には、都教委からみても、区教委による校長ヒアリングを通しても、「開示に耐えられない評価」が少なからずあったからでしょう。校長は職員に対し、年度当初に評価基準(校長が求める水準)を示さなければなりません。その基準に照らし、校長は指導助言を各職員にすることになっています。少なくとも、中間面接(一〇月)ではそのことがなされていなければなりません。しかし、昨年度、ある学校では、評価基準を提示せず、しかも中間面接では指導助言の類は一言も発言していないにもかかわらず、総合評価には不当にも「C」をつけた校長がいます。今年度も、年度当初に評価基準(校長が求める水準)を示していない校長がいます。一月の下旬になって、あわててアリバイ的に授業観察を行っている校長、観点別評価の「重み付け」を今頃になってプリントして配布している校長もいます。こうした校長は、「評価」を「人材育成、能力開発に資する」のではなく、「評価」に対する「苦情」に向けてのアリバイ工作をしているだけと断ぜざるを得ません。「デタラメな評価」がなされている可能性が大です。校長は、二月二三日頃から始まる、ヒアリングに際し、「勤務成績に基づく昇給における昇給者の推薦名簿」(特昇名簿)を区教委に提出します。「人事考課制度」に抗するためにも、「公平な推薦」、「開示」・「説明」を求めていきましょう。
 

平成20年度 東京都区市町村立学校教育職員
定期評価本人開示実施要領

東京都区市町村立学校教育職員の人事考課に関する規則第15条第3項に基づき、定期評価の結果について本人開示を行う。
 本人開示は、評価項目ごとの評価結果を教育職員が認識することで、優れている点についてはさらに伸ばし、十分でない点については今後改善していく契機とするとともに、校長及び副校長が教育職員の人材育成を進めていく基礎とするものである。開示の際には、評価者である校長と被評価者である教育職員とが、面接を通して十分な意見交換を行い、共通理解を深めるようにする。
 教育職員の人材育成、能力開発を一層推進していくため、平成18年度から、開示を希望する教育職員全員に対し、第一次評価(絶対評価)の結果を開示している。
 なお、開示された評価結果を継続的に人材育成に活用していく観点から、「業績評価結果を踏まえて実施する教育職員の指導育成」については、定期評価本人開示と合わせて実施する。
 また、人事考課制度の信頼性を高め、教育職員の人材育成、能力開発を一層推進する観点から、開示された評価結果に係る苦情相談の仕組みを設けている。

墨田区教委二〇〇九年度予算案における主要事業
 学校ICT化基盤整備 一億四八八八万円
 小・中学校野外体験活動の宿泊助成
 小学校英語活動の推進
 学力向上「新すみだプラン」の推進 基礎学力定着副教材の作成等
 学校管理業務の民間委託拡大(菊川小・二寺小・三吾小・隅田小・吾一中)
 校舎・体育館の耐震強化の推進、トイレ改修(洋式化・ドライ化)
 学校図書館システムの導入拡大


 墨田区の二〇〇九年度予算案における教育委員会の主要事業に関し、二月一〇日、区教委から説明を受け、若干の意見交換を行いました。主要事業に関するプレス発表部分は資料の通りです。プレス発表部分以外にも、既定事業の予算増が明らかにされています。墨田教組が予算要求したものが部分的に具体化されているものの、「学校ICT化」、「小学校英語活動の推進」、「学校管理業務の民間委託の拡大」、など事業の具体化にあたり、今後、監視と是正を求めるものも予算化されました。


学校のICT化の推進
 国の「ICT政策大綱」の具体化として、学校でのICT化基盤整備を行うものです。教職員全員にパソコンを貸与し、校内・校間・区教委をネットで結ぶとのことです。セキュリティー、ソフトの選定や使用範囲等については、今後現場の意見・要望を聞き、「実施要綱」を作成し、秋ころから各校の工事を始め、一月中の配備完了を予定しているとのこと。
 ICT化で最も危険なのは、「情報セキュリティ」の問題です。墨田区教委には、「情報セキュリティ要綱」はできていません。一部の学校では、「要綱」を作成しているかもしれませんが、多くの学校では「要綱」がなく、「セキュリティ」問題は、各個人の判断に委ねられています。「校務の軽減」が優先されて「セキュリティ」が疎かにされてはなりません。
@安心・安全なネットワークの確保、
A個人情報(児童・生徒、保護者、教職員)が守られる保障の二点がクリアーできなければICT化を具体化すべきではありません。
 なお、区教委は、組合に対し、「出退勤」には使用しないこと明言しています。

学校管理業務の民間委託
 来年度から、菊川小・二寺小・三吾小・隅田小・吾一中への、学校管理業務の民間委託を拡大することを明らかにしました。民間業者への業務委託は、「人材派遣」ではなく、「請負契約」で行われます。給食調理業務の民間委託と同様に、「請負契約」上の法的制限を受けます。組合は、委託反対の立場から、「偽装請負」状況になっていないか、各学校から情報を得て区教委に是正を求めていきます。

小・中学校野外体験活動の宿泊助成
 野外体験活動では、援助対象の児童・生徒には助成がありますが、一般児童・生徒には宿泊に対して補助がありませんでした。そのため、各学校では「安価な宿泊場所」を確保することに苦労してきました。今回、一人当たり四、一二五円を最大に補助金が計上されています。





週刊墨教組 No.1559           2009.1.19

人事考課制度にあくまでも反対する
  人事考課制度は賃金を低く抑える制度
  「主任職選考」、五〇〇〇人は不合格か
「主任教諭職」導入を機に
  都教委、自己申告書の改悪、「OJT」の四月導入を企図


 二〇〇〇年四月から導入された、「自己申告・業績評価」を中心とした人事考課制度の帰結として、「主任教諭職」が四月から導入されます。人事考課制度は、新自由主義路線を公務部門で具体化したものです。校長の学校経営方針を前提にした「職務・能力・職責」に応じた、成績主義=競争主義に基づいた人事管理です。このことは、学校職場で長年にわたって培われてきた協力・協働を意図的に崩し、校長→副校長→主幹→主任教諭→一般教諭ラインを軸とした上意下達の学校運営を強行するためのものです。成績主義=競争主義が民間では、すでに破綻しつつあります。特に、一般職ではモラールの低下が甚だしいことが指摘されています。それを補うためにか、都教委はアメリカから輸入した「OJT」=「人材育成」方策を四月から、強行しようとしています。都教委のオリジナルな方策ではなく、またしても、アメリカのコピーです。うんざり!

 「主任教諭職」の選考に一八、四三七名の方が申し込んだそうです。都教委は、今年度の任用数を一三、五〇〇人としています。都教委の予想以上の申し込みだそうです。「下がった給料が上がるなら」と申し込んだ人が多いと察しますが、人件費の削減が大前提ですから、約五〇〇〇人の方が不合格になるのではと推測できます。
人件費を低く抑えることを大前提にしているのが人事考課制度です。一部の人の賃金だけを優遇する差別賃金制度なのです。姑息なアメとムチを駆使した制度です。成績主義=競争主義とは無縁のところで日々の教育活動に打ち込んでいきましょう。「OJT」・自己申告書の改悪に抗して、人事考課制度に取り込まれるのではなく、あくまでも反対していく意志を鮮明にしていきましょう。

OJT 都教委説明概要
        全文


週刊墨教組 No.1558           2009.1.7


謹賀新年  墨田区教職員組合執行委員会
反戦 反核 反差別 護憲
憲法に基づいた教育を!
憲法改悪反対!




すみだ春秋37

小野忠重と藤牧義夫


 版画家・版画史研究家として知られる小野忠重は、一九〇九年、本所小梅瓦町に生まれ、小梅尋常小学校を卒業している。
 一九三二年、小野は、版画の大衆化を目指して、藤牧義夫、柴秀夫、吉田正三、武藤六郎、水船六洲らと〈新版画集団〉を結成し、本所小梅の自宅を発行所とする機関紙『新版画』を創刊している。
 藤牧義夫は、一九一一年、群馬県館林に生まれ、十六歳で姉を頼って上京し、浅草区神吉町の履物店の二階に間借りし、図案工房のトレース工で貧しい生計をたてながら、版画に打ちこんでいたのだった。
 小野は、孤愁がただよう藤牧の風姿について、「今日耳にする不況どころでなく、まさに殺人的なその頃だ。貧しい自分の周辺に、積み重なる生活のいたましい傷口を見つけ、耐えられない自らのくらしの不安をおしかえすように、彼の三角刀は、木のうすはだをするどくえぐっていった。」と回想している。

 藤牧は、生活圏であった隅田川周辺の風景を版画にしている。『新版画』第14号には、小野宅への途中に渡った向島の「まくら橋」を発表している。
 そして、結核が悪化する身体に鞭打ち、藤牧が編集責任者となった『新版画』第16号「都市貫流特輯号」(一九三五年四月)では、「雪」「白ひげ橋」を発表する。
 「自作に就いて」という文章には、しずかさをたたえながらも、希みがみなぎっている。

  「雪」
 今年めずらしく大川端の雪を美しく見る事が出来た。大川端の雪と云ふと何か有り相ですが、この図には何も無い、有るのは雪ダルマ。二日ばかり降りつゞいたので、下駄の鼻緒が濡れたのが冷たくて、時々気になり乍ら歩いた。少々現代的らしからぬ風景から取り上げたものです。

  「白ひげ橋」
 夕闇が色彩を奪つて行く。白く光る川水は立派に時代を生きて流れて行く、鉄橋が夕空に向かつて言つた。『俺は俺でガンバル、君は素敵な大きな図体の様だが君でも僕の存在を無視しやせぬだらうね』と。大空が鉄橋に答へて一言さけんだ、『そうだとも』。通って居る人には何も聴ゑなかつたらしいが僕は聞いた。だからこそ大空を描き、鉄橋を描き、人を描き、川を描き、白ひげ橋の図で御座いと云ふ事が出来るんです。

 それから、四ケ月後の九月二日、死期を覚悟した藤牧は、浅草の家を引き払い、向島の小野宅を訪れ、大きな風呂敷包み二つにまとめた自作と書籍類を手渡し、版画の仲間たちへの謝罪と感謝をくりかえし、立ち去ったという。その後の藤牧の消息は、全く途絶えてしまう。

 なお、藤牧は、一九三四年前半に、小野の仲介で本所図書館所蔵の葛飾北斎「隅田川両岸一覧」を閲覧している。藤牧は、これに触発されて、それぞれが十四メートル以上もある長大な四巻から成る『隅田川絵巻』を、「終日川岸を去らな」いで、「飲まず食わずの苦行僧の狂熱」で、描きつづけていたのだった。
 姉に託されたこの絵巻が、数奇な来歴をたどって発見されたのは、一九七七年のことであった。
     (長谷川 政國)



週刊墨教組 No.1557           2008.12.15


「主任教諭職」導入に際し、
  人事考課制度にあくまでも反対する



 私たちの反対を押し切り、都教委は、二〇〇九年四月から、「主任教諭職」を学校現場に導入します。導入と一体のものとして教育職員の給与制度が大改悪されました。この、大改悪こそ、二〇〇〇年四月からしゃにむに進められた、「自己申告・業績評価」を中心とした人事考課制度の帰結といえます。
 私たちは、文部省(現在文科省)・都教委による様々な管理強化に対して、闘い、抵抗してきました。一九七九年には「主任制」の導入に対して、墨田教組は単独ストライキで闘い、導入強行の後は、各職場で「主任制」の形骸化にとりくんできました。多くの職場で、「主任」を中間管理職(校長の手先)として機能させてきませんでした。「主任制」の形骸化に対し、「主任制」に変わるものとして都教委は二〇〇二年に「主幹」職の導入を強行したのです。私たちの息の長い闘いがあったからこそ、「主任制」導入後、二〇年以上も経過してからのことです。しかし、「主幹」選考への応募者が少なく(資料1)、未だ、充足していないのが現状です。
 学校職場には、人事考課制度=競争主義は定着するはずがありません。協力・協働を最も大切にしているのが学校職場だからです。協力・協働が失われたとき、学校職場は崩壊します。「主任教諭職」導入を節目に、今一度、人事考課制度の「ねらい」について考え、人事考課制度にあくまでも反対する立場を堅持していきましょう。


「自己申告」・「キャリアプラン」から解き放たれる
業績評価の枠外の存在?

