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【作家歴】、桐島部活やめるってよ、チア男子!!、星やどりの声、もういちど生まれる、少女は卒業しない、何者、世界地図の下書き、スペードの3、武道館、世にも奇妙な君物語 |
ままならないから私とあなた、何様、風と共にゆとりぬ、死にがいを求めて生きているの、どうしても生きてる、発注いただきました!、スター、正欲、そして誰もゆとらなくなった、生殖記 |
21. | |
「イン・ザ・メガチャーチ In The Megachurch」 ★★ |
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いつもの朝井リョウ作品というつもりでいたら、いつの間にか話題沸騰、図書館への予約殺到という作品になっていて、驚きました。 そのうえで、内容を知ってまた驚き。まさに現代社会における、特徴的な現象を映し出したストーリーでしたから。 その現象とは何かというと、推し活等々、熱狂的な“ファンダム(ファンコニュニティ)”。 本作は、三人の登場人物を以て語られます。 一人目は久保田慶彦、47歳。離婚して今は孤独な身。かつては洋楽のリーダーとして活躍したが今は地味なバックオフィス勤務。しかし、同期の橋本に引っ張られ、男性アイドルグループのデビュー戦略を担うチームに参加することになります。そこで慶彦が知ったのはファンダム、そしてその戦略には驚愕するばかり。 二人目は武藤澄香、19歳。慶彦の娘。留学志向で大学進学したものの自信を失い、逃げ道を押し活に見い出して没頭。 三人目は隅川絢子、35歳、契約社員。俳優の藤見倫太郎を応援していたが、その倫太郎が自殺。しかし、その自殺報道を信じず、いつしか政府陰謀説を唱える活動に呑み込まれてしまう。 若い人たちを中心とした現代世相の反映であり、その深層を探る分析的ストーリーである等、注目に値する作品であるのは間違いありません。 しかし、私としては、嫌だなぁーという意識が先に立ち、引き気味に読んだというのが正直なところ。 私も読書オタクではありますが、推し活とか、宗教に嵌り込むとか、関わりたくないのです。 そして何故上記三人が嵌り込んだかといえば、孤独だったり先の展望が見えないとか、落ちこぼれるとか、自分の中に軸となるものを持てていないから、と感じます。 現代世相を知るうえで勉強になりますし、ビジネス上で参考になることも多々ありと思いますが、面白く読めるかどうかは、読む人の好み次第、捉え方次第でしょう。 1.久保田慶彦/2.武藤澄香/3.隅田絢子/4.久保田慶彦/5.武藤澄香/6.隅田絢子/7.久保田慶彦/8.武藤澄香/9.隅田絢子/10.久保田慶彦/11.武藤澄香/12.隅田絢子/13.久保田慶彦/14."すみちゃん"/15.隅田絢子/16.武藤澄香/17.久保田慶彦 |
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