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11.秋葉原先留交番ゆうれい付き 12.大川契り-善人長屋No.3- 13.九十九藤 14.みやこさわぎ-お蔦さんの神楽坂日記No.3- 15.雨上がり月霞む夜 16.永田町 小町バトル 17.隠居すごろく 18.亥子ころころ 19.せき越えぬ 20.わかれ縁-狸穴屋お始末日記No.1- |
金春屋ゴメス、善人長屋、無花果の実のなるころに、閻魔の世直し、三途の川で落としもの、いつもが消えた日、上野池之端鱗や繁盛記、まるまるの毬、六花落々、睦月童 |
心淋し川、婿どの相逢席、六つの村を越えて髭をなびかせる者、よろずを引くもの、首取物語、うさぎ玉ほろほろ、とりどりみどり、隠居おてだま、姥玉みっつ、バタン島漂流記、牧谿の猿 |
牧谿の猿、初瀬屋の客 |
11. | |
「秋葉原先留(さきどまり)交番ゆうれい付き」 ★★ |
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2018年04月
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秋葉原に復活した“先留”交番を舞台に、凸凹コンビの交番勤務警官2人と足だけの幽霊が活躍する、連作短編風&長編事件ものストーリィ。 下半身が極めて緩く、またもや女性関係で謹慎処分を喰らった警官=向谷弦(むこうや・ゆずる)。その向谷に連れられて再び秋葉原に戻ってきたというのが、足だけの幽霊となり向谷から「足子さん」と呼ばれる渡会季穂、20歳。 その2人を迎える先留交番勤務の警官は、30歳前後の権田、季穂が仇名する処の「メガネトド」。 (もっとも季穂の足は向谷には見えるが、権田には見えない) まもなく足子のことを権田が、メイド喫茶「桃飴屋」のメイドで行方知れずとなったままの玲那ではないかと気づきます。 何故、季穂は足だけの幽霊となったのか。その謎を解く長編ストーリィに並行して、秋葉原を舞台にした幾つかの事件の解明が連作短編小説風に繰り広げられるという二重構成。 風体とアニオタという人物像からは想像できない権田の意外な慧眼と捜査能力も見処ですが、何と言っても惹かれるのは、足だけという抜群に個性的な渡井季穂の幽霊造形。 不器用で頑張り屋だった季穂、何とか元に戻してやれないものかと思うのは、きっと私だけではないでしょう。 でも、事件が解決したからと言って季穂は成仏する訳でもなく、本書はシリーズものになりそうな気配有り。 今後がとても楽しみです。 オタクの仁義/メイドたちのララバイ/ラッキーゴースト/金曜日のグリービー/泣けない白雪姫 |
「大川契り-善人長屋-」 ★★ | |
2018年07月
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人助けが生き甲斐という本物の“善人”である錠前屋の加助、その加助が毎度持ち込む厄介事に実は裏では“悪党ども”という千七長屋の住人たちが振り回され、否応なく裏稼業の技を駆使して大奮闘するという、“善人長屋”シリーズ第3弾。 第1作は連作短編、第2作は長編、そして本書は前に戻って連作短編という構成です。 それにしても毎度毎度、性懲りもなく、人助けのつもりで厄介事を持ち込んでくるものだなぁと、いくら小説とはいえ溜息がでる程です。 冒頭で情報屋の半造が悲鳴を上げていますが、その心境も分かるというもの、つい笑ってしまいます。 いくら人が好いと言っても、何ら洞察力も解決能力も持たず、自分を除く長屋の住人が駆けずり回って苦労しているというのにノホホンとしているところは、もはや「善人」と言うより「厄介人」と言うべきではないかと思う次第。 