質問、意見等はこちらへどうぞ。[kyou4-a●ルナドットEメイルドットエヌイードットジェイピー(luna.email.ne.jp)](●を@に)天野 貴司
最初にこのコラムを書いたのは、果していつのことだったろうか? 三号雑誌ならぬ一回のみで終わっていましたね。まあインターネットなどなどで面白いネタなどを見つける度に不定期に書き連ねていこうかと思っております。
で、今回は直接ミステリ、ハードボイルド小説には関係ありませんが、切手の話題などを。
日本でも沢山の記念切手などが発売されていますが、海の向こうアメリカでも毎年毎年さまざまな趣向の切手が発売されているようです。その中でちょっと目を惹いたのが「ハリウッド伝説」と一般に呼ばれている切手のシリーズです。
このシリーズは、その名前通りにハリウッドの銀幕を飾った俳優の絵をテーマにした物で、今までに三種類の切手が発売されています。最初の1995年は「マリリン・モンロー」、1996年は「ジェイムズ・ディーン」、そして今年、1997年はあの「ハンフリー・ボガート」が切手の上で憂いを含んだ表情を浮かべております。
ちょっと考えるとこのシリーズの三人目が「ハンフリー・ボガート」というのはちょっと不思議な感じがしますが、アメリカでは今でも根強い人気があるようです。日本でも購入できるそうですが、あいにく私にはその方法がちょっと不明です。もし知っている方がいらっしゃったら教えて頂けるとありがたいです。
なお、さまざまな切手の情報を知りたいかたは、United States Post Service(USPS)を覗いてみるといいかもしれません。
では、また、いずれ会いましょう。
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濡れ衣で陥れられ、事件に巻込まれる主人公。安直なストーリー、お定まりのパターンと言ってしまえばそれまでだが、軽快なテンポでなかなか楽しく読ませてくれる。
元弁護士の主人公と、その彼が働く家具のレンタルショップの社長などなかなか面白みのあるキャラクター達などなどが、かなり物語に彩りを添えているのも、ひとつの要因であろう。
待望のブリジット・オベールの翻訳二冊目である。
今回は、ちょっと前作とはかなりトーンが異り、わりとごく普通の物語といった印象が強い。
確かに、全身麻痺の主人公、そしてその主人公の周りで起きる子供を狙った殺人事件という設定自体は興味深いものである。が、全体としてこの設定が今ひとつ面白く展開されずに終わってしまっている気がする。語り口は非常にいいのだが。
皮肉な見解を言わせてもらえば、実は全て主人公のリハビリの為の狂言とかいうオチとかを用意していてくれれば、拍手喝采だったかもしれない。
「孫娘を連れ戻してくれ」。私立探偵に依頼される仕事のおそらくほとんどを占めるこのパターン。そして主人公が通う真っ暗なバー「熾火(エンバーズ)」の面々。確かに帯の文句である「古き良き時代の香りに酔い、新鮮な驚きを味わう、、」というのはあながち嘘ではない。
ただ、本書はこの帯の台詞で語られるほどシンプルでないのが、逆に楽しみのひとつである。
しかし、私立探偵の主人公というはやはり酒無しでは生きられないものなのかしら、などと、わが身もかえりみずに勝手な思いを抱いてしまう。
ベルリン三部作のフィリップ・カーが描く新しい物語。日本では先に「屍肉」が既に刊行されているが、本作は今までの物とは180度も違う新しい作品となっている。
ドートマンダーと聞いてまず最初に思い浮かぶのは小説ではなく(失礼かもしれないが)、映画「ホット・ロック」のラストシーンである。映画館ではなくTVで観たのだが、話全体はうろ覚えながら、R・レッドフォード演ずるドートマンダーのそのシーンが妙に記憶に焼きついている。
読みはじめて最初に思ったのは(正確にはとまどったと言うべきか)、作品世界の異質さであろう。SFならともかく、通常のミステリと思って読みはじめたところ設定が近未来という事で最初はその世界にとけ込むのにしばらくの時間を要してしまった。もっとも一度慣れてしまえばカーの描く世界魅力にすっかりと取り込まれてしまう。
解説で触れている次回作も非常に待ち遠しくなってしまう。
ドナルド・E・ウェストレイク ( Donald E.Westlake ) ( 木村 仁良 訳 早川ミステリアスプレス文庫 )
それはさておき、異常心理物などもうこれだけ出てくると、食当たり気味と感じているこの頃でもあるから、こういった安心してゆっくりと楽しめる作品が出版されるのは非常にうれしいかぎりである。
流行だからといって同じ傾向の作品ばかりを出すのではなく、緩急取り混ぜていろいろな作品を適宜に出版していただくと非常にありがたいのであるが、まあそれは独り言と。
今月も合併号になってしまいました。もちょっとまめにメンテしないといけないですね。(反省)
しかし、もう秋ですね、外はなかなか涼しくはなりませんが酒屋さんを覗けは、もう秋シリーズのビールが顔を並べています。こういうのも一種の季節感ですかね。それはともかく読書の秋に果してどれだけ面白い作品に巡り合えることが出来るかが、今さらながらですが楽しみです。出版各社さんに期待しております。
そういうことで、では、また次号で。