質問、意見等はこちらへどうぞ。[kyou4-a●ルナドットEメイルドットエヌイードットジェイピー(luna.email.ne.jp)](●を@に)天野 貴司
え〜、どうもいきおいでホームページを開設してしまいました。プロバイダのIDを拾得した時に無料でHPが開設できるというのは知ってはいたものの、そうそうネタはないだろうなあ、と思って躊躇していたのだが、今回「マルタの鷹協会」会報のインターネット版を作ってしまえ、ということで取り敢えず、サイバー・フライヤー(サイバーってもう古いかもしれない)を、刊行しました。
当面は、私のみの記事なのでそれほど読みがいがないかもしれませんが、まあ徐々に誌面も充実させてゆく積もりですし、出来るだけ定期的な刊行を心がけますので、ちょくちょく覗いてくれるとうれしいです。
では、次号でまたお会いしましょう。
そろそろ今年も「ファルコン賞」の選出の時期になってきました。
ということで、私の昨年度のハードボイルドミステリベスト3を挙げておきます。
1.「掟」 "The Dishwasher" ダニー・M・マーティン ( Dannie M.Martin )
鎌田 三平 訳 二見書房(文庫)
2.「ぬきさしならない依頼」 "Free Fall" ロバート・クレイス ( Robert Crais )
高橋 恭美子 訳 扶桑社(文庫)
3.「ラスト・コヨーテ」 "The Last Coyote" マイクル・コナリー ( Michael Connelly )
古沢 嘉通 訳 扶桑社(文庫)
この2、3年、何故か香港映画にはまっている。香港映画の中でも割とカンフー物がお気に入りなのだが、その原作や原案によく名前が出てくるのが、本作の作者である金 庸氏である。香港映画が文章で楽しめるなんて、と思わず”秘密結社 紅花会”、”乾降帝の秘密”、”砂漠の花 香妃”、”紫禁城の対決”の全四巻を一気読みしてしまった。
もう予想を裏切らない面白さ。剣が舞い、針はもちろん人間も飛ぶアクションシーンがもりだくさんである。香港映画のワイヤーアクションが次から次へと目の前に描き出され、頁をめくる手のスピードも思わず早くなってしまう。おそらくカンフーアクション等の映画をあまり見たことが無いと、ちょっとイメージが湧きにくいかもしれないが。もちろんアクションだけではない。中国の任侠の世界、これがもう私にはたまらないのである。
あと、やはり興味深いのが、一巻の冒頭にある金 庸氏から日本の読者へのメッセージであろう。西洋の騎士、日本の武士、そして氏が描く中国の剣士の違いが、それぞれの文化の違いと共に簡潔に述べられている。全四巻ということでとっつきにくい人もいるかもしれないが、せめてこの文章だけでも読んで欲しいと思うのである。
ハードボイルドの新人である。どうも最近は熟練作家のシリーズ物ばかりで(それはそれで別に面白いのでいいのだが)、なかなか新しい物語が出てこないのが残念である。そんな状況の中で登場した本作。
主人公は普通に広告代理店に勤めるサラリーマンである。これがひょんなことから人捜しを頼まれ、事件に関わってゆく。あげくに会社を辞め私立探偵への道を歩んでしまう。おそらく日本のサラリーマンが読むと、なんだろうなあ? としばし首をかしげるか、呆れてしまうのだろうが、これもやはり日本とアメリカの違いなんだと思う。かくゆう私もこの辺りが妙に気になってしまった。物語自体はオーソドックスなものでどちらかと言えば、まずは主人公の紹介物語といったところか。
次回作以降に評価をゆだねることとする。
はみだしFBI捜査官、ギボンズとトッツィシリーズの最新作である。
このシリーズは、まあ外れがないのでたいていノーウェイトで買うシリーズのひとつであるのだが、今回はちょっと外してしまったかもしれない。今までのパターンからすると、猪突猛進型のトッツィの行動にギボンズが嫌々ながらついフォローをして事件を解決してゆくというのが多く、このトッツィの暴れ方が作品のひとつの醍醐味であったのだが、どうも今回はそれが足りない。やはりトッツィは女に振られないといけないのだと思うが、それは勝手な解釈か。