下野国の人。火長(兵士の小集団の長)。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。
天地(あめつち)の神を祈りて幸矢(さつや)貫(ぬ)き筑紫の島を指して行(い)く我は(万20-4374)
【通釈】天地の神に祈りを捧げて、さつ矢を束ねて靫に負い、筑紫の島を目指して出航して行くのだ、俺たちは。
【補記】「さつ矢」のサツは獲物(サチ)の交替形、あるいは矢(サチ)の古形と言う。「筑紫の島」は九州のこと。
最終更新日:平成16年01月03日
やまとうた表紙 千人万首 目次 次の歌人