 校長が示した「学校経営方針」の範囲内で自己目標(自己申告)、また自己の能力の伸長目標(キャリアプラン)を設定し、その達成度合を評価し(業績評価)、給与に反映させていくのが人事考課制度の具体化です。
 今回の教員給与制度の大改悪により、現行給料表二級一三〇号以上の人は、「主任教諭職」に昇任しなければ、四月から適用される新給料表二級では、全て一七七号になります。一七七号以上の号俸は無いために、業績評価が良くても昇給しません。つまり、「自己申告」・「キャリアプラン」等、業績評価の枠外の存在になるのです。何と気が楽になることか。毎年、校長と面接して、くどくど言われることから解放されるのです。「アメとムチ」よサヨウナラ。しかも、「二級教諭の職務内容・職責は相対的に軽減される」と都教委は答えています。「主任教諭」に昇任しなければ、良いこともあるのです。


資料



墨田教組作成資料集
「成績主義は人間の内面を必ず退廃させる
 『人事考課制度』導入にあくまでも反対する」
2000.1.31より

考課制度は集団を戦闘化するためのもの

 そもそも、人事考課制度とは、ある組織の目的・方針の実現に向けて、組織を強化するためのものです。その強化を、構成員を評価し、評価結果を処遇(給与、昇任・昇格、異動)に反映させるというアメとムチにより、個々の構成員を競わせることによって実現しようというのが人事考課制度です。その意味で、闘う組織をより戦闘化するための制度だと言われています。(木下武雄鹿児島経済大学教授「日本教育新聞」5314号1999.12.17)

近年の人事考課制度は金儲け主義に出自
 成績主義原理に基づく人事考課制度が、民間企業に導入されたのは利益第一主義、金儲け主義の戦闘集団として企業を再編成するためでした。とくに近年、高度成長が見込まれなくなった中で、大きさがみえてしまったパイを奪い合わざるを得なくなりました。そうした企業間競争に勝利するための戦闘集団づくりのための成績主義導入―その具体化としての人事考課制度採用です。また、利益を確保・上昇させるためにはコスト(その最大のものは人件費)をさげねばならず、そうした目的のために人事考課制度を導入・強化したのでした。
 考課制度そのものは、「科学的な理論に立って」と装いも新たにして採り入れたと言っていますが、その本質―成績評価によって処遇を決める競争主義により、集団をより戦闘化させるーは何ら変わっていません。しかも、近年は自己申告なる名のもとに、ノルマをあたかも自主的に設定したかの形をとりながら、実は、労働を質と時間の両面で、より強化する方向で考課制度を再編成・導入するという狡猾なやり方がまかりとおっています。
 この民間の動向をも受けた形で、行政機関においても、行政の効率化の名のもとに成績主義・競争原理の導入が叫ばれ、人事考課制度が強化されています。今回の教員への人事考課制度導入もこうした流れの一環です。

〈なかま〉〈ゆとり〉〈決定権〉の喪失
 働く者個々を競わせて評価し、処遇するという競争原理に基づく人事考課制度は、働く者を限りなく孤立・分断させて、働かせるものとなります。
 また、競争は働く者を追い回し追い回し、余裕・ゆとりを無くさずにはいません。
 さらに、人事考課制度は、民間企業にせよ、行政機関にせよ、上が設定した目標・方針なり、基準なりの範囲内で自己目標を設定し、その達成度を評価するという形をとりますから、個々の働く者あるいはその集団の決定権は確実に制限され、あるいは無視されます。
 熊沢誠氏は「能力主義と企業社会」(岩波新書)の中で、「働き続けていける職場」に必要な三要素として〈ゆとり〉〈なかま〉〈決定権〉を上げています(「週刊墨教組」一二四一、一二四七号参照)。成績主義に基づく人事考課制度は、それがいかなる形をとろうが、こうした三要素をなくすものとして作用します。

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週刊墨教組 No.1556           2008.12.2

二〇〇八、賃金確定
 
「教員給与の大改悪」糾弾!
 
新「教育職給料表」を四月から適用
    現給料表二級一三〇号給以上は退職まで昇給なし
 
「主任教諭」職の選考、四月一日任用開始

勤務時間の短縮、一日七時間四五分
    早期実施に向けてすみやかに協議に入る



 〇八賃金確定闘争は、都当局が頑なに自らの主張に固執する中、@「教育職員人事制度」、A現業系職員の給与水準=業務職給料表を重要課題として厳しい闘いになりました。
 「労働条件は労使合意で自主解決」の立場を双方が尊重する中、十一月十七日二〇時四五分から都労連委員長と都当局の交渉責任者である副知事が会談し、@教育職員の職務段階別加算、退職手当(調整額区分)についての経過措置、義務教育等特別手当の引き下げを四月に先送り、専修実習助手選考(短期)受験資格の下限年齢引き下げ、A業務職給料表の見直しの水準引き下げを一五%から八%への圧縮、実施を一年先送りする、交通局現業職員の給料表は現行通りとするなどの最終判断が副知事から示された。その後、交渉で細部をつめ、一八日四時一五分に最終団交が行われました。
 私たちにとっては、「教員給与水準の大幅な引き下げ」、「主任教諭」職の四月一日からの任用など、「教員は不満をもっても何もできない」と見透かされた結果の決着と言えます。極めて不満です。

@年末一時金二.一五月分(再任用一.二二五月分)を
一二月一〇日に支給(条例通り)
A二〇〇九年一月からマイナス勧告実施
  「所要の調整」は三月期の期末手当で実施
B教員給与制度の見直し(大改悪) 

・一月〜三月までは小中給料表
・二〇〇九年四月一日新給料表へ「直近上位」で切り替え
  新給料表の最高号俸以上の者は、「現給保障」
=「現給との差額を給与として支給」を実施。
(一時金・退職手当算出の本給扱い)
・一時金の職務段階別加算の見直し(資料1)、
二年間経過措置を設ける(資料2)
・退職手当の調整額区分の見直し、
二年間経過措置を設ける (資料3)
・義務教育等特別手当の引き下げ 
二〇〇九年四月一日実施 (資料4)
・「主任教諭」四月から任用(選考を行う)
   「主任教諭」職の給料表新設
C労働時間の短縮、(一日七時間四五分)
  早期実施に向けてすみやかに協議に入る
D現業賃金、平均八%引き下げ、二〇一〇年四月実施
E介護休暇取得に係わる昇給上の取り扱いについて見直し
  介護休暇に係わる欠勤等の日数の欠勤について
一日を1/2日換算
F期末手当における在職期間の除算事由から部分休業を除外
(次世代育成支援)
G子どもの看護休暇の見直し
  九歳に達する日以後の最初の三月三一日までの間にある子が複数いる場合には、六日以内で必要と認められる期間を取得できるものとする。ただし、子一人につき五日を限度とする。(仕事と子育ての両立を支援)
H病気休暇を時間単位で取得できる要件の拡充
I再雇用職員及び専務的非常勤職員の介護に係わる欠勤の取扱いの見直し
J引き続き協議
 住居手当の在り方、メーデー職免、
高齢期の継続雇用制度のあり方、
セクハラ防止対策、 メンタルヘルス等






戦術委員会 交渉決裂か? 苦悩の結論 
 十一月十七日、東京教組戦術委員会は十八時三十分から開催された。例年は、執行部に交渉妥結を一任することで短時間で終了してきた。しかし、「都教委が今年度中に何が何でも、学校職場を新自由主義路線の具体化=職務・職責による人事管理の徹底を図ろうとすることに対し、東京教組が黙して屈服するのか」、「妥結の前提条件は何か」、「『教員給与制度の大改悪』と『主任教諭の任用』は、今後、特に若年教員の生活に大きな影響を及ぼすことは必至」。「『差別・選別』の基になっている『業績評価』に対する疑義」など、闘いをめぐって各単組代表による論議が二時間にわって伯仲した。@都労連との統一行動を重視する、A賃金確定は、都労連と都当局の交渉で決まる、妥協はやむを得ない、B「主任教諭職任用」については、都労連が妥結しても東京教組は「解明要求」を追加し、交渉を続ける、Cストライキを打つ準備が不十分な単組が多い、ことで戦術委員会は意志一致がなされた。文字通りの戦術委員会が開催されたことは、今後の闘いにプラスを残すことができた。

都当局の詭弁、「職務・職責に応じた給料」
 四月から、「主任教諭」の導入が強行されます。都当局は「職務・職責・能力に応じた給料」に制度を改悪しました。しかし、現在、「主幹」が充足せず、「主幹が兼務する必置主任の職責」や「主幹が担う職責を」実体的に「一般教員」が担っても、「主幹職の給料」は支払われていません。一日二〇〇円の主任手当が支給されているに過ぎません。四月からは、主任手当は廃止されます。都教委は、「主任教諭が任用されると一般教諭の職責は軽くなる」と言っています。「主任教諭職の選考」がなされても、学校現場に必要とする「主任教諭」が充足するとは予想できません。当然、その職責は、「一般教諭」が現実的には担うことになります。その場合でも、都は「主任教諭職」の給料を支払うことはしません。形式的にも「主任教諭」の冠があれば「主任教諭職の給料」を支払うにすぎません。「職務・職責」なんか関係ないのです。ただ、都教委は、「主任教諭選考」を踏み絵とするに過ぎないのです。都教委の本性がまたも露になりました。





新たな「教育職給料表」はあきらかな賃金引下げだ。
 この給料表は、安心して働く学校職場を破壊する。
       上へ上への経済的圧力wをかけて、教職員を分断しようとする。
 しかし、私たちは、この攻撃に屈することも負けることもない。
(グラフはイメージです。正確ではありません)

2008.11.22




週刊墨教組 No.1556           2008.11.18

労連、労使合意で自主解決を重視
 不満!「教員給与水準の大幅引き下げ」
    「主任教諭」職の導入強行
    差別・選別を許すな!
 勤務時間の短縮、一日七時間四五分早期に実施せよ

 〇八賃金確定闘争は、都当局が頑なに自らの主張に固執し、解決に向け困難を極めました。しかし、「労働条件は労使合意で自主解決」の立場を双方が尊重する中、内容的には極めて不満な部分を残しつつも、双方の歩みよりにより、自主解決を図るとして、十八日午前二時〇八分に都労連は、実力行使を中止することを決定しました。
 これを受け、東京教組は、都労連との統一行動を前提にしていることから、三時〇二分に本日早朝の実力行使を中止しました。
 今賃金闘争は、業務職給料表(現業系職員)の見直し、教員給与制度を、「職責・能力・業績」に応じた制度へと大改悪し、教員給与を大幅に引き下げる攻撃との闘いでした。都人事委員会は、都の意向に沿って、
@小中高教員を一本化した新給料表
A新たな職の設置に対応した「主任教諭」職の給料表
B給料表におけるフラット化の促進等
を勧告しました。さらに、都は
C一時金の職務段階別加算の見直し
D退職手当の調整額区分の見直し
E義務教育等特別手当の大幅引き下げ等、
教員給与を大幅に引き下げることを提案してきました。
これに対し、組合は、給与構造のあり方は、給与水準や人事給与制度の基本となるものであり、労使協議事項として位置付け、労使合意で整理・解決することを主張し、交渉を強化してきました。
 また、「主任教諭」職を新たに設置する必要性について、組合の追求に対し、都教委は何の具体的な根拠も示すことができないまま、「主任教諭」職の選考を一方的に実施することを明らかにしました。極めて不満が残るものです。今後も都教委に対し、さらなる解明要求を提出し、闘いを続けていくことになります。
 労働時間の短縮については、国が四月一日から一日七時間四五分となることを受け、都の決断を強く求めました。
 都の最終提案は次の八点です。

都側の最終提案の概要
@二〇〇九年一月からマイナス勧告実施
A年末一時金二.一五月分を一二月一〇日に支給(条例通り)
B「所要の調整」は実施
C労働時間の短縮、一日七時間四五分 早期実施に向けすみやかに協議に入る
D業務職給料表の見直し(現業系職員)
・給料表の水準を平均八%引下げ 二〇一〇年四月一日実施
E技能主任職昇任選考 ・選考種別及び受験資格の見直し
F福祉関連 子どもの看護休暇改善
G教員給与制度の見直し 
・「現給保障」を前提に、新給料表への切り替え 二〇〇九年四月一日実施
・一時金の職務段階別加算の見直し、二年間経過措置を設ける
・退職手当の調整額区分の見直し、経過措置を設ける
・義務教育等特別手当の引き下げ 二〇〇九年四月一日実施
・「主任教諭」職の導入 二〇〇九年四月一日実施
 選考実施、職務レポートと勤務実績。職務レポートは受験会場で出題された課題について記述。
二年間(〇九・一〇年度)は経過措置あり
◆職務レポートは出題された課題について記述したものを期日までに提出
◆二〇〇三年度以降に必置主任等の経験を二年以上有するなど、一定の有用な職務経験・実績があると認められる者については、職務レポートは免除


学校現場は、協力・協働で成り立っている
 「賃金が低いと思うなら、上級職に昇任すればいい」  何と私たちを愚弄した都当局のとんでもない考え。「主任教諭」や「主幹」、管理職に成りたくて働いている人ばかりではありません。自分の仕事に誇りを持って生きがい、働きがいを感じて頑張っている教員が多くいるからこそ、学校現場は成り立っているのです。一生涯、「一般教員」で何が悪いのですか。「一般教諭」から「主幹」が助言を受けることは多々あることです。一定の経験や知識の蓄積を持っているものが業務をリードしていることは当然なことです。こうしたことを通じて「一般教諭」も職責を担っている現状があるのです。現場の実体を無視した競争原理の徹底、成績主義による管理強化、給与水準の引き下げは、必ずや学校教育を破壊していくでしょう。

第6回分会長会
11月25日(火)
 5時半より
 組合会議室で



刊墨教組 No.1555           2008.11.7

二〇〇八 賃金確定闘争勝利! 
    教員給与制度の大改悪阻止
    賃金切り下げを許さない!
  不当な都当局の新たな提案
  勤務時間の早期短縮を求める
 闘い無くして生活は守れない



 二〇〇八年賃金確定闘争は、都の賃金削減政策を全面的に受け入れた、極めて政治的な勧告の具体化阻止、教員給与制度の大改悪阻止、勤務時間の短縮、福祉関連要求実現、再任用制度の改善等を重要課題として交渉が強化されています。そうした中、教員賃金制度に対し、都は
@義務教育等特別手当(人材確保法による手当)の切り下げ、
A一時金の職務段階加算の改悪、

