不貞行為の慰謝料を支払った相手が私に求償してきた/弁護士相談

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2015.5.11mf更新
弁護士河原崎弘

相談:慰謝料を支払った者が求償してきた


私が不貞行為(不倫)をおかしたので、夫が私の交際相手に慰謝料を請求し、裁判になりました。交際相手は、夫に200万円を支払いました。
その半年後、私の交際相手の代理人弁護士から、私に対し、私の負担部分として200万円を請求するとの内容証明郵便を送ってきました。支払わない場合には、訴えを提起すると書いてあります。
これは、適正な請求なのでしょうか。
私と彼との交際は、彼が、何度もメールをくれてから始まりました。彼が、主導したのです。
相談者は、弁護士会に電話予約し、法律相談を受けました。

回答:不真正連帯債務には負担部分がある

不貞行為(不倫)は、不貞配偶者(相談者)と不貞関与者の、不貞された配偶者(夫)に対する、共同不法行為です。不貞配偶者(相談者)と交際相手の男性(不貞関与者)が、共同して、慰謝料支払い義務を負うのです。不貞関係者は、下記のようになります。
不貞関係図
(不真正連帯債務)
各支払い義務者は、債権者に対して全額を支払う義務を負います。これを不真正連帯債務といいます。不真正連帯債務の場合、昔は、各債務者に全額の支払い責任があるが、債務者間に負担部分はないと考えられてきました(求償できない)。
しかし、最高裁の判決(昭和41年11月18日)以降、不真正連帯債務にも負担部分があり、負担部分を超えて支払った債務者から他の債務者に対する求償を認めるようになりました。

(責任割合/負担部分)

置かれた状況責任割合/負担部分法的立場
不貞配偶者不貞をした配偶者7割〜6割 不真正連帯債務者
不貞関与者不貞の相手方 = 不貞に関与した者3割〜4割
不貞された配偶者不貞による被害者-権利者

(負担部分を決める要素)求償された場合、あなたは200万円全額を支払う義務を負いません。
責任割合を考えますと、彼が交際に積極的であったので、その意味では彼の責任割合は大です。他方、あなたが配偶者ですから、あなたの責任も大きいです。
そこで、「若干は支払います」と回答しておき、最終的には80万円〜120万円(4割〜6割)くらい支払う覚悟でいればいいのです。

(訴訟告知)
以前の裁判のときに、将来の求償のため、訴えられた人(相手の男性)が、他の不真正連帯債務者(この場合は、相談者)に訴訟告知(民事訴訟法53条)すると、将来の(求償の)裁判のために役に立ちます。 訴訟告知を受けた当事者は、訴訟の当事者になり、判決に拘束されます。後の裁判で、訴訟告知された相談者は、「不貞は存在しなかった」とは、主張できなくなるのです。
本件では、 男性は、訴訟告知をせず、今になって訴えると言ってきたのです。

判決

2010.5.10
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