もっとも「善人長屋」という題名、皮肉を篭めたものなのですから、加助は善人というセリフにも通じることなのかも。 連作短編とはいえ、主人公と言うべきお縫や住人たちの状況にも多少の進展はあります。 本書では、お縫の5歳上の兄=倫之助と、10歳上の姉=佳代が顔を出します。また、お縫と文吉の関係にもやや変化が見られる様子。 見逃せないのは、お縫の両親である儀右衛門とお俊の過去物語。思いがけないストーリィに目がテンになりました。 「泥つき大根」:倫之助の義母が25歳もの泥臭い男に恋慕? 「弥生鳶」:掏摸の名人が復活? おかげで安太郎が苦境に。 「兎にも角にも」:加助が連れてきた梅蔵、どうも胡散臭い。 「子供質」:何と子供が千鳥屋に置き去りにされ、子供質? 「雁金貸し」:借金証文の金額が何故3両から5両へ? 「侘梅」:美人局兄弟の唐吉が弟の文吉に隠し事? 「鴛鴦の櫛」:お縫の両親=お俊と儀右衛門の物語-前編 「大川契り」:上記後編にして千鳥屋を襲った凶事の解決編 泥つき大根/弥生鳶/兎にも角にも/子供質/雁金貸し/侘梅/鴛鴦の櫛/大川契り |
「九十九藤(つづらふじ)」 ★★ | |
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新たに口入屋(人材斡旋業)の差配を任されたお藤が辣腕を振るう、江戸版ビジネスストーリィ。 当時の口入屋というと、主な仕事は武家への中間者の斡旋。しかし、増田屋太左衛門が余業で始めた冬屋(かずらや)は儲けどころか赤字続き。いっそ商家を相手に新しい口入屋ビジネスを始めたらと提案したお藤が、太左衛門から冬屋の差配を任せられたところから本ストーリイは始まります。 果たしてお藤、どんなビジネススタイルを考え付き、そして如何に実現させようとするのか。その面白さもさることながら、新スタイルの商売がうまく行き始めればやっかみ半分の既得権者による妨害が入ってくると、この辺りは現代ビジネス小説と何ら変わりません。 そのお藤が如何にして冬屋の差配を任せられるに至ったか、この経緯も中々にドラマチック。 さらに、江戸の裏社会を牛耳る黒羽の百蔵との因縁、激突という試練がお藤を待ち受けます。 前半はビジネスストーリィ。後半は強欲な既得権者や強大な力を誇示する裏社会のボスとの全面対決という、波乱万丈にして迫力満点のハードストーリィが繰り広げられます。 そうした2つの面白さが満喫できるのですから、本書はかなり読んでお得な時代小説と言えます。お薦め! |
「みやこさわぎ-お蔦さんの神楽坂日記-」 ★☆ |
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2019年07月
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料理上手な高校生の孫=滝本望と元芸妓で料理ダメの祖母=お蔦さんコンビが活躍する日常ミステリ“お蔦さんの神楽坂日記”シリーズ第3弾。 基本的に事件は、神楽坂周辺を舞台にお蔦さんの知人あるいは望の友人たちの間で起こるというパターンですから、本シリーズについては、神楽坂人脈あるいは学校人脈を舞台にした“地域密着型日常ミステリ”と言うべきでしょう。 <高校青春もの>と<現代版江戸市井もの>という要素を兼ね備えているからこそ、居心地良く、気軽に楽しめるところが本シリーズの魅力。 ・「四月のサンタクロース」:小2の真心ちゃん、自分の所為で両親が離婚するかもしれないと泣き出す。その真相は? ・「みやこさわぎ」:若手芸妓の都姐さんが寿退職。「これ以上迷惑をかけられない」という言葉の意味は? ・「三つ子花火」:手がかかる2歳児の三つ子と書き置きを残して母親が突然一週間の旅行へ。