B退職手当の調整額区分の改悪、
C現額保障(四月から適用予定の新給料表への移行措置)
を新たに提案してきています。労働条件は、労使交渉で決めるのが法的な大原則です。闘い無くして生活は守れません。

昇給カーブのフラット化、
高齢職員を狙い打ち


 昨年に引き続き、都人事委員会は地域手当の引き上げ(一四.五%→一六%)に伴ない、管理職層の引下げは緩和し、高齢層の本給引下げは一.八%と強くし、昇給カーブのフラット化を推進する給料表を勧告した。(栄養士給料表参照)「地域手当の引き上げによる本給の引き下げは、総額を変えない」ことを原則にしていたにもかかわらず、不当にも地域手当分までもフラット化した。
 このことにより、高齢層では民間給与との均衡ではなく、マイナス較差の拡大となる。また、本給を下げることにより、退職手当の水準を下げることになっている。
 このまま実施されれば、退職手当の四年連続の引き下げになり、到底認めることはできない。

新たな不当な都の提案

(1)義務教育等特別手当(給与明細書H欄)の大幅削減
 二〇〇六年度に、閣議決定された教員給与の全体を二.七六%削減する具体化として、昨年度、政府は、二〇〇八年度については、義務教育等特別手当を三ヶ月分(二〇〇九年一月〜三月)三.八%→三.〇%に引き下げ、義務教育国庫負担金を都道府県に交付することを決めています。さらに、文科省は二〇〇九年予算案では、三.〇%→二.二%に引き下げる方針を固めていると言われています。これに乗じて、陰険な都当局は全人連のモデル案を上回る二五%以上の削減案(下掲資料)を提案しました。認めない。


(2)教員の職務段階別加算、退職手当の調整額の改悪案

  職務・職責をより一層反映していくとともに、年功的・一律的な仕組みを是正するとして改悪案(上掲資料)を提案しています。組合は、給料表や給与構造を考える場合、まず生計費保障を基本とすることを当然なものと考えます。しかも、学校は協力・協働を要とした組織で成り立っています。「主幹」・「主任」「一般教員」の職務・職責を明確にし、その職責を常に追求する職場とはなっていません。常に個々の職責を追求することになれば、協力・協働の組織は崩壊し、有機的なより効果的な教育活動が成り立たなくなるのは自明のことです。職務を踏まえつつ経験年数で加算する現行の枠組みは、生計費保障に職務と責任を加味したもので、職場実態から見ても問題ないものです。

「現額保障」を提案

 小・中・高を一本化した「新給料表」を都人事委は勧告しました。現在の号級をそのまま適用すると、高齢層は大幅な賃金切り下げになること、また若年層間では不均衡が生じることになります。そこで、「現額保障」という措置がとられることになります。
 例えば、2級の145号の人を、「新給料表」の145号に適用すると、マイナス二一、〇〇〇円になります。そこで、現額保障を実施するには、最高号給である2級の177号に切り替えます。しかしそれでも、現給に達しないので、マイナス八、二〇〇円を差額として加算し、現給を保障することになります。退職手当の算定基礎にもなります。
 こうした考えで、全号給が切り替えられます(上掲シュミレーション参照)。

※ 現額保障 労働条件を一方的に切り下げることは法的にできない。今回、高齢者の賃金を大幅に引き下げる給料表を都人事委は勧告したが、これを一方的に適用することはできない。そこで、都は「現額」を保障することを提案せねばならない。



11月12日(水)
第一波統一行動
5時半より
拡大分会長会
多くの分会員の参加を!



週刊墨教組 No.1554            2008.10.21

二〇〇八 賃金確定闘争勝利! 給与改定には応じられない!
  教員給与制度の大改悪  新給料表を撤回せよ!

   教員給与、中・高年齢層の大幅引き下げ!
   小・中教員と高校教員の給料表を一本化「教育職給料表」新設
   新たな職「主任教諭」職の給料表新設
   月例給4年連続のマイナス 
   ボーナスは改定なし、四・五〇月
   勤務時間の一五分短縮は実施時期を明示せず


 一〇月一六日、東京都人事委員会は、都知事と都議会議長に対し、都職員の給与等の勧告・報告を行った。国をはじめ多くの自治体では給与改定見送り(現状維持)の勧告だった。しかし、都人事委は、4年連続となる例月給の引き下げ(〇.〇九%、三七二円)に加え、地域手当の支給割合の引き上げ(一四.五%から一六%)に伴う本給引き下げ、しかも、昨年以上の昇給カーブのフラット化の推進により、高齢層は最大一.八%の不当な引き下げ勧告を行った。ボーナスは、公民較差がゼロであり、四.五月で改定なしとした。
 さらに、教員給与については、小・中と高校教員給料表の一本化や「新たな職=主任教諭」職の給料表の設置に合わせ、若年層「優遇」と中・高年齢層の大幅引き下げをセットにした給与制度の改悪を勧告した。「新たな職=主任教諭」級の設置は、単に給与の問題だけではなく、学校運営組織の改悪を助長するものであり、職場に新たな混乱を引き起こすことになる。新設された「教育職給料表」では、中・高齢層の本給が約一万円〜二万四千円の引き下げになっており、断固撤回を求める。
 労働条件は、労使交渉で決めるものです。二〇〇八年賃金確定闘争は、十一月十八日の山場に厳しい闘いが予想されます。全力をあげてとりくんでいきましょう。勧告・報告の骨子は次の五点です。


1.月例給(本給)の引き下げ(教員は〇九年三月まで)
 公民較差(〇.〇九%、三七二円)を是正。地域手当の支給割合の引き上げ(一四.五%から一六%)に伴う引き下げ分と合わせて、給料月額を引き下げ。《裏面資料「二〇〇八年度勧告」》
 ※引き下げにあたっては、月例給の引き下げとあわせて昇給カーブのフラット化の推進。初任給付近は〇.〇%〜高齢層は一.八%引き下げ(昨年は一.七%)
2.ボーナスは改定なし 公民較差ゼロ。
3.四月からこの改定の前日までの公民較差相当分を解消するため、所要の調整を行うこと。(昨年は、年度末手当で調整)
4.教員給与《裏面資料参照》
  〇九年三月までの給料表と〇九年四月からの小・中と高校教員給料表を一本化した「教育職給料表」(2級)の新設。「新たな職=主任教諭」級(3級)の設置。「主任手当の廃止」
 「教育職給料表」(2級)では、若年層は引き上げ、中高齢年層は大幅引き下げ。
 新2級・3級とも早期のフラット化。 
5.勤務時間の短縮
 一日当たり七時間四五分、一週間当たり三八時間四五分とすることが適当。実施時期は明示せず、「都民へのサービス低下を来さないことを見定めて決定すること」と条件をつけている。
 
教員の給与制度の大改悪を許すな
 都人事委員会は、教員給与について、二〇〇八年度の現行給料表の改定と二〇〇九年四月から実施予定の新たな「教育職給料表」を勧告しました。特に、二〇〇九年四月から実施予定の「教育職給料表」は、給与制度の大改悪を強行する内容のものです。
 都は、「教員の職務には校種による差異は認められず、免許制度も同一基準となっていること、中高一貫校の設置」などを理由に、「校種によって給料表を区別する意義がなくなっている」として、小・中教員給料表と高校教員給料表を廃止し、「教育職給料表」を新設して一本化しています。新設に伴い、一般教諭の給料表(2級)水準を若年層は増額とし、中高年齢層では大幅な引き下げとなっています。
 「主任教諭」の給料表の新設は、私たちが強く反対してきた、「主任教諭」の導入を可能とするものです。「主任教諭」の導入は、学校運営組織の改悪=上意下達の運営組織の完結を企図したものであり、職員会議の否定をも意味するものです。
 また、今回の給料表の新設に伴い、一般教諭(2級)、「主任教諭」(3級)、主幹(4級)給料表とも、早期のフラット化がなされています。その結果、若年層の水準が引き上げられているものの、生涯賃金においては減額になっている。しかも、本給が引き下げられたことにより、定年による退職金は一〇〇万円以上の引き下げ幅になることが算出できます。
 二〇〇八年度の都人勧は、都当局の意向に沿った、教員給与水準の大幅な引き下げ=教員賃金制度の政治的な大改悪を内容としたものと言えます。撤回を求めて、闘いましょう。闘わなければ、さらなる改悪が強行されることになります。若い方、一〇年先、二〇年先を想像し、自分の生活を切り拓くために、共に闘いましょう。


※(現)2級の号給から、(新)2級への移行は、同じ号給を前提としている。



10.21でのこの前提が間違っていたために、以前の表とグラフを削除しました。
現在の交渉では、「直近上位額の号給へ移行する」と提案されているようです。2008.11.05


※ 現額保障について、考慮していない(交渉事項の一つ)
 社会通念上、労働条件の大幅な切り下げは、一方的にはできない。





週刊墨教組 No.1553            2008.10.9

「新自由主義」路線は破綻している
  競争と格差の拡大は学校を「頽廃」に導く
  教員給与引き下げ反対!
  新たな職=「主任教諭」の給料表勧告を許すな!
  青年教員は「主任教諭」にNOの意志表示をしよう


 東京教組・都教組・都高教等、教育関係7単組は、一〇月一日、都教委に対し要請行動を行いました。七組合の代表がそれぞれの立場から、「主任教諭」を導入しないこと、教員給与の引き下げを行わないことを重点に訴えました。しかし、都教委は、あくまでも「主任教諭」の設置と「職責・能力・業績」に見合った人事管理の推進という主張を繰り返しています。給与構造や水準は、労働条件であり、都教委は「誠意をもって交渉や協議を重ねること」を約しています。今後、都人勧が出された後、組合は交渉を強化していくことになります。

学校は鍋ぶた有機組織だからこそ活性化する
 一人ひとりの教員が自由に発言し、合意を図って課題解決に取り組むことを否定するのが、「主任教諭」の設置です。初任者やベテランの教員が互いに考えを述べ、合意し、新たな課題の解決に向けてとりくむことがなぜいけないことなのか。「能力のない」校長・副校長・主幹に、ストレスを訴える教員がなんと増えてきたことか。

「役職」を踏み絵にする
 「役職」に着くには、都教委の選考を受けなければなりません。都教委の意に沿う教員ならばよいのです。都教委の「価値基準」に異を唱えるものは学校運営から排除されるのです。校長→副校長→主幹→「主任教諭」→「一般教諭」のラインによる学校教育の推進、時の権力者、政府の意図する「人づくり」を「学校教育」を通して実現するための運営組織づくりなのです。「役職がつかない教員は、学校運営に参加させない」とする都教委の意図は明白です。

協力・協働で公教育を守る

 都教委は都立学校長に、校長・副校長・主幹・「主任」等を構成員とする運営組織を中心に学校を運営していくことを指示しています。しかし、実際は多くの都立学校では職員会議を中心に学校運営がなされているのが現状です。自由にものが言えない学校は学校ではないのです。「処分」で脅して、教員の自由を奪う学校運営は、破綻しているのです。 私たちは、あくまでも協力・協働を礎にした学校を求めます。上意下達は、教員の創意工夫、組織の活力を奪います。このことは、公教育の破壊であり、愚行です。

 「主任教諭」は、青年教員がターゲットになります。
 青年教員はNO!の意志表示をしよう。

給料の切り下げ、格差の拡大を許すな


 「新自由主義」は、あらゆる場に「格差」を持ち込む路線です。都が強行しつつある「職責・能力・業績に見合う」賃金構造は、どのようなものか。今、都が提案しているその具体化の骨子は、
@教員給与が一般行政職の給与を上回る部分を縮減する、
A小中学校教員給料表と高校教員の給料表の一本化
です。これは、大多数の教員の給料の切り下げになります。切り下げにより生じた財源の一部を原資として、
B職務の特殊性を踏まえたメリハリある給与=一般教員より高い「主任教諭」の給料表の新設など
です。
 教員にとっての「役職」は、「学校運営組織や教育課題に取り組む方法」と一体を成すものです。だから、「給料を優遇」しても、「主幹や管理職」は不人気であり、必要数さえ集まらないのが東京都の教育をめぐる現状です。都教委は、教員間の「競争」により活性化を図ろうとしても、「競争」になっていない、活性化の前提が成立していないのです。一般教員の給料を切り下げて、「主任教諭」=新たな「競争の場」を新設することは、恥の上塗りの愚策です。それは、学校に必ず頽廃をもたらします。

 私たちの給料の全面的な切り下げを許すのか、教員の自由を守るのか、〇八年賃金確定闘争は厳しい闘いになります。ともに闘いましょう。

教育研究集会
10月15日(水)午後3時〜
講演 民族教育を守る ―差別と連帯―
講師 元枝川朝鮮第二初級学校前校長
 宋 賢進さん
場所 組合会議室

 
2003年12月、東京都は、江東区枝川にある東京朝鮮第二初級学校の校地のうち都有地の明け渡しを求めて裁判を起こした。これは朝鮮学校つぶし以外の何ものでもなかった。この攻撃に対し「とりあげないでわたしたちの学校を」と、枝川の在日朝鮮人同胞はもちろん、多くの日本人が支援に立ち上がり、裁判は和解という形で収束した。
 この間の闘いの経過、とりわけ闘いのなかから見えてきた日本社会の差別的構造を、前東京朝鮮第二初級学校校長の宋賢進さんにお話をうかがいます。
 宋さん自身、枝川で生まれ、枝川で育った方です。もちろん朝鮮第二初級学校の卒業生。枝川の町を愛する宋さん。宋さんの枝川朝鮮学校を守りたいという情熱は、支援の輪を拡げていきました。
10月9日朝日新聞夕刊『「在日」という未来』に宋さんの記事が掲載されました


