もはや「我が家の近所」ではありませんが(笑)2018年の夏休みに知床地方にレンタカーで観光旅行した際に、登録有形文化財になっている橋梁跡を見てきました。1957年に開通、1970年に廃止され、わずか13年の命だった国鉄根北(こんぽく)線の遺構です。子どもの頃、NHKテレビ「新日本紀行」で廃止直前の根北線を観て、なぜかひどく感動し、小学校の社会科地図の北海道のページに、根北線を書き込んで強調したりしていたことを覚えています。根室〜北見を結ぶ構想だった線ですが、結局、知床斜里駅を起点として虫垂のように3駅しか作られず、この橋梁は終点駅の先に作られて、結局一度も列車が通ることのなかった悲運の橋梁です。国鉄が経営悪化して次々に路線が廃止され始めるよりもかなり前の1970年に早々に廃止されたのは、国鉄の中でも飛びぬけて収支が悪かったからでしょう。途中駅の「以久科」は「いくか」とばかり思っていましたが、「いくしな」と読むのが正しいことを、最近になって知りました。近くを流れている幾品(いくしな)川の同音異字であることに遅まきながら気づきました。行ったこともないのに、さまざまな思い入れのある廃線で、その遺構を初めて見られたことは嬉しかったです。
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橋梁前に立つ解説板。 | 橋梁は国道244号によって東西に分断されています。 |
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越川橋梁(西側) | 越川橋梁(東側)。森の中に奥深く続いています。 |