訪問予定の児童援護施設
1、「夢を織る家(Ban Thor Phan)」
Tambol Nonglu,
Sangklaburi District, Kanchanaburi: (Thailand)
Tel.+66 1-4493061, email: barnthorphan@yahoo.com

タイのフリースクール「夢を織る家(バン・トー・ファン)」はまだ三十代の若夫婦カンパナートさんとユパさんらによって運営されている施設で、30人以上の子どもたちが共同生活しています。18年前にバンカピで始まり、2年後にビルマ(ミャンマー)の国境に近いタイ西北部カンチャナブリ州のサンカラブリの荒れ地に移り、現在に至っています。

  貧困や虐待、遺棄あるいは政治的混乱、少数民族迫害などで家族を失った子どもたちを受け入れ、大きな家族として暮らし、自然の中で子どもたちの傷ついた心を癒しています。子どもたちは昼間は地域の学校に通い、戻ってきたら、家の仕事を手伝ったり遊んだりしています。有機農業も大事な日課です。

  のべ18年間、このような傷ついた子どもたちを受け入れ、家族のように支え育て、自立させてきたカンパナートさんの人柄は素晴らしく、まだ36歳前後の若い方ですが、すでにして人格者の趣があらわれています。

  楽しみの少ない子どもたちに子どもらしい遊びの一日を!ということで、カンパナートさんの提唱により「地球こどもの日」を毎年一月下旬から二月初めの日曜日に行っており、周辺地域の子どもたちも入れてのべ2000人の子どもたちが「夢を織る家」に集まり、バンコクなどの都市部から大学生や市民がボランティア・スタッフとして、200名ほど駆けつけます。バンコクから車で9時間の道のりをヒッチハイクや車の乗り合わせで来て、子どもたちの遊びの相手をして、また戻るのです。派手な遊具も装飾もなく、なわとびやイス取りゲーム、くじ引きなどで遊ぶだけですが、心意気の暖かさがつくり出すとても感動的な催しです。

  「夢を織る家」は完全に自立した組織で、子どもたちのつくるタイ・ダイ(染め物の衣服)の売り上げが主たる財源ですが、裕福な機関ではないので、ときどきは育ちざかりの子どもたちの食糧などにも不足が出ることもあるそうです。
 

2、「子どもの村学園(Moo Baan Dek)」
Latya-Srisawat Rd., Kanchanaburi 71190 Siam (Thailand)
Tel. +6634-515106, 516765 Fax 516766 email: mbd@ffc.or.th
http://www.ffc.or.th/mbd

 1979年に創設されたタイのオルタナティヴ教育の代表的な学校で、サマーヒル・スクールと仏教の理念にもとづき、現在125人の子どもたちが暮らし、学んでいるコミュニティーです。ここも貧困や虐待、遺棄などの理由で家族を失った子どもたちで、10〜13人の子どもたちと2〜3人のスタッフが一グループをつくり、一つの家で家族のように共同生活をしています。それらの家が12ほど集まって「子どもの村学園」を形成しているのです。

 ここは政府から認可された小学校となっており、子どもたちは生活のみならず勉強もここでします。子どもの自発的な意思を尊重し、強制をせずに話し合いで進めたり、創造的なワークショップに力を入れるなど、サマーヒル教育をとりいれています。金曜の午後には学校評議会があり、子どもとスタッフが一同に介して、学校の問題を民主的に解決していきます。

 タイでは有名なオルタナティヴ教育の学校で、社会的にも広く認知されており、あちこちの児童援護施設と協力しながらタイでのオルタナティヴ教育のリーダーとして活躍しています。