東京教組・8秋季闘争・賃金学習会
本年度の賃金確定闘争は、主任教諭制度導入、教員給与水準の維持・改善、勤務時間短縮、現業給料表など重要な課題をかかえています。秋季闘争に向けたとりくみの一環として「賃金学習会」を行い、秋闘の勝利に向けて意思統一を図ります。ふるってご参加ください。
 「東京教組秋季年末闘争・賃金学習会」
都人事委員会勧告の概要解説
賃金確定闘争 都労連・地公労のたたかい
 講師 地公労事務局長 西川晋司さん
日時 10月20日(月)
午後6:30〜7:30
会場 東京教組会議室



中山前国交大臣の日教組へのさらなる誹謗・中傷発言に対して
抗議するとともに、発言の撤回・謝罪を強く求める
 中山前国土交通大臣は、「失言3連発」で批判を浴びたにも関わらず、問題発言に対する謝罪をするどころか、「日教組をぶっ壊す」「日本の教育のガン」など、日教組に対する暴言を繰り返した。憲法で保障された「集会・結社・表現の自由」に抵触し、日教組に対する誤った偏見に基づく誹謗・中傷発言は、断じて容認できない。
 「日教組の強いところは学力が低い」発言は何の根拠もなく、学力調査結果からも相関関係はないことは、明確になっている。学力調査の結果で明らかになった喫緊の課題は、教育条件の整備・改善策である。重大な問題は、日教組を誹謗・中傷しただけでなく、一方的な個人の思いを理由に、日本の教育行政の責任者である文科大臣(当時)の権力を乱用し、毎年60億円を超える予算を投じる全国学力テスト導入を提唱したことである。
 私たち教職員は、日々、子どもたちと向き合い教育活動を通して次の世代の主権者として育成する社会的責任を負っている。日教組は、地域の厳しい現実、著しい変化をとげる現代社会の中で、子どもたちをめぐる教育課題に向き合い、子ども一人ひとりのゆたかな学びを保障する視点から、教育実践を展開するとともに、教育条件整備・充実にむけたとりくみをすすめている。発言は、全国各地の学校現場の教職員の不断の努力を踏みにじるものである。
 本日、大臣職を辞任したが、憲法を尊重し擁護する義務を負う国務大臣として辞任は当然である。個人的な思想を国務大臣という公人の立場で発言したことは、政治家としての資質・見識が問われることであり、国会議員も辞職すべきである。麻生首相の任命責任は、極めて大きい。
 日教組は、改めて一連の発言に対して強く抗議するとともに、発言の撤回・謝罪を強く求める。
2008年9月28日  日本教職員組合書記長 岡本 泰良



週刊墨教組 No.1552            2008.9.24

個々の教員の希望実現に向けて とりくみを強めよう
  不当な異動を許すな!
  〇九年度定期異動作業始まる
組合は誰からの相談にも誠実に対応します
 

 異動は労働条件の大きな変更です。労働条件の変更は、交渉事項です。都教委・校長が本人の希望を無視して、一方的に異動させることがあってはなりません。現任校で、新たな職場で意欲をもって働くには、何よりも個々人の事情が配慮され、個々人の異動希望が実現されることが前提になるのは当然のことです。
 二〇〇三年に改悪された現行の「教員の定期異動実施要綱」は、校長の学校経営を最優先としたものです。その結果、「恣意的な判断や、差別的な扱い」・「遠距離勤務や健康状態に配慮しない等」人権無視の異動が強行された事例が、昨年度も東京教組に報告されています。不当な異動を許してはなりません。闘わなければ、現状を改善することはできません。
 加藤委員長は、九月二二日に異動について仁王指導室長に申し入れを行いました。私たちは、あくまでも強制異動に反対する立場を堅持し、異動作業が進行させられる中で、個々の教員の希望実現に向けてのとりくみを強化していきます。

異動作業
 日程が都教委から示されています。(資料)※一部墨田区教委の異動作業日程を加筆
十月二〇日〜二七日
  校長ー地教委ヒアリング
  校長は人事構想を区教委に示し、具申書を区教委に提出します。ヒアリングは、小学校から行政順に実施。都合により校長間で順番を変更することがあります。各学校のヒアリング日程は校長から職員に知らされる場合が多いです。二七日以降も個々の事情でヒアリングが続けられることもあります。
  校長は、ヒアリングの日程に間に合わせるように、自己申告書の提出を求めます。
十二月一日異動検討結果地教委連絡
  「異動するかどうか」の結果が都教委から区教委へ連絡されます。当然、校長を通じて本人にも連絡されます。例えば、次のようなケースです。必異動対象者で、現任校に引き続き勤務を希望している人。現任校三年未満で異動を希望したい人。現任校に引き続き勤務したいが、校長が異動させたい人。異動を希望しているが校長が異動させたくない人。異種学校間異動等
十二月二日 異動検討、再検討受付
  前日の結果に対して、再度、都教委に異動検討を具申・内申する。
十二月十二日 第一回内示予定(地教委)
  都教委から地教委に個々人の異動カードが順次配分されます。
二月下旬 本人内示
※昨年度は二月二八日
三月中旬 面接解禁 ※昨年度と同じ
 
希望実現に向けて 
 自己申告書裏面、 異動について 【自己の異動についての意見】欄。
@この欄に異動についての個々人の意見や事情、異動希望地区を明確に書きます。
A次に、個々人の事情を校長に具申させるとりくみになります。
校長「具申」の具体的な方法は、校長が作成する「異動申告書」の【異動に関する意見と理由】欄に個々人の事情と校長としての要望・意見を書くこと。区教委のヒアリングの際にその事情・要望を出すことです。そこに向けてのとりくみが大切です。
 都教委は、組合に対して「区市町村教育委員会を通じて校長に対して、本人が事情等特に申し出た事項については異動申告書の校長所見欄、異動に関する意見欄に記載するように周知する。また、本人の異動について、その有無も含めて本人に伝えるよう周知する」と答えています。墨田区仁王指導室長は、校長への説明で、この内容を徹底することを加藤委員長に明言しています。

新採以来初めての異動
 「島しょ地域等」への異動を心配する旨の相談が毎年組合に寄せらています。この事について、都教委は、組合に対し「校長の具申、区市町村教育委員会の内申に基づいて個々の状況を配慮して判断する」と答えています。「島しょ地域等」への異動を心配されている方、自分の「状況や考え」を自己申告書に記載し、その旨を校長に伝えることから始めてください。「島しょ」への異動は、一二月中〜下旬頃、本人に打診があります。


墨田にこそ必要
 全国労働衛生週間(一〇月一日〜七日)の取り組み、
 人事考課制度=成績主義の強化は健康を破壊する


 全国労働衛生週間は、毎年、一〇月一日から一〇月七日までを本週間、九月一日から九月三〇日までを準備期間として、厚生労働省・中央労働災害防止協会が主唱者となって取り組みがなされています。「労働者の健康の確保と快適な職場環境の形成を図る」ことを目的として、今年で、第五九回を迎えています。その取り組みは、「安全衛生委員会」が中心となり、労使が一体となって各事業場ごとに実施することになっています。残念ながら、学校職場での取り組みは極めて乏しい状況にあります。「安全と健康の確保」「快適な職場環境」=いのちと健康を守ること。このことが忘れられているのが私たちの職場ではないでしょうか。

「法」は実効化されて「法」となる
 民間企業ではすでに「メンタルヘルスや過労死の増加」が告発され続けてきました。人事考課・自己申告・業績評価による成績主義の強化など、厳しくなる職場環境で、教員の健康破壊も一段と増加しています。労働科学研究所の調査結果では、健康状態に不調を訴える教職員の比率が全職業平均の約三倍、また、七割以上の教職員が家庭・余暇生活を犠牲にしているという結果でした。近年、墨田区内小・中学校教員でも、病気休暇・休職に入らざるを得ない方が少なからずおられます。その内半数以上の方が「精神的な病」が原因で休まれています。退職に追い込まれた方もおられます。労働基準法、労働安全衛生法等、いくら法が整備されていても、その法を実行あるもにしていかなければ、「法」として機能しません。とりわけ、職場の労働環境は私たちが中心となって改善していくしかないのです。

「学校安全衛生委員会」の
設置を強く要求する
 墨田教組は、毎年、「労働安全衛生法」に基づく、「学校安全衛生委員会」の設置を強く要求してきました。労働安全衛生法は、刑事罰を伴う法律であり、事業者には民事上の「安全健康配慮義務」が課せられています。
 墨田区教委は、「検討中」との回答の繰り返しです。労働安全衛生法が改正され、二〇〇八年四月一日から、私たち教員を構成員とする「安全衛生委員会」を設置しなければならなくなっています。設置されれば、衛生委員会では、当然、各学校職場の状況が報告され、「教員の健康障害状況、職場の労働環境」等について改善策が論議されることになります。ここで論議された改善策は、法的拘束力をもちます。
 先行して、各職場で、最低の「職場環境のチェック」をし、管理者(校長・区教委)に改善を要求していきましょう。





週刊墨教組 No.1551            2008.8.29


総人件費削減を許すな!
  〇八人事院勧告
月例給・ボーナス、改定はなし
勤務時間短縮、一日七時間四五分
  能力・実績に基づく人事管理の推進


 人事院は八月十一日、政府と国会に対し、@月例給・ボーナスの改定見送り、医師の初任給調整手当の引き上げ、本府省業務調整手当の新設などの国家公務員の給与改定についての勧告・報告、A勤務時間について二〇〇九年四月一日から一日当たり七時間四五分とすることや超過勤務の縮減方策の検討などの勤務時間に関する勧告・報告、B新たな人事評価制度の導入や高齢期の雇用問題など人事管理などに関する報告を行った。
 人事院は、本来、労働基本権制約の代償機関であり、中立・公正な第三者機関であるべきです。しかし、比較対象企業規模において、昨年以上に一〇〇人未満の事業所の調査数を増やし、意図的に官民較差を非常に小さくし、月例給の改定を見送った。このことは、人事院が政府の総人件費削減政策に従い、中立・公正な立場を自ら放棄したものと糾さなければならない。
 勧告・報告の主要点は次の四点です。

1.月例給・ボーナスの改定見送り
◆官民給与の較差(一三六円、〇・〇四%)、較差が極めて小さく改定には十分でない 
◆ボーナス、公務の支給月数(年間四・五〇月分)とおおむね均衡
◆諸手当についても改定する特段の必要性は認められない
2.給与構造「改革」(平成二一年度において実施する事項)
◆本府省業務調整手当の新設
◆地域手当の支給割合の改定
◆勤務実績の給与への反映の推進
 ・直近の評価結果等を昇給や勤勉手当の勤務成績判定、期末特別手当に活用
 ・勤務成績が不良である者に対して、降級・降格の仕組みを整備
3.勤務時間の改定
◆職員の勤務時間を一日七時間四五分、一週三八時間四五分に改定することが適当
 民間の労働時間、一日七時間四四分、一週三八時間四八分(平成一六年〜
 平成二〇年の平均)
4.その他の課題
◆住居手当
  自宅に係る住居手当は、来年の勧告に向けて廃止を検討、借家・借間に係る住居手当は高額家賃負担職員の実情を踏まえ、引き続き検討
◆非常勤職員の給与
  各庁の長が給与を決定する際に考慮すべき事項を示す指針を策定
◆退職管理―高齢期の雇用問題
  六五歳までの段階的定年延長を中心に検討

 賃金・労働条件の改善は
       闘いにより獲られる
 公務員連絡会(日教組、自治労を含む)は、〇八人勧期の取り組みを、@公務員労働者の給与水準改善、A非常勤職員等の処遇改善と雇用確保、B所定労働時間の短縮などを重点課題に設定し、運動を強化してきました。
 生活必需品が高騰している中で、給与や生活関連手当の改善ができなかったことは、極めて不満が残るものです。一方、所定勤務時間の見直しは、一九九一年週休二日制勧告以来の勤務時間短縮勧告であり、休憩・休息時間見直しの際に一体的解決を強く求めてきた事項です。民間準拠を基本とし、一日当たり一五分の短縮勧告を出させたことは私たちの運動の結果です。政府が、勧告通り実施する閣議決定を行い、勤務時間法の改正案を臨時国会に速やかに提出するように、公務員連絡会はとりくみを強化していきます。
 非常勤職員等の処遇改善については、昨年の「給与の実態把握に努めるとともに、職務の実態に合った適切な給与が支給されるよう、必要な方策について検討」から、本年は「非常勤職員の給与決定の指針を策定」と一歩前進したものとなっています。
 しかし、これは問題解決に向けた一歩に過ぎず、非常勤職員等の位置づけや雇用確保に向けて、さらなるとりくみの強化が求められています。与党等による「公務員バッシング」を背景に、総人件費削減政策が強まることが必至です。
 さらに、文科省は、来年度予算案で「教員給与をマイナス要求する方針を固めた」と報道されています。その内容は「義務教育等教員特別手当(給与明細書H欄)を現在の本給の三・〇%から二・二%に引き下げる。」ものです。〇六年度に政府内合意された、教員給与全体二・七六%の削減の具体化の一つと言えます。この手当は、〇七年度は三・八%、〇八年度は、三ヶ月分(一〜三月)に限って三・〇%にしていた。国レベルでの削減が、東京都に雇用されている私たちの給与の削減に必ずしも直結するものではありませんが、教員給与の引き下げへの強力な圧力となることは必至です。
 東京教組は、東京都人事委員会に対し、賃金・勤務時間の短縮などの改善と「主任教諭」の給料表を勧告しないように、要請を続けています。
賃金改善を含め、労働条件の改善は、闘いでしか獲られません。東京都は、今年度教員給与制度の大幅な改悪を企図しています。闘わなければ労働条件は切り下げられます。
 闘いましょう