その事情、真意は? ・「アリのままで」:小坂翠の同級生=笹井真棹の挙動不審と、楓の元気ない様子のその理由は? ・「百合の真贋」:元神楽坂にあった布団屋の遺産分け騒動に巻き込まれたお蔦さん、さてどうこれを裁くのか。 ・「鬼怒川便り」:鬼怒川から届いた鮎に望、ふと昔、温和な祖父がひどく怒っていた姿を思い出す。その理由は何だったのか。 ・「ポワリン騒動」:森彰彦の兄=行也が女の子に入れ揚げて大金を融通? 心配する友人のため、望と洋平が真相解明のため動き出します。 四月のサンタクロース/みやこさわぎ/三つ子花火/アリのままで/百合の真贋/鬼怒川便り/ポワリン騒動 |
「雨上がり月霞む夜」 ★★ | |
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江戸後期、上田秋成によって著わされた読本「雨月物語」を現代的に蘇らせた連作短篇集。 収録されている9篇の題名は、「雨月物語」の9篇をもじったもの。 主な登場人物は3人。 病弱で家に引きこもりがちな常盤木雨月(正太郎)、雨月が出会って家に誘った何百年を過ごした妖しの白兎「遊戯」、雨月の幼馴染みで商人を廃業し医者の修業中である上田秋成(仙次郎)。 その3人が、あちこちで様々な怪異に出会う、という筋書き。 怨念に充ちた亡霊、化け物の如き男、生きながら呪われた女、狂気に捉われた男、父を殺す念に囚われた息子、捨ててきた妻の呪いに怯える男、妖しの女、外道に堕ちた僧。 そして最後は、訳ありだった雨月の正体がついに明らかに。 雨月、遊戯が秋成に対し語って曰く、亡霊が人に災いをなすことなどない、災いを成すのはその人間の内にある業に他ならない、という言葉は現代においても得心できるなぁ。 怪奇ものであり、同時に人間の尽きない愚かしさを描いた作品でもある、連作短篇集。それなりに楽しめました。 紅蓮白峯(ぐれんしらみね)/菊女の約(きくじょのちぎり)/浅時が宿(あさじがやど)/夢応の金鯉(むおうのきんり)/修羅の時(しゅらのとき)/磯良の来訪(いそらのらいほう)/邪性の隠(じゃせいのいん)/紺頭巾(あおずきん)/幸福論(こうふくろん) |
「永田町 小町バトル」 ★★ | |
2021年06月
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現役キャバ嬢である芹沢小町、34歳。何と国会議員に。 題名と上記主人公像を知ると、永田町を舞台にした騒動劇と思いますが、いやいや本作、そんなドタバタ劇ではないどころか、かなり真剣な政策論争ストーリィ。 主人公の芹沢小町、離婚してシングルマザー。7歳の娘=菓音を連れて東京に出てきた当時泣きたくなるくらい苦労をしたのは、仕事探しと幼い娘を預ける先の問題。 そうした苦労の末に今は、キャバ嬢にして<夜間託児所と子育て支援>を取り扱うNPOの代表。 そして、法律を変え、予算を勝ち取ることができるのは国会議員だけ、と野党から国政選挙に出て初当選した、という次第。 小町を囲む事務所の秘書たちやNPOの仲間たちと、顔ぶれは多彩ですが、その中でも感動的なのは、人のために戦おうとしているお母さんは恰好いい!と健気に応援してくれる菓音の存在。 その一方、マスコミが話題にしたのは、小町と対照的で共に新人議員となった、与党に所属する世襲議員=小野塚遼子、36歳。 後半、本書題名の“バトル”とはこのことか、とようやく意味が分かりました。 面白いことは勿論面白いのですが、真剣に向かい合いたいと思ったのは、シングルマザー、特に未婚のシングルマザーにとって、現在の生活&育児支援制度が余りに力不足、配慮・柔軟性を欠いていること。 その部分だけでも、読むに値すると評価したい。 本作を読んで、この問題に少しでも多くの人が関心をもっていただければと、心から思います。 |
「隠居すごろく」 ★★☆ | |
