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11.告白撃 12.歪曲済アイラービュ |
【作家歴】、君の膵臓をたべたい、また同じ夢を見ていた、よるのばけもの、か「」く「」し「」ご「」と「、青くて痛くて脆い、麦本三歩の好きなもの、この気持ちもいつか忘れる、麦本三歩の好きなもの第二集、腹を割ったら血が出るだけさ、恋とそれとあと全部 |
11. | |
「告白撃」 ★☆ |
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「告白撃」という題名から、何やら苛烈な内容を予想していたのですが、然にあらず。 強いて言えば、大学時代から続く仲間たちとの青春延長戦に区切りをつける、青春期に幕を降ろすストーリー、と感じます。 進行役となるのは、出版社で営業、既婚の駒込果凛。 大学時代から親しい6人仲間の一人、有永千鶴(化粧品メーカー勤務)からある相談を持ちかけられます。 実は婚約した、ついては仲間の楢原響貴(公認会計士)が千鶴への想いを引きずらないよう、告白させたうえで断りたい。響貴に「好きだ」と言わせるために協力して欲しい、というもの。 さっそく計画を立て実行するものの、思うようにはならない。 協力を求めた人気イラストレーター=ハナオこと新村華生、兵頭舞(菓子メーカー勤務)の二人は、むしろ千鶴に婚約破棄させ、響貴とくっつけた方が千鶴のためになると考える。 さて、そうした混乱もある中、千鶴が願う“告白大作戦”は成功するのか・・・? 大学時代の親密さを30歳前後になる現在まで保ち続けている、という処は羨ましくもあり楽しくも感じるのですが、千鶴と響音の2人の関係がちょっと複雑というか、現実感が持てず、最後まで得心が行かないまま。 それでも大学青春譚の延長戦、友情物語としてはそれなりに楽しめます。 う~ん、如何とも言い難いです。 |
2. | |
「歪曲済アイラービュ WAIKYOKUZUMI I LOVE YOU」 ★★ |
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もし、もうすぐ世界が滅ぶと知らされたら、いったいどう行動するでしょう? どうせ滅ぶんだからこの際とばかり暴走するか、それとも今までと変わらない生活を続けるか。 まぁ、私だったら後者を選択しますね。 冒頭の「滅亡型サポタージュ」。 不定期での生配信<こなるんの予言ちゃんねる>で、最近見えないはずのものが見えるようになった、そのモノから世界の滅亡を知らされたと、こくちんが告知。 そこから本連作ストーリィの幕が切って降ろされます。 それ以降の10篇が全て、世界の滅亡が知らされたことにより起きた出来事とは限りませんが、そんなことが起きても不思議ない、というストーリーにはなっています。 住野さん、久しぶりに自分の好き勝手にやってみた、登場人物たちの言葉に自分の本音も入れ込んでみた、との由。 そんなエンタメものですから、気楽に読んで自由に楽しめば良いと思います。きっと幾つか、好みの篇が見つかる筈です。 なお、住野さんの本音、どの言葉がそうなのか、探りながら読んでみるのも一興です。 ・「炎上系ファンファーレ」:最初の一言に笑わされます。確かに子どもたちから見ればそうなのかも。 ・「悪魔流オブリージュ」:本篇も最初の一言に魅了されてしまいます。悪魔、好いじゃないですか。好きな篇。 ・「地獄行バルクール」:最後で急転、思わぬ結果に。でもそれが楽しい。好きな篇。 ・「形骸化メンソール」:煙草を巡って、不良少女と訳ありの中年男性が関わり合います。 ・「嗜好性ポロネーズ」:笑えます。ストーリーがその点を敢えて突っ込まない処が良し。 ・「印象派アティチュード」:省略 ・「小夜曲:セレナーデ」:主人公は飼い犬。最後に思わぬ真実が明らかになる処が小気味よい。この篇、好きだなぁ。 ・「暴力的エピソード」:「滅亡型」から繋がる篇。コントか? ・「一般用メッセージ」:省略 ・「歪曲済アイラービュ」:集約&結末篇。終わりよければすべて良し、か。 ※表紙絵の女の子、さて誰でしょう? お楽しみに。 滅亡型サポタージュ/炎上系ファンファーレ/悪魔流オブリージュ/地獄行パルクール/形骸化メンソール/嗜好性ポロネーズ/印象派アティチュード/小夜曲:セレナーデ/暴力的エピソード/一般用メッセージ/歪曲済アイラービュ |