「主任教諭導入阻止・教員賃金を守り抜く」
 9・12 全都教職員集会に参加しよう

 新たな職=「主任教諭」の給料表勧告を行うな!
 都教委が画策する学校組織は破綻している
 青年教員は「主任教諭」にNOの意志表示をしよう


 都教委は、労使の協議が継続中にもかかわらず、七月一八日、「公立学校教員の給与制度について」(要望)を東京都人事委員会に提出し、「主任教諭」の給料表の勧告を求めました。この行為は、労使の信頼関係を破壊するものであり、教育関係七組合は都教委に強く抗議しました。「職」は「その職に応じた給料表」とセットになって成立するものです。都教委は追い詰められ、焦っているのです。全都の教職員の力で、都教委の企図を粉砕しましょう。

 都教委は、「主任教諭」の設置により、校長→副校長→主幹→「主任教諭」→「教諭」とのラインによる学校教育の権力支配を貫徹しようとしています。こうした学校組織により、時の権力者、政府の意図する「人づくり」を「学校教育」を通して実現したいのです。「卒業式・入学式」などでの「君が代処分」はその具体化です。体罰は、暴行・傷害の刑法犯なのに、繰り返しても「戒告」処分です。しかし、「君が代」斉唱時の「不起立」は繰り返せば、累積加重の処分を課し、「免職」しようとしているのです。「国家への忠誠心」の育成、これを貫徹するための学校組織が都教委の意図です。教員が自由にお互いの意見を出し合い、教育課程を編成することを否定するのが都教委の意図です。私たちは、あくまでも協力・協働を礎にした学校を求めます。上意下達は、教員の創意工夫、組織の活力を奪います。このことは、公教育の破壊であり、愚行です。
 「教育管理職等の任用・育成のありかた検討委員会」の最終報告が七月に出されました。教育管理職選考の応募状況で明らかなように、都教委の意図する管理職を多くの教員が拒否しているのです。来年度「校長」が充足しないのは明らかです。都教委の方針は破綻しているのです。
 「主任教諭」は、「教職八年以上、三〇歳以上」が受験資格としています。「主任教諭」は、青年教員がターゲットになります。青年教員はNO!の意志表示をしよう。


資料





「主任教諭導入阻止・教員賃金を守り抜く」
9.12 全都教職員集会
日 時 9月12日(金)
   午後4時30分〜5時30分
主 催  教育関係7組合
 (東京教組・都高教・都障労組・都校職組・都教組・都障教組・アイム・9)
場 所  都庁第2庁舎前



週刊墨教組 No.1550                     2008.7.16

学校職場への「新自由主義」路線の貫徹を許すな

        競争と格差の拡大は、学校を「頽廃」に導く


 都教委は、今年度に入り、「管理職選考の年齢要件」や「主幹教諭選考の資格要件」の見直しを行いました。そして、その流れに沿って、六月一〇日には「主任教諭の任用に関する考え方」を一方的に公表し、二〇〇九年度からの「主任教諭」の設置をなんとしても強行しようとしています。学校を校長→副校長→主幹教諭→主任教諭→教諭への命令系統で管理統制しようとするものです。選考要件を緩和し、個々の教員を競わせ、職と給与をリンクさせた「メリハリのある給料表」と称して「給与の格差」拡大を図る新自由主義路線の具体化です。
 学校は、特に協力・共働が礎になっている職場です。職員間の競争がなじまない職場であり、今も主幹が充足できていないことは当然です。
 都教委は、このままでは、来年度、管理職が足らなくなること、主幹が充足できないことから、破廉恥にも選考受付期間を延長して受験希望者を掻き集めています。このことは、今も学校職場が健在であることの証しです。
「主任教諭」と「格差を拡大した給料表」の導入とは一体であり、教員給与の水準引き下げを狙ったものです。何としても、「主任教諭」の導入を阻止しなければなりません。




人事考課制度は欠陥制度、差別昇給
      =格差拡大に反対する

 業績評価に基づく査定昇給、七月給料で差額精算
 公平なら四年に一回該当! 毎年、特定の方に該当?


 二〇〇七年度の業績評価に基づく査定昇給の差額精算が七月給料で実施されました。昇給辞令が該当者に伝達されています。伝達された辞令では、「六号給昇給、五号給昇給、二号給昇給(五五歳以上)」となっています。教員の業績評価の期間が四月〜三月となっているため、昇給月は四月ですが、他職種の都職員とは異なって七月に精算されます。
都はプラス二号給五%・プラス一号給二〇%、合計二五%以内の人数で該当者を決めています。該当者が二五%、公平なら四年に一回は該当します。しかし、分会からの報告では、「該当者が固定していることが多々ある」と報告されています。「抜擢昇給が広がっている」のが現状のようです。校長は、示された数字に従って職員の相対評価を行い、それを受けて、区教委は、小・中別に職員を相対評価(順位付けをして)しています。この順位に基づいて、校長・区教委は該当者を推薦しています。
 業績評価に対する苦情申し出は四月になって行われ、区教委による事情聴衆の後、評価が妥当であるかどうかを検討する「苦情検討委員会」は七月に開催されています。つまり、「誤ったデタラメな評価と判定され、是正が指示された評価」が「生き続ける」のであり、「誤ったデタラメな評価」をつけられた方は、不利益を被ったままになるのです。結果としては校長による「第一次評価」が「絶対なもの」として機能するのです。苦情が反映されない、正に欠陥制度と言わざるを得ません。


夏季休業を有意義に過ごそう
 「忙しい・疲れる」、休憩がとれない。こうした環境から、少しは解放されるのが夏季休業です。夏季休暇五日間と年休を使って、職場としばらく縁を切ることも保障された権利です。また、自主的な研修に意欲的にとりくめるのも夏季休業期間です。「研修の取り扱い」が改悪されて七年目になります。組合は、自主的、自発的、主体的に行うべき「研修」の機会を保障させていくとりくみをすすめています。民間の教育団体が主催する研究会への参加も当然保障されるべきです。

 教員の研修のあり方は、一般の公務員の研修(国公法七三条、地公法三九条)の扱いと異なって、教育公務員特例法(以下教特法)で特別に規定されています。創造的な教育活動を営むには、日常不断の研修(研究と修養)活動が必要不可欠であることを教特法二一条で保障しているのです。
 一般の公務員の研修は、その規定から明らかなように勤務能率増進上のいわばその手段として他律的に課せられたものです。しかし、教員の研修は、その職務遂行上不可欠なものとしてあり、他律的に課せられるものではなく、自主的、自発的、主体的におこなわれるべきものです。また、二二条2項で、いわゆる承認研修の機会を保障しています。
 研修問題を考える場合、、先ずこの点を押さえておく必要があります。

自主的研修を実現しよう 
 区教委は教特法を遵守する立場にあり、区教委には研修の機会を保障する責務があります。区教委が研修内容・方法に介入することはありません。私たちはあくまでも自主的、自発的、主体的に行うべき「研修」の機会を保障させていくとりくみを、粘り強くすすめていく必要があります。

教育公務員特例法二一条・二二条

 研修
二一条 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。
 2 教育公務員の任命権者は、教育公務員の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。
研修の機会
二二条 教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。
 2 教員は授業に支障がない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。(以下略)



ご案内

 今、韓国では米国産牛肉の輸入をめぐる問題で、イ・ミョンバク政権を揺るがす大集会とデモが連日繰り広げられています。七月五日には五〇万人の大集会が行なわれました。昨年十二月の選挙では圧倒的な支持で当選したイ大統領ですが、経済の好転を期待した国民を裏切ったばかりか、国民の食生活の基本である牛肉問題で大きな過ちを犯し、支持率は急降下、今や二〇%にも届かない状況です。しかも、イ大統領は前二政権とは異なり、かねてからの持論である「共和国」に対する厳しい対応を主張しています。二〇〇〇年六月十五日のキム・デジュン大統領下でのいわゆる六・一五宣言や、二〇〇七年ノ・ムヒョン大統領下での一〇・四宣言の履行も危うい状況です。しかし、永年の悲願である朝鮮半島の南北統一への動きは、決して消え去るものではありません。統一への動きを前進させるために、在日の方々が中心になって行う第十五回「統一マダン」東京の準備も本格化してきました。
 今年は、共和国の食糧難の状況で苦しむ子どもたちにパンを届ける活動を担ってこられた韓国俳優クォン・ヘヒョさん(「冬のソナタ」室長役などで活躍)も来場されます。楽しい模擬店や舞台演技などもたくさんあります。みなさん、お誘い合わせの上ご来場ください。

8月3日(日)午後4時半〜8時
荒川区・旧真土小学校

(常磐線「三河島」駅からすぐ)


内容:スペシャルゲスト・・クォン・ヘヒョとイ・ジョンミ
 民族舞踊・テコンド演技・サムルノリなどのステージと美味しい屋台がたくさん。
主催:第一五回統一マダン東京実行委員会
後援:荒川区・荒川区国際交流協会など




 週刊墨教組 No.1549                 2008.7.2

「愛国心」・忠誠心の行く先は「戦争」
  「愛国心」をすべての教科で強要
  文科省、「新指導要領」の移行措置を通知
  総則や道徳は直ちに先行実施
  算数・数学及び理科は教材を整備して先行実施


 文部科学省は、六月十三日、小学校・中学校学習指導要領の改訂に伴う移行措置に関する省令と告示を官報に公示するとともに、「小学校及び中学校の学習指導要領に関する移行措置並びに移行期間中における学習指導について(通知)」を都道府県等の教育委員会に発出しました。この「新指導要領」は、「改悪違憲教育基本法」にのっとって「国と郷土を愛する態度の育成」と「グローバル競争激化の中で勝ち抜く大企業の競争力強化を可能にする人材育成=『学力向上』」を柱とする新国家主義と新自由主義に基づく教育内容を具体化したものといえます。教育基本法と教育三法の改悪強行を主導した安倍は、「新自由主義」と「改憲の強行」を世論から拒否され、参議院選挙に敗北し遁走しました。しかし、政府・文科省は、この世論を無視し、三月に「新学習指導要領」を告示し、そして「移行措置案」において、「総則や道徳」と「算数・数学及び理科は教材を整備して」先行実施と、なりふりかまわずに「新国家主義と新自由主義に基づく教育改革」を強行しようとしているのです。阿部が倒れても、日本は、「さらなる格差の拡大」と「戦争ができる国」へと突き進んで行こうとしているのです。この流れを断ち切るために、私たちは、抵抗をあくまでも続けていきましょう

「新学習指導要領」の二つの背景 
「知育偏重、受験学力、塾通い、詰め込み教育」といった用語を使って、テスト競争の教育を批判し、「ゆとり教育」に理解を示していたマスコミが、一九九九年以来、児童・生徒の「学力低下」を問題化し始めました。「大学生なのに分数の計算もできない者がいる」等がその例です(テストが済めば忘れられる程度の『学力』なのに)。「現行指導要領」が二〇〇二年度から本格実施される以前に、この「現行指導要領」は批判され、文科省により実態的に手直しされました。
 一方、二〇〇三年、二〇〇六年実施のPISAの結果が公表され、平均得点の国際比較において、「日本の順位が下がった」こと、「長文問題や記述式問題の意味が理解できずに無回答で提出した生徒が続出したこと」、そして「高学力層の縮小と低学力層の拡大」=「エリート教育の失敗と『できない子の増加』」がその深層として白日のもとにさらされたのです。また、OECDが目指す「学びの質」と日本の「学びの質」の違いも明らかになったのです。
 政府・財界はこのままでは「グローバル競争に勝ち抜く」どころか「日本が経済大国として生き延びることができない」との危機感を募らせ、「意欲・関心・態度」の育成を主眼とした「ゆとり教育」の転換を打ち出し、「学力向上」に必死になったのです。その手口は、授業時間数を増やし、「到達目標」を設定し、「全国学力テスト」の実施とその結果公表で競争を煽る、新自由主義の手法です。
 一九九一年の湾岸戦争以来、軍事分担を求めるアメリカと海外展開を本格化し自衛隊の派兵を求める財界の二つの勢力から、自民・公明政府は「改憲」=「戦争ができる日本」を強く求められてきました。とりわけ、戦争好きのブッシュからは、「改憲して共に血を流す同盟国となれ」と、日本政府は圧力をかけ続けられてきました。
 「我が国と郷土を愛する態度」という愛国心や「公共心」の育成は、「戦争ができる国」づくりを行うためのイデオロギーです。格差が拡大する中で、不満をもつ若者を、すすんで戦争に参加させるには、「愛国心」・忠誠心の育成が絶対なものなのです。「愛国心」・忠誠心の育成の行く先は、「戦争」だけです。今回の指導要領では、すべての教科で「愛国心の強要」がなされるのです。「愛国心」・忠誠心の育成の行く先は、「戦争」だけです。