2022年02月
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最初、気楽に読める市井もの時代小説連作と思っていたのですが、これが実に面白かった! ストーリィが始まってサイコロが振られた後、ストーリィは次第に坂道を転がり落ちていくように面白くなっていくのです。それも加速度がついたのか、どんどん、と。 主人公は六代続く糸問屋<嶋屋>の主人である徳兵衛。28歳で店を継いでから33年間ひたすら働きづめ。もういい加減ゆっくりしたいと隠居宣言、買い取った百姓家を隠宅として隠居くらしを始めます。 ところが趣味ごとに縁のなかった徳兵衛、道楽しようとしても仕方が分からず、暇を持て余すだけ。 そんな時に徳兵衛を訪ねて来たのが、8歳になる孫の千代太。 ところがこの千代太が、とんでもない騒ぎを徳兵衛の元に持ち込んでくるとは。 最初は可哀相だからと、道で見つけた野良犬、野良猫。 その後は、よりによって薄汚い勘七とおなつという兄妹まで隠宅に連れてくるとは。 確かに千代太は弱いものを見過ごせない優しい性格。一方、あんなにしつこい性分だったとは、その後も次々と問題ごとを持ち込む千代太に、さすがの徳兵衛も頭を抱えます。 しかし、そこからが徳兵衛の真骨頂。 孫をきちんと育てなければと、悪戦苦闘。すべては儲けなければ何もできない、儲けるためには知恵を絞らなくてはならないと、さながら実践練習のようです。 さしずめ現代風に言うならば、自立支援&起業支援といった感じのNPO活動といった様相です。 何でこんなことになったかと言えば、徳兵衛、○○道楽らしい。 手堅い商店の主だった徳兵衛と、まるで次元の違う発想をする千代太の、ずれまくった掛け合いがとにかく楽しい。 やがて千代太の突拍子もない行動ぶりを悟った徳兵衛が、その都度浮かべる心配顔も笑えます。 でも、それらはそれらとして、いつの間にか隠宅には大勢の人間が訪れるようになり、いろいろな相談事に引っ張り出される徳兵衛、生き生きとして実に楽しそうです。 徳兵衛の周りに群がる子供たちも実に生き生きとして、こちらまで元気にさせられるような気がします。 最後、これ以上ない位のハッピーエンドではないでしょうか。 第二の人生として、羨ましいくらい。(笑) 1.当ての外れ/2.悪癖/3.兄妹/4.にわか師匠/5.糸玉の音/6.千客万来/7.狂言作者/8.商売道楽/9.芝居顛末/10.裏の顔/11.落首/12.双六の賽 |
「亥子(いのこ)ころころ」 ★☆ | |
2022年06月
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老菓子職人の治兵衛、娘のお永、孫娘のお君という家族3人で営む小さな菓子屋=南星屋(なんぼしや)を中心にした時代小説シリーズ、「まんまるの毬」に続く第2弾。 冒頭、店の前で行き倒れていた男にお君が気付き、3人で助け起こすところから本ストーリィは始まります。 その男は雲平という菓子職人。かつて修業先で一緒だった仲間の職人=亥之助が行方知れずになり、亥之助を探し出そうと江戸までやってきた、というのがその事情。 折しも治兵衛が左手をねんざし、菓子作りに困っていたところ。お互いに都合がよいと、雲平は治兵衛の手助けとして南星屋で働き始めます。 治兵衛ほどではないにしろ、雲平もまた全国を回って菓子職人の腕を磨いてきた人物。治兵衛、菓子作りにおいて雲平と意見交換するのが楽しいと、大喜び。 連作短編小説といったストーリィ構成ですが、一貫して亥之助が姿を消した事情を探り、ならびに亥之助の居場所を探し求めるという長編要素との二本立て。 ただ各篇で、治兵衛が菓子作りに工夫を凝らす様子が描かれ、如何にも美味しそうな菓子が毎回登場しますので、肝心の主ストーリィがすっかり菓子話に埋もれてしまっている、という観あり。 そこが本作の少々残念なところ。 夏ひすい/吹き寄せる雲/つやぶくさ/みめより/関の戸/竹の春/亥子ころころ |
