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4.骨董屋 9.炉辺のこおろぎ |
荒涼館、リトル・ドリット、我らが共通の友、エドウィン・ドルードの謎 |
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●「ボズのスケッチ−短篇小説篇」● ★☆ |
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2004年01月
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「ボズのスケッチ」は、若き新聞通信員だったディケンズが見聞した町の出来事をスケッチ風に描いて連載した小話集。 デビュー作の所為か、後年のディケンズ作品と比べるとかなり大人しい印象を受けます。それでも、個性的かつ戯画的な登場人物を多く生み出した後のディケンズを予感させるところが随所にあり、ファンとしては見逃せない一冊。 【上巻】ボーディングハウス盛衰記/ポプラ並木通りでのディナー/花嫁学校感傷賦/ラムズゲートのタッグス一家/ホレイショー・スパーキンズの場合 /黒いヴェールの婦人 |
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●「ピクウィック・クラブ」● ★★★ |
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1974年09月 1990年02月
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この作品は、単にユーモラスというだけでなく、当時の社会風俗をよく描写しているという点からも、楽しめる小説です。 ストーリィは、ピクウッィク・クラブの会長ピクウィック氏と3人のメンバーが旅に出て、彼らの見聞・冒険の数々をクラブに報告するというもの。 普通に善い人であるピクウィック氏の人物像は、そうしたユーモア感覚と結びつくことによって初めて「愛すべき、善良な...」と成り得ていると思います。 もうひとつ、この物語では、ジングル氏の悪役ぶりがとても印象的。
悪役とはこうあるものか、と思うほど。 ※なお、この作品はイギリスにおいて初めて毎月分冊刊行の小説として出版され、一般大衆でも気軽に小説を買って読むことができるようになったという、革新的な役割を果たしています。最初はあまり売れませんでしたが、サム・ウェラーの登場以降突然人気が出て、猛烈な勢いで売れ始めたということです。 |
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●「オリヴァー・トゥイスト」● ★★ |
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1990年12月 2005年12月 1975/06/01 |
ロンドンの暗黒街を舞台に、孤児オリヴァーの成長を描くストーリィ。
本作品の人物像は単純です。つまり、善人と悪人。 |
※映画化 → 「オリバー・ツイスト」
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●「骨董屋」● ★★ |
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1974年07月 1989年09月 1975/04/29 |
主人公のネルは、ロンドンの場末で骨董店を開いている老人トレントの孫娘。 クウィルプは更にネルと祖父を迫害しようと跡を追い、一方でトレント老人の弟が金持ちとなって外国から帰国し、やはりこれも2人の跡を追うのです。
当時はネルの悲劇にイギリス中の人々が涙し、アメリカにおいては、イギリスからの船が入港すると埠頭に集まった群衆が声を張り上げてネルの安否を尋ねたという。連載当時それくらい人気があったらしい。 |
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「バーナビー・ラッジ」 -- |
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2026年03月 2026/05/-- |
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●「アメリカ紀行(上)」● ★☆ |
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2005年10月
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本書は、ディケンズが29歳の時に夫人連れでアメリカ訪問をしたときの覚書。 題名に「紀行」という名がついていると“旅行の思い出”的なものとつい想像してしまうのですが、本書はそうしたものとはかなり違う。確かにそういう部分はありますが、アメリカ社会の観察記といった方が遥かに相応しい。 旅立ち→船旅→ボストン→鉄道・工場システム→ハートフォード→ニューヨーク→フィラデルフィア→ワシントン→ポトマック川→ボルティモア→ピッツバーグ→シンシナティ→セント・ルイス |
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●「アメリカ紀行(下)」● ★☆ |
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2005年11月