資料

 第一章 総則 第一
教育課程編成の一般方針 2
 学校における道徳教育は、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳の時間はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、児童の発達の段階を考慮して、適切な指導を行われなければならない。
 道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊び、民主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。・・・・・

※ 「教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神」は、「改悪違憲教育基本法」第二条で決められた二〇もの「国が決めた徳目」などです。児童・生徒の内心に踏み込むことを、私たちに強要するのです。しかも、その「達成状況」を文科省が点検するのです。


「婦人科検診」
 二八〇名を越す 女性教員が申し込み
 七月四日以降、「検診日」を通知。
検診は「出張」。 
検診期間は
七月二二日〜一〇月末まで「検診日」の変更は可能


「受診」は労働者の権利
  墨田教組女性部は、「婦人科検診についてのアンケート」を基にして婦人科検診の改善要求を区教委に申し入れていました。その結果、新たな婦人科検診が実現し、今年度から「こころとからだの元氣プラザ(飯田橋)」で実施されます。
 区教委の集計から、二八〇名を越す女性教員が検診を申し込まれていることがわかります。受診項目には年齢制限があるものもあり、また、「人間ドッグ」で受診される方もあり、検診申し込み者数の割合は算出できませんが、昨年より増加したことは明らかです。
 元気で働き続けられることは、私たちが一番大切にしなければならないことです。

 「健康を保持」することは、私たちの権利なのです。


原子力空母
横須賀母港化を許さない!!
7.19全国集会


「原子力空母『ジョージワシントン』を横須賀を母港として配備する。」との米海軍の表明後、多くの反対運動がまき起こっています。
 横須賀市議会は、原子力空母の安全性確保及び防災体制の強化や事故・事件発生時における迅速な情報公開及び事後における報告の徹底などを国に求めた「意見書」を全会一致で採択しています。

原子力空母横須賀母港化は、東アジアでの米軍の戦闘力を一段と増強させ、東アジアの政治的緊張をさらに強いることと、日本を戦争にまきこむことは間違いありません。原子力空母横須賀母港化を容認してはなりません。
 平和フォーラムが中心となる集会です。積極的な参加をお願いいたします。
日時 7月19日(土)
  14時〜15時
  15時からデモ行進)
会場 ヴェルニー公園
     (旧臨海公園)
   京浜急行「汐入駅」下車徒歩2分 
   JR「横須賀」下車徒歩2分
終了後、
墨田教組独自の
交流会があります。
こちらもどうぞ
 ご参加ください。



『主任教諭』導入阻止!
教員賃金制度大改悪阻止!
7.14全都教職員集会


 昨年、教育関係7組合の全力のとりくみで阻止した「主任教諭」を、都教委は、何が何でも今年度中に導入しようとしています。『主任教諭』導入は教員給与制度大改悪=「教員賃金大幅削減」をも意味します。教職員に差別・分断をもたらし、教職員の協力・協働を壊す、また給与水準の大幅引き下げを狙う「主任教諭」制度の導入を認めることはできません。

教育関係7単組主催の7.14全都教職員集会に多くのみなさんが参加されることを呼びかけます。


日時 7月14日(月)
午後4時30分〜5時30分
場所 都庁第2庁舎前
主催 教育関係7東京7単組
(東京教組・都高教・都障労組・都校職  組・都教組・都障教組・アイム・’89)


 週刊墨教組 No.1548                 2008.6.7

「安全衛生委員会」の設置を強く求める
          教育長に緊急課題を提出



  五月三〇日、組合三役は区教委に対し、総会で各職場から出された諸課題と経年課題の解決を図るため、区教委交渉をもちました。区教委からは、教育長・教育次長・庶務課長・学務課長・指導室長・すみだ教育研究所所長が参加しました。
 冒頭、委員長から、@「安全衛生委員会」の設置、A「学力調査」の中止と児童・生徒の目線からの総括、B「英語講師派遣業者の変更」や「小学校社会科見学のバス契約のシステム変更」が、今も、教育課程遂行に混乱をもたらしいること、C「管理職による、『女生徒や女子職員に対するセクハラ疑惑』や耐震工事に伴う「教職員や児童の安全・健康への配慮不足」を例に、一部管理職の質の低下について問題提起をし、解決を求めました。今後、課題ごとに交渉を強化していきます。

@「安全衛生委員会設置」
 現在、設置を前提に、庶務課長を窓口に、技術的な問題の詰めが残っている段階です。
 連合東京東部地協も昨年、制度政策要求の中で「安全衛生委員会設置」の要求を各区長に提出し、東部の各区から設置の回答を得ています。今年度の四月一日から、改正法が各職場に適用されています。校長は管理責任者として当然改正内容を認識しています。今後、安全衛生委員会が設置されれば、「労働時間の遵守を含め、各職場での労働安全衛生体制」がこの委員会でも論議されることになります。

A「学力調査」の中止
 組合からは、中止を強く主張しました。しかし、教育長は「教育委員会として、『学力』を把握し区民に対し説明をする責任がある」として、「学力調査」を今後も続けることを明らかにしました。組合として、今後、児童・生徒の目線から「学力調査」の問題点を具体的に明らかにし、再度、中止を求めていきます。

B「派遣業者やシステムの変更」について
 提起した二項目について、教育委員会としても学校現場の混乱を承知しています。今後、「変更に際し、学校現場への影響を考慮し、実施する必要がある」旨、教育長から発言がありました。

資料

2008.5.30
墨田区教育委員会
教育長 様        墨田区教職員組合委員長 
 4月23日に開催された定期総会において、2007年度方針を決定しました。
 遅くなりましたが、総会でだされた意見をも含め、緊急重点課題として教育委員会に提案いたしますので、吟味していただきたい。
1.職場労働環境の改善
(1)「安全衛生委員会」の設置を強く求めます
・都の教員の「心の病」による病気休暇・休職は増加しつつあります。墨田でも、近年、「心の病」が主な原因となって二〇代〜五〇代の教員が退職せざるを得ない状況が生じています。その背景には、「職場の多忙化」、「保護者からの過度な要求」、「勤労意欲をなくさせる管理職の言動」、「職場での助け合いやコミニュケーションの減少」等があります。
・労働安全衛生法が一部改正され、二〇〇六年四月一日から施行されています。改正内容は「メンタルヘルス対策」が主 。この改正を受けて、文科省は、二〇〇六年四月三日付けで、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」の通達を都道府県知事・教育長等宛に出しています。 改正法の規定は二〇〇八年四月一日から適用されることになっています。
 その内容項目は、次の四点からなっています。
1.長時間労働者への医師による面接指導の実施
2.労働時間の適正な把握について
3.労働安全衛生体制の整備について
4.労働安全衛生に係わる教育について
・墨田教組は、区立学校の教職員を対象とした「衛生委員会」の設置を再三要求してきました。しかし、墨田区教委の回答は「検討する」の枠を出ず、「衛生委員会」は未だ設置されていません。区教委は、責任者として、早急に「衛生委員会」を設置し、各学校職場の労働環境を把握し、改善に向けた施策を具体化すべきです。
2.「学力調査」を止めること
・児童、生徒の目線から、「学力調査の実施」について総括すること。メリット、デメリットを明確にすること。
3.教育活動の円滑な推進を支援すること
・学校現場の視点に立って、施策を講じること。(学校現場の実体にも配慮すること)
※小、中「英語講師の派遣」に関してのトラブルの多発。
※小学校社会科見学に関する「バスの区一括契約」による混乱。
※「入学通知」等の配布、アンケート依頼、「進路先調査」など余計なことを教員に押し付けないこと。   
※職場での「セクハラ」防止の徹底。
※学校施設の改修工事に際しての安全施策。          以上


夏季一時金
 二.一月を六月三〇日に支給

    経験年数を基準とした加算制度の改悪反対!
    「主任職」設置反対!
    現行の条例・規則どおり、
  期末手当一.六月分、勤勉手当〇.五月分、合計二.一月分
 再任用職員は、
  期末手当〇.七五月分、勤勉手当〇.二七五月分、合計一.〇二五月分を
六月三〇日に支給する。



 この回答は、「夏季一時金二.五カ月分を、六月三〇日までに支給すること」「支給に当たっては、全額期末手当とすること」という私たちの要求水準からはほど遠いものです。また、一時金「支給対象・割合・加算制度」改善要求についても、「基準日主義の趣旨、国、他団体の状況、これまでの制度改正の経過などを踏まえ、現行規定どおりとする」と回答し、これまでの主張を繰り返し、さらに、経験年数を基準とした教員の加算制度の存続は困難である」として、教員の任用及び給与制度のあり方について、引き続き協議していきたい」という極めて遺憾な回答でした。これは「教員の職の分化(主任職設置)」を前提に見直しを図るもので、断じて容認できないものです。
 私たちは私たち自身の生活を維持するために、今後も、闘いを続けていきます。

加算制度の廃止反対
 教員の加算制度について、「経験年数を基準とした加算制度の存続は困難である」、「新たな職の設置やそれに伴う給与制度を検討する中で引き続き協議する」と、都当局はあくまで現行の加算制度を改悪しようとする姿勢を示しています。これは「教員の職の分化(主任職設置)」を前提に見直しを図るもので、断じて容認できないものです。
 都は、団交骨子の中で、「少数精鋭の体制づくりを推進し、都庁の組織力をより一層強化」と人減らしと中央集権化、「人事給与制度を職責・能力・業績に応じたものへと更に見直しを進めていく」と、職場の協力・共働を、さらに破壊しようとする意図をあからさまにしています。

闘わなければ賃金は一方的に下げられる
 @一時金の支給対象・割合・加算制度、A夏季休暇の日数増などについては、引き続き協議事項として、秋季年末闘争の中で、要求実現を求めていきます。今年度は、抜本的な教員給与制度の改悪提案が予想されます。私たちは私たち自身の生活を維持するために、今後も、闘いを続けていきます。
*夏季一時金支給額(標準)の計算は、以下の通りです。
 基礎ベース(給与月額+教職調整額+調整手当)×二.一月分
*扶養家族のいらっしゃる方は扶養手当、一定の職務経験年数に達している方は職務加算が、基礎ベース額に加わります。
*一時金の教員への職務加算は、経過措置として、本年度は以下の通りです。
 ・主幹・大卒三〇年以上 六%(以前は十%)
 ・教諭・大卒三〇年以上 五%(以前は十%) 
 ・大卒十二年以上 三%(以前は五%) 

2008年
墨田教組教研集会
鶴田敦子さんの講演
「『新学習指導要領』の問題点」


 改悪教育基本法は、『学校教育」のみならず、「家庭」「社会」をも「教育」の名の下に統制・支配しようとしています。憲法の「個」の尊重を否定する、極めて危険なものです。
 この改悪教育基本法の下、「教員免許更新制」が具体化され、今年から「試行」されます。

 3月には「新学習指導要領」が告示され、2011年度から小学校で、2012年度から中学校で完全実施されます。道徳を教育の最重要課題とした、新国家主義に基づくものです。極めて危険な内容に彩られたものです。
 6月教研集会では、この「新指導要領」に対して、その問題点は何か、どのように批判していくか、そして、教育実践をどう進めていくかを、鶴田敦子さんの講演を中心に論議していきたいと考えています。
鶴田さんは、「子どもと教科書全国ネット21」代表委員で大学教授。近著に、「家庭科がねらわれている」(朝日新書)「現代家族学習論」(校倉書房)があります。
 鶴田さんは、「早寝・早起き・朝ごはんが学力を育てる」という新学習指導要領の俗な言説に対して、それは私的な領域に対する国家の介入ではないか、教育は国民の権利であって「義務」ではないと批判します。

6月25日(水) 午後3時から
墨田教組会議室にて

2回分会長会 6月25日(水)
  教研集会終了後すぐ(午後5時)から

@当面の諸課題について
 査定昇給・夏季休業中の勤務・「主任職」設置・・・
Aその他


 週刊墨教組 No.1547                 2008.5.27


育児と仕事の両立を支援する「育児短時間勤務制度」
  週二〇時間〜二五時間の短時間勤務
  七月一日から東京都でも運用開始
    取得請求は一カ月前まで
    期間は小学校就学前まで可


 「育児短時間勤務制度」は、国家公務員には、二〇〇七年八月一日から、すでに導入されていました。この制度は、連合・公務員連絡会がワーク・シェアリングやワーク・ライフ・バランスの観点から本格的な短時間勤務制度の要求を掲げ、当面の課題として育児と介護について短時間勤務の実現を求めてきた結果、二〇〇七年五月に国家公務員育児休業法が改正されたことで実現したものです。都においても、組合の強い要求の結果、二〇〇八年一月都議会で条例化され、今年の七月一日から導入されることになりました。取得請求は、「育児短時間勤務承認請求書」により、一カ月前までに行わなければなりません。賃金や後補充の面で不十分な内容を含む制度ですが、ようやく実現した制度です。活用する中で、制度の定着を図りつつ、給与等を含め今後改善を図っていく必要があります。
 夫婦が勤務時間をずらすことで同一期間に短時間勤務制度を利用することもできます。男性の育児休業取得が、一%程度にとどまっている中で、男女が共に育児支援の仕組みをどのように活用していくか、選択肢が拡がったことにより意識改革が図られることも期待できます。