「せき越えぬ」 ★★ | |
2021年10月
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箱根の関を預かるのは小田原藩大久保家。 その藩士である“武一”こと武藤(たけとう)一之介は、冒頭篇「せき越えぬ」での行動が祟ったのか、先手組4人扶持から(関守を務める)御先手弓方5人扶持への異動を命じられます。 どうもそれには家老格である名家の嫡男、道場仲間となって以来の親友である“騎市”こと騎山市之助が絡んでいるらしい。 ともあれ武一、親しくなった藩士の越坂(えつさか)晋輔と共に新人関守として箱根関へ。唯一心強いのは、これもまた友となった箱根関に勤める足軽=岡衛吉(えきち)の存在。 そして密かに期待するのは、以前に橿木坂(かしのきさか)で助けられた女性との再会・・・。 箱根の関を舞台にした、時代版お仕事小説+人間ドラマ4篇。 何より楽しいのは、主人公である武一のキャラクター。 「考えるより先にからだが動く」、そして能天気という性格。 そのキャラクターが存分に発揮されて愉快、痛快なのが、冒頭篇の「せき越えぬ」。この一篇ですっかり本作に取り込まれてしまいました。 しかし、ただ愉快というだけでは終わりません。 当然ながら関を通る人々の姿は様々。そこで武一は、幾つかの人間ドラマにも遭遇します。 その末に武一、人としてどう生きようとするのか、という重大な岐路に立たされます。 本作の楽しさは、登場人物に好漢が多いこと。 主人公の武一は勿論ですが、49歳で隠居した父親の俵兵衛、これもまた相当の好漢です。 騎市、越坂晋輔、岡衛吉、“氷目付”と評される横目付の望月嘉門、そして女性とはいえ、武一が惚れ込んだ相手=千野理世もまた好漢と言って良い。 テンポ、そしてキレ味の良い連作風時代ドラマ。楽しめました。 せき越えぬ/氷目付/涼暮れ撫子/相撲始末/瓦の洲(くに)/関を越える者 |
「わかれ縁(えにし)」 ★★ | |
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訴訟や裁判ごとで地方から江戸にやって来た者たちを宿泊させた宿屋が“公事宿”。 本作は、その公事宿を舞台に、江戸の離縁の離婚模様を描いた連作風ストーリィ。 主人公は23歳の絵乃。定職を持たず浮気ばかりの上に借金を繰り返す亭主の富次郎に追い詰められた状況。 その様子を心配して絵乃に声を掛けてきて、事情を聞いたうえで公事宿に頼んでも離縁した方が良いと勧めてくれたのが、公事宿「狸穴屋」の手代だという椋郎。 その狸穴屋に一泊させてもらった翌朝、気働きの良い絵乃を見込んで女手代にならないかと申し出てきたのが、女主の桐。 自分の離縁を成し遂げることこそ狸穴屋手代としての初仕事と心を決めた絵乃の、手代見習いとして向かい合う離縁騒ぎの数々、というストーリィ。 女主の桐といい、人の好い手代の椋郎、そして請われて御家人の妻女になったという前・女手代のお志賀ら、狸穴屋の面々が個性的で楽しい。 他の夫婦における離縁騒動も興味深いのですが、やはり主眼は絵乃自身のこと。 公事によって絵乃は、ずる賢くて悪辣な亭主の富次郎から離縁状を獲得することができるのか。その辺りの展開が、結構スリリングです。 また、絵乃と父親を捨てて出奔した母親=布佐の真相が終盤で判明するところも、やはりサスペンス風の味わいです。 わかれ縁/二三四の諍い/双方離縁/錦蔦/思案橋/ふたたびの縁 |
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