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下巻のうち「アメリカ紀行」の続きは
150頁程度。正直に言ってヤレヤレというところです、これでやっと解放されると思って、ホッ。 残る 200頁余は、ジョン・フォースター「チャールズ・ディケンズの生涯」の第3章「アメリカ
1841-1842(29〜30歳)」。 →シンシナティ→コロンバス→サンダスキー→ナイアガラ→トロント・キングストン・モントリオール・ケベック→レバノン→ウェスト・ポイント→帰路/奴隷制度/結びの言葉 |
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●「マーティン・チャズルウィット」● ★★☆ |
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1974年08月 1993年10月
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本書は、チャズルウィット家の遺産相続をめぐり、人間の利己心と、偽善をとことん描いた作品。 ストーリィとしては、老マーティンの信用を失った青年マーティンが、家を追い出され、恋にも絶望し、試練の旅を重ねるという内容。 本書で注目されるのは、主人公マーティン・チャズルウィットより、むしろ脇役の人物達です。 改めて整理すると、マーティン・チャズルウィット、老人の方も青年の方もひどい利己主義の塊。 ディケンズ作品の典型的面白さを供えた作品だと思いますが、ただ長ったらしいのが難点です。 |
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●「クリスマス・カロル」● ★★★ |
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1952年11月
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クリスマスにふさわしい本と言えば、この作品の右にでるものはないでしょう。クリスマスの度、繰り返し読んで喜びを新たにしたくなる、そんな名作です。 主人公のスクルージは、孤独で頑迷な守銭奴と言ってよいような老人。クリスマスだというのに、スクルージは少しも祝おうとせず、甥や書記のお祝いの言葉にも冷ややかに応えるだけです。 自分自身の過去の姿、現在の甥や書記のボブ・クラチット一家の楽しそうな家庭の様子、自分が死んだ時のみじめな状況、スクルージは幽霊と共に様々なクリスマスの姿を目にします。 キリスト教にしろ仏教にしろ、人のために尽くすという行為は、相手を幸せにするものではなく、自分自身を幸せにするものであると教えています。スクルージもまた、人のためにつくすことによって自分自身が幸福になれることを知ったのです。その意味で、クリスマスの精神をこれ以上見事に描き出したストーリィは他にないように思います。 ディケンズは、ロンドンの貧民層、癖の強い人物を描き出すのにすこぶる長けた作家です。長篇作品となるととかく冗長な傾向があるのですが、本作品は短編だけにディケンズの長所が見事に生きています。 |
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●「炉辺(ろばた)のこおろぎ」● ★☆ |
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2004年12月 |
ディケンズの“クリスマスの本”には5作品があり、本書はその中の一作。 一方に貧しいけれど幸せな家族があり、一方に金持ちだけど性格が悪く孤独な男がいる。貧しい者たちを散々馬鹿にしてきた金持ち男ですが、貧しいけれど幸せそうな家庭風景をみて心を入れ替えるというストーリィ。基本的なところでは「クリスマス・カロル」と共通しています。 本作品の“こおろぎ”は善良な人々の家庭を守る妖精のような存在として描かれており、「リリーン、リリーン」という鳴き声は随所随所で象徴的に響き渡ります。 第一の鳴き声/第二の鳴き声/第三の鳴き声 |
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●「デイヴィッド・コパフィールド」● ★★★ |
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1849-50年発表
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この作品はディケンズの自伝的な小説と言われ、ディケンズの中では一番まとまりの良い作品です。S・モームも“世界の十大小説”のひとつに選んでいます。 少年時代、母と再婚したマードストン姉弟から虐待を受け、クリークル学校・徒弟時代と辛酸を舐め、ボロボロになって伯母の家まで辿り着くという冒頭部分では、それなりに自らがストーリィを切り開いていると言えます。 ディケンズは、どうも主人公を善良だけれども平均的な人物に仕立て過ぎたらしい。ディケンズ作品においては、クセのある人物の方がはるかに魅力に富んでいるのです。 この作品は、コミカルな面も多分にありますが、人が生き、その終わりに自分の人生を振り返って、かくも満足気に語ることができたら幸せに違いない、と思わせるものをその中に含んでいます。 |
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