田老  k-side@highway.ne.jp



前置き

 長かったようでいて、そのくせ短かったようで、例によってよく判らないウチに1年が過ぎていこうとしている。

ニジイロ飼育記も1年間の連載を果たし、無事終了である。
編集にご尽力いただいた諸兄には、感謝の言葉もない。m(_~_)m

今回は最終回(と勝手に決めた)なので、田老棚のニジの足跡を辿ろうと思う。あと少しつきあってくだされ。
 

では、半年ほど遡って5月から。。。
 

第6章
艱難辛苦を乗り越えて。。。。

 GWも終わってしまった。長期連休になど成るわけではないが多少なりとも連休だった。連休の前には、アレもしようコレもしようといろいろと計画など立てていたが、何一つ実現しないうちに連休は終わってしまった。残ったのは、使用済みビンの山、マットや菌糸交換待ちのムシ達、未発酵マットと詰めていない菌床。皆、連休前そのままだ。あぁぁあ。

ニジは、どーなったかって?

 こんな貴重なムシは、1度ビンに放り込んだら、そうそういぢるものでわない。当然GWの間、田老棚の隅っこに入れたままほったらかしである。しかしこんなホントのことを書いていては、飼育記にならないので毎日熱心に観察していることにする。(毎日ビンは眺めていたのだ、ホントに)

 友人で実に熱心に観察する方が居る。国産メインだが、蛹の羽化ビデオは当たり前、前蛹の蛹化シーンだの加齢状況だのと克明に記録している。飼育者の鑑である。

 が、田老にそんなことを期待してはいけない。蛹化や羽化といったビッグイベントにも1週間程度なら、気付かないのが茶飯事である。(だって寝てる間のことが多いもんね)

 で、GWの間なにをしていたか というと「昼寝」もだが、「材割り」である。去年までは、GWは裏山へ行っていた。冬眠から覚めたばかりのスズメバチや巨大ムカデ、ヘビ、その他得体のしれないもののけと闘っていた。とにかくそういうのが、良く出てくるのだ。場所が悪いのかも知れない。

収穫は、スジやコである。

 割り出し中は、巨大幼虫だと喜んで居るのだが。まぁ、推して知るべし。とにかくスジやコが山のように採れる。採れてしまったものは仕方がない。手頃な材とともに持って帰る。

 玄関先で材を削って見せると、子供がワラワラと寄ってきて好き放題言いたい放題である。口だけは達者だからね。「自然破壊」だの「環境にやさしくない」だのと。しかし、新成虫なんかでてきたりすると子供に戻って大騒ぎとなる。山のようなスジやコが、あっと言う間に捌けてしまう。もちろん最大級(といっても3g程度だが)は、隠して有るだ。こんなことをしていると、GWはいつのまにか終わっている。

 で、今年は去年より雪解けが早い。去年は材の中にいたスズメバチが、今年は里をブンブン飛び回っている。おっかなくて山に入るどころではない。近所の椎茸小屋にデカイ巣を構えたり樹液ポイントに巣を作ったりするのは、今年はヤメテ貰いたいものだ。というわけで、材を探すのは川原にした。

流木は期待したほど見つからなかったが、倒木はゴロゴロしている。山よりあるかも知れない。喜んで連日通ったが、カミキリとスジだった。

皐月14日赤口

 昨日は、母の日だった。にもかかわらず(?)ムシイヂリをしていたら、超弩級の雷が落ちた。カーネーションでも、ぷれぜんと しておけば良かった。当然、樹液チェックにも出ること適わず(TT)。今年は、空気が乾燥している。昨年はもうムシムシしていたが、今年は、日中27度(自家計測)になっても、日が落ちると涼しいくらいだ。樹液の出も悪い。ムシも居ない。雨も降らない。が、昼間は暑かったのだ。チェックに行きたかったなぁ。

 今年は、既にハクビシンと遭遇した。昨年まで妖怪だのモノノケだのイタチだタヌキだと言っていた奴に違いない。正面から睨み合ったので同定に間違いはない。後日動物園まで見に行って確認してきた。コイツだ。どーも独立自営のようだ。巣を見つけたら、仔が採れるだろうか?説明書によると東南アジアの人里離れた山奥に居るそうだ。かつては本州にも居たとか、丹沢の奥地で見るとか。だんだん「西部辺境の」という枕詞が冗談ではなくなってきたようだ。この調子で数年すれば、小宮村オオクワも夢ではないにちがいない。

ニジ?そうだったN3の菌糸カスを交換するのだった。