良洞民族村は慶州の北、車で30分くらいのところにあり、150戸360世帯の小さな村だ。民俗村とは言っても、観光客のために保存してある施設ではなく、実際に一般の人たちが暮らしている。15〜16世紀に形成された典型的な両班村だそうだ。 |
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小さな村なのですぐに見終わってしまった。そろそろお腹がすいた。食事が出来そうな店は2軒しかない。入口近くにある「友好茶屋」というところに行ってみた。看板はあるが、小道を入ったところはごく普通の民家の縁側。どうなってるんだろう?と立っていると奥から主婦らしき人が出てきて、「どうぞ、どうぞ」と手招きしている。招かれるままに縁側の横を抜けるとそこは中庭になっていて、左が母屋の勝手口、右に小さな離れが建っていた。離れには小さな窓がついていて、それが開いているので、中で5〜6人の韓国人主婦グループが大声で談笑しながら食事をしているのが丸見え。どうやら彼女たちも観光客らしい。 | |
母屋のほうから韓服を着た品のいい男性が現れる。この家のご主人らしい。「こちらにどうぞ」と主婦グループの隣りの部屋の扉を開けてくれたので、靴を脱いであがった。扉を開けて、地面から30センチくらい上がった床によじのぼる形になる。これって、昔は使用人の部屋だったのだろうか? 中は例によてオンドルの床で、中央にテーブル、壁にはカレンダーや時計、鏡、ハンガーまでかかっていて、なんというか片づけていない他人の部屋に勝手に上がり込んでる気分。男性がメニューを見せてくれるが、たいして品数はない。このへんの名物だという山菜ピビンバを注文した。5000ウォン。 |
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お腹がいっぱいになり、じゃあ、あとは南山で仏像でも見て歩いて腹ごなしにしようか、と慶州に戻った。ガイドブックによると、いくつかのハイキングコースがあるらしいが、あまりがんばって歩く気分ではなかったので、出来るだけ車でそばまで行けそうな拝里三尊石仏立像までと思ったのだが、なぜか車では入れない。仕方がないので、手前の松林のところで駐車し、林の中に入っていった。入口には人が数人固まっていて、土産物を売ってるようでもあり、ピケを張って何かのデモをしているようでもある。林の中にも木と木の間に1メートル四方くらいの布になにやら書かれたものがあちこちに吊ってあって、落着かないったらない。単に「落石注意」とか「火気厳禁」などと書いてあるのか、あるいは「賃上げ要求」とか「不当解雇反対」などなのか、ハングルは読めても意味がまったくわからないので気になって仕方がなかった。 | |
と感激はしつつも、悲しいかな日頃運動不足のうえ食べたばかりでお腹の重い3人は、「まだ歩くのかなあ」「もうどのへんまで来たんだろう」「地図だとそろそろ石仏があるんじゃない?」とだらしのないことおびただしい。たまに傍らを我々より年のいった方々が慣れた足取りでさっさと通り抜けていく。みんなこのあたりは毎日の散歩コースといった雰囲気だ。 |
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1階のロビーに行くとダルマストーブに火が入っている。寒いものねえ。宿のお兄さんが暇そうにTVを見ていたので「セメダイン、イッスムニカ?」と聞いてみた。時計のベルトがとれてしまったのでくっつけたかったのだ。案の定通じなかったので、現物のベルトを見せると「ああ!」と言ってボンドを出してきて私から時計をとりあげくっつけてくれる。そのうち別のお兄さんも出てきて「なにしてんだ?」とちょっかいを出し、ふたりしてああでもない、こうでもないと言いながら妙に熱心に修理してくれた。そのうちに友人たちも出てきて「どうしたの?」。これこれこういうわけでと言うと、「うん、この人たち、やけに親切なんだよね。さっきも酒屋でビール買って帰ってきたら、シャワーの湯がしばらく出してないと出ないというのをずーっと実際にやって教えてくれた」「え〜? あのあとビール飲んでたの?」(^^;) |