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【作家歴】、ひゃくはち、スリーピング・ブッダ、砂上のファンファーレ、東京ドーン、6(シックス)、イノセント・デイズ、小説王、店長がバカすぎて、新!店長がバカすぎて、アルプス席の母 |
11. | |
「問題。−以下の文章を読んで、家族の幸せの形を応えなさい−」 ★★ |
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題名を見て、これはかなり特異な構成をもっての作品かなと、その特異性に期待したのですが、全くの勘違い。 王道の、中学受験&家族の物語、でした。 主人公である長谷川十和は小学六年生。小四の時、唐突に母親から塾通いを指示されて当惑したのですが、塾で仲の良い友達もできて結果オーライ。 家族は両親に3才下の妹と、ごく一般的な家庭。しかし、母親の言動には何かと反発して、いつも対立しがち。一方、父親については、一緒にいると息が詰まりそうに感じている。 家族からどうにかして離れたい。 一人で大阪の祖母の元へ遊びに行った際に、大阪の名門校=星蘭女学院中学校のことを知った十和は、両親へ同校を受験したい、合格したら大阪の祖母の元から通学する、と宣言します。 父親は、家族が離れ離れになるなんてとんでもないと、猛反対。しかし最後、二つの条件を呑むことで星蘭受験を了承します。 そこから、父娘二人三脚での受験勉強が始まる・・・。 十和だけではなく、塾仲間も含めて、受験ストーリーとして十分面白く読めます。なお、かなり受験を前向きに捉えている、という前提あってのこと。 そして、ただ受験だけで終わるストーリーでないことが明らかになるのは終盤になってのこと。 始まりも終わりも、十和の家族全員に関わる受験であったのですから。 なお、<受験>とは何か? 十和に対して言う父親の言葉、また最後に登場する小説家の言葉が印象的。 そう、受験の合否がどうであろうと、それだけで人生が決まる訳ではないのですから。 最後まで、面白く読めました。 満足。 |
12. | |
「さらば! 店長がバカすぎて」 ★☆ |
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「店長がバカすぎて」「新!店長がバカすぎて」に続く、シリーズ第3弾。 これで完結?と思うのですが、出版社紹介文にそうした明言はなし。最終巻であるにしろないにしろ、もういいかな、というのが率直な思い。 第3弾である本作、前二作より面白くなかった、という印象。 その理由は、主人公である谷原京子がパッとしないから。 谷原京子も早や35歳。欠かせない相棒だった磯田真紀子が結婚して退職。 磯田の退職もあり、武蔵野書店吉祥寺本店のスタッフは、小説二作を読み山本猛店長を敬愛して働き始めた“親店長派”4人が主力となっていて、長いスランプもあって京子はもう疎外されている、といった雰囲気。 そんな雰囲気がずっと続きます。 最後は、山本店長、京子の身に大きな変化があり、また新たな作家が「さらば!店長がバカすぎて」を刊行してヒットするという恒例パターンがあって、まぁ驚きの結末で決着します。 でも、何だかなぁ、という感じ。 山本猛店長、皆から愛され、期待されるような人物だったのでしょうか。どうもすっきりせず。 1.おかえり! 店長がバカすぎて/2.キッズがバカこわすぎて/3.インフルエンサーがバカすぎて/4.シン店長がバカすぎて/5.マイダーリンがバカすぎて/最終話.さらば! 店長がバカすぎて |