(2)w と T の間には正の相関関係がある。
つまり,T が大きくなったとき w は正(上向きの風),T が小さくなった
とき w は負(下向きの風)の傾向がある。すなわち,温かい空気は上昇し,
冷たい空気は下降している。それゆえ,温・冷気塊が上下に交換する
ことによって地表面から上空へ熱(これを顕熱輸送
という)が運ばれていることになる。
図示していないが,夜間はこの図とは逆に w と T の間には負の相関関係
がある。つまり上昇流のとき T は低くなり下降流のとき T は高くなる
確率が大きい。これは下向きに顕熱が運ばれていることを意味する.
(3) u と w の間には負の相関関係がある。
上昇流のとき風速 u は小さく,下降流のとき風速 u は大きい傾向がある。
これは,上層の速い風が下降し,下層の遅い風が上昇している。物理的に言え
ば,風がもっている運動量(=空気密度×風速)が上から下へ運ばれている
ことになる。これを運動量輸送という。
運動量の地表面への輸送は,地表面を平均風の方向へ
引きずろうとする力になる。