制度定着が民間職場を牽引する
 厚生労働省は、子育てと仕事の両立を推進するため、育児・介護休業法を改正し、短時間勤務と残業を免除する制度の導入を企業に義務づける方針を固めています。
 厚労省が四〇歳以下の正社員を対象にした「仕事と家庭の両立」アンケート結果では、育休がとれなくなった以降、子供を育てるには「短時間勤務と残業免除が必要」とする回答が多かったことが、この方針の根拠となっています。公務職場と比べて、民間の労働条件は厳しいものがあります。しかし、厚労省は、各企業の自主性にまかせるのではなく、義務づけることを原則とすることを明らかにしています。国会での改正を促進するためにも、公務職場での「育児短時間勤務制度」の定着が欠かせません。
   



「土曜補習教室」 労働基準法の遵守

  勤務時間の割り振り変更は校長が一方的に決められない


 勤務時間の割り振り変更により、週休日(土・日曜日)に勤務をする場合、
@完全週休二日、
A週の勤務時間は四〇時間
が適用されるのは当然です。これは、労働者保護の観点から労基法・東京都勤務条例で決められています。昨今、学校公開や運動会(体育祭)等の学校行事、土曜補習教室実施により、週休日に勤務を余儀なくされるケースが増加しています。勤務時間の割り振り変更は、労働条件の変更であり、校長が一方的に決められことではありません。労使の同意が必要です。
 週休日に学校行事を実施する場合は、年間の行事予定を決める際に、週休日の変更も同時に決めています。無計画に突発的に週休日の変更をすることは許されません。
 「土曜補習教室」が実施されるにあたって、週休日の変更により土曜日に四時間の勤務をする場合、その週の別の日に週休日を変更するのが大原則です。週四〇時間勤務だからです。「長期休業中にしか、割り振り変更ができない」というのは過ちです。また、土曜補習教室に強制的に従事させることも過ちです。「土曜補習教室」の実施に際し、組合と墨田区教委とが確認した内容を再掲載します。新たに墨田に来られたみなさん、わからないままに、校長に半ば強制的に「土曜補習教室」に従事させられていませんか。
 勤務時間等、労働基準法違反は「六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金」となります。

資料1  区教委との確認 2005.5.31
    土曜補習教室事業について


 土曜補習教室事業の実施に当たっては、(1)週の勤務時間40時間、週休2日制という学校職員の勤務条件を維持する(2)児童・生徒にとっての学校五日制の趣旨を逸脱するようなことがあってはならない、の2点が原則であり、その立場に立って、実施する。 
 その立場から次の諸点に確実に留意、実施すること。
(1)@教員が指導員として当たる場合(校長が勤務を割り振る場合)、本人の理解と納得のもとに行う。
 A土曜教室の指導に当たる教員には「勤務時間の特例」を設定することになるがその割り振りにあたっては、当該教員の意向を聞いて行う。
 B土曜教室実施日の勤務時間の割り振り(出退勤時間・休憩時間等)は、事業時程の関係から月〜金曜日と土曜日とで異なる設定とすることができる。
(2)@実施校が運営する土曜補習教室への参加者は、児童生徒が希望し、その保護者が同意した者に限定されるものである。したがって、必ず参加申し込み書を提出させ、それに基づき参加者名簿を作成して行うこと。
  参加申し込み書を提出し、名簿に記載した児童生徒にのみ参加を承認する(思いつき的に参加してくる者の参加は認めないこと)。
  なお、この申し込み書と参加者名簿に記載があるものが、学校管理下にあるものであり、事故ある場合の「日本スポーツ振興センターの『災害共済給付制度』申請」を行う等の基礎となる。
 A補習教室事業の時程設定は、児童・生徒の実態も勘案し、実施校が独自に決定する(月〜金曜日と異なる時程となることも有り得る)。
 Bこの教室の参加者は、何らの経費負担を必要としない。ただし、教材として市販教材を使用する場合は、その経費は参加者の保護者に負担させるものとする。
(3)土曜補習教室の指導員は、実施校に勤務する教員、地域住民、保護者、及び教職志望の大学・大学院生等とするが、下記の点に留意すること。
 @「実施校に勤務する教員」には、校長・副校長が当然含まれる
 A各校二名分の指導員手当が予算化されているので、その活用に努めること。その活用に当たっては、当該学校の保護者はできるだけ避け、教員免許状取得者や人材育成の観点からも教職志望者を指導員として採用、手当を支給することが望ましい。
 B指導員には、「守秘義務」(職務上知り得た秘密を外部にもらしてはならない義務)があることを明確にし、教員以外については、誓約書を提出させること。
      以上




山事件の再審を求める
墨田集会
ー冤罪をなくせ 新たなうねりをー
   とき:2008年6月6日(金)
     午後6時30分から
   ところ:墨田社会福祉会館3階ホール
   主催:部落解放墨田区民共闘会議
      部落解放同盟墨田支部


 今年5月1日、狭山事件は発生から45年目となりました。1963年、事件当時24歳だった石川さんは69歳になります。狭山事件は部落差別が生んだ冤罪事件です。1969年、部落解放同盟中央本部は石川青年救援対策本部を設置、翌年、狭山差別反対を訴えて全国を行進。1974年、完全無罪判決要求中央総決起集会に11万人が結集。1976年、全国19都府県1500校10万人の児童生徒が「狭山同盟休校」を行いました。1994年、石川さん仮出獄、31年7か月ぶりにふるさと狭山に。55歳でした。こうした闘いによって、ついに石川一雄さんをとりもどしました。
 無罪判決と石川一雄さんをとりもどすことを目標に闘った狭山闘争は、石川さんをとりもどすことにおいて勝利しました。そして、完全無罪の再審を求めて31年になります。今度こそ再審開始、無罪判決をかちとり、「事件」が、部落差別にもとづく冤罪事件であることを糾し、狭山闘争の完全勝利にむけて闘っていきましょう。
 鹿児島で起きた志布志事件や、富山の袴田事件を始め多くの冤罪事件がクローズアップされています。市民がある日突然、無実の罪を着せられるという恐ろしい警察や裁判所の実態が明らかにされています。狭山事件も、部落差別を利用したでっち上げ事件なのです。
 今こそ、墨田の地から、冤罪と差別をなくせ!の、新たなうねりを作り出していきましょう。
(墨田教組委員長は、共闘会議議長を務めています)


週刊墨教組No.1546                       2008.5.14

小学校教科書採択に学校・教員の意見を反映させよう
 調査研究の機会の保障、意見の取りまとめ・報告するとりくみを!
 各学校での調査・研究は「平成二〇年五月一日〜六月一三日」


 今年度は、二〇〇九・二〇一〇年度使用の小学校教科書の採択年になっています。墨田区教委は、三月に「平成二一年度使用小学校教科用図書採択の方針について」(資料参照)を決め、採択の基本方針を示しています。墨田教組加藤委員長は、各学校での調査・研究が「五月一日」からとなっていることから、仁王指導室長に対し、「調査研究の機会の保障、意見の取りまとめ・報告」について、五月九日に申し入れを行いました。申し入れの主旨について、指導室長は同意を示しました。ただ、各学校への「調査・研究」の指示は、五月九日には出されていません。
 私たち教員は、「主たる教材」としての教科書を使用・活用して、日々児童生徒の指導に当たり、その実態と課題を把握しています。故に、私たちこそが、どの教科書を採択決定することが「未来を切り拓くすみだの子ども」を育成するにふさわしいか判断できるのです。学校・教員の意見を無視して採択決定することは許されません。


意見を付して」ということの意義
 誰にも打ち消すことができない厳然たる事実というものがあります。
 教科書採択にあたって、豊富な経験に裏打ちされ、子どもたちの現実をつぶさに熟知している教員の意見が取り入れられることは、しぜんなことなのです。
 久保孝之教育長は、二〇〇一年四月二十四日、墨田教組・都教組墨田支部に対して、次のような態度表明を行っています。
 「墨田区教育委員会は、教科書採択にあたり、各学校に教科用図書を調査研究させ、その結果を報告することを求めている。墨田の地域及び児童・生徒の実態・課題を把握し、日々教科指導をおこなう学校・教員の意向は尊重され、生かされなければならないと考える。学校から出された調査研究結果報告は、教育委員会が採択決定するにあたって重要な判断材料とされる。」
 『教科書採択の方針』の「教科書の調査・研究及び審議」には、「(1)各学校における教科書の調査・研究
 各学校は教科書の見本本の内容等を教科指導にふさわしいかどうかを調査し、調査結果に意見を付して審議会に報告する。」と規定し、『教科用図書採択事務取扱要綱』の第六条にも、「各学校は、教科用図書を教科ごとに調査研究し、調査結果に意見を付して、審議会に報告するものとする」と規定しています。
 現場の教員による真摯な教科書調査・研究の意見は、審議会が判断を形成する上での重要な要素・要因となって、反映されるのです。
 墨田の教員の作風と伝統を継承して、しっかりととりくまなければなりません。

現場教員の意向尊重が原則かつ時代の流れ
採択権は教員にあるー国際的常識
@「教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するために格別に資格を与えられた者であるから、・・・教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである」(ILO・ユネスコ勧告 項)
 この勧告は、授業の主要な教材である教科書の採択権は、本来、教員にあり、「児童の教育をつかさどる」権限の重要な一部を成していることを示しています。
 この国際的常識の立場に立つことが、何よりも重視されなければなりません。
 現行法規のもとでは、教科書の採択権限は教育委員会にあるとされていますが、その規定自体が、こうした国際的常識に反していると言わざるを得ません。少なくとも、現行法のこの規定は、こうした国際的常識に基づき解釈されなければなりません。つまり、採択権限が教育委員会にあるとしても、その行使に当たっては、本来的に教科書選択権を持つ教員個々の、あるいはその集団(その基礎単位は学校)の採択意向を十分に尊重して行うことが前提とされていると、解釈することが至当です。

調査・研究を形骸化させるな!
 教科書採択は、四年ごとに実施されます。二〇〇八年三月に、文科省は「新学習指導要領」を告示しました。この「新学習指導要領」は、二〇一一年度から小学校、二〇一二年年度から中学校で完全実施の予定です。小学校では二〇一〇年度までは、現行学習指導要領に基づく教科書が使用されます。そのために、今回、調査・研究の対象となる教科書は現行と変わらない内容のものとなっています。現在の教科書はすでに四年間使用しています。その使用過程で、現行の教科書の善し悪しが児童への指導を通して、明らかとなっています。また、他区から転入された教員、この間に採用された教員の方にとっては、「新たな視点」での調査・研究に基づく意見があると考えられます。内容が変わらないことから、調査・研究を形骸化させてはなりません。二〇一一年度から、使用される教科書は、教科によっては大幅に内容の改訂がなされます。次回の採択は、遅くとも二年後になります。次回の採択に向け、「調査・研究」を十分に保障させる体制をつくり出す意義も含め、「より良い教科書」の採択をめざしてとりくみを進めましょう。


資料

墨田区立小・中学校使用教科用図書採択事務取扱要綱
 (趣旨)
第1条 この要綱は、墨田区立小学校及び中学校で使用する教科用図書について、墨田区教育委員会(以下「教育委員会」という。)が、公正かつ円滑な採択を行うために、必要な事項を定めるものとする。

 (採択の基本方針)
第2条 教育委員会は、第4条に規定する教科用図書選定審議会からの答申等を参考に、検定済の教科用図書の中から、墨田区の地域や児童及び生徒の実態を踏まえ、墨田区立小学校及び中学校にふさわしい教科用図書を採択するものとする。                      .

 (採択の時期)
第3条 教科用図書の採択は、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令(昭和39年政令第14号)第13条第1項の定めるところにより当該教科用図書を使用する年度の前年度(以下「採択年度」という。)の8月31日までに行う。

 (教科用図書選定審議会)
第4条 教育委員会は、採択に必要な資料を得るために教科用図書選定審議会(以下「審議会」という。)を設ける。
2 審議会は、別表1に定める範囲内で教育委員会が委嘱する委員をもって構成する。
3 委員の任期は、委嘱された日から採択年度の8月31日までとする。
4 審議会に委員長及び副委員長をそれぞれ1名置く。
5 委員長及び副委員長は、委員が互選する。
6 委員長は、審議会を代表し、会務を総括する。
7 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。
8 審議会は、委員長が招集する。
9 審議会は、委員の過半数の出席を必要とし、議事は出席委員の過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。
10 審識会は、次条に規定する教科用図書調査委員会及び第6条に規定する当該校種各学校における調査結果等を参考に審議し、教科用図書の審議結果を、採択年度の7月中旬(期日は別に定める)までに教育委員会に答申するものとする。

 (教科用図書調査委員会)
第5条 教育委員会は、採択に必要な資料を得るために教科ごとに教科用図書調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設ける。
2 調査委員会は、教育長の委嘱する当該校種区立学校長又は副校長及び同一教科の当該校種教員の委員をもって構成する。委員数は5名以内を原則とする。
3 委員の任期は、委嘱された日から8月31日までとする。
4 調査委員会に委員長及び副委員長をそれぞれ1名置く。
5 委員長は、当該校種区立学校長又は副校長をもって充て、副委員長は委員長が指名する。
6 委員長は、調査委員会を代表し、会務を総括する。
7 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。
8 調査委員会は、委員長が召集する。
9 調査委員会は、審議会からの依頼を受け、独自の調査を行い、教科用図書の調査結果を採択年度の6月中旬(期日は別に定める)までに審議会に報告するものとする。

 (教料用図書の調査)
第6条 当該校種各学校は、教科用図書を教科ごとに調査研究し、調査結果に意見を付して、採択年度の6月中旬(期日は別に定める)までに審議会に報告するものとする。
2 当該校種各学校の採択に関する調査期間は、採択年度の6月中旬までの2か月以内(期間は別に定める)とする。

 (欠格条項)
第7条 以下の各号のいずれかに該当する者は、審議会委員又は調査委員会委員となることができない。
(1)発行者(教科用図書の発行者をいう。以下同じ。)の役員及び従業員、並びにこれらの配偶者及び三親等以内の親族。
(2)顧問、参与、嘱託等いかなる名称を問わず、事実上発行者の事業の運営に重要な影響力を有している者。
(3)教科用図書及び教師用指導書の著作者(事実上著作に参加し、または協力した者を含む)。
(4)前号の著作者が団体である場合は、その団体の役員及びこれに準ずる者、並びにこれらの配偶者及び三親等内の親族。

 (申立書の提出)
第8条 審議会委員及び調査委員会委員は、前条各号のいずれにも該当せず、教科用図書の採択に関して、利害関係のない旨の申立書を教育委員会に提出しなければならない。

 (守秘義務)
第9条 審議会委員及び調査委員会委員は、教科用図書の選定及び調査の過程で知り得た事柄について、他にもらしてはならない。

 (解任)
第10条 教育委員会は、審議会委員及び調査委員会委員が以下のいずれかの事由に該当することとなったときには、任期の途中であっても解任することができる。
(1)心身の故障のため、任務の遂行に支障があり、またはこれに堪えられないとき。
(2)第9条に定める守秘義務に違反したとき。
(3)審議会委員、調査委員会委員としてふさわしくない行為があったとき。
(4)その他、教育委員会が必要と認めたとき。

 (所管)
第11条 審議会及び調査委員会に関する庶務は、墨田区教育委員会事務局指導室の所管とする。

 (委任)
第12条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、教育長が別に定める。

  付則
 この要綱は、平成20年4月1日から適用する。

別表1(第4条関係)
 教科用図書選定審議会
  教科用図書選定審議会委員 14名以内
   区立学校保護者代表または学識経験者  4名以内
   区立学校長又は副校長  6名以内
   教育委員会事務局職員  4名以内

平成21年度使用小学校教科用図書採択の方針について
平成20年3月
墨田区教育委員会
墨田区立小学校が平成21年度及び22年度に使用する教科用図書(以下「教科書」という。)の採択について、下記のとおり取り扱う。

教科書の調査・研究及び審議
  墨田区教育委員会が教科書を採択するにあたり、必要な調査・研究及び審議は、以下のように行う。
  ただし、今回の調査・研究の対象となる教科書の内容が、前回採択された現行の教科書と変わらないことから、今回の調査・研究は、前回の調査結果を踏まえて行うことを基本とする。
(1) 各学校における教科書の調査・研究
  各学校は、教科書の見本本の内容等を教科指導にふさわしいかどうか調査し、調査結果に意見を付して平成20年6月13日(金)までに審議会に報告する。
※調査期間は、原則として平成20年5月1日(木)から6月13日(金)までの間とする。
(2)平成20年度墨田区立小学校教科用図書調査委員会(各教科別に設置する)による調査・研究
  教科用図書調査委員会(以下「調査委員会」という)は、前回の調査結果を踏まえて独自の調査を実施し、各見本本の調査内容を平成20年6月13日(金)までに平成20年度教科用図書選定審議会に報告する。
※調査委員会は、6月13日(金)までの間に、5回以内の回数で開催する。
※調査委員会の委員構成
・委員長(校長又は副校長)及び各教科の教員の代表〔各2〜3名〕
(委員長は、小学校教育研究会各教科部長等から選出するが、必ずしも各教科部長に限るわけではない。)
(3)平成20年度教科用図書選定審議会(以下「審議会」という。)による審議
  審議会は、調査委員会及び各学校からの報告を受け、地域の実情や区民の意向なども参考に審議し、各教科の見本本についての審議結果を平成20年7月11日(金)までに墨田区教育委員会に答申する。
※審議期間は、7月11日(金)までの間に4回以内の回数で開催する。
※審議会の委員構成(合計9名)
・小学校校長会代表1名、区立小学校教育研究会代表(校長)1名
・調査委員会委員長代表1名 ・調査委員会副委員長代表1名
・保護者等2名 ・指導室長1名、指導主事(統括指導主事)2名
 (審議会の委員構成は、年度により異なる場合がある。)
(4)審議会委員及び調査委員会委員の選出・委嘱
  審議会委員及び調査委員会委員は、平成20年5月1日(木)までに選出し、委嘱する。
2 教科書の採択
  墨田区教育委員会は、審議会からの答申を受け、総合的に判断したうえで、平成20年8月29日(金)までに教科書を採択する。
  なお、採択にあたっては、審議状況などを審議会から聴取することができる。




少なくとも六人が苦情申し出
 業績評価には「公平・公正・信頼」が前提ではないのか
「不信・怒り・恨み」の増殖
勤労意欲を低下させる人事考課



 「人事考課制度は人材育成、能力開発が目的」と都は再三説明してきましたが、この制度に対する職員の不満は強く、「指導育成」どころか、職員のモラールダウンを招く結果になっていることが指摘されてきました。二〇〇六年度評価から、第一次評価(絶対評価)が希望する職員全員に開示されました。墨田では、ほとんどの学校で開示請求がなされました。その結果、「平成十九年度教育職員定期評価」・「開示面接」に納得できず、「苦情申し出」を申請した教員が墨田区内では少なくとも六人存在しています。現在、区教委による聞き取りが実施されています。業績評価は、昇任・昇格・昇給・異動等にリンクしています。そのことは、個々の教員を選別することを当然のものとしています。選別は、差別を拡大します。それ故に、職員の不満は増幅され、「職場の和」が崩されていきます。人事考課制度を暴走させてはなりません。

 教員のランクづけに、
「C」評価の強制が不可欠
 第一次評価は「絶対評価」です。絶対評価では、職員全員が、「求められる水準」をクリアーする場合があってもよいはずです。評価「C」、「D」の該当者がいないことも有り得るのです。しかし、都教委は区教委を通じて、校長に総合評価においても必ず「C」をつけるように指示したと思われます。教員をランクづけするには、評価に差をつけることが必要なのです。
 都立高校の受験に際し、教科評定は絶対評価になりました。しかし、入学生徒を成績順に合否を決めるには、「順位づけ」が必要条件になります。そのため、絶対評価と言いつつ、相対評価で示していた、「5」(7%)、「4」( %)、「3」( %)、「2」( %)、「1」(7%)に分布に概ねなると都教委は指導を強化し、受験競争を激化させてきました。私たちに対する業績評価も同様です。
 人を「競争」により「選別」し「差別」し、平気で切り捨てていく新自由主義が業績評価の本質です。私たちは、抗います。 


週刊墨教組  No.1545                            2008.5.9

憲法改悪阻止 
二〇〇八年度運動方針、予算を決定
墨田教組 第六三回定期総会
「違憲教育基本法」の実働化を許さず!
墨田の地で、 労働組合としての機能と責任を果たし続ける

 第六三回定期総会が、四月二三日、すみだ女性センターで開催されました。「違憲教育基本法」の実働化である教育関連三法の改悪を受け、「教育再生」攻撃が激しくなる中、教職員組合の責務として、「憲法の理念」に基づく教育実践をさらに深化させ、蓄積された実践を次の世代に繋げていくことを確認しました。

 総会は三時一五分に副委員長の開会宣言、「緑の山河」斉唱後、議長を選出してすすめられました。
 役員紹介の後、執行部を代表して委員長が挨拶。


闘ってこそ教師は労働者
 「ひとりひとりの組合員の支えと、様々な闘いにより、墨田区教職員組合は六三回の定期総会を迎えています。墨田教組は独自の路線を築き上げ、労働組合としてその立場を確立してきました。『不当なことは不当』として許さず、組合員の討議を経て、方針を決め、いったん方針が決まれば、愚直にとりくむスタイルが墨田教組の闘い方です。私は、墨田教組の組合員として、「闘ってこそ教師は労働者といえる」と諸先輩に導かれ、三六年目を迎えています。職場での労働条件の改善を求めての、校長交渉や区教委交渉は、時には激しいものもありました。地域の保守層からの攻撃にさらされたこともありました。
 組織は確かに小さくなりました。交渉では、数に頼って押し切ることはできない現状です。でも、区教委との様々な交渉は現在でも成立しています。『組合は、要求を勝ち取ってこそ労働組合』と自分に言い聞かせて、交渉をしてきました。休憩時間がほとんどとれない課題は残りつつも、区内一律の『勤務時間の割り振り』は交渉の成果であり、また『婦人科検診』の改善も交渉の結果です。
 同和教育を中心とした反差別の教育実践、三月一〇日を節目とした反戦平和教育のとりくみ等、墨田教組が提起し、とりくみをすすめてきた教育実践は、区教委の施策に今も大きな影響を与えてきました。
 墨田教組は存在しているのです。
 しかし、こうしたとりくみも、受け継ぐ者がいなくなれば、消滅していきます。今こそ、若い仲間に、少しでも繋げていくとりくみを今一歩すすめていこうではありませんか。この墨田の地で、教職員労働組合としての機能と責任を果たし続けようではありませんか。ともにがんばりましょう。」と呼びかけました。

 来賓として東京教組委員長の激励の挨拶の後、議事に入り、書記長が二〇〇八年度運動方針案を提案。提案を受け、四人の方が討論に立ちました。いずれも自分や職場の闘い・とりくみを具体的に紹介しつつ、執行部に対する要望も含め、方針案を補強する立場から意見を述べ、ともにとりくみ、闘いを呼びかけるものでした。
 四時四〇分に討論打ち切り、運動方針案に対する挙手採決が行われ、圧倒的多数の賛成で可決・決定されました。その後、決算・監査報告が承認され、続いて予算案について審議がなされ、採決で可決・決定されました。次に「東京教組大会代議員選挙」が行われ、三人の代議員が決定され議事は終了。執行委員が「総会宣言」を提案、採択を経て、委員長の団結ガンバロー三唱を最後に閉会しました。 


三〇人学級を東京で実現させよう!

 「三〇人学級」実現の運動を、東京教組と都教組が中心となってとりくむことを決定し、「実現を求める署名」活動にとりくんでいます。「三〇人学級」の実現は、児童・生徒の教育条件の向上と私たち教員の労働条件を改善するものです。
 墨田教組は、「一クラスの子供の数を、区独自に三〇人以下にするよう教員を配置すること」を、墨田区教委に要求し続けています。区内では、四〇人満杯のクラスもあれば、二一人のクラスもあります。こうした現実を踏まえ、区教委は「三〇人学級にしたときの」試算を行いましたが、その実現には至らず、「都の動向を見極めながら、対応したい」との回答を繰り返しています。一方、人的な措置として、「学校支援指導員」を各学校に区独自の施策として配置することを可能にしています。区独自の「三〇人学級」実現は、厳しいのが現状です。こうした中、都に「三〇人学級」を制度として実現させていくとりくみは喫緊の課題となっています。

「四〇人学級」を頑なに維持しているのは東京だけ
 東京都以外の道府県では、「三八人、三五人、三〇人」等、何らかな形で四〇人以下学級が実現しています。東京都の財政は大幅黒字です。にも拘わらず、児童・生徒の教育条件の改善や教員増を可能にする予算増額が措置されていません。石原都政の教育政策は、@国家主義教育の強化と子供に競争と選別を強いること、A上意下達による学校支配、B差別賃金制度の強化による教員賃金の引き下げの徹底です。「三〇人学級」実現のとりくみは、石原の教育政策を変更させていくとりくみでもあります。

軍隊も軍艦も基地もいらない!!
  戦争への流れをとめよう!
  東京東部5.14反戦集会

会場:錦糸公園
日時:5月14日(水) 18:30より

主催:沖縄の闘いと連帯する東京東部集会実行委員会

・各現場から闘いの報告 沖縄・横須賀・地域から
・集会後、亀戸方面へのデモ
 自衛隊イージス艦の漁船衝突による漁師父子の犠牲、沖縄・米兵による少女暴行事件など、この間、軍隊による事件が相次ぎました。
 軍隊は住民を守りません。基地がある限り、軍隊がある限り、軍隊によるこうした破壊・暴力はなくなりません。昨年夏以降、東京東部から三次にわたる派遣団が赴いた沖縄ー辺野古・高江をはじめ、軍備強化の動きに反対する各地の闘いとつながって、反戦の声を大きく上げていきましょう!

女性部総会
日時 5月21日(水)
   2時45分開場 3時開会
場所 すみだ女性センター・ホール

 教育基本法が改悪され、教育基本計画が動き出し、上意下達の職場実態は、管理強化と共に、民主主義の教育も踏みにじられようとしています。
 組合攻撃の強まる中、黙っていたら、ますます私たちの職場は息苦しくなるばかりです。
 女性部総会は、2時間休暇という形で、行なわざるをえませんが、皆さんの怒りを表すためにも、全女性組合員の結集で総会を成功させたいと思います。厳しい職場状況とは思いますが、定刻に開会できますように、ご協力お願いします。皆さんの活発な意見交換で、元気の出る総会にしたいと思います。